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川上未映子 『きみは赤ちゃん』
2015.01.30 Friday
*あらすじ*
35歳ではじめての出産。それは試練の始まりだった!
芥川賞作家の川上未映子さんは、2011年にやはり芥川賞作家の阿部和重さんと結婚、翌年、男児を出産しました。心とからだに訪れる激しい変化、そして分娩の壮絶な苦しみ……妊婦が経験する出産という大事業の一部始終が、作家ならではの観察眼で克明に描かれます。
さらに出産後の、子育てをする家族なら誰もが見舞われるトラブルにどう対処したかも、読みどころです。
これから生む人、すでに生んだ人、そして生もうかどうか迷っている人とその家族に贈る、号泣と爆笑の出産・育児エッセイ!
*感想*
あれ〜〜川上さんの旦那さまって『キャプテンサンダーボルト』の阿部和重さんだったんだー(今更)あ、ちなみにまだキャプテンサンダーボルト読めていません でも必ず近日読みます
私はあらすじを調べずに本書を読んだのですね、そしたらこれは妊娠・出産・育児エッセイだったので、当然ながらに旦那さまの話も出てくるのです。それで川上さんが旦那さまを「あべちゃん」と呼ぶのですが… そっかーあれは、読者も旦那さまが阿部和重さんだと知っている前提の「あべちゃん」でもあったのね、きっと
で、内容に関する感想ですが、さすが芥川賞作家さまと言いたくなる、面白さと繊細さが融合した作品でした
話の基本はもちろん「体験談」なのですが、そこに伴う悩み・苦悩・思考がとても感情豊かに、そして時には文学的に綴られるのです。特に私がグッときた所は2箇所ありました。
1つは今社会でも大きく問題として取り上げられている「出生前検査」について。これは川上さんの友人の言葉だったそうなのですが
「おなかの赤んぼうは100%こちらの都合で作られた命で、100%こちらの都合で生まれてくるのだから、それならば、われわれはその『生』を100%の無条件で、全力で受け止めるのが当然じゃないのだろうか。それが筋、ってもんじゃないのだろうか」
もう1つは産後に夫のことが無性に腹ただしく思える時期に綴った言葉
「出産を経験した夫婦とは、もともと他人であったふたりが、かけがえのない唯一の他者を迎えいれて、さらに完全な他人になっていく、その過程である」
どちらの言葉も、子供を持った家庭の夫婦ならすっごく深くうなずけるものだと思います。そしてこれ以外にも沢山マタニティーブルーのことや、産後クライシスの事も沢山綴られているので、本書は今から妊娠・出産・育児をする方、今まさにその真っ只中の方、そして既にそれらを一通り経験してきた方にも絶対楽しめ、そしてバイブルにもなる1冊でした
最後に、川上さんは産後にお仕事の都合でお子さんを保育園に預けることになるのですが、その時に専業主婦のお母さん・お父さんを慮るコメントを書いてくださっているのですね。
私は専業主婦の身で、子供とべったり24時間共にして正直疲弊しているので、その川上さんの言葉に涙が出ました 育児を経験した人っていうのは、この辛さをちゃんとわかってくれている。そして私たちの様な専業主婦の子供でも安心して子供を預けられる仕組みができるといいなと思ってくれていると。
川上さん、素敵なエッセイありがとうございました
沢山笑ったし、共感したし、そして自身の子供がより一層愛しく思えるようになりました
是非とも多くのママ、パパに読んで頂きたい1冊です
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