読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
薬丸岳 『刑事の怒り』

*あらすじ*

被害者と加害者、その家族たちのやむにやまれぬ“想い”をみつめてきた刑事・夏目信人が出会った4つの事件。
年金不正受給、性犯罪、外国人労働、介護。
社会の歪みが生み出す不平等や、やり場のない虚しさを抱えつつも懸命に前を向く人々。彼らを理不尽に踏みにじる凶悪な犯人を前に、常に温かみに満ちていた彼のまなざしが悲しき“怒り”に燃えたとき、胸をこみ上げる激情に我々は思わず言葉を失う――。
刑事・夏目信人シリーズ最新作!

 

*感想*

『刑事のまなざし』『その鏡は嘘をつく』『刑事の約束』と続く、刑事・夏目信人シリーズ最新刊です♪

シリーズものなので、夏目の娘が意識障害を患っているなどの基本情報は知っていた方が良いとは思いますが、そうでなくても楽しめる短編集だったと思います!

 

本書に収録されている作品はこちら

『黄昏』 母親の死亡後、その母の遺体を暮らし続けた娘の話

『生贄』 強姦された女性たちの話

『異邦人』 海外からの留学生たちの過酷な生活状況の話

『刑事の怒り』 意識障害の患者とその家族の話

 

どの話も、自分の実生活ではなくとも、ニュースで見聞きしたことのあるような設定だったので、すんなりと読めました。特に1話目の「遺体と共に生活をしていた」なんていうのは、近年よく報道される内容ですよね…(>_<)

ただ、設定は「見聞きしたことある」だけれど、本書の面白いところは「ではなぜそういう行動に出たのか?」という「動機」を探っていくところにありました!

結局は罪を犯している時点で、そこにどんな理由や動機があろうが「自己の正当化」というただの犯人の「ひとりよがり」なものになってしまうのだけれど、人の数だけそこには人生という物語があるので、そこの辿り着くまでの経緯は、他人の人生を垣間見ている様で興味深く読みました。2話目の強姦の話は読んでいて辛すぎましたが…(:_;)

 

本書は今までの作品よりも強く「生きる尊厳」を感じました。無駄な命などこの世にはないし、邪険にして良い人間などいないのだと。

ただの犯人捜しの警察小説ではなく、人が生きていく上で何を大切にしていくべきかもヒントをくれるこの夏目シリーズは本当に凄いなと思います。

 

是非是非読んでみてくださいね〜〜♪



  ├ 薬丸岳 -
薬丸岳 『ガーディアン』

 

*あらすじ*

匿名の生徒による自警団「ガーディアン」が治安を守る中学校。赴任したばかりの秋葉は、これまでと比べて問題が少ない学校に安堵する。ささいな生徒の変化をきっかけに、秋葉は生徒の身を案じるが、同僚たちは激務に疲弊し、事なかれ主義だ。ガーディアンのメンバーたちは、問題のある生徒らに「制裁」を行っていた。相次ぐ長期欠席を怪しむ秋葉がガーディアンの存在に気づいたとき、おとなしい生徒達が一斉に牙を剥く。

 

*感想*

いじめを題材にした学園物語なのですが、クラス単位ではなくて学校全体での物語だったので、登場人物の多さに目が回りました(笑)たらーっ

今から読まれる方は、筆記用具必須ですよ鉛筆

 

ストーリーは、秋葉が赴任した石原中学校は、これまでの学校と比べて問題が少ないのだが、長期不登校の生徒が多々いることに違和感を抱き、調べてみたら生徒内で『ガーディアン』という自警団があることを知る。ガーディアンに目をつけられた生徒は、学校生徒全員から無視をされるなどの「制裁」を受けるため、学校に来られなくなるようなのだが… ガーディアンの正体は一体誰なのか?ガーディアンとは必要なのだろうか?

