読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
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加藤ミリヤ 『生まれたままの私を』

*あらすじ*
女性の裸を描き続けているヌード専門画家のミク。初めて開いた個展で、孤独を纒った美しい青年に出会う。この人が欲しい―彼をひと目見た瞬間、ミクの体内に始まりのサイレンが鳴り響く。ひとりの時間を愛し、絵を描くことで自分の存在する意味を探るミク。何度夜を重ねても心には触れさせてくれない、服飾デザイナーの恋人。腕に刻む小さなタトゥーに恋の願掛けをする、陽気な同性愛者の少年。キャリーバックを引き、繁華街を彷徨っては「神」を待つ家出少女。アーティスト・加藤ミリヤ初めての小説は、手なずけられない愛を巡る物語。

*感想*
デビュー7周年を迎えるシンガーソングライター、加藤ミリヤさんの小説デビュー作です。

本書のキーワードは「孤独」と「依存」。孤独なミクが美しい青年(レイ)に惹かれるという話がメインで描かれます。ミクの心情は設定されている22歳という年齢にしては少し幼くも感じ、世の中には色々な人がいるからという点で大らかに受け止めるとしても、やはり「携帯小説感」が否めない作品になっていたと思います。それは多分ミクの思考や世界観が、本人は達観しているつもりなのに私からみれば「痛い」(若気の至り)としか見えなかったからでしょうどんっ

文章面では、デビュー作だからという初々しさがあっても仕方がないとはいえ、
「もっと愛さなきゃって思うでしょう?」
などの歌の歌詞かと思える様な文章が多々出てくるのにはかなり違和感がありました汗
「これは独占の欲望か。私は多くを望もうとしているのか。別にただ居てくれるだけでよかったのに、触れたくなって、繋がりたくなって、それだけでもう充分だったのに、今度は本当に私たちの関係に名前を欲しがっている。」
という自分の思考を突き詰めていこうとする文章ではなかなか良い箇所もあったんですけどねくるりん

しかしなんだかんだ言っても、読みやすい内容&文章ではあったと思うし、最後まで楽しく読ませて頂きましたよぴかぴか。レイくんとどうなるのか気になったし、脇役もそれなりに活躍してましたしね!
そうそう、カバー装画も加藤ミリヤ自身が手がけたそうですね。加藤ミリヤさんって多才なんだなと、素直に尊敬ですぅ!! もしまた本を書かれるならば、次回作もまた読みたいと思いますぴかぴか


★か行 - その他の作家 -
河原れん 『聖なる怪物たち』

*あらすじ*
経営難に苦しむ総合病院に、ある夜、「飛びこみ出産」の妊婦がやってきた。当直の外科医・健吾による帝王切開手術の甲斐なく、妊婦は急死。身元のわからない新生児が病院に残された。直後、手術に立ち会った看護師長・春日井と、健吾の恋人でもある看護師・瑤子が、謎の男に「妊婦のことは口外するな」と脅され、数日後、健吾は院長から、この夜の出来事を理由に病院を辞めるよう言い渡される―。
妊婦は何者なのか?なぜ死んだのか?脅しに来た男は誰なのか?新生児は誰の子か?なぜ、病院を辞めなければならないのか?様々な疑問を抱える健吾は、「出産」にまつわるひとつの“真相”にいきあたるが…。

*感想*
2012年1月19日(木)テレビ朝日系:午後9時〜 ドラマ化
ということで読んでみました
しかも主演は岡田将生君ですからね 岡田くんメッチャかっこいいし、演技も悪くないから、ドラマ版は必見でしょう

ある1件の出産に纏わる物語を描いた本書。そこには予想だにも出来ない謎と、関係する人々の思惑が細かく綴られ、読み手を飽きさせない作品でした。
「妊婦はなぜ飛び込み出産だったのか?」「妊婦死亡を口封じさせようとしているのは誰なのか?」などなど、序盤から謎が多発し、中盤では多くの謎が紐解かれたと見せかけ… そしてラストで本当の真実を露呈するという、なかなか“やり手”な具合の展開で楽しめました
しかし全体的に人物描写が弱かったが残念だったわ。。。登場人物達それぞれが秘密を抱えているのだから、それ相応の心情描写が詳細に欲しかったです。特に瑶子については、健吾と春日井から見た状況描写が多かったが為に、感情移入が出来なかったのは勿論のこと、「謎を仕掛けている首謀者ではないだろう」という脇役目線で捉えてしまい、瑶子が登場すると気持ちが盛り下がりました

