読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
中山七里 『護られなかった者たちへ』

 

 

*あらすじ*

仙台市の福祉保健事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。三雲は公私ともに人格者として知られ怨恨が理由とは考えにくい。一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。三雲の死体発見から遡ること数日、一人の模範囚が出所していた。男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か?なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか?罪と罰、正義が交錯した先に導き出されるのは、切なすぎる真実―。

 

*感想*

「護られなかった者」とは、一体何から護られなかったのか…?と考えながら本書を読み始めました。

その答えは案外早く本書中で解ってきまして

・東日本大震災から護られなかった

・震災復興支援から護られなかった

・生活保護受給制度から護られなかった

がベースとなる物語でした。

 

特に生活保護受給制度問題を核にした物語だと序盤でわかったので、高齢化社会問題・貧富の格差問題・生活保護費不正受給問題・政府による生活保護費削減問題と深く絡めた社会派ミステリーを大いに期待したのですが… 実際にはそこまで深い物語ではありませんでした(;’’) というか、350ページ程度では収まらない問題なのですよね…これらは…

たしかに本文中に良い言葉がたくさんありました

 

2006年に厚労省が全国の福祉保健事務所の所長を集めて会議をし、生活保護利用率の低い自治体を「優秀」と評価し、その翌年に「優秀」と評価された北九州市から『おにぎりを食べたい』と書き残して餓死した男性のケースが明らかになった事例とともに

 

P180.

真っ当な行政機関という定義は何なのでしょうか。国民のためにはどんな無理難題でも抱え込む組織ですか。それとも省庁の指示通りに運営して行政に破綻を来たさない組織ですか

 

と問いかけてくるあたりは特に良かったです。これは私たちが忘れてはいけない事件だったと思います。

 

しかし物語は、上記と似たようなケースで大切な身内とも呼べるお婆さんを亡くした青年の、生活保護申請を却下した公務員への復讐物語になってしまうのです…

 

うーん… ミステリーとしは最後にちょっと意外というか盲点だった結末が用意されているので楽しめるかとは思うのですが、社会福祉の壮大な土俵で描いていた物語にしてはこじんまりした終焉だったかな。。。すっかり私も騙されてしまったのですがね(笑)

 

犯人の国の制度から見放された怒り、公務員の職務の理想と現実、そして震災という悲劇、色々な思いが交錯しすぎてしまった作品でした。

でもこれらの問題も国民全員で考えていかないといけない問題なので、多くの人に読んでもらいたい作品だと思います。

 

 



  ├ 中山七里 -
中山七里 『闘う君の唄を』


*あらすじ*
新任幼稚園教諭として埼玉県秩父郡神室町の「神室幼稚園」に赴任した喜多嶋凛は、モンスターペアレントたちの要求を果敢に退け、自らの理想とする教育のあり方の実践に務める。当初は、抵抗されるも、徐々にその熱意が伝わり、周囲の信頼も得られていくのだが…。

*感想*
本書の前半は、新任幼稚園教諭の凛がモンスターペアレントたちに屈することなく、自分の理想とする幼児教育をしていくという「熱血教師(教諭)モノ」で、ミステリー作品を多く発表している中山七里さんにしては随分と異色作品だなと思わせてきます。しかし中盤からは、過去にその幼稚園で起きた殺人事件とその犯人の冤罪の可能性についても描かれ、更にはその犯人と凛の関係性…凛の受け持つクラスの園児たちの怪我と失踪…と、ミステリー色が後半は強くなった作品でした。

本書は今までの中山作品にない舞台設定で、著者の頑張りはかなり伝わってくるのですが、子育て中の主婦目線で読むと、物語のセンターポジションを占めてくる園児とその親たちの言動や設定にかなり無理を感じました…ひやひや 今は幼稚園バスを降りた後に園児一人で自宅まで帰らせたり、一人で遊びに外に出すということは有り得ません。しかもそれをモンスターペアレントと化している、子供と子供の世界に過干渉の親がすることとは到底理解できませんでした汗 ので子どもたちの言動的には小学校1年生位のレベルが妥当な設定だったと思うのですが、モンスターペアレントをふんだんに登場させるには小学校よりも幼稚園の方が入れ込みやすいという理由でこうなってしまったのかな…?