というものでした。

 

物語の大半は、生徒たちの悩みと、それに伴いガーディアンの活動内容を知る内容が綴られていき、「一体誰がガーディアンなのだろうか?」と、ミステリー感覚で読めて楽しかったでするんるんそしてガーディアンの正体が明らかになってきてからは、いじめ問題に教師はどう向き合うべきなのか?という教育論的なものも綴られ、それは学生時代特有の悩みではなく、社会を生きていく上でも必要な向き合い方、付き合い方として考えさせられる良い物語でしたぴかぴかぴかぴか

 

教師は万能ではない。しかし無力ではない。

 

本文で綴られたこの言葉、「教師」を「大人」と言い換えて、私も我が子らに伝えたい言葉だと思いましたポロリ

本当はいじめがなくなるのが一番なのだけれど、人間って他人と自分を比べてしまったり、自分や大切な人を守るために去勢を張ったり嘘をついたりしないといけない時があったりして、簡単にはなくせない問題なのだろうね…。でも優奈が答辞で読んだように「自分をわかってもらう努力」を忘れずに私自身もそしてみんなにもしていってもらいたいと思いましたポロリ

  

最後に、私が書き出した登場人物一覧を載せておきますねかわいい

ネタバレになるのでご注意くださいイヒヒ危険

 

★教師

西村   1年学年主任

蓮見玲子 1A担任 

細木   1B担任

森    1C担任

 

加藤   2年学年主任

相原   2B担任 28歳 数学教師

 

下田篤郎 3年生学年主任 昨年胃がんを患う

秋葉悟郎 3A担任 今年赴任してきた

辻    3B担任 現在のサッカー部顧問

佐久間  3C担任 40代半ば女性教師

 

武藤   元サッカー部顧問

倉持   養護教諭

佐伯   教務主任

 

★石原中生徒

三宅彩華  2年前に小児がんで死亡 当時の担任は蓮見、学年主任下田

 

日下部幸樹 1A 大山葵に惹かれる演劇部員

柳瀬七緒  1A 3A常盤結衣のいとこ

川越真凜  1B 元七緒の親友 いつもマスクをしている

仲あゆみ  1B 日下部幸樹の机に千羽鶴をおく

大山葵   1C 名の知れた元子役 演劇部員

 

岡部さゆり 2B 性的虐待で父親が逮捕される

伊藤涼子  2B 演劇部部長

江上志穂  2年 演劇部副部長

 

小野悠   3年 小5で転入してきて大雅と彩華と仲良くなる

常盤結衣  3A 三宅彩華と仲が良かった

若木陸   3A 以前武藤に髪を切られた

トモ    3A 優奈の友達

松山大雅  3B 元サッカー部 三宅彩華と幼馴染

南     3B 八巻・赤塚と松山をいじめていた

西尾宗次郎 3B 若木陸の友達

八巻創   3C 赤塚・南と松山をいじめていた

吉岡優奈  3C 生徒会長 松山大雅に思いを寄せる

山岸絵里香 3C 優奈の友達

赤塚颯太  3A 八巻・南と松山をいじめていた

 

★その他

五十嵐真理 南部中13組 葵をゆする

西尾奈々子 西尾宗次郎の母親

若木静香  若木陸の母親

八巻大和  八巻創の弟

赤塚絢人  赤塚颯太の弟

園原    秋葉の中学校同級生 塾経営者

米沢    園原が経営する塾の講師

夏目信人  錦糸警察署 強行犯係

楠木    下田が入院中の臨時採用教師

 

★ガーディアン

アテナ  常盤結衣

アポロン 小野悠

アレス  日下部幸樹

 

その他にも、一度ただ名前が出てきただけの人物もいたのですが割愛しますね汗

 

ネットを利用した子どもたちの裏社会を描いていて、これが現代のいじめなのかなと勉強になったし、実写化されたらなかなか面白そうなストーリーだとも思ったので是非読んでみていくださいね〜ムード



  ├ 薬丸岳 -
薬丸岳 『ラストナイト』

 

 

*あらすじ*

顔一面に豹柄模様の刺青を入れ、左手は義手の男、片桐達夫。

片桐は32年前に菊地正弘が営む居酒屋「菊屋」で傷害事件を起こしてから、自身の妻とも離婚し、犯罪を繰り返す人生を送っていた。

何故、片桐は罪を重ねるのか…

 

