読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
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三浦綾子 『塩狩峠』



★★★★★

*あらすじ*
「母はお前を産んですぐに死んだのだよ」と言い聞かされ、祖母に育てられた永野信夫だったが、祖母の死を機に「信夫の母」と名乗る女性が家へ戻ってくる。父に事情を聞いたところ、母はキリスト教徒の為に祖母に永野家を追い出されたという事だった。
信夫は自分を捨ててまでもキリスト教徒であり続けた母と、そのキリスト教を激しく嫌うのだが、次第にキリスト教へ興味を持ち始めてゆく。
信夫の生涯を通じて、「愛」「許し」「信仰」「人間存在」の意味を問う長編小説。

*感想*
あらすじを知らずに読み始めたところ、キリスト教が深く関わってくる話だったので、1968年という時代に刊行された本にもこのような内容があったのかと正直驚きました。
しかし内容はキリスト教徒ではない私でも読み易いし、そして何よりも心に響く言葉や人生について考えさせられる言葉が多く多々感銘を受けました。

沢山心に残る文章があったのだけれど、そのうちの数個を抜粋すると
「自分は必然的存在なのか、偶然的存在なのか」
信夫が自分の存在や生死について考え悩んでいた時の文章。
結局結論は出なかったけれど、自分の存在意義について悩んでいた十代の頃の私に是非読ませたかった一文。

「人よりも自分が偉いものであるかのように思い上がる。これほど神の前に大きな罪はない」
いろいろな努力を重ねてきた信夫だったが、母に「信夫も含め、この世の中には正しい人間など一人もいない」と戒められたときの文章。
信夫同様に自信過剰になり、謙虚さを欠いていた二十歳の頃の私に是非読ませたかった一文。

「病人や、不具者は、人間の心に優しい思いを育てるために、特別の使命を負ってこの世に生まれて来ているのではないだろうか」
信夫の親友の妹が抱える病と障害は「かわいそうな事なのか?」と問われ、信夫の親友が出した一つの答え。
親族の介護問題や、自身・配偶者が障害を持った時の不安を考える最近の私に少し勇気をくれた一文。

久し振りにずっしりと心に沁みる本に出会えました。信夫の様な君子には決して私はなれないだろうけど、これからはもっと心を広く豊かにもって生活していきたいとつくづく思わされました。
キリストを信仰していない人にもお勧めな傑作です。


  ├ 三浦綾子 -
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