読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
石田衣良 『北斗』


*あらすじ*
両親から激しい虐待を受けて育った少年、北斗。誰にも愛されず、愛することも知らない彼は、高校生の時、父親の死をきっかけに里親の綾子に引き取られ、人生で初めて安らぎを得る。しかし、ほどなく綾子が癌に侵され、医療詐欺にあい失意のうちに亡くなってしまう。心の支えを失った北斗は、暴走を始め―。孤独の果てに殺人を犯した若者の魂の叫びを描く傑作長編。

*感想*
久しぶりに石田衣良さんの作品を読みましたるんるん 石田さんといえば、ヤンチャでポップな『IWGP』シリーズ(このブログを始める前に読んでいたので、感想文は載ってないですがたらーっ)や、『娼年』などの愛と官能を読み易く仕立てた作品が多いイメージなのですが、本書『北斗』は児童虐待、殺人、裁判という、重いテーマとシーンが切々と描かれた、胸に深く突き刺さる秀作でしたポロリ

本書は北斗の7歳〜21歳までの様子が綴られているのですが、その14年間はとても壮絶なもので、何度も何度も読みながら涙を流してしまいましたポロリ。親からの愛、友達、恋人、普通の人が普通に持っているそれらを手に入れることができない北斗…そしてやっとのことで手に入れたと思ってもまた手からすり抜けていく現実…。読んでいて本当に不憫で辛かったのですが、本書のタイトルにある『ある殺人者の回心』という文言が気になり、グイグイ読んでしまいました。そう、つまり北斗は後に「殺人者」になってしまうということなのです泣き顔

北斗がいつ、どのタイミングで殺人者になってしまうのかは、是非ともご自身で読んでみてくださいね!! 全体的に重く暗い展開で、ページ数も多めなのですが、その後の展開を示唆する石田さんの煽り文章が上手いので、先が気になってページをめくる手が止まらないと思いますよぴかぴか ぴかぴか
例えば

「その日の真夜中、北斗は一本の電話をかけた。それが北斗を新たな闇の底に誘うことになるのだが、そのとき北斗は自分を救ったつもりになっていた。」
「北斗は二通の通帳を握って、身震いをしていた。(中略)その二通の通帳のために、一年後に自分が殺人を犯すことになるとは、その時点で想像もできなかった。」

などです。

この二文だけでもワクワクしませんか〜〜!? 一体北斗はどんな人生を歩むことになっていったのかと

そしてほんの数人ですが、北斗を全身全霊で受け入れようとしてくれる人も出てくるので、その方たちの思いが書かれた箇所ではむせび泣いてしまいました泣き顔
まさにもう北斗は私の中でも一人の「こども」になっていて
『親は子どもが苦しんでいたら、叩くんじゃなくて、いっしょに苦しむもの』

という感情だったと思います。

最後の法廷シーンも判決がどう転ぶか全く想像つかないもので緊張したし、結末に心が震えました。

人の親として、人の子として、事件の加害者として、被害者として、色々考えさせてくれた秀作でした。大変面白かったです!是非読んでみてくださいラブラブラブラブ


  ├ 石田衣良 -
石田衣良 『チッチと子』


* あらすじ*
つぎに「くる」といわれ続けて10年の万年初版作家・青田耕平は小学生の息子と二人暮らし。将来への不安は募るばかりだが、ついに「直本賞」の候補に選ばれる。周囲の変化に戸惑う耕平。だが一方で3年前に不可思議な交通事故で死んだ妻を忘れることができない。「あれはほんとうに事故だったのだろうか」。寂しさから逃れられない父と子がたどり着いた妻の死の真相とは。変わりゆく親子の変わらない愛情を描く、感涙の家族小説。家族の愛情が孤独な魂を包み込む渾身の感動大作。


*感想*
石田衣良さんには珍しい(!?)父子家庭の愛情物語でした。


作家として徹夜で執筆しようが、息子の為の家事を疎かにしない父・耕平。
拙い言葉で、父をいつも励ましてくれる息子・カケル。
二人のお互いを思いやる気持ちがヒシヒシと伝わってくる物語で、家族ってやっぱりいいなと思いました。ハートウオーミング系が好きな方には絶対オススメ。特に息子をお持ちの方、きっと我が子もカケルくんの様に優しい子になってほしいな〜なんて思ってしまうかも。


家族愛も良いのですが、私が特に本書で興味を惹かれた点は、“作家の本音らしきもの”と“出版業界の裏側(特に直木賞)”を垣間見れた所です。
耕平が「プロの作家になってから同業者の作品を読む目が優しくなった。どれほど苦労して書いているのかわかるから、アマチュアの読み手のようにひと言でばっさりと作品を切り捨てたり、作者の人格を否定するような乱暴な批判はできなくなった」と言う所は、耳が痛かった〜〜。いや、目が痛かった〜〜
いつも歯に衣着せぬコメントをガシガシ書いちゃってすみません。でも作家さん達が苦心の末に本を生み出しているという事は私もよく理解していますよ!ブログに読書感想を載せるというのは、それだけ私の時間も割くということですし、作家さん達への敬意の表れでもあるんです。


文中で賞名を「直本賞」出版社は「文化秋冬」としていましたが、絶対に「直木賞」と「文藝春秋」の事ですよね(笑)その直木賞の選考・受賞の様子も、作家や業界の人にしかわからない事が書かれていて大変興味深かったです。直木賞にかける作家や編集者の強い思い、候補作に挙がるという快挙。そして直木賞の当選発表の電話連絡は、相手の名乗り方で受賞の有無がわかるようになっているとは驚きました!あとさり気なく「文化秋冬」刊行の小説が直本賞を受賞する傾向があるという一文は良かったね。確かに、文藝春秋刊行書が直木賞を受賞している率は高い!