*感想*

面白かったし、切なかったし、私の好きな構成で、とっても良かったですーー!!ラブラブラブラブ 最初はあんまりインパクトのないタイトルに興味が沸かず、読もうかどうしようか躊躇したのですが、これは読んで良かったラブ非常に私好みの作品でしたラブラブ桜

 

本書のメインは、顔一面に豹柄の刺青を入れ、32年間犯罪を繰り返している片桐達夫という男なのですが、物語は片桐と接点のあった人々5人(菊地・中村・松田・森口・荒木)それぞれの視点で片桐について綴られていきます。

 

片桐の過去と、今回出所してきてからの数日間の言動が、片桐本人以外の視点から明らかになっていくという構成は、「俺って良い人だよ」と本人が言うよりも、他人が「あの人って良い人だよ」と言った方が説得力があるように、この片桐の人生についても、本人が語るよりもより刹那的に感じ、最後はまたも泣いてしまいましたポロリ(←やはり加齢だあせあせ

 

薬丸さんは、登場人物達の繊細な心理描写が上手い方で、いつもその語りに一緒に苦悩し、心を寄り添わせ、本の世界に没頭させてもらっているのですが、今回は片桐について語る5名のそれぞれ持ちページが約50ページずつ程度と多くないためか、過去の作品に比べると心理描写が浅い感じがありました。しかし私にはそれがとても素晴らしい配分だと思いましたぴかぴかぴかぴか それは、5人の外野の心情描写が重くなると読者によっては「そうだ!誰にだって悩みや辛いことはある。それなのに、こういう形で過去を引きずっている片桐は弱い奴だ!」など、片桐を非難する視点に立つようになってしまうのではないかと思ったからです。

片桐にある程度の自分勝手さと謎を残しつつ、過去の真相を徐々に解き明かしてゆく薬丸さんの手腕さすがでしたぴかぴかぴかぴか

 

複数の他人の視点で、ある1人の人物について描くという作品では、中山七里さんの『嗤う淑女』があったかと思います。その中山さんの作品がお好きだった方には本書も絶対にお勧めですよるんるん中山さんの作品をご存じでない方も是非是非本書読んでみてくださいムード地味なタイトルだけど(←しつこい)面白いですからわーいラブ



  ├ 薬丸岳 -
薬丸岳 『Aではない君と』


*あらすじ*
勤務中の吉永のもとに警察がやってきた。元妻が引き取った息子の翼が死体遺棄容疑で逮捕されたという。しかし翼は弁護士に何も話さない。吉永は少年法十条に保護者自らが弁護士に代わって話を聞ける『付添人制度』があることを知る。生活が混乱を極めるなか真相を探る吉永に、刻一刻と少年審判の日が迫る。

*感想*
出ました!薬丸さんの十八番!お家芸!真骨頂!『少年犯罪』小説が!ラブ
約6年前に薬丸さんのデビュー作『天使のナイフ』を読み、少年法の難しさを考えさせられ著者の虜になったので、今回久々の薬丸さんの少年犯罪ものは読むのが楽しみで仕方なかったよぉ〜〜ラブ桜 
そして読んでみたら期待通りのハイクオリティー作品で大満足ラブラブ
今年で薬丸さんは作家デビュー10周年ということで、本作品は原点回帰?もしくは10周年記念作品?ということなのかな。本書が記念作なのかどうか存じ上げませんが、10周年おめでとうございますぴかぴかぴかぴか

本書は、同級生を殺害してしまった14歳の息子を、父親が支え、更生させていこうとする物語です。本文では、なかなか14歳の息子が事件の真相を語ろうとしないので、若干真相究明ミステリー要素もあるのですが、息子が語ろうとしない理由にも「父への想い」が詰まっていることが後々わかるので、メインは親と子の「心」を読む小説になっています。この親と子の意思疎通の取り方、接し方が、ぎこちなかったり、もどかしかったり、でももし自分が吉永の立場だったら、やはり同様に上手く翼に向き合えなかったりもするのだろうなどと、色々考え感じながら読み、幾度となく胸が痛くなりました泣き顔

