読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
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桐野夏生 『ハピネス』


*あらすじ*
三十三歳の岩見有紗は、東京の湾岸地区にそびえ立つタワーマンションに、三歳二カ月の娘と暮らしている。結婚前からの憧れのタワマンだ。一流企業に勤める夫を持つ、おしゃれなママたちのグループにも入り、有紗の生活も順調の様に見えるが、そこにはマンションの「分譲組」「賃貸組」「WESTタワー組」「EASTタワー組」といった格差などがある、微妙な世界だった。
有紗はママ友たちに見えない壁を感じ、そしてじつは皆には夫は海外勤務と話しているが、隠していることがいくつもあった。。。
「VERY」大好評連載に、新たな衝撃の結 末を大幅加筆!

*感想*
毒のある人物描写が秀逸な桐野さんですが、今回は主婦の心情とママ友との微妙なやり取りの暗い部分をジワジワと描いた傑作でしたぴかぴか

主人公の主婦有紗は、豪華なタワマンに住み、おしゃれなママ友もいて、一見順風満帆な生活に見えます。しかし内情は夫に離婚を迫られ、義両親からも「自分で働いて生計を立てていくべき」と迫れる暮らしだったのです悲しい 自立している女性読者からみたら、音信不通の夫と義両親に資金援助をしてもらいながらもタワマンに住み続ける有紗に苛立ちを感じる人もいたと思います。しかし私は有紗の願望と孤独を共感しました。

有紗の生活は見栄や欺瞞かもしれない、でも生活レベルを落とすことや新しい境遇に踏み出すことにはすっごく勇気がいることだし、可愛い娘にあらゆる可能性を与えてやりたいと思う親心。そして何よりも音信不通にしてきている夫に対して自分はそんなに酷いことをしたのかという疑問…

そんな中で、同じタワマン住人からの匿名手紙で心を乱されたり、エレベーターにはベビーカーを畳んで乗せるべきなのではないかという意見など、私が育児をしていて「私は社会的お荷物、弱者なのかもしれない」と思っている憂鬱を代弁してくれているかのような記述がポロポロ出てきて、すっごく読み入ってしまいました。
そして気弱になっている有紗とは対照的に、夫以外の男性から愛を注がれているが故に自信と輝きを持っている様に見える美雨ママの存在… 
本当に自立している女性から見たら、有紗や私が抱いている悩みや劣等感は取るに足りない事柄だと思います。でもそれが「主婦」なんだというのを、桐野さんは見事に描いてくれていましたぴかぴか

「OUT」や「グロテスク」などの衝撃ともいえる激しい醜さを求めている方には少々肩透かし感がある作風かもしれませんが、桐野さんの表現方法の新しい一面が読めて、私は大満足な1冊でした。「VERY」連載らしく、おしゃれな小物の記述も登場するし、とても読者層を的確に獲ている秀作だったと私は思います桜


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