ドラマでは登場人物達のキャラをもっと立たせていくだろうし、次週へ繋げるための煽りも派手に作るでしょうから、本書はドラマ向きな作品なのかもしれませんね。
とりあえず、ドラマ放送を楽しみに待ちたいと思いま〜す





★か行 - その他の作家 -
加納朋子 『七人の敵がいる』

*あらすじ*
ワーキングマザーのPTA奮闘小説
育児と仕事を何とか両立してきた、ワーキングマザーの陽子。息子の小学校入学で少しはラクになるかと思いきや、PTA・学童父母会・地域子供会などに悲鳴を上げる、想像以上に大変な日々が幕を開けた……。
●入学早々、初の保護者会はPTA役員決めの修羅場に。空気を読めない陽子は、早速敵を作ってしまう。ああ、永遠に埋まらぬ専業主婦と兼業主婦の溝…「女は女の敵である」
●仕事と子育ての両立に不可欠な、義母のサポート。“孫のためなら”の影に押しやられた本音は不満だらけ!?「義母義家族は敵である」
●夫は結局、家事も育児も“他人事”。保護者会も母親の姿ばかり。働く母親にできて働く父親にできないことなんて、ないはずなのに…「当然夫も敵である」
その他、わが子や先生、さらにはPTA会長に戦いを挑む!?笑いあり、涙あり、前代未聞の痛快ノンストップ・エンターテインメント!

*感想*
先日高校時代の友人たちと集まった際、彼女たちの口からPTAについての不満と愚痴を聞きました。私の子供は2歳児のため、その愚痴の内容についていけず話に参加できなかったのですが、本書を読み終えた時に友人たちが文句を言っていた理由がやっと理解できました。本書はフィクションだとあとがきに書かれていますが、1児の母である著者の体験や取材を元に書かれたリアルな内容であることは間違いないと思います。

主人公は、出版社でバリバリ働く兼業主婦の陽子。仕事があまりに多忙のために、子供に関するPTA等の仕事は一切引き受けないと考え、学校や町内で次々と敵を作ってしまう… という内容です。
確かに本書で淡々と綴られる、PTAやサッカー少年団の保護者の活動内容を見ると、兼業主婦では務まらないであろう激務振り。しかしだからといって専業主婦ばかりがその役割を担うのは「兼業主婦家庭をサポートするために、私は専業主婦でいるわけではない!!」と頭にくるわけで。。。 なので、行き着くところは「社会全体で子供を育てるしくみをつくる」ってことなんでしょうね。本書ではタイトルとは裏腹に“兼業主婦 vs. 専業主婦”などではなく、仕組みそのものを読者に考えさせる展開になっていて大変良かったです。個人的には、子ども会の崩壊と、夏祭り開催の危機についてが深く印象に残ったわ

私も来年からは幼稚園児の母として、このような社会に参加することになります。気の強くない私には改革を起こすことは難しいかもしれないけれど、できれば未来の親御さんたちが何年後かに本書を読み「昔はこんなに大変だったのね〜」とただ笑って読めるような、合理的で保護者にも子供にも最良のしくみを作る一員になれれば良いなと思いました




★か行 - その他の作家 -
喜多由布子 『凍裂』


*あらすじ*
美人料理研究家・水原睦子(50歳)が、義父の通夜の後、夫・勝一(57歳)を包丁で刺し殺そうとした。ショッキングなニュースが社会面を賑わせる睦子を知る人物は首を傾げるが、彼女は容疑を認めている。いったい水原家に何が起きていたのか。根深く広がる問題「モラル・ハラスメント」をテーマにすえた、社会派家族小説。


*感想*
一見幸せに見える家庭で起こった殺人未遂事件。加害者は妻、被害者は夫。妻は容疑を認めているが、動機については黙秘を続けている…
結末を除けば、横山秀夫の「半落ち」を思い出させる作品でした。結局明かされる動機は、「半落ち」の様に美しいものではなかったけどね。


