読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
湊かなえ 『未来』

*あらすじ*

「こんにちは、章子。わたしは20年後のあなたです」ある日、突然届いた一通の手紙。
送り主は未来の自分だという……。

父親を亡くし、自分の世界に籠りがちな母親と2人で暮らす章子は、未来の章子からの手紙通り、悲しみを乗り越え、そして明るい未来が待っているのだろうか…

 

 

*感想*

私の周りには「湊さんの作品は、読後辛くなるので読めない」という人がいるのですが、今回も「間違いなく辛くなります!」と断言できる作品でした。

 

いじめ、自殺、他殺、性的虐待、売春強要、親の離婚、親の失踪、親の早死、DVなどなど… 不幸エピソードのフルコース過ぎて、逆に現実味が減ってしまっていたとすら思える、ドロドロした作品でしたので…。

『未来』というタイトルから、“明るい未来や希望”を思い描いて読み始めた人はきっとショックを受けると思います、ご注意下さい

 

物語は、主人公の章子(10歳)が父親を亡くし、そして学校生活でも上手くいっていない時に、20年後の章子(30歳)から「20年後のあなたは、むねをはって幸せだと言える人生を歩んでいます。がんばれ、章子!」という応援のお手紙をもらうところから始まります。

ただの応援手紙だと、誰かの悪戯なのかとも思ってしまうのですが、そこには章子自身ではないと知らないエピソードなども書かれていて、この手紙は本当に未来から届いたのではないかと思わされました!

そして、本当に未来から届いた手紙だと信じた10歳の章子が、30歳の章子へお返事を綴る形式で物語が進行していきます。つまり、湊さんの十八番の「独白形式」でね。

 

で、そこから10歳の章子の人生と、章子に関わる人々の人生がそれぞれ綴られていくのですが… もうそれが酷い、酷い、酷いのですよっ!!冒頭でも述べた通り、不幸エピのオンパレード

ここでは誰が具体的にどういう被害にあったのかは書きませんが、その不幸エピのオンパレードについては一言物申させてください!

 

よく自分の生み出した作品は”子供みたいもの“というような言葉を聞くことがあるけれど、湊さんは自分の生み出した登場人物たちをこんなに不幸にさせて辛くないのかな?例えば戦時中の小説とかで、登場人物たちが辛い思いをするのは「現実に起きてしまった歴史」として読者に伝えたいという著者の思いを感じることができるのだけれど、今回のような、ただただ登場人物たちがいじめられ、蹂躙され、絶望を感じさせられることにどんな意味があるのだろうか?と思いました。確かに現実にいじめや性的虐待などはあるでしょう、しかし本書では、複数の少年少女たちが同じような性的虐待を受けていたり、親を亡くしていたりする重複した設定で、ただただ物語をよりグロテスクにして、少年少女たちをより不幸に貶めるために与えた設定としか感じられず、私には気持ちの良くない小説だったのです。

 

本書で著者自身も書いているじゃないですか

 

言葉には人を慰める力がある。心を強くする力がある。勇気を与える力がある。癒し、励まし、愛を伝える事もできる。

だけど、口から出た言葉は目に見えない。すぐに消えてしまう。耳の奥に、頭の芯に、焼き付けておきたい言葉でさえも、時が過ぎれば曖昧な姿に変わり果ててしまう。

だからこそ、人は昔から、大切な事は書いて残す。言葉を形あるものにするために。永遠のものにするために。

P15.から抜粋)

 

そう書いているのにーーー!

何故湊さんは登場人物達をそんなに苦しめるの(;_:)

 

ううう… 章子の未来が気になってほぼ一気読みだったけれど、読んでいて辛く苦しく、そして私には納得のできない作品でした… 



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湊かなえ 『ポイズンドーター・ホーリーマザー』


★★★★☆

※あらすじ※
湊かなえ原点回帰! 人の心の裏の裏まで描き出す極上のイヤミス6編!!
私はあなたの奴隷じゃない! 母と娘。姉と妹。男と女--。ままならない関係、鮮やかな反転、そしてまさかの結末。あなたのまわりにもきっといる、愛しい愚か者たちが織りなすミステリー。さまざまに感情を揺さぶられる圧巻の傑作集!!

