読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
桜木紫乃 『裸の華』


*あらすじ*
舞台での大怪我が原因で引退を余儀なくされた人気ストリッパー。?
故郷で自分の店を開くことを決意した彼女のもとに、?2人の若い女性ダンサーが現れる。?
師匠から弟子へと伝えられる、「踊り子」としての矜持。?
『ホテルローヤル』の著者がおくる、極上の長編小説。?

*感想*
女性の芯の強さを描くのがとても上手な桜木紫乃さんなので、今回も私の人生の指標となるような強い女性、生き方、振る舞い方のヒントを得られたら嬉しいな〜♪とワクワクしながら読んだのですが…
うーん…残念ながら、今回は私の心の琴線に触れる箇所はありませんでした(;_;)

主人公は心と体に傷を持った元ストリッパー女性で、その女性の再起を描いた物語なのですが、なんともベタなストーリー展開で、驚きも感動もなく読み終えてしまいました(^_^;)

辛口で申し訳ないのですが、読んでいる間、何度も
「これはベタすぎだし、都合良すぎるだろぉ〜〜( ̄。 ̄;)」
と突っ込んでしまいました…

ネタバレ覚悟で具体的な箇所を書かせてもらうと、
主人公が開いたダンスショー店のダンサーは上手いことタイプの違う2人がオーディションに来てくれて、しかも特にダンスの上手い子は孤高タイプの訳ありちゃん。
→あるある。

店の要となるバーテンダーは、何故か不動産屋の営業マンが雇ってくれと言いだし、しかも彼はじつは元銀座のカリスマバーテンダーだったという真実。
→なんじゃそりゃ。

お店がなんとなく軌道に乗ってきた矢先、ダンスの上手い方の子に、他からの引き抜き(芸能界デビュー)の話が持ち上がる。店の存続には彼女の踊りが不可欠なのにどうする!!
→はいはい。最初からそうなると思ってました。

とまぁ。。。
ケチをつけるようで申し訳ないのですが、私には退屈な内容でした。
そして、一番私をあんぐりとさせた内容が、お店の経営を軌道に乗せるべく、オーナーのノリカは四苦八苦し、そして貯金も目減りして不安に感じているのにも関わらず、女性用の風俗に通ってるってところ(>_<) 本作品が元ストリッパーという設定で、「小説すばる」連載作品だったことこら、多少の官能シーンは必要だったのかもしれませんが、従業員お給料を満足に出してあげられるかどうか心配しているオーナーが、自分は快楽を求めて風俗に行くっておかしいでしょ…

ううう… 桜木紫乃さんの作品大好きだからこそ、本作品は残念で仕方ないです(o;ω;o)

展開はイマイチだったけど、やはり文章は美しいし、あと音楽の描写がとても具体的だったので、「シング・シング・シング」「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」「HAVANA」、そして沢田研二の「危険なふたり」などをご存知の方は、脳内で音楽が流れて、本作品を楽しめるかと思います。
読んでみて下さいね。



  ├ 桜木紫乃 -
桜木紫乃 『星々たち』


*あらすじ*
奔放な母親とも、実の娘とも生き別れ、昭和から平成へと移りゆく時代に北の大地を彷徨った、塚本千春という女。その数奇な生と性、彼女とかかわった人々の哀歓を、研ぎ澄まされた筆致で浮き彫りにする九つの物語。

*感想*
はぁ〜〜ギザギザ やっぱり桜木さんの書く文章は心に沁みるわぁ…ポロリ
程よい湿度を持った内容と文章で綴る「塚本千春」という女の物語は、私の人生とは何ひとつリンクすることも、共感できるところもないのだけれど、千春の虜になった男たちと同様に、私のことも魅了していきましたぴかぴか

9編に渡って描かれる塚本千春の生き方は、今風な言い回しでいう「私って○○な人だからぁ〜」というような書き方は一切されていません。むしろ千春は最小限の言葉しか発しないのです。しかし周りの人々の心情を通して、千春という人の輪郭がなんとなく見えるという、まさに著者の筆力が光っていた作品でしたぴかぴか

特に私が息を飲みながら読んだ作品は、6話目の『逃げてきました』でした。それまで愚鈍な印象が強かった千春が、意外な才能を発揮し、そして本当は私が思っている以上に狡猾な女なのかと思った作品だったからです。私は「詩」のルールやたしなみ方を知りませんが、『女体』は確かに衝撃的で良かったです。