* ** 今日の感想はネタバレです!ご注意下さい! ***


加害者・被害者周辺の人々に、当人達の印象を語らせるスタイルは面白く、そしてとてもリアリティーのある人物像を描き出していたと思います。誰もが相手によって与える印象って違いますからね。これまた吉田修一の「悪人」ではないけれど、加害者や容疑者だからって万人にとって「悪人」なわけではないことが上手に伝わってきました。ただ、いつまでも判明しない“動機”に過剰な期待を寄せてしまい、期待以下の結末に感じちゃったな… 最後の引き金になった夫のセリフ以外にも、日常の鬱憤が妻の中に溜まっていたのでしょうが。私も夫に「夫婦でも所詮は他人なんだから」と言われたことありますよ


しかし、本書の一番の魅力は、世間でもっと認知される必要のある「モラル・ハラスメント」を描いたことだと思いました。一般的に「家庭内暴力」というと「DV」を思い描くと思いますが、殴る蹴るだけが暴力でないこと、そしてモラハラによって心身を追い詰められてゆく恐怖を、本書を通して私も学びました。
一人でも多くの人に本書を読んでもらい、モラハラの苦しみから抜け出せる人が一人でも増えることを願います。

 

 



★か行 - その他の作家 -
京極夏彦 『死ねばいいのに』


*あらすじ*
死んだ女のことを教えてくれないか―。無礼な男が突然現われ、私に尋ねる。私は一体、彼女の何を知っていたというのだろう。問いかけられた言葉に、暴かれる嘘、晒け出される業、浮かび上がる剥き出しの真実…。人は何のために生きるのか。この世に不思議なことなど何もない。ただ一つあるとすれば、それは―。


*感想*
京極夏彦といえば何を連想しますか?
私はまず一番に『手袋』です  それから『怪談・妖怪』でしょうか。
あの和装に黒手袋というスタイルは、一度見たら忘れられない組み合わせですよね〜


そんな京極さんの作品を初めて読みました。怪談・妖怪系には興味がないのですが、本書はミステリー・サスペンス系だとテレビで紹介されていたもので、それなら私にも読めそうだということでね


が、しかし、私の京極夏彦デビューは残念な感想となってしまいました… 正直読んでいてしんどかった

あらすじは、何者かによって殺害された女性(亜佐美)がどの様な人だったのかを、ある一人の青年(健也)が亜佐美を知っている人たちに尋ね歩く。しかし尋ねられた人々が語るのは、亜佐美の事ではなくて自身の事ばかりで…というものです。
その亜佐美の関係者達は、揃いも揃って、社会・会社・境遇に対しての不平不満を口にし、読んでいて非常に胸糞悪いものとなっています。更に、そんな彼らに向かって健也がキメ台詞の如く放つ「死ねばいいのに」というセリフがこの上なく私を不快にさせました。
確かに自分の不幸を他人のせいにしてばかりいたり、現状を変えようと努力しない事は良くないと思います。でも世の中には「そういう生き方しかできない人」も絶対にいるはずだと私は思うので、健也の思考は「弱い者を見下した言い分」にしか思えなかった。


人生に悩んでいる人には良い啓発本になるかもしれない。しかしそうでなければ、ただの説教臭い本と感じる1冊でしょう。

 



★か行 - その他の作家 -
小杉健治 『家族』


★★★☆☆


*あらすじ*
留守番をしていた認知症の老女が絞殺された。難航した捜査は、ひとりのホームレスへと行きつく。逮捕された男は罪を認め、やがて裁判が始まった。凶器にも自白にも問題のない、単純な事件かと誰もが思っていた。しかし、ひとりの裁判員の大胆な推理で、裁判は思いもかけぬ方向へと向かっていったのだった。不朽不滅の家族愛を謳う法廷ミステリー。


*感想*
平成21年5月から開始された、裁判員制度を盛り込んだ法廷ミステリーでした。


今まで法廷を舞台とした小説やドラマといえば、大概弁護士が主役というものが多かったと思うのですが、今回話の中心となるのは“裁判員=一般人”というのに、時代の流れを感じました。そして本書の設定も、裁判員制度が開始されたばかりで、裁判員に選ばれた市民達の動揺や苦悩が上手に描かれているので、今後裁判員に選ばれる可能性がある成人者達にとって、裁判員制度のしくみを大まかに知るには、参考になる一冊だと思います。