※感想※

【毒親】(どくおや、英:toxic parents)とは、過干渉などによる児童虐待で一種の毒のような影響を子供に与える親のこと。

皆さんは【毒親】という言葉をご存知でしたか?私は本書で初めて知りました。意味は上記の通りで、6編の短編からなる本書には、毒親の影響を受けて育った人々が登場してきます。
親の過干渉や厳しい躾によって、子供が自立できなくなったり、歪んだ性格になるという物語は以前から多々あったと思います。すぐに思い出すのは村山由佳さんの『放蕩記』かな。しかし『放蕩記』は長編だったのに対し、本書は短編なので「抑圧されて育った結果、こんな犯罪を犯してしまいました」という物語がサクッとトントンと綴られるので、児童虐待に興味のない人にもミステリー小説として読みやすいものになっていると思います。

収録されている6編全て面白かったのですが、私が1番引き込まれたのは、1話目の「マイディアレスト」です。里帰り出産で実家に戻ってきた次女が、何者かによって殺害されてしまう…という話なのですが、未婚の姉が実家でまだ生活していたことにより、顕著に描かれる姉妹間の確執や、長女と次女の親からの躾の違いなどが非常にリアルで、姉妹で育った私にはとても身近で感情移入できて面白かったです(≧▽≦)!うちの姉妹は仲良しですがね(一応補足しときますw)

特にラストの
「誰が何度、あの夜のことを私に訊いても、答えは同じだ。ー蚤取りをしていました。」
には鳥肌が立ちました。そう、あれは蚤取りなんですよね、姉にとっては…
姉妹でも親子でも言ってはいけない言葉、態度ってものがあるってことを忘れちゃ駄目ですよね。

あと、表題作の「ポイズンドーター」「ホーリーマザー」も力作で面白かったです!他の短編に比べて精神面の描写が深かったので、文学色が強くでていて、それまで読んできた【毒親】というものが、本当に【毒親】だったのか?と定義を覆す流れもあり、深くて良かったです

やはり湊さんは、人の醜い部分を描くのが上手いですね。また文章も絶妙に口悪い表現を使われていて、かなりツボにはまりました。
例えばこことか↓
「憧れの脚本家が一瞬にして、ただのくそ親父に成り下がった。」

やはりハズレのない湊かなえ作品ですね。次作も楽しみにしていまーす♪



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湊かなえ 『ユートピア』


*あらすじ*
地方の商店街に古くから続く仏具店の嫁・菜々子と、夫の転勤がきっかけで社宅住まいをしている妻・光稀、移住してきた陶芸家・すみれ。
美しい海辺の町で立場の違う3人の女性たちが出会い、ボランティア基金「クララの翼」を設立するが、些細な価値観のズレから連帯が軋みはじめ、やがて不穏な事件が姿を表わす――。

*感想*
『おまえ、芝田か?』
という指名手配犯による殺人事件が起こった町『鼻崎町』を舞台に、田舎ならではの濃密な人間関係と、指名手配犯の行方をミステリーとして描いた作品でした。

最近の湊作品は、物語の前半は毒が少なめで、後半で一気に盛り返す(盛り上げる)スタイルになっていたのですが、本書の場合は後半でも毒が少なめのまま終わってしまった印象でしたムニョムニョ
確かに本書には色々な謎が隠されています。「久美香は本当に歩けないのか?」「芝田は鼻崎町に戻ってきてるのか?」「菜々子の義母の失踪の真相は?」などなど。これらの謎を他人からの目・評価・くだらない協調性に囚われている女達の世界に落とし込んできたのは、なかなか面白い設定でした。しかしちょ〜っと普通すぎたかなたらーっ。この程度のプライドの高い女(光稀)、ウジウジしている女(菜々子)、世渡りが上手い女(すみれ)はゴマンといるし、3人それぞれの思惑をもっと詳細に知るにはページ数が十分でなく、読み応えが足りませんでしたあせあせ

そして結局『芝田』の件も、特別びっくりするような真相ではなかったですし、やっぱり本書のメインは女達の心理戦ってことなんですよね。せめてすみれが勝手にライバル視していた小梅さんが嫌な女だったらもっと面白かったのにな(笑)

論理的なミステリー要素は弱いので、本書は女性向きかもしれませんね。きっと女たちの会話に含まれている「駆け引き」「本音」は男性には解かり難いと思います。かくいう私もそういう駆け引きや気遣いが苦手な方だけれど、菜々子がグラタンを注文できた喜びはわかりましたイヒヒほんと女って面倒な生きものですね(笑)

