読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
曽根圭介 『鼻』

*あらすじ*
人間たちは、テングとブタに二分されている。鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。外科医の「私」は、テングたちを救うべく、違法とされるブタへの転換手術を決意する。一方、自己臭症に悩む刑事の「俺」は、二人の少女の行方不明事件を捜査している。そのさなか、因縁の男と再会することになるが…。
日本ホラー小説大賞短編賞受賞作「鼻」他二編を収録。大型新人の才気が迸る傑作短編集。

*感想*
めげずに曽根圭介作品を読み漁っています
そしてやっと再び出会えました!私の好きな作風の曽根圭介作品に

本書には『暴落』『受難』『鼻』の3編が収録されていて、それぞれ独特なテイストを帯びたホラー的内容になっています。
『暴落』個人の人間的価値が、株式として表される世界になった話
『受難』裏路地に手錠で繋がれ、誰にも救済してもらえない男の話
『鼻』鼻を持つテングがブタに迫害される世界と、少女連続失踪事件を追う刑事の話

どの話も、私たちが住む現実社会が一歩間違えばこの様な異様な世界へと変貌してしまう恐怖感を帯びていて、フィクションだとは分かっていても、とても親近感とリアリティを感じる作品でした。
『鼻』は第14回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作だけあり、とても凝った作りでワクワクしたのですが、私が妄想を軸とした叙述ミステリーを読み慣れていないせいか、読み解くことが出来ずに終わってしまいました
そんな私が単純に楽しめたのは、ずばり『暴落』です。個人の人間的価値が株式に換算され売買されるとは、とても面白い発想だと思いました。そして株を上げるために偽善に走ったり、個人の暴挙についてもインサイダー取引が適応されたりと…。非現実的なはずなのに、とても現実的にも感じることのできるこの距離感は、著者の文才と想像力の豊かさから生まれたものなのでしょう

本書を読んで、どうやら私は著者の短編が特に好きみたいだと思いました。しかしとりあえず、長・短編に関わらず、著者の本はこれからも読んでいくぞ〜






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曽根圭介 『図地反転』

* あらすじ*
総力を挙げた地取り捜査で集められた膨大な情報。そのなかから、浮かび上がった一人の男。目撃証言、前歴、異様な言動。すべての要素が、あいつをクロだと示している。捜査員たちは「最後の決め手」を欲していた―。
図地反転図形―図と地(背景)の間を知覚はさまよう。「ふたつの図」を同時に見ることはできない。ひとたび反転してしまったら、もう「元の図」を見ることはできない。

*感想*
立て続けに曽根圭介作品を読んでいますが、う〜ん…今回も『沈底魚』に引き続き、あまり引き込まれる作品ではありませんでした… あぁ「曽根圭介作品制覇するぞ!」宣言が虚しく感じられてきたわ。。。

図地反転、それは意識を変える事により、全く違った図形に見える絵のこと。本書の表紙にも「ルビンの盃」が載っていますが、これを「盃」と見るか、「向かい合う顔」と見るか、それは見る人によって変わります。本書のストーリーには、このトリックを上手に折り込んでいて、なかなか面白い題材だと感じました しかし題材は良くても、読者への“煽り”が私には物足りなかったと思います。驚愕の新事実が出るタイミングや、その時の文章、それらが淡々と描かれすぎているように読めました。
例えば、「望月にはもっと動かぬ証拠があったが、別の真犯人がいるかもしれない」という設定ぐらいの方が、読者としては「えええ〜〜〜!!じゃあ結局誰が犯人なのぉ〜〜!!」と翻弄されて楽しめたと思うんですよね。ちょっと望月の気の弱さと覇気のなさが、冤罪にされてしまっても仕方がない風体に見えてしまい、図地反転した時の驚きを得ることが出来ませんでした

あと、できたらもっと分かりやすいラストだと良かったな。。。
結局その後はどうなったのか気になります。。。



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曽根圭介 『沈底魚』

*あらすじ*
「中国に機密情報漏洩、現職国会議員が関与か」という記事が大手新聞に載った。
眠れるスパイ「沈底魚」の正体は大物政治家か、それとも中国の偽装工作か。
真相究明に暗闘する刑事たちの姿をリアルに描いた、本格公安ミステリー!
第53回江戸川乱歩賞受賞作

*感想*
『久し振りに全作品制覇をしたくなる作家さんに出会えました』
先日そう明言したばかりでしたが、本書は読み進めるのが非常に非常に辛い1冊だったよぉ〜〜〜

エスピオナージ、国際謀略、警察と政治の駆け引き、色々な要素が詰め込まれていてとても力作なのは充分過ぎる程に伝わってきたのですが、とにかくストーリーに魅力を感じる事が出来ませんでした
多分私にとって、国際謀略は『非日常』すぎるのでしょう。なので警視庁の公安部の仕事内容にも興味が湧かないし、謀略が遂行された時に自分たちにどの様な損害が生じるのかも全く想像出来ず、本書のスリルを感じ取る事が全く出来なかったのね…
また、ストーリーに没頭できないにも関わらず登場する、中国人の読めない名前と、スパイのコードネーム。。。これらが更に読書欲を奪っていき、本当に読むのが辛かったわ