中盤からのミステリー部分も、すんなり犯人がわかってしまって、正直「なんだかなぁ〜〜たらーっ」という感想でしたが、中山作品でお馴染みの刑事:五味と渡瀬に免じて良しとしましょう(上から目線ですみませんあせあせ

本書にも「冤罪」と「犯罪者の家族が受ける世間からの悪意」などの重いテーマが入っていますが、それがメインテーマではなかったためなのか、あまり深くは追求されていなかったので、次回はまた『テミスの剣』の様な重〜い作品をじっくり読ませていただきたいな桜


  ├ 中山七里 -
中山七里 『嗤う淑女』


*あらすじ*
“稀代の悪女"=蒲生美智留(がもう・みちる)。
天賦の美貌と巧みな話術で、人々の人生を狂わせる――

野々宮恭子のクラスに、従姉妹の蒲生美智留が転校してきたのは中一の秋だった。
時を経て、27歳になった美智留は「生活プランナー」を名乗り、
経済的不安を抱える顧客へのコンサルタント業を行なっていた。アシスタントは恭子だ。
ストレス解消の散財によって借金を抱える銀行員の紗代、
就職活動に失敗して家業を手伝う弘樹、
働かない夫と育ちざかりの娘を抱え家計に困窮する佳恵……
美智留は「あなたは悪くない」と解決法を示唆するが……。

人々はどのようにして美智留の罠に堕ちてゆくのか。美智留とは何者なのか!?
奇才が描くノンストップ・ダークヒロイン・ミステリー。

*感想*
美貌と話術と行動力で、次々に狙った獲物を自在に操り陥れていく悪女=蒲生美智留(がもうみちる)。獲物たちをまるで「(獲物たち)自身の意思・決断でその一線を越えたのだ」と思わせる手腕は華麗に見事で、犯罪だと知りつつ私自身も美智留に魅了されながら読み進めてしまいました。“稀代の悪女"ランキングを付けるならば、東野圭吾氏の『白夜行』ヒロイン雪穂に次いで、美智留は第2位にランクイン間違いなしです!!(1位じゃなくてスミマセンたらーっ

本書は下記5章で構成されています。
一.野々宮恭子
二.鷺沼紗代
三.野々宮弘樹
四.古巻佳恵
五.蒲生美智留

1章の野々宮恭子の時点で、美智留の悪女っぷりは強烈に発揮されているので、第1章を読み終えたと同時に「美智留はどんな大人になってしまうのだろう…汗」と心配になりました。 そして目次を見返してみると第5章に美智留の章があることを知り、美智留の行く末を読むことができるという期待でワクワクが止まらなくなり、一気読みでしたラブ
そして2章からはその期待とワクワクを裏切らない、美智留の成長した姿が綴られていきます。とは言っても、物語は『獲物』の視点で描かれるので、美智留はまるで脇役の様な存在です。しかしその短い登場シーンにガッツリ爪痕を残して、更には獲物の心身を操っていく様は圧巻でした桜
美智留はまず獲物たちの話をじっくり聞き、そして『同調』と『容認』という作業をするのですよね。自分が心身共に健康であると、詐欺に遭う人が理解できないかと思うのですが、自身が弱っていて、さらにそれを相談する相手がいない時、詐欺師(美智留)が救世主に見えてくるというカラクリを間近で見られた気分で面白かったです。

皆さんも仕事や親や配偶者に何か強いストレスを感じている時に美智留に「あなたをそんなに追い詰めている原因は何かしら?それを排除することによってあなたはもっと飛躍できるのよ!」なんて言われたら一線を越えてしまう可能性はありそうですか?(笑)私は4章:古巻佳恵と同じ状況に陥ったら佳恵と同じ決断をしてし…(あとはご想像におまかせしますイヒヒw)

悪女物語が好きな方は絶対に好きな作品だと思いますし、何か中山七里作品を読んだことある方は著者の抽斗の多さにびっくりもする傑作なので是非とも読んでみてくださいぴかぴか
少々グロテスクな表現も出てきますが、美智留がここまで狡猾に成長したのは、強くならなければ生きてこられなかった過去があったからという意味もあり、必要な描写だったと理解します。