私がもっと若くて、もっと美しかったら文壇バーのホステスになってみたかったな〜



  ├ 石田衣良 -
石田衣良 『LAST』
LAST


★★★☆☆

*あらすじ*(出版社からの紹介文を引用)
もう後がない!追いこまれた7人のそれぞれのラスト!
・LAST RIDE(ラストライド)……運転資金に苦しむ街工場主が闇金の返済期日にとった行動とは?
・LAST CALL(ラストコール)……零細企業のサラリーマンが旧式のテレクラで垣間見た地獄。
 ――ほか、全7篇。

著者、石田衣良からのメッセージ
『崖っぷちの人間をダーク&ビターに書きました。ぼくの別な顔に、震えてください。』

*感想*
追い込まれた人達の、最後の決断を描いた物語集なのですが、ほとんどの話が『金欠』絡みで、凡庸に感じてしまいました。人間を末期的に追い込むものは結局“お金”なんですかね…
ので、私としてはお金以外の事で追い込まれた人を描いた作品である「ラストコール」と「ラストシュート」がかなり印象深かったです。どちらも読後はかなり気分が悪くなってしまいますけどね(^▽^;)

著者からのメッセージ『崖っぷちの人間をダーク&ビターに書きました。ぼくの別な顔に、震えてください。』については、確かに今までの石田衣良作品で読んだことのないダーク&ビターだと思ったけれど、登場人物達をどこか客観的に描く文体は、相変わらずな石田風だったと思いました。私としては、このちょっと登場人物に距離を置いた書き方は「詰めが甘い」という様な感覚になってしまいます。やはり石田さんにはスタイリッシュな大人の恋愛を書いて欲しいな、こういうダーク&ビターは桐野夏生や垣根涼介に任せておきましょ汗


  ├ 石田衣良 -
石田衣良 『娼年』
娼年


★★★☆☆

*あらすじ* (「BOOK」データベースより引用)
恋愛にも大学生活にも退屈し、うつろな毎日を過ごしていたリョウ、二十歳。だが、バイト先のバーにあらわれた、会員制ボーイズクラブのオーナー・御堂静香から誘われ、とまどいながらも「娼夫」の仕事をはじめる。やがてリョウは、さまざまな女性のなかにひそむ、欲望の不思議に魅せられていく…。いくつものベッドで過ごした、ひと夏の光と影を鮮烈に描きだす、長編恋愛小説。

*感想*
性描写満載作品です。
(↑この一言で、ちょっと読んでみようかな〜と思った人いるかな?笑。)

まぁ冗談ではなく、本当にかなりベッドシーンだらけです。ので、18歳以下の青少年は読書禁止!!と、言いたいところですが、徒に官能シーンを冷やかすのではなくて人間の三大欲(本能)の一つとしての性描写だと捉え、そこから他人と自分は違うのだという価値観を学べるならば若者(若者と言っても、最低高校生以上でしょうが)にも悪くはない作品だと思います。

主人公は二十歳の大学生、リョウ。彼はあるキッカケから女性にお金で雇われる『娼年』になるのだけれど、彼の役目は単なる女性達の性欲の捌け口ではなくて、
『女性ひとりひとりのなかに隠されている原形的な欲望を見つけ、それを心の陰から実際の世界に引き出し実現する事が娼年の仕事』
だと理解するようになります。
これだけだと、単に売淫行為の正当化に感じるのですが、リョウはその理由をこう語ります

『欲望の秘密はその人の傷ついているところや弱いところにひっそりと息づいている』

と。この文章を読んだ後から私は本書をただのエロ小説だとは感じず、ひとりひとり自身の欲望との向き合い方を考えさせる物語に感じました。世の中には私の理解を超えた嗜好を持っている人間が多く居るだろうし、もしかしたらそういう嗜好で悩んでいる人もいるのかもしれない。しかし、もしも自分の想像を超えた嗜好の持ち主に出会っても、リョウの様にまずは耳を傾けたいなと思った。

性について考える文芸書に出会ったことがなかったので、これはこれで在っても良い本なのかな。


  ├ 石田衣良 -
石田衣良 『愛がいない部屋』

*あらすじ*
東京神楽坂の高層マンションに住む人々が織りなす風景10シーンを描いた短編集。
『魔法の寝室』夫とのセックスで快感を得たことのない主婦
『いばらの城』マンションを購入することを決めた独身キャリアウーマン
『ホームシアター』ニートの息子を抱える父親
『愛がいない部屋』自分の人生は失敗だと悔やむ中年女性
他、6編。

*感想*
「池袋ウエストゲートパーク」を書いた石田衣良がどんな愛の話を書くのだろうかと思い手に取ってみたのだけど、私の好みではなかった。神楽坂にあるマンションを舞台に、いろいろな人の「愛」をテーマにした短編集なのですが、愛は愛でもタイトルの通り「ネガティブ」なストーリー方向で描写や感情の表現も淡々としていて、どうもあまり心には届かない作品だったんです。やはり短編っていうのは、あの短いページ数の中で表現できる事が限られてしまうのかな?少なくとも私の読解力では読み取れきれず、苦手かも。あと、今自分が幸せな分だけ切ない内容の物は感情移入しずらいんだろうな・・・。(←の・のろけか!??)


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