肝心な本書のミステリーとしての出来は… 正直平凡だったかな。裁判員(法律の知識がない一般人)が裁判の中で真実に迫っていくという展開は上手くできすぎで、犯人の真の犯行動機も想定の範囲内だったので(^▽^;) 


と、まぁ、ミステリーとしてはイマイチでしたが、老人介護問題や裁判員制度などの、今の社会の現状を当人と家族の目線で上手に描いているので、そこは良かったと思います。



★か行 - その他の作家 -
喜多川泰 『上京物語 〜僕の人生を変えた、父の五つの教え〜』


★★★★★


*あらすじ*
成功を夢見て上京した青年、祐介。いい暮らしがしたい。かっこいい車に乗りたい。自分の家が欲しい。誰もが思い描く「理想の人生」を追い求めていたはずだったのだが…


自分にしかできない生き方を見つけたい人に贈る、五つの新常識と三つの方法。


*感想*
『父から上京する息子へ贈る渾身の手紙』
という斬新な設定で綴られた自己啓発本でした。


“18歳” “大学進学” “上京”
この頃って、自分には無限の可能性があり、生き方次第で『成功者』になれると信じ、まさに夢と希望に溢れている時ですね。
私もそうでした。


しかし漠然と『成功』を夢見ても、そんなものは決して手に入らない。その現実に気が付くのは、残念ながら社会人になって「大多数の人と同じ平凡な人生」を送ってからなんですよね… そしていつの間にか夢を忘れ「こんなはずじゃなかったのに…」と思ったり…
本書は、そんな多くの人が陥りがちな生き方を打ち破るために何をするべきなのかを教えてくれる本でした。そして本当の幸せをつかむための考え方、心の持ち方も。


専業主婦の私にもためになる1冊でしたが、特に社会に出る一歩手前の若者に是非ともプレゼントしたい1冊だと思いました!


 



★か行 - その他の作家 -
北村薫 『ターン』


★★★★☆


*あらすじ*
真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。いつかは帰れるの?それともこのまま…だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。


*感想*
数年前からこの北村薫の『時と人シリーズ』が気になっていました。(1部「スキップ」2部「ターン」3部「リセット」)。しかし、気になった時すぐに本を購入、または図書館で借りないと、「興味を惹かれた」事を忘れてしまうのですよね(^▽^;)  それは私の記憶力に問題があるとか!? いやいや、きっと日々次々に出版されていく新刊があまりに多いせいだと私は信じているのですが…。


そんなこんなで、やっと読むことになった本書は、なかなか面白かったです。本書は普通の過去や未来にタイムスリップをしてしまうという話ではなくて、『定刻がくると、一日前に戻ってしまう。そしてそこの世界には自分以外誰も存在しない…』という少々目新しい展開なのです。時空間を飛ぶ物語というのは、人類にとって永遠のテーマであり、魅惑的なものですよね。
物語の進行方法も、主人公真希が天の声(心の声?)と対話しながら進んでいくという、変わった手法で面白かったです。読み始めた直後は、この天の声との対話を鬱陶しく感じたのですが、話の中盤に差し掛かる頃には、真希の考え方や心理を描写するのに欠かせない存在になり、そしていつの間にかこの2人の繊細でテンポの良いやりとりにとても惹きつけられていました。


もしも自分が真希の様に、「定刻がくると、一日前に戻ってしまう。」世界に迷い込んでしまったらどうするだろうか?
私なら… お料理を沢山作って後片付けをしない(前日に戻ると、物体の位置も元通りに戻ってしまうため)とか、なかなか購入するキッカケがつかめない、高級お菓子を片っ端から食べたりする(所持金額も元通りになるため)などかな。なんだか小さな夢ですね、しかもどちらも『食べ物系』の願望だσ(^_^;)


しかし、この『孤独に同じ日を繰り返し過ごす世界』に耐えられる人は、そうそう居ないでしょう。
「何日前には何をしていたということが残らない限り、明日という日が朧になる」
全くその通りだと思いました。