とにかく面白かったですムード!中山さん素敵な作品ありがとうございますてれちゃう


  ├ 中山七里 -
中山七里 『ヒポクラテスの誓い』


*あらすじ*
栂野真琴(つがのまこと)は浦和医大の研修医。単位不足のため、法医学教室に入ることになった。真琴を出迎えたのは法医学の権威・光崎藤次郎教授と「死体好き」な外国人准教授キャシー。傲岸不遜な光崎だが、解剖の腕と死因を突き止めることにかけては超一流。光崎の信念に触れた真琴は次第に法医学にのめりこんでいく。彼が関心を抱く遺体には敗血症や気管支炎、肺炎といった既往症が必ずあった。「管轄内で既往症のある遺体が出たら教えろ」という。なぜ光崎はそこにこだわるのか―。
解剖医の矜持と新人研修医の情熱が、隠された真実を導き出す―

*感想*
「あなた、死体はお好き?」
という衝撃的な一文から始まる本書。法医学教室を舞台に、死因の真相究明を連作短編というスタイルで描いた作品でした病院

本書には5話の短編が収録されているのですが、全話まるで水戸黄門の如くに同じ展開をします。
1.死体がでる
2.検視官・監察医・医師の判断により事件性のない死体で解剖の必要はないと判断される
3.光崎教授が解剖の必要があると主張する
4.どうにか遺族を説得して解剖した結果、新事実が判明する

この展開だけを読むと毎回お決まりの流れで読んでいて飽きそうに思うかもしれませんが、主人公真琴の成長と、光崎教授の他人に明かさない秘密が進化しながら描かれていくので、長編小説の様にも楽しめましたるんるんあと個人的には古手川刑事と真琴の関係も気になったりしてね…ラブ だって最初は古手川に苦手意識を持っていた真琴が、4話目では古手川のスボンに顔を押し当てて泣いてしまうシーンがあるのですよ!!それって普通心を許している間柄じゃないとできないですよねてれちゃう

そして言葉の応酬も秀逸でした。唯我独尊、または傲岸不遜ともいえる、解剖医学の巨匠(光崎)の思考と言葉は凡人には決して口答えできない弾丸ぶりで圧巻でした!そこにまた外国人准教授キャシーのスパイス的日本語も入り、心をえぐる深さとユーモアのある文章が多く素晴らしかったです桜

しかし展開も文章も素晴らしかったのだけれど、光崎がその死体を絶対に解剖したいと思うに至った経緯(いつの時点でそう思ったのか?その根拠は?)と、ラストの医学的種明かしが素人である私にも少々無理矢理感を感じてしまったので、今回は星4つにさせてもらいました。
「それだけで充分じゃないか。人が人を信用する理由なんて」(P121.古手川のセリフ)
と私も光崎教授を信用・信頼したいところだったのですがね(笑)たらーっ

本書は本書で完結しているのだけれど、真琴はまだ研修医のままですし、古手川刑事とも少し距離を縮めてきている気もするので続編を楽しみにしていまーすラッキー

ちなみに「ヒポクラテスの誓い」とは、医学の父ヒポクラテスがギリシア神への宣誓文として謳ったもので、医大と名がついているところには大体一枚はどこかに掲示してある文のことだそうです。

純粋に面白い1冊でした。医学や解剖に興味ない方でも絶対に楽しめる作品ですよ〜ポッ


  ├ 中山七里 -
中山七里 『月光のスティグマ』

*あらすじ*
再会したのは愛しき初恋の女か、兄を殺めた冷酷な悪女か。この傷痕にかけて俺が一生護る――。
月夜に誓った幼なじみは、時を経て謎多き美女へと羽化していた。東京地検特捜部検事と、疑惑の政治家の私設秘書。追い追われる立場に置かれつつも愛欲と疑念に揺れるふたりに、やがて試練の時がやってくる。阪神淡路大震災と東日本大震災。ふたつの悲劇に翻弄された孤児の命運を描く、著者初の恋愛サスペンス!