あのひとは わたしにはいってきたけれど
わたしは あのひとにはいることができなかった


これは肉体的な面だけでなく、精神的な面でも千春が相手の男性に依存することがなかったとも読み取れ、読んでいて哀愁を感じた一文でした。

純文学すぎず、エンタメ過ぎない桜木作品、やっぱり私は大好きですラブ
トリック物に飽きた方は是非読んでみてくださいね。
活字を愛する大人には絶対に楽しめる作品だと思いますよ〜ラブ


  ├ 桜木紫乃 -
桜木紫乃 『氷平線』


*あらすじ*
真っ白に海が凍るオホーツク沿岸の町で、静かに再会した男と女の凄烈な愛を描いた表題作、酪農の地を継ぐ者たちの悲しみと希望を牧草匂う交歓の裏に映し出した、オール讀物新人賞受賞作「雪虫」ほか、珠玉の全六編を収録。北の大地に生きる人々の哀歓を圧倒的な迫力で描き出した、著者渾身のデビュー作品集。

*感想*
『ホテルローヤル』で直木賞を受賞した著者のデビュー作品集です祝
本書に収録されている『雪虫』で2002年にオール讀物新人賞を受賞されたとのことですが、作風や表現力は『ホテルローヤル』と同じ位のレベルの高さで正直驚きました桜

とにかく本書も繊細ですぴかぴか
北の大地を舞台に描かれる6編はいずれも湿っぽく鬱屈とし、登場する人々の胸の内は複雑で、適温に保たれた室内で読書をしている私の周りにも、北海道の冷気や霧を感じるかの様な粒子の細かい言葉たちで作り上げられた作品集でした。

6話それぞれの大まかなあらすじはこちらdown

『雪虫』 他国出身の嫁をもらうことになった酪農家の男の話
『霧繭』 和裁師として独立し、弟子を持つことになった女の話
『夏の稜線』 東京から農業研修で北海道の農家へ嫁いだ女の話
『海に帰る』 理容室を営む男の話
『水の棺』 歯科医師として働く女の話
『氷平線』 親と故郷を捨てたが、税務署長としてその地へ戻ってきた男の話

なんだか随分と大雑把なあらすじになってしまいすみませんたらーっ

この6編には全て男女の性愛が描かれていて、著者を『“新官能派”作家』と呼ぶコピーまでもがあるのですが、本書と著者の素晴らしい所は、その官能の先に「女性の強さ」を描いているところだと私は本書を読んでいて思いました。
これら6編の中には、一見男に翻弄されている様な女たちが登場するのですが、全員最後には自分で人生を決めて歩き出していくんです。男を待ちぼうけにさせる女が登場したり、性愛の描写で男に組み敷かれる場面ばかりでなく、女性がリードする場面もあったりと、そういう細かい描写からも桜木さんの描きたい世界観や女性の生き方がよく伝わってくる作品でした。
そして、私もそういう風に自分で生きる道を決められる強い女性になりたいと思いましたぴかぴかぴかぴか

男性には伝わりにくい面白さかもしれないけれど、とりあえず一度は桜木作品読んでみてほしいなー 素晴らしい作家さん&作品だと私は太鼓判を押しますので!!


  ├ 桜木紫乃 -
桜木紫乃 『蛇行する月』


*あらすじ*
「東京に逃げることにしたの」道立湿原高校を卒業したその年の冬、図書部の仲間だった順子から電話がかかってきた。
二十も年上の職人と駆け落ちすると聞き、清美は言葉を失う。
故郷を捨て、極貧の生活を“幸せ" と言う順子に、悩みや孤独を抱え、
北の大地でもがきながら生きる元部員たちは引き寄せられていく――。

*感想*
心に沁みました悲しい
桜木さんの文章・作品は、いつも私の乾いた胸の奥に適度な潤いを与えてくれます。もちろん本作品も然り。

本書は20歳も年上の和菓子職人と駆け落ちした順子を知る、6人の女性達の物語です。順子主体の文章は出てこないのだけれど、章の主人公を務める相手方の心情・動向と、過去の回想で順子の様子を読者へ伝えていく手腕は面白く、そしてその「股聞き」的な文章が更に順子への興味をかきたてられ、一気読みしてしまいました桜

