読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
山田宗樹 『代体』


*あらすじ*
近未来、日本。そこでは人びとの意識を取り出し、移転させる技術が発達。大病や大けがをした人間の意識を、一時的に「代体」と呼ばれる「器」に移し、日常生活に支障をきたさないようにすることがビジネスとなっていた。 大手代体メーカー、タカサキメディカルに勤める八田は、最新鋭の代体を医療機関に売り込む営業マン。今日も病院を営業のためにまわっていた。そんな中、自身が担当した患者(代体を使用中)が行方不明になり、無残な姿で発見される。残される大きな謎と汚れた「代体」。そこから警察、法務省、内務省、医療メーカー、研究者……そして患者や医師の利権や悪意が絡む、壮大な陰謀が動き出す。意識はどこに宿るのか、肉体は本当に自分のものなのか、そもそも意識とは何なのか……。科学と欲が倫理を凌駕する世界で、葛藤にまみれた男と女の壮大な戦いが始まる!

*感想*
【代体とは?】
長期入院を伴う大けがや病気の治療中でも、患者が社会生活を継続できるよう開発された、意識を収納できる仮の肉体(器)。自動車の代車や携帯電話の代替機の役割にあたる。肉体から分離された意識は、代体にマウントされることで人間と変わらない活動ができるようになる。 ただし…


どーですか!?どーですか!?この素晴らしい近未来設定のあらすじと、【代体とは?】の説明文を読んでワクワクしませんか?ラブラブ
私はこのあらすじを読んだ時に、著者が過去に発表した近未来設定本『百年法』で味わった興奮と感動が再び味わえると確信し、期待に胸を膨らませで本書を読み始めましたよーてれちゃう本当に『百年法』は傑作でしたからラブ

が…あせあせ

しかし…あせあせ汗


今回の『代体』は、壮大すぎるスケールかつ、専門的な理系哲学系空間理論系な文章がずらずら綴られていて、私には難しすぎて途中から読むのが辛かったです…泣き顔

本書前半は倫理的・技術的に私にも色々と考えることができて、興味深く面白く読めたんです。例えば、意識の転送が可能になったことにより生じる不老不死問題の法規制の仕方や、代体をより人体に近づけ究極化させるには、代体でも食事とセックスができるようになることなのでは…などなど。

しかし凡人の私でも理解できたそれらの内容は本書導入部だけで、中盤からは意識転送のために体内に注入するナノロボットの専門的な話、超空間理論の話、法務省と内務省と警察局の管轄攻防で、とにかく話が小難しく感じられて楽しむ余裕がありませんでした唖然

だって〜〜こういう感じですよ〜〜??↓
あのバックアップファイルはたしかにナノロボットの設計コードで通常の基底次元移動に加えてφ(ファイ)次元移動を可能にするための方程式が書き込まれていた。 この3次元空間が1次元の直線になるなんて想像できないでしょう。ところが24次元すべてを折り込める次元が1つだけ存在することが判明しています。それがφ次元です。


もう「φ(ファイ)ってなんやー!!モゴモゴ 24次元ってドラえもんのポケットの中のことかー!?唖然」って発狂寸前でしたわたらーっ

でもとりあえず詳しいことは理解できなくても最後までは読みましたよ〜。意識の多層化くらいは理解できたので…
で、ラストはちょっぴり良かったです。やはり人間は「子宮」から生まれてくるもので、それだからこそ人間が「神」になることは不可能なんじゃないかなって私なりの結論が出たからラッキー

よく「人が想像できることは実現化できる」なんて言いますけど、この代体システムも研究している人とかいるのですかね。義眼、義手、義足、それなら義体があっても将来おかしくないですか?
理論的にも哲学的にも難しい話だと思いますけど、完全に理解できたらかなり楽しめる本だと思いますよ〜るんるん


  ├ 山田宗樹 -
山田宗樹 『百年法』


*あらすじ*
原爆が6発落とされた日本。敗戦の絶望の中、国はアメリカ発の不老技術“HAVI”を導入した。すがりつくように“永遠の若さ”を得た日本国民。しかし、世代交代を促すため、不老処置を受けた者は100年後に死ななければならないという法律“生存制限法”も併せて成立していた。そして、西暦2048年。実際には訪れることはないと思っていた100年目の“死の強制”が、いよいよ間近に迫っていた。経済衰退、少子高齢化、格差社会…国難を迎えるこの国に捧げる、衝撃の問題作。