*感想*
「広げた風呂敷を畳み切れていない」
と思った作品でしたがく〜

300ページ弱の本に主人公の幼少期〜30歳までの物語が描かれ、阪神淡路大震災と東日本大震災、そして終盤は政治までもが絡むというエピソード満載作品で、非常に良いペースで話が展開していきます。なので飽きる事はなかったのだけれど、結局ストーリーをどういう方向に持って行きたかったのか不明瞭になってしまっているように感じました。

私がもう少しちゃんと回収してもらいたかったエピソードは、
麻衣と優衣の見分け方。そして再会した女性は本当に優衣の方なのか
優衣は是枝が好きなのに、なぜ淳平と関係を持ったのか
麻衣と優衣は淳平が約束した『護る』をどの程度本気にしていたのか
是枝を逮捕するための証拠とはどんなものだったのか

などなど、挙げるとかなりあります…あせあせ

もぅ、なんで本書を500ページ越えの大作にしなかったのかと私は聞きたい!ひとつひとつのエピソードがしっかりしているから、絶対にあと200ページ位は書けたはずですし、というか書かないと上記の様に読者が納得いかない箇所がありすぎでした。
そしてタイトルの『月光スティグマ』というのも、もっとストーリー展開に深く関わらせてほしかったな。例えば麻衣と優衣の眉の上の傷は、一見全く同じに見えるけれど、月光に照らしてみた時だけ違いが出るとかね。

文庫本で出すときは是非とも200ページの加筆をお願いします汗
ページ数が足りなくて「面白くない」ではなくて、「もっと深く読みたい」と思わせる作品になっているので、加筆された文庫本出たら絶対に読みますよ私!


  ├ 中山七里 -
中山七里 『テミスの剣』


*あらすじ*
昭和五十九年、台風の夜。埼玉県浦和市で不動産会社経営の夫婦が殺された。浦和署の若手刑事・渡瀬は、ベテラン刑事の鳴海とコンビを組み、楠木青年への苛烈な聴取の結果、犯行の自白を得るが、楠木は、裁判で供述を一転。しかし、死刑が確定し、楠木は獄中で自殺してしまう。事件から五年後の平成元年の冬。管内で発生した窃盗事件をきっかけに、渡瀬は、昭和五十九年の強盗殺人の真犯人が他にいる可能性に気づく。渡瀬は、警察内部の激しい妨害と戦いながら、過去の事件を洗い直していくが…。中山ファンにはおなじみの渡瀬警部が「刑事の鬼」になるまでの前日譚。『どんでん返しの帝王』の異名をとる中山七里が、満を持して「司法制度」と「冤罪」という、大きなテーマに挑む。

*感想*
364ページという少ないページ数にも関わらず、「司法制度」「冤罪」「ミステリー」「どんでん返し」という豊富な内容をバランス良く盛り込んだ傑作でしたぴかぴか。その絶妙な匙加減のおかげで、被害者と被害者遺族が受ける苦痛を激しく感じられ胸が痛くなったし、司法制度に物申す文章は骨太でアツくて考えさせられ、中山作品で過去最高に面白かったです!!

まずタイトルにもなっている「テミスの剣」の意味なのですが、これは最高裁一階大ホールに鎮座する“法の女神テミス”が右手に剣を持っていることからつけられたようです。ただテミスは剣だけではなく、左手には秤を持っていることから「剣は力を意味し、秤は正邪を測る正義を意味している(力なき正義は無力であり、正義なき力は暴力である)」という深いものでした。
「警察、検察、裁判所は罪人を捕え、裁く権力を与えられている。しかしそれがもしも冤罪だったならば…そう、ただの暴力である。
それが冤罪だったと気が付いた時、それを世の中に公表しようとも、それが他者からの圧力で隠ぺいされてしまったら… そう、力のない正義は無力。」
というこのテミス像のいわんとすることを本編でまざまざと感じさせられ、人が人を裁くということが、神の領域の話で非常に難しいことだと理解できました。

とまぁ、ずらずら書いてしまいましたが、とにかく本書面白いですラブラブ。中山作品を読んだことある方ならばご存じの渡瀬刑事がどういう過去を過ごしてきたのかもよくわかりますし、そうでなくとも、ミステリーがしっかりしていて楽しめるので読んでみてください。ちょっと若い人には退屈に感じてしまうかもしれない硬い文章が続く箇所もありますが、かなり良いことが書いてありますよ 私のおすすめ文はこちら↓

『無軌道は若さの代名詞だ。だから若者の多くはまず自分の羅針盤だけを頼りに走る。そして羅針盤の粗さゆえに惑い、迷う。迷った挙句に灯台の灯を探し求める。稚拙だから迷うのではない。生きることに真摯だから迷うのだ。』