女達の心理戦をメインに描いた本書は湊さんの新境地でもあるかと思うので、是非今度もっとパワーアップしたこういう作品を読みたいです!! 楽しみに待ってますぴかぴかぴかぴか


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湊かなえ 『リバース』


*あらすじ*
深瀬和久は平凡を絵に描いたようなサラリーマンで、趣味らしいことといえばコーヒーを飲むことだった。その縁で、越智美穂子という彼女もできてようやく自分の人生にも彩りが添えられる。と思った矢先、謎の告発文が彼女に送りつけられた。そこにはたった一行、『深瀬和久は人殺しだ』と書かれていた。深瀬を問い詰める美穂子。深瀬は懊悩する。ついに“あのこと”を話す時がきてしまったのか、と。

*感想*
ストーリーはシンプルに、
主人公深瀬の彼女の元に『深瀬和久は人殺しだ』と書かれた手紙を送りつけてきたのは誰だ?
というものでした。
その『人殺しだ』というのは完全にでっち上げやイタズラなのではなく、深瀬には大学生時代に友達を亡くした過去があり、その亡くなることになってしまった原因に関わっていた…という経緯があってのことなのですが、亡くなった友人の両親も警察も『事故だった』ということで終息したはずの件が、なぜ数年の時を経て『人殺し』と告発されることになってしまったのか。という謎を含んだミステリー小説でした。

謎がシンプルなだけに、展開もかなりシンプルに流れていきます。このシンプルさとベタな展開には、前作の『絶唱』の時と同様「おいおい、湊さん、忙し過ぎて毒を抜かれちゃったのかい?」なんて思ったりもしたのですが…(←なんて失礼な物言い…たらーっでも本当にベタな展開なんですよ〜たらーっ)。でもね、でもね、でもね!!これまた『絶唱』の時と同じ様に、全く想像できなかったラストで、湊さんの逆転サヨナラホームランがそこには打ち込まれていましたー!!ラブラブラブラブ 
その最後の一文はさらりとしたものなのですが、「筆は剣よりも強い」と言っても過言ではない鋭さで、私の胸をえぐりました。見事なまでに面白かったですてれちゃう これがベストセラー作家の実力なのですねラブラブ

このラストを読めば、なぜそこに辿り着くまでの展開がベタだったのかが腑に落ちました。特に私がゲンナリする程にベタ&陳腐だと勘違いしていた箇所は、第五章ラストのこのやり取り。
深瀬 「俺は広沢の両親に本当のことを打ち明けようと思うんだ」
美穂子「懺悔をした側は気持ちが軽くなると思うけど、重石を差し出された人はどうすればいいんだろう」
なのですが… 
終章の内容を深瀬が知った後でも、彼はこの考えを変えないのかどうか気になりますよね〜〜イヒヒふふふふふふイヒヒ ベタ&陳腐な内容だっただけに、その落差というか、ラストを知った後のこのやり取りの重みをすっごく感じられて最高でした桜!

本書はかなり湊さんに、私の思考の裏側を付かれた気がする作品でした。美味しそうなコーヒーが沢山登場することも、それは単に食指を刺激して読者を喜ばせようとするものではなかったし、ミステリーの本質もじつは違うところに隠されていたし、本当にお見事でしたぴかぴか

今後も湊さんの最新刊が発表されましたら拝読させて頂きますラブ


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湊かなえ 『山女日記』


*あらすじ*
真面目に、正直に、懸命に生きてきた。私の人生はこんなはずではなかったのに……。 誰にも言えない「思い」を抱え、一歩一歩、山を登る女たちは、やがて自分なりの小さな光を見いだしていく。女性の心理を丁寧に描き込み、共感と感動を呼ぶ連作長篇。

*感想*
先日読んだ『絶唱』よりも前に発売された本なのですが、うっかり図書館に予約を入れるのを忘れてしまい、今頃読むことになってしまったよ〜モゴモゴ

本書は、「自分の生き方に悩んでいる女性達が山を登ることにより、自分を見つめ直す。」という連作短編集でした。7編収録されているので、7人7様な悩みが綴られ、結婚とは何か、家族を持つということは何か、自分の夢を追いかけるということは何か、などなど女性読者ならば1つは共感できるストーリーがあるかもしれません桜