そして親子の数だけ、育児方法や育児方針や愛し方があるのだろうけれど、これこそが「親」だと思ったことの1つは吉永の父親が言ったこの言葉でした。

「物事のよし悪しとは別に、子供がどうしてそんなことをしたのかを考えるのが親だ」


これに似た文章をよく育児書でも見かけますけど、実生活でこれがどれだけ実践できているのかといえば…うーんって感じですね(反省あせあせ)。ので本書はエンタメ小説としても、自身の日々の育児を振り返るにも良い作品でした。

今までの著者の少年法が絡んだ小説には出てこなかった、少年が裁かれるまでの過程や関わる人々(付添人や調査官)も今回は丁寧に説明されていて、また違った切り口になっているので、薬丸作品を全部読んできている方にも絶対に楽しめる作品だと思うし、今回が初の薬丸作品だという方にもおすすめですよーてれちゃう


  ├ 薬丸岳 -
薬丸岳 『誓約』


*あらすじ*
一度罪を犯したら、人はやり直すことはできないのだろうかーー。罪とは何か、償いとは何かを問いかける究極の長編ミステリー。

捨てたはずの過去から届いた一通の手紙が、封印した私の記憶を甦らせるーー。
十五年前、アルバイト先の客だった落合に誘われ、レストランバーの共同経営者となった向井。信用できる相棒と築き上げた自分の城。愛する妻と娘との、つつましくも穏やかな生活。だが、一通の手紙が、かつて封印した記憶を甦らせようとしていた。「あの男たちは刑務所から出ています」。便箋には、それだけが書かれていた。

*感想*
『一度罪を犯した人間は、幸せになってはいけませんか。』
と帯やあらすじに書かれています。
それだけを読むと、
「たった一度でも過ちを犯してしまったら、その人はもう幸せになる権利がないのだろうか?」と読めるかと思いますが(私はそう読み取りました)、本書はそんな単純で綺麗ごとの話ではなく、

『罪を犯し続けてきた人間が、それまでの罪を清算するために、数年後にとある人物2人を殺害すると約束した―。約束を交わしてから数年過ぎてもその誓約は守らなければなりませんか。』
という物語でした。

なので、若い頃に散々悪事を働き、とうとうヤクザから追われる身となったために、新しい顔と新しい戸籍を手に入れ、その代償に数年後とある人間を殺害する約束したという本書の主人公は、厳しい書き方をしれば“自業自得”の物語だったと思います唖然 しかも「たった1度の過ち」ではなくて「散々悪事を働いてきた結果」ですからね汗

「幸せになる権利」云々を差し置いておけば、本書はスリルを楽しめる素晴らしいミステリーだったと思いますぴかぴか主人公が数年後にとある人物を殺害すると約束した相手は既に他界しているはずなのに、どっかの誰かが主人公にその誓約を実行するように促し、さらには主人公の生活までも見張られるようになり…と、その黒幕が気になりほぼ一気読みしちゃいましたラブ

登場人物が多くない物語なので、主人公を追い詰める犯人がラストで判明してもさほど驚きはないのですが、その犯人が主人公に執拗にまとわりつく理由がちゃんと綴られていたので、読後感も良かったでするんるん 私には15年は長すぎたと思いますが(笑)あ、ネタバレだ(笑)イヒヒ

ハラハラドキドキスリルのある小説なので、まったり気分から抜け出したい方は是非読んでみてね〜桜


  ├ 薬丸岳 -
薬丸岳 『神の子』


*あらすじ*
殺人事件の容疑者として逮捕された少年には、戸籍がなかった。十八歳くらいだと推定され、「町田博史」と名付けられた少年は、少年院入所時の知能検査でIQ161以上を記録する。法務教官の内藤は、町田が何を考えているか読めず、彼が入所したことによって院内に起こった不協和音に頭を悩ませていた。やがて、何人かの少年を巻きこんだ脱走事件の発生によって、事態は意外な展開を見せる…。

*感想*
親の虐待により戸籍を持たないIQ161以上の天才少年が、その頭脳を使い悪の組織に属することもあったが、やがて自分の力で生きていこうとする。という様な話。

上巻は「天才少年町田を闇組織が執拗に追う」という分かり易いストーリーがあるのですが、下巻になると町田と取り巻く人々が町田の過去と闇組織の全貌を調べようとする方がメインとなってしまい、ちょっと話が膨らみすぎているように感じた作品でした…あせあせ