迷いながらもがんばって生きていこうねぴかぴか


  ├ 中山七里 -
中山七里 『連続殺人鬼カエル男』


*あらすじ*
マンションの13階からフックでぶら下げられた女性の全裸死体。傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。これが近隣住民を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼「カエル男」による最初の凶行だった。警察の捜査が進展しないなか、第二、第三と殺人事件が発生し、街中はパニックに……。無秩序に猟奇的な殺人を続けるカエル男の正体とは? どんでん返しにつぐどんでん返し。最後の一行まで目が離せない。

*感想*
中山七里作品のレビューを読んでいると「カエル男ほどには面白くなかった」「カエル男が面白かっただけに今回の作品はちょっと物足りない」等々、本書を指標としているものを時々見かけるので、そのカエル男がどれだけ面白いものなのか気になり、本書を読んでみることにしました楽しい

読んでみたら… なるほど!確かにこれはなかなか面白かった桜
猟奇的連続殺人事件をベースに、憲法第三十九条の心身喪失による刑事責任を問えない司法制度、医療刑務所を出所した人間のその後、そして連続殺人事件の次の標的が自分になるのではないかと疑心暗鬼に陥った市民たちがどういう行動を起こすのか… とかなり厚みのある内容になっています。
ただ、本書後半がほとんどアクション(?)乱闘(?)シーンに費やされてしまっているのが残念だったな汗 殺人現場の描写で十分に血生臭い文章を読まされてきたのに、後半のそろそろ話が終結しはじめるであろう箇所でも永遠と流血シーンが描かれ…ちょっとしつこすぎて、本書の分類を著者はどうしたいのか?(ハードボイルドにしたい?)と悩んでしまったわたらーっ

しかし、長い長い迷走アクションシーンを読み終え、そこで待っていた物語の全貌・真犯人・そして最後の1行は本当に素晴らしかったぴかぴか 久しぶりにその最後の1文でやられた!という思いと鳥肌が立ちましたぴかぴか
きっと誰もが戦慄させられること間違いなしなので、ミステリー好き(特に猟奇系)な方は読んでみてください上向き
あとピアノに興味がある方にはベートーベンの『悲愴』がBGMとなる作品になってますよムード


  ├ 中山七里 -
中山七里 『七色の毒』


*あらすじ*
話題作『切り裂きジャックの告白』の犬養隼人刑事が、“色”にまつわる7つの怪事件に挑む連作短編集!人間の奥底に眠る悪意を鮮烈に抉り出した、珠玉のミステリ7編。

*感想*
出ました!『無駄に男前の犬養』!(笑)イヒヒ
話題作『切り裂きジャックの告白』で活躍した、警視庁捜査一課の犬養隼人刑事が本書でまたその手腕を発揮しまくっちゃいますよ〜〜ぴかぴかぴかぴか

本書の基本的構成は『事件・事故が発生→犯人の自首等で事件の早期解決が見える→犬養刑事によるどんでん返し披露』で、7話全てに“色”が関係してくるので「七色の毒」という題名がつけられているという内容でするんるん
1話が30〜40ページ位の短編なうえに、展開が速く(すぐに犯人が判明する)、しかもどんでん返しありなので、とても読みやすい短編集になっていてすぐに読めちゃいましたぴかぴか『切り裂き〜』を読んだことがある方ならば、本書の冒頭とラストに犬養の娘・沙耶香が登場することにも興味が持てるだろうし、本書が初中山七里作品だという方も、本書の1話目と7話目がリンクしているその作りに、楽しめること間違いなしでしょう桜

私が一番印象に残った作品を一つ挙げるならば…うーん…長距離バス事故も、校舎からの飛び降り自殺も、釣り船での保険金殺人も、どれも面白かったのだけれど、やっぱり小説を愛する者としては、文学賞をめぐる出版社と投稿者の裏側と本音を綴った『白い原稿』かな。
この話で描かれるタレントによる文学賞受賞の話って、やっぱり水嶋ヒロを思い出しちゃうよね… まぁそんなのは下衆の勘繰りでしかないのだけれど、本中で語られる「不況になると新人文学賞への投稿者数が増える」とかがとても印象的だったので、この話がとても心に残ってますポッ

これからも是非とも犬養シリーズを読んでいきたいのだけれど、できたらその犬養の男前っぷりをもっと活躍させたストーリーが読みたいわ!(女犯罪者に言い寄られるとかねイヒヒ笑)


