読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
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下村敦史 『黙過』

 

 

*あらすじ*

“生命"の現場を舞台にしたミステリー。

 

『優先順位』——意識不明の患者が病室から消えた! ?
『詐病』——なぜ父はパーキンソン病を演じているのか
『命の天秤』——母豚の胎内から全ての子豚が消えた謎
『不正疑惑』——真面目な学術調査官が犯した罪
『究極の選択』——この手術は希望か、それとも絶望か――

あなたは必ず4回騙される――

 

*感想*

下村さんは初めて読んだ作家さんなのですが、内容と文章が「ザ!男性作家!」って感じですね〜。筋肉隆々、無駄な脂肪なし、遠回しな表現なし、女々しい態度なし!という男性像をそのまま文章にした具合の作品だったと思います。

 

本書は5編からなる短編集で、全話“生命”にまつわるストーリーになっています。臓器移植提供者となりえそうな患者が忽然と病室から消えたり、家畜として飼われていた母豚の胎内から子豚が消えたり、妻と娘を亡くした男が意味深な言葉を残して自殺したりと…

それらは短編物語として、一応その話の中で謎は完結するのですが…、なんだかスッキリしない終わり方で、読んでいて非常にモヤモヤイライラしました。そしてそんな調子で4編を読み終え、最終話の『究極の選択』を半ば仕方なしに読むかとページを捲ったところ

 

―前知識が必要なので必ず他の四篇の読了後にお読みくださいー

 

との文言があるではありませんかーー!!!キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

まさかこういう構成になっているとは1ミリたりとも考えなかったので、この文言を読んだ瞬間、一気に脳内にアドレナリンが出ました!!私もみんなも大好きな散らばったピースが最終話でピタリとハマる系ミステリーだよこれーー!!って(*^_^*)

 

そして実際に読んでみると、この最終話は本当に素晴らしかったです。それまでの四篇が全てしっかりと生かされている内容で、各話では明かされなかった事実や裏のストーリーがきれいにまとめ上げられていて圧巻でした。そして何よりも”人が生きることの意味“”臓器移植の在り方“について深―く深―く考えさせられました…

 

 

***ここからちょっとネタバレ***

本書の真のテーマは「異種移植」でした。つまり豚など動物の臓器等を人間に移植するということ。そこには色々な倫理や価値観が付きまといます。しかしもし将来、人間の臓器を使わずに移植手術ができる時代が来たら、誰か他の“人間”の死を待ち望む必要がなくなる… だが豚の心臓をまるっと移植して生きることになった人は「自分を動かす心臓は人間のものではない…」という罪悪感や苦しみが出てくるだろう… では心臓まるっとではなく生体弁だけを動物の物を利用するのではどうなのだろうか?それには罪悪感なないのか?部分的に利用なら良いのか?

 

正直私には答えが出せません… しかしこうやって答えが出せずに悩んでいる瞬間にも、移植が間に合わずに命を亡くしている人々がいる… 医学が日々進み、技術的に異種移植ができるようになる日が来ることでしょう。だからこそ、私たち人間は考えなくてはいけない問題ですよね。

 

自分たちの将来のためにも、是非本書を読んで移植について考えてみてはいかがでしょうか?ミステリー調なのでスイスイ読めると思いますよー!

 

 



★さ行 - その他の作家 -
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