ちなみに私は家族愛を描いた『白馬岳』に感動しましたポロリ
“姉妹育ち”“娘を持つ母”という2つのキーワードが私に当て嵌まり、とても感情移入できたのです。 妹のセリフ
『立派な人っていうのはね、自分がダメなときには、お願いします、ってちゃんと頭を下げられる人のことなんじゃないの?』

にはガツンと心に響いたし、自分の母親を責め立てられた時の、その娘の行動にも感動しましたポロリ

女性達の悩みに関しては、そこそこ共感でき、既婚者の立場からアドバイスしてあげたいことがあったり色々楽しめたのですが、どうも私には「山」という舞台に興味が持てなかったのが1つだけ残念な点でした唖然
短編という限られたページ数では、山に関する記述はこれで精一杯だったのかもしれないですが、私には前の人を簡単には追い抜けない細い道や、高山に咲く花の様子を脳内に映すことができなかったのです。

メインは人生案内みたい物語ですが、本書を読んだことをきっかけに「私も山ガールになる!百名山を制覇したい!」と思わせることができたらもっと良かったですね桜


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湊かなえ 『絶唱』


*あらすじ*
悲しみしかないと、思っていた。でも。死は悲しむべきものじゃない――
南の島の、その人は言った。心を取り戻すために、約束を果たすために、逃げ出すために。忘れられないあの日のために。別れを受け止めるために――。
「死」に打ちのめされ、自分を見失いかけていた。そんな彼女たちが秘密を抱えたまま辿りついた場所は、太平洋に浮かぶ島。そこで生まれたそれぞれの「希望」のかたちとは?
狒喙〞から、物語は生まれる――。

*感想*
4話からなる連作短編集で、最初の3話は南国トンガを舞台に、心に傷を負った人々の再生物語が綴られます。
この3話を読んだ時には
「湊さんの毒が減ったな…ふぅ〜ん
「イヤミス系はネタ切れで、ハートウォーミング路線にも手を伸ばしてきたか汗
なんて辛辣なことを思ったりもしたのですが、最終話『絶唱』で本書のイメージがガラッと変わりました。

最終話『絶唱』には本書最大のミステリー
「これは実話だったのか否か」

という疑問を読者の心に植え付けられます。

この答えがもしもYESならば、どれ程の覚悟を持って湊さんが本書を執筆したのか、深く重く読者の胸にのしかかり、
NOならば、これ程に読者を翻弄させ、最終話でそれまでに綴られた物語の印象をガラっと総入れ替えさせてしまう手腕はさすがとしかいえない驚愕作品だったと思います。

最初の3話の生ぬるさが苦手と思う人も、とにかく最終話までは絶対に読んでください!!
本書が実話なのかどうかは湊さんのみぞ知るところでしょうが、実際に湊さんは兵庫県西宮市の大学出身で、青年海外協力隊で2年間トンガに赴き、その後高校の家庭科非常勤講師という経歴の持ち主であるということ、そして文芸書の巻末に必ずというほど「本書はフィクションです」という文言が本書には印字されていないということだけは確かです。

人とは弱い生き物。でも弱くたっていいんだ。時に支え合いながら、励まし合いながら、生きていこう。傷ついても少しずつでいいから歩いて前に進んでいこう。
そんな勇気と感動をくれる作品でしたポロリ

色々な意味で楽しめる本書、絶対にお勧めです桜


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湊かなえ 『物語のおわり』


*あらすじ*
妊娠三ヶ月で癌が発覚した女性、
父親の死を機にプロカメラマンになる夢をあきらめようとする男性……
様々な人生の岐路に立たされた人々が北海道へひとり旅をするなかで受けとるのはひとつの紙の束。それは、「空の彼方」という結末の書かれていない物語だった。
ここで途切れている「空の彼方」という物語を受け取った人々は、その結末に思いを巡らせ、自分の人生の決断へと一歩を踏み出す。
湊かなえが描く、人生の救い。

*感想*
NEWスタイルと言えるであろう構成でとても魅力的で面白い作品でしたぴかぴかぴかぴか桜

本書は短編集なのですが、最初に描かれる『空の彼方』という作品は、絵美という若い女性が作家になる夢を追うべく上京するのか?それとも婚約者との新しい家庭を持つために作家になる夢を諦めるのか?
という究極の選択的ストーリーになっています。しかしなんと結末(主人公が最後はどちらを選ぶのか)はありません!!