*感想*
2013年初の5つ星★★★★★です〜〜〜!!ぴかぴかかわいい拍手
不老不死の技術を手に入れた人類を見事に描き切っている本書は、とてもスケールが大きく面白い作品でしたラブラブ

不老不死。それは人類の永遠の望み―。いや、そうだろうか。不老不死の世の中になれば、政治経済、そして家庭の機能にまで新陳代謝が行われずに、全てが停滞してしまうだろう…。そしてそのような弊害を無くすために政府は「不老処置を受けた者は、100年後に死ななければならない」という法律を制定した。

あなたは不老不死の世の中を想像できますか?
不老処置のおかげで心身共に若いままなのに、100年という期日がきたという理由で自ら命を絶つことができますか?

是非本書でこの近未来世界を体験して下さい。リアリティ溢れる国家運営戦略と最先端技術装置(アイズなど)の描写で、自分もその世界で生きているかの様な臨場感を味わえます。また人間と生と死について考えさせられる深い作品にもなっています。

壮大な話すぎて細かい感想が書き難いのですが、上巻ではケンと母親の最後の夜に泣かされポロリ、下巻では遊佐の終始冷静沈着ながらも熱いものを心の中に持っている姿に心打たれましたポロリ

フィクションなので全てが美談すぎるところがあるけれど、間違いなく一気読みできる面白さなので是非是非いや、絶対に皆さん読んでみてくださ〜いラブ


  ├ 山田宗樹 -
山田宗樹 『直線の死角』

*あらすじ*
企業ヤクザの顧問も務めるやり手弁護士小早川の事務所に、新婚早々の夫を交通事故で亡くした女性が訪ねてきた。加害者側の損保会社と示談交渉をしてほしいという依頼である。高額の成功報酬と、生命保険もかけていなかった美しい未亡人に惹かれ、小早川は彼女の代理人となる。早速、現場を見に出かけた彼は、加害者の言い分と異なる証言を入手し、不審なタイヤ痕をも発見した。簡単な事故処理と思われたこの事件、どうも裏がありそうだが…。

*感想*
「嫌われ松子の一生」はもちろんのこと、「黒い春」や「天使の代理人」などの傑作を多く書かれている、山田宗樹氏のデビュー作(第18回・横溝正史賞受賞作品)です

ミステリー、交通事故の物理的説明、ラブロマンスなどなど、バランス良く内容が詰まった作品でした。ラブロマンスの部分では“陳腐”というか、恋に落ちるまでの過程が短かすぎて、少々強引にも思えますが、その他の弁護士としての視点やタイヤ痕に残された真相などは、横溝正史賞受賞がうなずける完成度の高さだったと思います 著者の参考文献の多さはデビュー作から変わらないのですね(笑)

本文中にHIV感染についての説明が出てきます。本書が執筆されてからもう13年も過ぎているのに、その現状(特攻薬が見つかっていない)は変わっていないのですよね… もしもHIVが完治できる病になっていたら本書は「過去の話」になっているのでしょうが、残念ながら本書はまだまだリアルタイムでも楽しめそうですね。。。 著者は当時からHIVはそうそう簡単には治療薬が出来ないとわかっていたのかな。そういう意味では著者も複雑な思いかもしれませんね…



  ├ 山田宗樹 -
山田宗樹 『ジバク』

*あらすじ*
女は哀しくも恐ろしく、男はどこまでも愚かだった。 残酷なまでに転落し続ける人生を描く、書き下ろし長編小説。

外資系投資会社のファンドマネージャー、麻生貴志は42歳。年収2千万を稼ぎ、美しい妻・志緒理と1億4千万のマンションを購入する予定を立てていた。自らを“人生の勝ち組”と自認する貴志は、郷里で行われた同窓会でかつて憧れた女性ミチルに再会する。ミチルに振られた苦い過去を持つ貴志は、「現在の自分の力を誇示したい」という思いだけから、彼女にインサイダー行為を持ちかける。大金を手にしたミチルを見て、鋭い快感に似た征服感を味わう貴志。だがそれが、地獄への第一歩だった……

