読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
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中山七里 『護られなかった者たちへ』

 

 

*あらすじ*

仙台市の福祉保健事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。三雲は公私ともに人格者として知られ怨恨が理由とは考えにくい。一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。三雲の死体発見から遡ること数日、一人の模範囚が出所していた。男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か?なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか?罪と罰、正義が交錯した先に導き出されるのは、切なすぎる真実―。

 

*感想*

「護られなかった者」とは、一体何から護られなかったのか…?と考えながら本書を読み始めました。

その答えは案外早く本書中で解ってきまして

・東日本大震災から護られなかった

・震災復興支援から護られなかった

・生活保護受給制度から護られなかった

がベースとなる物語でした。

 

特に生活保護受給制度問題を核にした物語だと序盤でわかったので、高齢化社会問題・貧富の格差問題・生活保護費不正受給問題・政府による生活保護費削減問題と深く絡めた社会派ミステリーを大いに期待したのですが… 実際にはそこまで深い物語ではありませんでした(;’’) というか、350ページ程度では収まらない問題なのですよね…これらは…

たしかに本文中に良い言葉がたくさんありました

 

2006年に厚労省が全国の福祉保健事務所の所長を集めて会議をし、生活保護利用率の低い自治体を「優秀」と評価し、その翌年に「優秀」と評価された北九州市から『おにぎりを食べたい』と書き残して餓死した男性のケースが明らかになった事例とともに

 

P180.

真っ当な行政機関という定義は何なのでしょうか。国民のためにはどんな無理難題でも抱え込む組織ですか。それとも省庁の指示通りに運営して行政に破綻を来たさない組織ですか

 

と問いかけてくるあたりは特に良かったです。これは私たちが忘れてはいけない事件だったと思います。

 

しかし物語は、上記と似たようなケースで大切な身内とも呼べるお婆さんを亡くした青年の、生活保護申請を却下した公務員への復讐物語になってしまうのです…

 

うーん… ミステリーとしは最後にちょっと意外というか盲点だった結末が用意されているので楽しめるかとは思うのですが、社会福祉の壮大な土俵で描いていた物語にしてはこじんまりした終焉だったかな。。。すっかり私も騙されてしまったのですがね(笑)

 

犯人の国の制度から見放された怒り、公務員の職務の理想と現実、そして震災という悲劇、色々な思いが交錯しすぎてしまった作品でした。

でもこれらの問題も国民全員で考えていかないといけない問題なので、多くの人に読んでもらいたい作品だと思います。

 

 



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