自分の精神力の強さと、モラルについて気付かされる話だと思います。是非読んでみてください。



★か行 - その他の作家 -
鯨統一郎 『オレンジの季節』



★★☆☆☆

*あらすじ*
会社員の立花薫は、憧れの上司であり、恋人でもある戎怜華にプロポーズした。怜華が突きつけた結婚の条件は「薫が専業主夫になること」だった。泣く泣く会社を辞めた薫を待っていたのは、大家族である戎家のしきたりと膨大な量の家事だった。専業主夫として慣れない家事に忙殺される薫。やがてストレスが爆発しそうになったとき、戎家である事件が起き―。

*感想*
この結末に驚かない人はきっといないと思います。
私は非常に驚いたし、なんでこういう終わり方をするのか、全く理解できません汗

物語の前半は個性的な装丁から受ける印象通りに、現代的なストーリー展開を主に専業主夫として翻弄される薫の模様がメインに描かれるのですが、終盤30ページ位で話がガラっと変わってしまいます。私は初めてこの作家の本を読んだのですが、著者の本はいつもこんな具合なのかしら?こういう展開を私は好まないので、もしも毎度こういう話ならば、もう手に取ることのない作家リストに入れざる負えないのですが…

前半の内容はなかなか良かったのに残念です。怜華が自らの寿退社を拒否するところなんて、現代女性の生き方を気持ち良く表現していたし、薫への家事のアドバイスも「洗濯物は裏のまま干すと、花粉やホコリが肌に触れる側に付着して、アレルギー体質の人は着れなくなる」など、説得力のあるものだったし。
このまま普通の「ファミリー小説」だったら“普通に読める本”という感想だったのになぁ。。。 ふぅ。。くもり


★か行 - その他の作家 -
上村佑 『守護天使』


★★★☆☆

*あらすじ*
女房の尻にどっぷり敷かれ、毎日の小遣い500円でカツカツの生活を送る須賀啓一(50歳)は通勤電車の中で見かけた美しい女子高生に恋をする。人生の半ばを過ぎながらも、生まれて初めてとも言える恋に燃えた啓一は、女子高生を陰ながら支える守護天使になることを決意する。そんな時、女子高生はあるトラブルに巻き込まれ変質者に誘拐されてしまう。啓一は彼女を救い出すことができるのか?そして彼の盲目的、騎士道的な恋の行方は…? 第2回「日本ラブストーリー大賞」大賞受賞作品。

*感想*
第2回「日本ラブストーリー大賞」大賞受賞作品との事だったので、どんな甘いラブストーリーなのかと思っていたら、あまりラブストーリーではありませんでした 笑。 てっきり「50歳妻子持ちオヤジと、女子高校生の禁断の愛の物語」かと思っていたのですがね(^▽^;) しかし実際に読んでみたら、中年オヤジの一方的片思いや、ネット犯罪を上手に組み込んだこのストーリーは失楽園の様な禁断の愛をズラズラと綴られるよりも、面白いと思う話でした(私にはね)。

本書はそんなに文字数が多い話ではなかったのですが、詰め込まれているエピソードの数は多く展開が速くて一気に読めました。啓一の家庭での肩身の狭さや、驚くべき鬼嫁の言動、それから啓一の唯一の友・村岡&元引きこもりのヤマトの登場、などを笑える台詞を交えながらグングン進んでいくストーリーは無駄な場面がなく良かったです。メインストーリーの誘拐劇も、トリック有りのちょっと手が込んだもので面白く、恋愛色がそんなに強くないこの作品でも「ラブストーリー大賞」を取れたのに納得しました。

登場人物達もそれぞれ現代を代表するメンツで(鬼嫁、ネットおたく、引きこもり等々)、この今の時代ならではの色を出していたと思います。昨今、父親の家庭での威厳がなくなっていると言われていて、その大きな要因に「妻は夫の悪口を子供達にこぼす」ということがあるそうです。この啓一の家庭も、その典型で妻の勝子に啓一は散々馬鹿にされるのですが、最後には勝子が「世界中がお父さんを悪く言っても、私たちは家族だから、お父さんを守るの。お父さんだって私たちを守ってくれるよ。」と子供達に言ったのには、ちょっとホロっとしちゃいました。

サラっと読めちゃうので、万人にお勧めです♪


★か行 - その他の作家 -
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