順子がどのような人なのかを読者へ伝えていく手法も面白かったのですが、やはりとにかく桜木さんは文章と本書に込められている主題が本当に良い!!!上手い!! 素敵!!
桜木さんの小説には「誰かが死ぬ」→「不幸」。「恋が成就する」→「幸せ」。というような即物的な判断が出てこなくて、むしろ「衣食住や仕事に多少の不便さはある」→「幸せ」というどこか歪な世界を描き、読者へ「幸せはどこにあるのか?」という道徳的なことと向き合わせてくれるんです。

私も本書を読み終えた後「私の幸せ」について考えさせられました。そして本書から得た答えとしては「自分の強さが、自分を幸せにする」ってことかな。私の今の生活は、順子よりも経済的にも環境的にも恵まれていると思うんです。でもね、何か満たされない思いを抱えている。きっとそれは本書に登場してきた女たちと同じように。だからそれは自分の思考を変えるしかない。上記で述べたような即物的な「○○がある」→「幸せ」という図式を自分自身で変えるしかないってことなんですよね。

はぁ〜。桜木さんは私の心の師匠になる作家さんだわぁ〜ぴかぴか
金爆の大ファンだというはじけた部分も含め、私は桜木さんが好きだと強く思った作品でしたラブラブ
是非読んでみてください!「幸せ」の推し量り方がきっと変わる作品だと思いますラブ


  ├ 桜木紫乃 -
桜木紫乃 『ホテルローヤル』


*あらすじ*
ホテルだけが知っている、やわらかな孤独
湿原を背に建つ北国のラブホテル。訪れる客、経営者の家族、従業員はそれぞれに問題を抱えていた。閉塞感のある日常の中、男と女が心をも裸に互いを求める一瞬。そのかけがえなさを瑞々しく描く。
第149回(2013年上半期)直木賞受賞作品

*感想*
時々「直木賞受賞作品を読んだけれど面白くなかった」という言葉を読んだり聞いたりしますが、近年の直木賞の選考基準に「中堅作家」という点が加味されるようになったということから、たとえ受賞作品が自分の好みに合わなくとも、その作家さんの作品は秀作が多いということを皆さんに知ってもらえたら嬉しいなと本書を読み思いました。

私は個人的には本書はとても面白かったと思いますラブラブ でも桜木さんの長編はもっと面白いの!!ラブラブ なので本書の短編集スタイルに読み応えを感じなかった方も、とりあえず著者の長編読んでみて下さい! それからでも桜木さんが直木賞受賞作家という名がふさわしいかどうか判断するのも遅くないと思いますよぴかぴか

と、前置きが長くなってしまいましたが…本書の話をしましょうねニコニコ
本書には北海道の湿原を背に建つラブホテル『ホテルローヤル』に絡んだ7つの短編が収録されています。 『恋人から投稿ヌード写真撮影に誘われた女性、貧乏寺住職の妻、舅との同居で夫と肌を合わせる時間がない専業主婦、親に家出された女子高生と妻の浮気に耐える高校教師、働かない十歳年下の夫を持つホテルの清掃係の女性、そして複雑な事情を抱える経営者家族…。』
それらの話が時を遡る構成で収録されているので、ホテルローヤルにはどのような過去があったのか!? というミステリアスな部分も楽しみつつ、各短編の愛憎劇も楽しめる内容となっていて飽きたり中だるみも全くなく良かったですラブ 
特に私が気に入った話は4話目の『バブルバス』でした。仕事家事育児舅の世話に追われ、金銭的余裕も全くない主婦がそれでも夫を大切に思う気持ちがとても温かくてジーンとしましたポロリ
ラストの

「五千円でも自由になったら、わたしまたお父さんをホテルに誘う」


のセリフには心を射抜かれ、いつか私もそんなセリフ言ってみたいとすら思いました。夫を「おとうさん」と呼ぶような熟年的な仲なのに、その大胆で愛のあるセリフ… このギャップたまらないですねてれちゃう


桜木紫乃さんという作家を世間に広め、私も知るに至った直木賞に感謝いたしますぴかぴかぴかぴかぴかぴか
本書も大変楽しませて頂きました桜


  ├ 桜木紫乃 -
桜木紫乃 『無垢の領域』


*あらすじ*
知らないままでいられたら、気づかないままだったら、どんなに幸福だっただろう――革命児と称される若手図書館長、中途半端な才能に苦悩しながらも半身が不自由な母と同居する書道家と養護教諭の妻。悪意も邪気もない「子どものような」純香がこの街に来た瞬間から、大人たちが心の奥に隠していた「嫉妬」の芽が顔をのぞかせる――。いま最も注目される著者が満を持して放つ、繊細で強烈な本格長篇。