*感想*
男性版「嫌われ松子の一生」とでもいいましょうか。あれよあれよという間に人生が転落していく男性を描いた物語でした。「嫌われ松子の一生」程の濃さとボリュームはなかったものの、本書には「男性らしい矜持」が上手く盛り込まれていて、私には大変面白く満足な一冊でした

主人公である麻生貴志の人生が転落し始めるキッカケは「かつて自分を振った女性に、現在の自分の力を誇示したい」という、“勝ち組に成り上がった者”らしい傲慢な思いからでした。このエピソードって、見栄を張ったり、自分の能力を必要以上にアピールしたがる男性像を簡潔に描いていて、とても良いですよね 一気に物語の世界に引き込まれました そして「本気」ともいえる浮気に嵌っていく麻生…。妻との離婚も考えていたのに、じつは「何も知らない」のは麻生本人だったとは。。。 ある意味、とても恐ろしかったわぁ。。。

本書には「自分の欲望を満たすためなら何でもする」という怖い女性達も登場してきます。彼女たちの生き様もとても読み応えがあり楽しめました。お金のために殺人を起こす女はもちろんですが、「セレブ」に固執する志緒理の生活振りに、特に私は目を剥く物がありました

女性はもちろん、男性諸君に是非本書を読んで頂きたいですね〜。「ちょっとした出来心で」の浮気ができなくなると思いますよ(笑) 






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山田宗樹 『乱心タウン』

*あらすじ*
超高級住宅街の警備員・紀ノ川康樹、26歳。薄給にもめげず、最上級のセキュリティのために、ゲートの監視と防犯カメラのチェック、1時間に1回の敷地内パトロールを行う。住人たちは、資産はあるだろうが、クセもある人ばかり。だが、康樹は今の仕事に誇りを持っている。ある日、パトロール中に発見した死体を契機に、康樹は住人たちの欲望と妄想に巻き込まれていく―。

*感想*
「マナトキオ」と名付けられた超高級住宅街を舞台に繰り広げられる、住民たちとその街に関わる人々の悩みや疑心暗鬼を描いた群像劇でした。しかしながら、タイトル通りの“乱心”な人々が多く登場するので、「群像」というよりも「パニック小説」という方が私はしっくりきたかな。

全体的に軽いタッチで描かれるので、500ページ弱の厚さにも関わらず、さらさら〜っと読めてしまいます。本中では、「マナトキオ」の住人達は非常に傲慢で身勝手、住民外の人々は人情に厚く理性的な様子で描かれかれます。ちょっと読み方を間違えると「金持ち」=「悪者」という受け取り方もできてしまうので、あくまでもフィクションであることを思い出さないとね(笑) しかしフィクションであったとしても、「お金よりも大切なもの」を読者にみせてゆく本書のスタイルはとても良かったです。「お金はあるけれど愛のない生活」と「お金はないけれど愛のある生活」どちらを選ぶほうが幸せか?という究極の選択に悩んでいる若者には、特にオススメの一冊ですね。まぁ私としては「身の丈に合った生活を送るのが、一番の幸せ」という結論に落ち着きましたが…

群像劇なので多くの登場人物が描かれるのですが、私は生真面目な紀ノ川くんと、下品な須山の掛け合いが好きでした。ドロドロウジウジした性格の登場人物が多い本書で、単純キャラの須山、そしてサカエ消毒の藤田は、読んでいて気持ちが良かったからね〜

どんなに緑が美しく、安全に守られた街であっても、「マナトキオ」には住みたくないですね




  ├ 山田宗樹 -
山田宗樹 『魔欲』

*あらすじ*
広告会社に勤める佐東は、ある事件をきっかけに「死にたい」という欲動がないのに、頻繁に自殺衝動が生じ、精神科医に通い始めることになる。佐東の主治医である精神科医は、治療に携わりながらも自身に起こった事件を佐東に重ねあわせてしまい、ある衝動に駆られ−。命を巡る闘い、勝つのはどちらか?