  ├ 中山七里 -
中山七里 『切り裂きジャックの告白』


*あらすじ*
東京・深川警察署の目の前で、臓器をすべてくり抜かれた若い女性の無残な死体が発見される。戸惑う捜査本部を嘲笑うかのように、「ジャック」と名乗る犯人からテレビ局に声明文が送りつけられた。マスコミが扇情的に報道し世間が動揺するなか、第二、第三の事件が発生。やがて被害者は同じドナーから臓器提供を受けていたという共通点が明らかになる。同時にそのドナーの母親が行方不明になっていた―。警視庁捜査一課の犬養隼人は、自身も臓器移植を控える娘を抱え、刑事と父親の狭間で揺れながら犯人を追い詰めていくが…。果たして「ジャック」は誰なのか?その狙いは何か?憎悪と愛情が交錯するとき、予測不能の結末が明らかになる。

*感想*
臓器を全てくり抜かれた死体が次々と発見され、当初無差別殺人や特殊嗜好を持つ犯人による犯行かと思われたが、そこには臓器移植問題が絡んでいることが判明する…というミステリーでした。

臓器移植問題が絡む小説を読んだのは初めてだったので、ミステリー部分も合わせて非常に興味深く読んだのですが、臓器移植推進派と慎重派の討論部分(真境名教授 vs. 僧侶)がなぜかあまり胸に響かず、私の心や思考を翻弄させられなかったのが、唯一残念でしたがく〜。慎重派(僧侶)の考えは確かに筋が通ってるし、社会としては慎重派の考え方の方が“真っ当”なのかもしれません。でもね、愛する家族が目の前で死の淵を彷徨っている時に、皆さんその運命をただただ見ているだけでいられますか!? もし誰かの臓器を移植することにより、その愛する人が助かるというのなら、移植をさせたいと思うものなんじゃないですか?特に我が子が臓器を必要としているならば、親なら自分の臓器を差し出したいという思いに駆られるはずです。
その辺りの「感情」を犬養刑事を通してもっと読者にぶつけてほしかったな汗 ラストが「論理的」というより「感情的」結末だった分、この中盤の感情的部分が薄いことがアンバランスに感じました。

少々愚痴ってしまいましたが、今回の臓器移植を盛り込んだ作品はただのエンタメだけでなく知らない事を沢山知れた良い機会でしたぴかぴか
「現状、日本で行われている移植手術というのは生者を生贄にした臓器の争奪戦なのさ」ね。
こういう社会問題を盛り込んだ作品私は好きですよ〜ラブ


  ├ 中山七里 -
中山七里 『贖罪の奏鳴曲』

*あらすじ*
弁護士・御子柴礼司は、ある晩、記者の死体を遺棄した。死体を調べた警察は、御子柴に辿りつき事情を聴く。だが、彼には死亡推定時刻は法廷にいたという「鉄壁のアリバイ」があった―。「このミス」大賞受賞作家による新たな傑作誕生。

*感想*
最後まで犯人が解らなかったし、まさかそこに更なるドンデン返しがあるとは驚きでした!! 私は中山七里作品は初読だったのですが、これが「このミス」大賞受賞作家の実力ということでしょうかぴかぴか

前半は読んでいて正直眠くなりましたたらーっ 御子柴礼司の個性がよくわからないし、供述調書は淡々と抑揚のない文章で綴られているしでね…あせあせ しかし中盤の「第三章 贖いの資格」からは、登場人物も増えて感情の起伏も多くなり、物語に没頭できました。ただ、ピアノ演奏による矯正教育の件は 「音楽に精通している著者ならではのねじ込み感」があった様に思えてしまいました汗 それに、わざわざピアノ奏者が「島津さゆり」だと名前を出すからには、その後の未来の場面で再登場するのかと思いきや、それもなかったしね。もっと深い伏線になるのかと期待しちゃっていたので残念でした汗

御子柴礼司の院生時代は大体わかってきたものの、佐原みどりちゃん殺害の全貌や安武里美の恨みを買うことになった経緯はまだまだ謎に包まれているので、是非ともシリーズ化してほしいですね上向き あと私的には古手川刑事がイケメンなのかどうか!?も知りたいな〜ラブ なんで思っていますイヒヒ


  ├ 中山七里 -
1/1PAGES
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>
Category
Profile
Archives
Comment
Search
Mobile
qrcode
Sponsored Links