読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
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池井戸潤 『シャイロックの子供たち』


*あらすじ*
ある町の銀行の支店で起こった現金紛失事件。女子行員に疑いがかかるが、別の男が失踪し…。
“たたき上げ”の誇り、格差のある社内恋愛、家族への思い、上らない成績…事件の裏に透ける行員たちの人間的葛藤。銀行という組織を通して、普通に働き、普通に暮すことの幸福と困難さに迫った傑作群像劇。


*感想*

シャイロック【Shylock】
シェークスピアの喜劇「ベニスの商人」に登場する強欲な高利貸しの名。(大辞林より)



という題名通り、本書も池井戸さん十八番の銀行を舞台とした物語でした銀行モグモグ


本書の舞台となるのは、大田区の住宅街にある東京第一銀行長原支店。そこで働く人々をそれぞれ10編の連作短編の主人公にして群像スタイルで銀行組織の模様や、行員たちの心情が語られる物語で、なかなか面白かったですぴかぴか

10話もありますが、メインテーマというか、本書のカギとなるのは
1 仕事の成績
2 行員の懐具合
3 家族への愛
の3点で、10話全て上記3点のいずれか、もしくは全てがベースになって描かれています。そしてさらに途中から「行内で100万円紛失事件」も発生し、ミステリー要素も含んだ短編集に変わり、群像劇にプラスα面白さが増えとても良かったわ〜ラブラブ
なので本書は結構幅広い人々に楽しめる内容なのではないかと思います桜

しかし私が一番頭と心に残った短編は、現金紛失のミステリーが絡んだ話ではなく、新規取引先獲得に苦戦する遠藤行員が主人公の、第四話「シーソーゲーム」という話でした。新規取引先の社長を紹介された時の、鹿島課長の対応は古川副支店長には絶対にできないであろう大人の対応でとても立派でした。そしてすっごく胸が痛かったです…ポロリ

ミステリー色を出すために、現金紛失事件に関わる重要人物の描写を「男」としか表記していなかったりして、少々読み難い文章もあるかと思いますが、読後は「平凡って素晴らしい」と思える結末かと思うので、是非ぜひ読んでみてくださ〜いぴかぴかるんるん


  ├ 池井戸潤 -
池井戸潤 『下町ロケット』


*あらすじ*
宇宙工学研究の道を諦め、実家の佃製作所を継いだ佃航平だったが、その経営は顧客から突然の取引停止、大手メーカーから特許侵害の疑いで訴えられるなど、会社は倒産の危機に瀕していた。しかしそんな時に佃製作所が持っている特許を20億円で譲ってほしいとの申し出が大手重工会社からあり、そのお金で資金繰りも問題なくなるはずだったのだが、佃は思わぬ提案を重工会社にする。町工場のブランド・意地・そして夢を詰め込んだ傑作。直木賞受賞作品。

*感想*
『大人になっても夢を持ち続けることができる』
そんな素敵な希望を本書からもらいました悲しい
生死が関わらない話でこんなに感動をしたのは久しぶりです悲しい

主人公は町工場の社長、佃航平。宇宙工学研究者を辞めて、町工場の経営者になったのだが、研究者の気質をそのままに水素エンジン、バルブシステムなどの特許を取得したところ、大手重工会社からその特許をロケット開発のために買い取りたいとの申し出がくる。しかし佃は特許を使用させるのではなく、もっと自身がロケット開発に携わるべく方法を提案をする…。
というストーリーるんるん

「特許の使用料金をもらう」のか「部品を自ら納入する」のか… きっと前者の選択をする経営者も世の中多いのではないでしょうか。いやむしろ、ほとんどが前者なのではないかな…。でも目の前の人参に飛びつかず、自分の気持ちと考えに素直な佃社長は本当にかっこよかったですグッド
本書の構成が上手いのが、前半部分に訴訟問題を通して、中小企業の弱さを読者に植え付けているところですよね。もちろん法廷でのどんでん返しも面白かったし、エンタメエピソードとしても最高でした!佃製作所社内分裂の収束のさせ方、結局造反者となってしまい退職した社員の最後のフォロー… それにそれに、ナカシマ工業と帝国重工の嫌な人間たちの描写が本当に上手かった!! 醜い女性を書かせたら桐野夏生に勝る人はいないけれど、社内権力と企業ブランドに溺れた醜い男を書かせたら池井戸潤に勝る人はいないと確信!桜
本当に本書の構成・展開・人物描写、どの部分をとっても見事でしたぴかぴか

なんとなく池井戸さんの作風が見えてきて、倒産・銀行・訴訟などなどが出てくると「またか」的な気持ちにもなるのですが、やっぱり面白いのでこれからも読んでいきたいと思いますラブ


  ├ 池井戸潤 -
池井戸潤 『空飛ぶタイヤ』


*あらすじ*
走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃した。ホープ自動車が出した「運送会社の整備不良」の結論に納得できない運送会社社長の赤松徳郎。真相を追及する赤松の前を塞ぐ大企業の論理。家族も周囲から孤立し、会社の経営も危機的状況下、絶望しかけた赤松に記者・榎本が驚愕の事実をもたらす。その事故は事件なのか!? 直木賞候補の話題作

*感想*
最近小説がどんどん映像化されている池井戸潤さんの作品をやっと初めて読みましたぴかぴか
本書はなぜ直木賞候補作に挙がりながらも受賞に至らなかったのかが理解でいないくらいに、力作で傑作で、本当に本当に面白かったです!! 単行本だと2段組みの500ページというボリュームなのだけれど、最初から最後まで緊張感が張り詰めていて、一気読みでしたぴかぴか

タイトルは「空飛ぶタイヤ」という、少々ファンタジーを感じさせるものなのですが、その内容は、巨大企業のリコール隠ぺいをめぐる、ビジネス&人情エンターテイメント作品でした。財閥系巨大グループ企業の一員ということから、町の運送会社をはじめとする他社に傲慢に振る舞うホープ自動車社員。それは誠意のない対応を通り越して、リコール隠ぺいという犯罪に繋がり、そのホープ自動車の身勝手な事情に自動車ユーザーの赤松、取引銀行、雑誌記者、そして家族を亡くした被害者が翻弄され… とあらすじを書くだけでも大変壮大な物語なんです。しかし多くの要素を含んでいたのに、最後はそれがしっかり畳み込まれるから圧巻でしたぴかぴか 綿密なプロットの上に出来上がった作品だということでしょうね。そして同時に描かれる登場人物たちの心情や思惑描写も秀逸で、私までもが一企業人になれたかのような錯覚を覚えました。

会社内の政治的やりとりは少々難しく私には非現実的に感じる場面もあったけれど、本書は「人を動かすもの。それは家族愛、人間愛、そして自分を貶める人や会社への反骨心である場合もある」とすっごく深いものが込められていて、私の胸にもとても響きましたぴかぴか 

とにかく本書は、モデルになった三菱リコール隠しを知らない人でも、企業人じゃない人でも、絶対に楽しめる多角的視点を持った傑作ですので、読んでみてください。
絶対に期待を裏切らない傑作ですラブ


  ├ 池井戸潤 -
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