*感想*
自殺衝動を抱く男は『家庭持ち女性と不倫をする男』
男の主治医である精神科医は『自分との家庭がありながら不倫をする妻を持つ男”』
だった。
この2人に共通するのは“浮気”という2文字。この奇妙な巡り合わせから、2人の人生が狂い始めてゆく… というストーリーでした。

序盤は佐東のサラリーマンとしての仕事状況がメインに描かれるのですが、ある事件をキッカケに佐東が自殺衝動を抱えてしまい、精神科医である北見と対峙する辺りから、本書は熱く展開していきます。特に「自殺したい佐東」と「自殺を止めたい北見」のカウンセリングでの攻防は凄かった

佐東 「生まれてきたものは必ず死ぬ。生と同じ数だけ死がある。だから生と死は等価なんです。僕はもう十分生きた。そして死ぬ時が来た。それだけのことです。」
北見 「あなたは生と死は等価だといいましたね。ではあなたは時と場所を選んで生まれてきましたか?違いますよね。人は生まれるとき、時と場所を選べない。ということは、死ぬ時も人は時と場所は選べない。そいういうことになりませんか?」

この北見の意見は非常に胸に響きました。私も心のどこかで「自分の好きな時に人生を終わりにできたらいいのに…」と思ってしまっていたからさ。。。本当はそんな事を考えてはいけないんですよね。この与えられた命を、寿命がくるまでキッチリ生きるのが義務なのだから。

文芸書はエンターテインメントとして楽しむだけでも良いと思いますが、本書には広告会社の仕事、精神科医の仕事、自殺の欲動、これら全てがかなり専門的に記述されているので、その辺りを中心に読んでみるのも良いかもしれません



  ├ 山田宗樹 -
山田宗樹 『黒い春』


*あらすじ*
覚醒剤中毒死を疑われ監察医務院に運び込まれた遺体から未知の黒色胞子が発見された。そして翌年の五月、口から黒い粉を撤き散らしながら絶命する黒手病の犠牲者が全国各地で続出。対応策を発見できない厚生省だったが、一人の歴史研究家に辿り着き解決の端緒を掴む。そして人類の命運を賭けた闘いが始まった―。


*感想*
久し振りに「エンタテインメント巨編」といえる傑作に出会えました
本書の魅力を、的確にこのブログで表現できるか不安になる位に、本当に本当に面白かったです


死亡率100%という恐ろしい病原菌に立ち向かう研究者達を、群像スタイルで描いた本書。病原体を初めとする菌関係の説明、病原体発生の起源をめぐる歴史的推測、愛する者を失いたくないという登場人物達の心情、全てが繊細かつ丁寧に描かれていて、医学系(しかも菌について)無知な私でも本書に没頭することができました。「黒手病」という架空の病名を除けば、新種の菌と戦う工程や、厚生労働省の怠慢な対応は、ノンフィクションとしか思えない出来だと思います。


本書の素晴らしいところは、読者に与えている恐怖が“日常に潜む見えない菌”だけでなく“人の嫉妬と身勝手さ”を上手く交錯させているところではないでしょうか。そして、その反動を利用するかの如く、物語の終盤に描かれる夫婦愛・家族愛はとても深く、私は涙が止まりませんでした。


登場人物に感情移入をせずとも、本書を楽しめることは間違いありません。こんなに多くのエキスを詰めた本は他にないとも言い切れます。是非読んでください!!




  ├ 山田宗樹 -
山田宗樹 『聖者は海に還る』


*あらすじ*
ある中高一貫の進学校で生徒が教師を射殺して自殺した。事件の再発防止と生徒の動揺を抑えるため招聘された心の専門家・比留間。彼は教師と生徒の個を失わせることで校内に平穏をもたらす。だがその比留間の奥には、かつて眠らされた邪心が存在し…。『嫌われ松子の一生』の著者が“心の救済”の意義とそこに隠された危険性を問う衝撃作。


*感想*
心理療法やカウンセリングについて詳細に綴られ、かなり著者が勉強をされた事が窺える力作でした。実際に巻末に載っている参考文献の多いことったら… 私がかつて読んだ本の中で一番の多さかも。ただ、力作だから面白かったのか?と問われると、「私の好みではなかった」が答えです