そして本書の本当の面白さはこの次の2話目から始まりますラブ
というのも、2話目から6話目は、北海道旅行中の人が、リレー方式でラストの描かれていない『空の彼方』の原稿を譲り受け、自分の人生と重ねながら絵美のその後を想像して、自分なりのエンディングをそれぞれが考える。という物語なんです。
十人十色の人生があるように、この原稿を受け取った人々の人生と悩みもそれぞれで、皆さん絵美の行く末の考え方がそれぞれ違い、でもどれも正解でも不正解でもなく、読んでいて歯痒さあり、共感あり、とにかく色々な考えと物語を堪能できて良い短編でした桜

ちなみに、もし私がこの話のエンディングを書くならば…
『絵美は結局自宅に戻るのだが夢を諦められず執筆を続ける。パン屋と執筆を両立させようとする絵美の姿に心打たれたハムさんが仕事を辞めてパン屋を継ぎ、絵美の執筆をサポートし、とうとう絵美はとある新人賞を受賞、そしてデビューへ!』
みたいベタな事書いちゃうかなたらーっ
つまりは、夢も愛も諦めず、そのために夫に協力してもらっちゃう!といういかにも現代らしい妻の方が強い&女性に都合の良い内容を思い描いてしまいました(笑)もしくは『湖上の花火』に出てきたあかねの様に「絵美は結局電車に乗ってしまう。夢を持たないあなたに、私の気持ちは解からない、と言って」かな。
私ってあかね同様、自己中なのでしょうねひやひや

ラストではどうやってこの原稿リレーが始まったのかの謎も解けるし、なんと『空の彼方』のその後…なんかもちゃんと納得のいく形で描かれるので、読後感も良いものになってますよ〜ぴかぴか

この新感覚ストーリー、是非とも多くの方に楽しんでもらいたいです。読んでみてねラブ!!


  ├ 湊かなえ -
湊かなえ 『豆の上で眠る』


*あらすじ*
行方不明になった姉。真偽の境界線から、逃れられない妹――。
あなたの「価値観」を激しく揺さぶる、究極の謎。私だけが、間違っているの? 13年前に起こった姉の失踪事件。大学生になった今でも、妹の心には「違和感」が残り続けていた。押さえつけても亀裂から溢れ出てくる記憶。そして、訊ねられない問い――戻ってきてくれて、とてもうれしい。だけど――ねえ、お姉ちゃん。あなたは本当に、本物の、万佑子ちゃんですか? 待望の長編、刊行!

*感想*
最初から最後まで違和感と謎がつきまとい、そのモヤモヤを拭い去りたい一心で読み耽った作品でした桜 細かいツッコミどころはさて置き、読んでいて面白かったし、読後はスッキリしつつも、著者から深いメッセージを提示された秀作だったと思いますぴかぴかぴかぴか

大学2年生の結衣子が久しぶりに実家に帰省し、駅で「姉」とその友人を見かけるところから話は始まります。確かに第一章の【現在】では「姉(万佑子)」が登場するのに、その後の結衣子の回想シーン【過去】では「万佑子」が小学三年生時に行方不明(神隠し?誘拐?)になったというものなので、なぜ「万佑子」が行方不明になったのか?そしてどういう風にして戻ってこれたのか?がとても気になりページをめくる手が止まらない構成でしたてれちゃう
しかし物語の神髄は、「姉」が無事に帰還してからの方にあります。それは、戻ってきた「姉」が「万佑子」とは別人としか思えなかったから―。

この物語は、湊さんだから面白く書けたのだと私は思いました王冠2
違和感の持たせ方と、物理的・科学的証拠のかけ引きがとにかく上手!「姉=万佑子」の図式が正解なのかどうか、最後の最後まで決定的証拠を読者につかませずに、なんとなく怪しいというエピソードを冗長にならない程度に綴った分量が最適でしたチョキ そしてそのメインテーマと姉妹の思い出に1つの童話を重ねていたのも、本書のインパクトを濃くさせていて良かったわ〜ラブ

道尾秀介さんなら、猫のブランカが万佑子の生まれ変わりだった!なんてオチもありそうだな〜イヒヒと思いながら読んだのですが、湊さんではさすがにそれはなかったね(笑)
子供に受け継がれるDNAは、実際にはかなり容姿で確証を持てるレベルだと思うけれど(やっぱり親子ってそっくりだからね!)本書はそういうことよりも「心の繋がり」で楽しんでみたら良いと思いますよ〜ポッ