*感想*
これは読み手を選ぶ小説かもしれない。今の私には強く重く心に響く物語だったのですが、きっと5年前の私には理解できず退屈な小説だったと思えるからです。

登場人物たちは「幸せか」「不幸か」と聞かれれば、決して不幸だとは言いきれない人々。だけれど彼らの生活・環境・状況は自らが思い描く「理想」とは違うもので、閉塞感やストレスを抱えている… そして、そのストレスを解消し、自身の欲望に忠実になろうかともがくのだが… 
というのが根底にあるストーリー。派手で大きな事件や展開が終盤まではなく、心情描写で読ませていく作りだったので、登場人物達の心情に近い思いを抱いた事のない読者には読み難い小説かなと思います。でももし少しでも共感できたり、彼らのその胸の内を自身のものかのように重ね合わすことができたら絶対に面白いだろうし、桜木紫乃さんの魅力に捕らわれてしまうと思いますぴかぴか

私自身は「家庭内で家族の世話に縛られている身」として秋津の心情に強く感情移入をしました。お世話をする対象が介護なのか育児なのかの違いはあれど、時間と行動を制限され、さらには経済面を配偶者に頼り、なんとなく肩身が狭い思い、すごくよくわかりましたポロリ
でもそうやって虚無感ばかりを抱えてる人々の中に生きる純香の存在がとても美しくて、輝いていて、でもやっぱりどこか疎ましくて…。また純香とは違う意味で、自分たちの感情にストレートな高校生たち(嘉史と沙奈)の存在が、人間の心の複雑さと強さを感じさせ、とにかく登場人物全員が何かを抱えてる素晴らしい小説だったと思います桜


  ├ 桜木紫乃 -
桜木紫乃 『ラブレス』


*あらすじ*
あたしは、とっても「しあわせ」だった。風呂は週に一度だけ。電気も、ない。酒に溺れる父の暴力による支配。北海道、極貧の、愛のない家。昭和26年。百合江は、奉公先から逃げ出して旅の一座に飛び込む。「歌」が自分の人生を変えてくれると信じて。それが儚い夢であることを知りながら―。他人の価値観では決して計れない、ひとりの女の「幸福な生」。「愛」に裏切られ続けた百合江を支えたものは、何だったのか? 今年の小説界、最高の収穫。書き下ろし長編。

*感想*
第149回直木賞を『ホテルローヤル』で受賞した桜木紫乃さんの作品を初めて読みましたぴかぴか 本書も骨太なストーリーを繊細な文章で綴っている、かなりの良作だと思ったら、こちらも146回直木賞の候補に選ばれていたのですね上向き(ちなみにこの回の受賞作品は葉室麟『蜩ノ記』)

「ちょっとお母さんの様子を見に行ってくれない?」
という百合江の娘(理恵)からの電話で、百合江の住居を訪ねることになった小夜子。訪ねてみるとそこには見知らぬ老人男性と、胸にしっかりと位牌を抱きしめる老衰しきった百合江の姿があった…
そして物語は昭和26年まで遡り、百合江の幼少期から現在までと語られてゆく。

というのが本書のストーリー。百合江が現在の状況に至るまでにどの様な人生を歩んできたのか?位牌は誰のものなのか?老人男性は誰なのか?そして百合江の実の妹である里美との確執はどうやって生まれたものなのか?など多くの疑問を持ったまま、物語は過去へと遡るので、物語にとても入りやすいです。しかも過去の話はとても壮絶で、衣食住に恵まれた生活を送っている私にはショッキングだったりもして、胸を痛めながら読んだ箇所も多く、そして最後は位牌の意味や綾子とは誰なのか、そしてそれら全てを含めた百合江の人生を垣間見て感動しました悲しい

装丁と題名からはスタイリッシュな印象を受けそうな本書ですが、地方を舞台に中身はとても壮大で愛があるようで愛が欠けてる(ラブレス)物語になっています。
終始トーンは暗いですが面白いので是非読んでみてくださいラブ
★おまけ★
私は、誰が誰の娘だったか途中混乱してしまってたのねたらーっ
(母)百合江→(娘)理恵
(母)里美 →(娘)小夜子
みなさんはそんなことなかったかな〜(笑)


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