本書には現代社会の“悩み”“問題”が沢山登場してきます。白熱する受験戦争、子供の教育を学校に丸投げする親、猟奇的少年犯罪、そしてカウンセリングのあり方。これら多くの事を本書内で問題提起してくるのですが、大軸となるメインストーリーに魅力と力強さがなくて、読んでいてなんだか心許なかったです。背骨が無いのに、大腿骨や指先の骨はあるガイコツみたいな話といったら分かりやすいかしら。とにかく小さいエピソードが多いんですよね、子供が熱を出しても学校を休ませない親やら、他人に無関心なクラスメートやら… なのにそのエピソードが上手くメインストーリーに連結してなくて、よりリアルな社会の描写をしたいのはわかるけれど、その新たな登場人物は本当に必要だったの?と聞きたくなるものでした。


メインストーリーの弱さを感じたのは、比留間と律の恋愛面での展開でも同じです。律の強引に比留間を家に泊めるシーンは「ありえない!!」と一人で叫んでしまいました。初めてのデートであれ程に積極的になれる女性っているのかしら!?強引に泊まらせて、さらには自ら「避妊具を買ってきます」って、オイオイ…その気になっているのは自分だけだったらどうするのよ。


何はともあれ、ストレス社会と呼ばれる現代において、カウンセリングとの上手な付き合い方を考えさせてくれるキッカケになる1冊だと思います。



  ├ 山田宗樹 -
山田宗樹 『天使の代理人』


*あらすじ*
生命を誕生させるはずの分娩室で行われた後期妊娠中絶。過去、数百にのぼる胎児の命を奪ってきた助産婦・桐山冬子はある日、無造作に放置された赤ん坊の目に映る醜い己の顔を見た。その時から罪の償いのために半生を捧げる決意をした彼女は、声高に語られることのない“生”を守る挑戦を始める―。胎児の命、そして中絶の意味を問う衝撃作。


2010年9月6日から昼の連続ドラマで放送されている同名ドラマの原作。



*感想*
自分がどれだけ人工妊娠中絶と、それに関する日本の状況について無知だったのか… 本書を通して深く思い知らされました。
皆さんはご存知でしたか?日本が『中絶大国』と呼ばれていることや、「人工死産」という形で妊娠後期にも中絶が行われていることを…


本書は群像劇スタイルで、悲痛の思いで中絶の介助をする助産師、中絶をした家庭不和の女子大学生、精子バンクで妊娠をしたキャリア志向の強い女性、医療ミスで望まぬ中絶させられてしまった女性、が中心となり話が展開します。助産師の女性は今まで胎児を殺してきた贖罪のために“天使の代理人”となり、中絶をしようとする妊婦達を思いとどまらせる活動を始めます、そしてその他の登場人物達と人生が交錯してゆく… という話。


あらすじとして記すると、たった数行のものなのですが、本書に込められている情報と問題提起の量は半端ではありません。頭も胸も痛くなる濃さでした。度々繰り広げられる、中絶擁護派と反対派の論争はとても熱く、過激で、そして終わりは無くて、でもだからって「思想と価値観の違いなんだ」では済ましてはいけない問題だと思い、私の頭の中は宇宙に迷い込んだかのようにグルグルしました。


胎児の命を守るという目的で活動している“天使の代理人”の存在は素晴らしいが、その活動内容の危うさもキッチリと書きつつ、命の尊厳を描ききった本書は本当に傑作だと思います。


男女問わず多くの人に本書を読んでもらいたい。
そして消されてゆく胎児の命の数が少しでも減ることを、心の底から願います。

 



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山田宗樹 『嫌われ松子の一生』
嫌われ松子の一生



★★★★☆

*あらすじ*
松子の甥の笙(シヨウ)は何者かによって殺された松子の一生について調べ始める。そして元来真面目で一途な愛を信じるが故にどんどん転落の人生を送る事になってしまう松子の激動の人生が明らかになってくる。

*感想*
あぁ。。松子が不憫でしかたがなかった。幼少の頃に満足な愛を得られなかった松子にとっては「ただ一生傍に居てくれる」男性が欲しかっただけだろうに、掛けても掛けても掛け違ってしまうボタン・・・。松子は誰に嫌われていたのかと考えると、多分それは人ではなくて「愛」と「幸せ」だったのかもしれない。私自身、そして私の周りの人々には決してこういう人生を選択をして欲しくないと強く思った。あとさり気なく甥の笙の心の成長も描かれていて良かったです。


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