面白くないわけではないけれど、本書の一番残念だったのは、闇組織の方向性が曖昧だったところ汗 上巻ではどうにかして町田を捕獲しようとしているのに、下巻では町田を見守る方向にシフトしちゃうのですよね… しかも町田を追う室井が闇組織のボスかと思いきや、もっと大ボスや政財界の大物まで登場してしまい、町田と直接は関係しない闇組織の大きさを描く必要がよくわかりませんでした。
そして町田の大切なものを奪おうとするにしても、突然都合の良すぎる具合に闇組織に洗脳されている人が登場して… もっとその闇組織の巨大な力、抗うことのできない流れを詳細に描いて欲しかったです。

でも町田の心の成長は素直に感動しましたポロリ。人の心を作るのはやっぱり人との心の触れ合いなのですよね。どんな過去や障がいがあろうとも、近くに居て向かい合ってくれようとする人の存在の大切さを、町田・稔・磯貝・楓たちが上手く伝えてくれていてジーンとしました。

ページ数がそこそこあるけれど、良くも悪くも色々と話が展開するので楽しく読める作品だと思います。読んでみてね桜


  ├ 薬丸岳 -
薬丸岳 『刑事の約束』


*あらすじ*
植物状態の娘を持つ東池袋署の刑事・夏目信人(なつめのぶひと)。数々の事件に遭遇し、独自のまなざしで手がかりを見つめ、鮮やかに謎を解いて行く。夏目が対するのは5つの事件。抜き差しならない状況に追い込まれた犯人たちの心を見つめる夏目が、最後にした“約束”とは――。
無類の題材、怒濤の展開、衝撃の結末。いまも近くで起きているかもしれない、しかし誰も書いたことのない事件を取り上げ、圧巻の筆致で畳み掛ける、乱歩賞作家・薬丸岳の真骨頂! あなたは五度驚き、五度涙する!

*感想*
出ました!!夏目シリーズ第三弾!!

****参考に****
第一弾『刑事のまなざし』椎名桔平さんでドラマ化(2013年)
(収録作品:オムライス/黒い履歴/ハートレス/傷痕/プライド/休日/刑事のまなざし)
第二弾『その鏡は嘘をつく』
第三弾『刑事の約束』
(収録作品:無縁/不惑/被疑者死亡/終の住処/刑事の約束)
******************************************************


本書も基本構成は『刑事のまなざし』と同じで、早期解決案件と思われた事件を夏目が独自捜査で真相を明らかにするという短編集になっています。しかしメインは犯人探しではなくて、 “犯人の本当の動機探し”というのが、今まで読んだことがない攻め方で面白かったわ〜ラブぴかぴかしかも犯人が真の動機を隠す理由というのが、誰かを愛するが故のものだったりしたので、胸が温まりジーンときましたポロリ 

本書はサクっと読める短編集なのですが、過去の夏目シリーズに登場した人が数人登場してくるので、そこをしっかり思い出しながら読み込むとまるで長編小説のような面白い作品になると思いますよ桜

是非とも押さえておきたいシリーズ第一弾&二弾で登場した人物トップ3
かわいい_凸椶量次С美。夏目の仕事と生への原動力になっているから絵美は基本ですね。
かわいい◆悗修龍世榔海鬚弔』で登場する検事:志藤。『その鏡〜』の時の様な強い正義感は伝わってこない脇役程度ですが、知っているだけで話が面白く感じます。
かわいい『刑事のまなざし』の「オムライス」で登場した裕馬と恵子。本書の大トリ話「刑事の約束」でこの2人の過去がとても重要になってくるので、是非とも「オムライス」を読み返してから読んでほしいです。

夏目さんは絵美のことでまた新たなるスタートラインに立ったことですし、これからもシリーズが続いていきそうですねぴかぴか やる気がなさそうだけれど、胸に熱いものを秘め、そして信念を曲げない夏目刑事好きですよるんるん 次の作品も楽しみにしていますわーい


  ├ 薬丸岳 -
薬丸岳 『その鏡は嘘をつく』


*あらすじ*
エリート医師が鏡に囲まれた部屋で自殺した。その後、医学部受験を控えた一人の青年が失踪した。正義感に溢れる検事・志藤清正は、現場の状況から他殺の可能性を見破り、独自に捜査を進める。その頃、東池袋署の刑事・夏目信人は池袋の街を歩き、小さな手がかりを見つめていた。二転三転する証言のなかで、検事と刑事の推理が交差する。乱歩賞受賞が描いた、人間の心、とは。連続ドラマ『刑事のまなざし』の夏目シリーズ極上の感動長編!