誰が味方で誰が敵なのか分からず、二転三転する真相には光る物を感じたし、公安のアンダーワールドも詳しく書いてあり、この辺が乱歩賞の受賞に結びついたのかと思います。
スパイ・国際謀略に興味がある人は是非一読を

私はとりあえず本書にめげず、「藁にもすがる…」的な曽根圭介作品を求めて、著者の他の作品も読んでいきたいと思います






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曽根圭介 『あげくの果て』
本書は現在『熱帯夜』という題名で角川ホラー文庫から販売されています


* あらすじ*
猛署日が続く8月の夜、ボクたちは凶悪なヤクザ2人に監禁されている。友人の藤堂は、妻の美鈴とボクを人質にして金策に走った。2時間後のタイムリミットまでに藤堂は戻ってくるのか?ボクは愛する美鈴を守れるのか!?スリリングな展開、そして全読者の予想を覆す衝撃のラスト。新鋭の才気がほとばしる、ミステリとホラーが融合した奇跡の傑作。日本推理作家協会賞短編部門を受賞した『熱帯夜』を含む3篇を収録。

*感想*
久し振りに全作品制覇をしたくなる作家さんに出会えました
まだ著者の作品は2冊しか読んでませんが、本書も先日読んだ『藁にもすがる獣たち』も面白くて、一気読みだったのです〜 その他の作品もアマゾンのレビューを読むと良い評価なので、2012年中にドドーンと読破しちゃおっと

本書には『熱帯夜』『あげくの果て』『最後の言い訳』の3編が収録されています。全編に渡りブラックユーモアとシニカルな視点が冴えていて、悲惨な状況と世の中を描いているにも関わらず、その世界観に引き込まれました。
『熱帯夜』はヤクザに人質にされる緊迫のストーリーに目が離せず、ラストの因果応報的結末が秀逸。中盤の読者をミスリードさせる技(藤堂の行方とブッチャーの餌食)も素晴らしかった
『あげくの果て』はプチ群像劇仕立てになっていて、超高齢化社会を描いた怖い話のはずが、登場人物達3人の繋がりがわかると同時に、とても切ない話様変わりするもので驚きでした
『最後の言い訳』は蘇生人間(ゾンビ)社会を舞台に、現実社会に起きたニュースを当て込むユーモアがあり、ホラーな話なのにどこかクスっと笑え、そしてラストには心にジーンとくるようでこない(?)絶妙な終わり方でした。

読みやすい文章に、読者を楽しませる上手な構成、エンターテインメント作品として非常に充実している申し分のない作品でした短篇集でこんなに満足感を得たのは、道尾秀介の『光媒の花』以来です。
曽根圭介さんも直木賞作家になるかしら!? 今後が非常に楽しみですね〜



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曽根圭介 『藁にもすがる獣たち』

* あらすじ*
大金の入った忘れ物のバッグを、ネコババしようとする初老の男。
暴力団に2000万円もの借金をして、返済に窮する悪徳刑事。
FXで失敗した借金を返すために、デリヘルで働く主婦。
金の誘惑におぼれ、犯罪に手を染めていく、獣たちの運命は―。

*感想*
夕方6時から深夜12時まで、6時間ぶっ通しで一気読みをしてしまいました
久々の群像劇はやはり面白かったわぁ〜 やはり私は群像劇LOVEなのよね

主人公達は、あらすじにも書いてある通り
大金の入った忘れ物のバッグを、ネコババしようとする初老の男。
暴力団に2000万円もの借金をして、返済に窮する悪徳刑事。
FXで失敗した借金を返すために、デリヘルで働く主婦。
の3名。

3名それぞれの話の中に、藁にも縋りたくなるような悩みと苦悩が綴られ、同じような境遇を味わったことのない私でも、どっぷりと話の世界に引き込まれました。そして本書が特に秀逸なのは、全ての話に謎が隠されていた所だと思います。
「湯トピアから消えた男は誰だったのか?」
「虎の刺青がある女の正体は?」
「竹男の変わりに死んだのは誰なのか?」
私は今までこんなに謎を含んだ群像劇を読んだ事なかったので、非常に興奮しながら読み進めたわ
ただの群像劇というスタイルだけでも面白いのに、これらの謎を含ませた事によって、更に読書欲を掻き立たせられ本当にGOODでした

群像劇好きな人にはもちろん、そうでない人にも是非とも本書を読んでもらいたいです!
それぞれの「謎の人物」の正体を推理してみちゃってください



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