読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
沼田まほかる 『猫鳴り』

*あらすじ*
流産した哀しみの中にいる夫婦が捨て猫を飼い始める。モンと名付けられた猫は、夫婦や思春期の闇にあがく少年の心に、不思議な存在感で寄り添ってゆく。まるで、すべてを見透かしているかのように。そして20年の歳月が過ぎ、モンは最期の日々を迎えていた。濃密な文章力で、生きるものすべての心の内奥を描き出した傑作。

*感想*
まほかる作品ということで、「おどろおどろしい」「ゾクゾク」などのエンタメホラーおばけな作風を想像していたのですが、本書はモンと名付けられた一匹の猫猫に関わる3者の人生を通して「生と死」を描いた、ちょっと文学的ともいえる内容でした。

第一部では、流産した主婦(信枝)がモンと出会い、飼うまでの経過が描かれるのですが、頑なにモンを飼おうとしない信枝の心情と行動には、失った胎児のことも重なって、狂気染みた感じもあり、少し怖かったです。
第二部では、人生に活路を見い出せない男子高校生の日々の鬱憤が描かれるのですが、思春期ならではの葛藤や親への対応が秀逸でした。あと子育て中の私としては、「チャイチャイのチビ」「ブーブーのチビ」などの子供の描写もすごく特徴を掴んでいて、微笑ましくも思えました。
第三部では、信枝の旦那である藤治とモンの老後が描かれるのですが、本書中ではやはりこの話が一番「生と死」を踏み込んで書いていて、心にジワリジワリと沁みるように読み耽りました。

第三部は直接的な「生と死」が分かり易く描かれていたので私でも楽しめたのですが、第一部と第二部は、ちょっと回りくどいしモンの心情があまり多くは描かれないから、正直読んでいて没頭できなかったわぁ〜汗

本書のラストは猫や動物を飼った事がある方には、涙が止まらない内容でしょうから、自宅で読んでくださいねるんるん

本書は私にはイマイチだったけれど、今年もまほかる作品制覇に向けて頑張りまーすラブ


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沼田まほかる 『痺れる』

*あらすじ*
十二年前、敬愛していた姑が失踪した。その日、何があったのか。老年を迎えつつある女性が、心の奥底にしまい続けてきた瞑い秘密を独白する「林檎曼陀羅」。別荘地で一人暮らす中年女性の家に、ある日迷い込んできた、息子のような歳の青年。彼女の心の中で次第に育ってゆく不穏な衝動を描く「ヤモリ」。いつまでも心に取り憑いて離れない、悪夢のような九編を収録。

*感想*
幽霊や殺人鬼が出てくるわけではないのに、不穏な空気が終始漂い、背中がゾクゾクする「世にも奇妙な物語」的なホラー短編集でしたおばけ

9話全てに共通しているのが「舞台となる“日常”に、何かが壊れてしまった人間が登場する」ということでしょう。その「壊れてしまった」というのが、ボタンの掛け違い程度の些細なことから、レイプという犯罪レベルまで様々なのですが、とにかく身近な恐怖を覚える作品たちになっています。

私が特に印象に残ったのは「テンガロンハット」という作品で、成り行きで庭の植木仕事を依頼することになった植木屋が、どんどん雨どいや物置の修理やらと手を出してくるという話です。この植木屋:山田のジワリジワリと付け入ってくる様子は「浸食」という表現が似合うような気持ち悪さで、しかしそれを誰かに訴えようものならば「自意識過剰」と思われてしまうのではないかと感じる主人公の葛藤などが秀逸でしたかわいい

やはり「おどろおどろしい」作品が読みたくなったら「まほかる作品」で決まりですね。
冬本番になってきて寒い日々ですが、ゾクゾクしたい方は是非とも読んでくださいわーい