*感想*
『面白い本』というよりも『面白いかんじのする本』
『壮大』なようで『こぢんまりとした作品』
という感想を抱いた作品でしたたらーっ

本書のあらすじは、自殺と思われていたエリート医師の死亡に、他殺の可能性が見えてきたため、刑事と検事が真相暴きに奮闘するというものです。
作中に登場人物が沢山出てくるし、場面によって主体となる人物が変わって多角から一つの事件を見られるようになっているし、さらには容疑者とその関係者の証言が二転三転するというスリリングなもの(?)なのですが、全体的に緊迫感と躍動感が私は感じられずに、淡々と「ふ〜ん。最後の真相はそこに落ち着いたのか〜」と思って終わってしまいましたあせあせ

今回もう少し肉付けエピソードを簡潔にすべきだと思った箇所が3点あったのね↓
‥戝啾渊陲扱う他の事件の詳細
∋崙8〇を取り巻く人間模様(妻・義父・上司)
M夙校の生徒たちの状況

これら3点は、結局メインストーリーである事件の真相には影響を及ぼしていないんですよね。なので読んでいる最中に頭の片隅に残っていたこれらのエピが、不要な霧となってメインストーリーを覆ってしまい、読後にスッキリとした感覚を残せていなかったと思います爆弾

ちなみに皆さんはラストP336に登場する
「今日は○○(←ネタバレなので伏せておきます)を起訴した後、有馬との最後の聴取に挑んだ。拘留二十日目にして何とか有馬の口を割らすことができたが、…(省略)」
の『有馬』の事件って何のことだか覚えていましたか?
私は頭の中にいらぬ情報を沢山詰め込まれ過ぎていたために思い出せず二度読みして探してしまいましたよ〜
答えはP54 17行目に登場していたこの件でした↓
ことの発端は三カ月前に小学校五年生の男児が行方不明になったことだ。男児の父親である有馬一也のもとに公衆電話から身代代金を要求する電話が入ったことから、誘拐事件として捜査された。だが、男児が虐待されている疑いがあったことで、誘拐されかけたことに見せかけた殺人の容疑で有馬が逮捕された。(抜粋)


こんなたかが本書前半に数行登場しただけの事件の容疑者の名前を、ラストまで覚えている読者は絶対にいないと思うのだけれどなぁ…唖然

でも二転三転する証言は面白かったです。数少ない状況証拠をだけでは犯人の動機や事件背景は明確にできないものだってことですよね〜ぴかぴかぴかぴか


  ├ 薬丸岳 -
薬丸岳 『友罪』


*あらすじ*
過去に重大犯罪を犯した人間が、会社の同僚だとわかったら?
ジャーナリストを志して夢破れ、製作所に住み込みで働くことになった益田純一。同僚の鈴木秀人は無口で陰気、どことなく影があって職場で好かれていない。しかし、益田は鈴木と同期入社のよしみもあって、少しずつ打ち解け合っていく。益田はある日、元恋人のアナウンサー・清美から「13年前におきた黒蛇神事件について、話を聞かせてほしい」と連絡を受ける。13年前の残虐な少年犯罪について調べを進めるうち、その事件の犯人である「青柳」が、実は同僚の鈴木なのではないか?と疑念を抱きはじめ…

*感想*
『酒鬼薔薇聖斗(サカキバラセイト)』と名乗る少年が起こした猟奇的残虐事件、『神戸連続児童殺傷事件』がモチーフとなり、罪人はその後過去の罪とどう向き合っていくのかを描いている物語でした。