  ├ 湊かなえ -
湊かなえ 『高校入試』


*あらすじ*
県内有数の進学校・橘第一高校の入試前日。新任教師・春山杏子は教室の黒板に「入試をぶっつぶす!」と書かれた貼り紙を見つける。そして迎えた入試当日。最終科目の英語の時間に、持ち込み禁止だったはずの携帯電話が教室に鳴り響く。さらに、ネットの掲示板には教師しか知り得ない情報が次々と書き込まれ…。誰が何の目的で入試を邪魔しようとしているのか?振り回される学校側と、思惑を抱えた受験生たち。やがて、すべてを企てた衝撃の犯人が明らかになる―。

*感想*
今から約1年前の2012年10月6日から3ヶ月間、長澤まさみさん主演でドラマ放送テレビされた『高校入試』の小説版ですぴかぴか
私は映像よりも小説を先に読みたい派なので、ドラマ版は観ていなかったのですが、小説版は「入試とは一体何なのか?」という読者に疑問を投げつつの、入試をぶっつぶそうとしてくる犯人探しのミステリーありで、とても楽しめましたラブ

舞台は県内トップの橘第一高校で、入試前日に「入試をぶっつぶす!」という宣戦布告が教室に張られ、その予告通りに入試当日に、校内の様子や試験問題がネットの掲示板に流出する…という物語。 これだけならば、昨今話題になっている試験会場への携帯電話持ち込みと試験問題の漏洩問題で終わってしまうのですが、それで終わらせない湊さんの手腕がバリバリ発揮されているから本書は面白い!!ラブラブ

まず基本的に登場人物23人(教師+受験生+その家族)が全て入試をぶっつぶそうとしている犯人に見えてくるように怪しく描かれているし、とにかく皆さん“気持ち悪い人たち”なのたらーっ(笑)橘第一高校卒業の教師たちは本気で母校を愛していて、卒業から何年も経っているにも関わらず校歌を熱唱するエピソードは気持ち悪さ満点で最高だし、学校問題には欠かせないモンスターペアレンツもしっかり登場して諸悪の根源は学校側だと言い寄ってくるし、その娘も思ったよりも強かでと…

多分最初は23人という大人数の登場人物に混乱する読者も多いかと思うけれど、相関図を見ながらでも読み込んでいくと、絶対にハマると思うので是非最後まで読んでみて欲しいですパンチ
あと今Amazonで調べたら、本書のラストはドラマ版とは違うそうなんですね! なので今度私もドラマを観るか、シナリオ版小説を読みたいと思いま〜す桜


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湊かなえ 『望郷』

*あらすじ*
美しき海にかけられた白い吊り橋は、愛する故郷に、何をもたらし、何を奪っていったのか―。
瀬戸内海の島に生まれ育った人々が織りなす、心の奥底を揺さぶる連作短篇集。
日本推理作家協会賞(短編部門)受賞作「海の星」収録。

*感想*
生まれも育ちも千葉県で、結婚後も千葉県に在住の私に『故郷』という言葉はありません。しかしそんな私にも島の人々の島に対する『愛』『憎しみ』『赦し』『闘い』が強く深く伝わってくる素晴らしい短編集でしたぴかぴか

収録されている6作品は本当にどれも秀逸なのですが、今現在社会問題として取り上げられている「いじめ」と「体罰」をモチーフに描かれた最終話『光の航路』は、今までの湊さんからは想像がつかない強い調子の文体で、非常にパンチがあり圧倒されました。そして名文もありました。

あれらの船に声援を送る者はいない。だけど、どの船も皆、今日の進水式の船のように、大勢の人から祝福されて海にでたんだろうな。


この進水式と航海を、人の出生と人生に置き換えて話していた所は感動したし悲しい、できることなら私も我が子に進水式を見せて、同じ話を聞かせてあげたいとも思いました。(しかし進水式を見れる機会が残念ながらないんです…)

『日本推理作家協会賞』受賞作の『海の星』も、受賞が納得の秀作ですし(ゆりの花の意味が良かったですね〜)、長編でもモノローグ形式でもない、湊さんの新境地を是非皆さん読んでみてください!
本書は2013年初の星5つ★★★★★グッド作品です


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