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沼田まほかる 『九月が永遠に続けば』

*あらすじ*
第5回(2004年) ホラーサスペンス大賞受賞
高校生の一人息子の失踪にはじまり、佐知子の周囲で次々と不幸が起こる。愛人の事故死、別れた夫・雄一郎の娘の自殺。息子の行方を必死に探すうちに見え隠れしてきた、雄一郎とその後妻の忌まわしい過去が、佐知子の恐怖を増幅する。悪夢のような時間の果てに、出口はあるのか―。人の心の底まで続く深い闇、その暗さと異様な美しさをあらわに描いて読書界を震撼させたサスペンス長編。

*感想*
著者の最新作『ユリゴコロ』が非常に面白かったので、まほかる作品を全制覇するべくデビュー作である本書から読んでみました嬉しい
本書を読んで気が付いたこと、それは「私は失踪物語が好きではない」ということしょんぼり。今まで読んだ失踪物は、柴田よしき『激流』志水辰夫『行きずりの街』などがあるのですが、やはり楽しめなかったし『行きずりの街』に関しては、途中で読むのを止めてしまうほどでした 『行きずりの街』は仲村トオル&小西真奈美で映画化もされたから読破したかったのだけれどね…汗
ということで、沼田まほかるさんは悪くないのだろうけれど、失踪物が好きではない私には、本書はあまり面白いものではありませんでした…

本書を含め、失踪物語はどうしても展開が鈍くなるんですよね。物語の本質上、失踪した人間の安否はラストまで分からないし、その間失踪者の行方の手がかりを求めてグダグダするというパターン。どうもその行方を追っている時の心情に、私は感情移入できないんですよね。
本書は、主人公の主婦が元旦那の再婚相手の連れ子の彼氏(←ややこしい表記ですみません)と愛人関係になったり、不幸が立て続けに起きたりと、少々複雑な事情を孕んでいましたがそれでも残念ながら興味を引き付けられる内容ではありませんでした爆弾

ただやはり文章力は素晴らしかったと思います。デビュー作とは思えない表現力なのは確かだったし、特にグロテスクな場面に関してはデビュー当時から「まほかるワールド」があったのだなと思いました。

本作は私にはイマイチでしたが、まほかる制覇に向けてこれからも読んでいきたいと思いますパンチ


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沼田まほかる 『ユリゴコロ』

*あらすじ*
亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。そして書いたのは誰なのか。謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた。
圧倒的な筆力に身も心も絡めとられてしまう究極の恋愛ミステリー!

*感想*
やっと沼田まほかるデビューできました じつは半年前から気になっていた作家さんなんですよ〜 「まほかる」という独特な名前もそうですが、桐野夏生さんが本書を褒めるコメントを出していた事がありまして、まほかる作品を1つは必ず読んでみようと思っていたのです。

期待を持って読み始めた本書。うん、確かに面白かったです
本書は主人公(亮介)が、実家の父の押入れで「ユリゴコロ」と名付けられた、殺人鬼の告白文が綴られているノートを発見する所から始まります。
この告白文が非常にショッキングで、一気に本書の世界へ引き込まれました このノートに書かれている内容は実話なのか、創作なのか。そしてそれを書いたのは亮介と関係のある人物なのか。。。
亮介は勿論のこと、我々読者もこのノートの結末が気になり、本書を先へ先へと読み進めてしまいます。しかしこのノートは4冊にも跨がり、更には亮介の時間的リミット(父の不在中に隠れ読んでいる)のせいで、すぐにはこのノートのラストが読めないようになっています。この構成には「んもぅ〜〜イケズせんといてやぁ」と、シナを作りながら言いたくなりました。まぁ、この引き伸ばしというか、真実の先送りが、読者としては堪らなく良いのですけどね

終盤3分の1ら辺からは、亮介と疾走した恋人との話がメインになってきて、「ユリゴコロ」のノートの話はどこへ行った?と思ったのですが、ラストを読んで合点しました。その終盤のエピソードは、不可欠であり、不謹慎ながらも、ラストに感動を高めるものになっていて良かったです。

本書がとても面白かったので、他のまほかる作品も是非とも読みたいと思いま〜す





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