本書のメインストーリーは、「主人公(益田)が仲良くなった同僚(鈴木)は、じつは日本中を震撼させた殺人鬼(犯罪者)だったことを知り苦悩する」という話です。鈴木は確かに人として考えられないような残虐殺人をした、しかし少年院を退所した今は安住の地を求めて一生懸命生きている。そんな彼の現状などをマスコミを通して世間に公表すべきかどうか悩む益田…。

本書の素晴らしい所は、益田を初めとするその他の登場人物達にも、何かしら暗い過去があり、それでも今を一生懸命に生きようと向かっている姿を描きつつ、「知られなくない過去を背負っている者に、プライバシーや明るい未来は与えられないものなのか?」を読者に考えさせてくるところだと思います。 同級生を自殺に追いやってしまった益田、元AV女優の美代子、実の息子に見放された弥生、家庭離散した山内…  この過去を持つ人には明るい未来を、この過去を持つ人には一生制裁を… なんて判別する権利を私たちは持っているのだろうか? 確かに猟奇的殺人を犯した犯人が本当に更生したのかどうかを判別するのは大変難しいことだと思うし、その判断を誤ってまた殺人が起きた時の事を考えると恐ろしくて、それならは最初から社会から隔離させておきたい気持ちもわからないでもありませんが…がく〜

本書の展開は、いつもながら「特定な人物に肩入れせずに公平に書き切る薬丸節」が炸裂で、犯罪者・犯罪被害者・その関係者、全ての人々の気持ちを体感できる傑作でした。でも今回少し目新しく感じたのは、ラストの締め方です。これには救いがありました。鈴木は犯罪者だけれど、純粋な友情に触れる機会を与えられても良いものですよね。
生きていくって辛く大変な事が多いけれど、全ての人々に少しでも幸せな出来事が起こるといいなとジーンと涙がでる作品でした悲しい 薬丸さんいつも素晴らしい作品をありがとうございますぴかぴか


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薬丸岳 『死命』

*あらすじ*
榊信一は大学時代に同郷の恋人を絞め殺しかけ、自分の中に眠る、すべての女に向けられた殺人願望に気づく。ある日、自分が病に冒され余命僅かと知り、欲望に忠実に生きることを決意する。それは連続殺人の始まりだった。榊の元恋人だけが榊の過去の秘密を知るなか、事件を追う刑事、蒼井凌にも病が襲いかかり、死へのカウントダウンが鳴り響く。そして事件は予想もしない方向へ―衝撃の展開、感涙の結末。

*感想*
自分の余命を知った時、皆さんは残りの人生をどのように過ごしますか!?
多分「欲望のままに食べる」「寝る」「散財する」等々「欲望のままに○○する」という答えが一般的になるのではないでしょうか。本書には末期ガンを患い余命宣告をされる男が2人登場し、一人の男:榊信一は「欲望のままに女性を殺害する」という選択を、もう一人の男:蒼井は「殺人犯を捕える」という選択をそれぞれします。
蒼井は死を恐れぬ罪人に報いを与えられるのか、そしてこの2人の男の人生最後の選択を決めることになった過去の記憶とはどんなものだったのか… 彼らの過去と未来がどちらも気になる小説でした。

薬丸さんの初期作品には、読んでいて砂を飲み込んだような重さを感じるものが多かったのですが、ここ近年は少し以前に比べれば軽くなり「読みやすい」作風になってきた気がします。『暗い』『重い』話が好きな私には少し残念な傾向なのですがね…あせあせ とはいえ、本書もエンタメとして面白い作品でした。 物語の視点が、殺人鬼:榊 刑事:蒼井 榊の元恋人:澄乃 新米刑事:矢部 と変わっていくために展開も早く、そして榊の過去には特に謎めいた部分が多いので、飽きることなく読み進められます。そしてラストに明かされた榊の記憶も私には非常に納得のいくものでした。パブロフの犬の様に、人間もある特殊な状況によって必然的に抱いてしまう気持ちや欲望ってあるでしょうからね。

それにしても骨壺の写真をメールで送る綾子の趣味の悪さと、そのメールに対して「お前が死ね!」と返信した榊の激昂振りは衝撃でしたねたらーっ 一生忘れられない行になりそうですたらーっ


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