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2019.03.09 Saturday
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蓮見圭一 『ラジオ・エチオピア』
2008.04.22 Tuesday

★★★☆☆
*あらすじ*
『ちょっと前に、女をひっかけた。いや、ひっかけられたのは僕の方だったのかもしれない。』
こうして妻子持ちの「僕」と、ジャーナリストの「はるか」の不倫が始まった。
*感想*
平凡な男性と、情熱的な女性の恋物語でした。ただし不倫ですが…。はっきり言って、内容が無い話です。しかし文章が素晴らしいです、とても美しい。博識な登場人物が紡ぎ出す愛の言葉が知性に溢れていて、私もさり気なくこんな文章が書けるような女性になれたらいいのに…と憧れを感じました。
「はるか」から「僕」に送ったメールを一部抜粋
どうしても眠れなくて、ロラン・バルトなどを読んでいました。
『恋愛のディスクール・断章』。気が付いたら同じ箇所を何度も読んでいた。
−嫉妬するわたしは四度苦しむ。嫉妬に苦しみ、
嫉妬している自分を責めて苦しみ、
自分の嫉妬があの人を傷つけることをおそれて苦しみ、
嫉妬などという卑俗な気持ちに負けたことで苦しむのだ。
つまりは、自分が排除されたこと、自分が攻撃的になっていること、
自分が狂っていること、自分が並みの人間であることを苦しむのである。−
…この部分を読みながら、バイロンの言葉を思い出していた。
恋愛は男の人生からは切り離せても、
女にとっては人生そのものなのだというあの言葉を。
あなたは切り離せる人なのかしら?
この他のメールにも、沢山の本と音楽とお酒の単語が登場し、なんだかお洒落に感じました。まぁ、後半はちょっと行き過ぎ感が漂い、著者の「知識ひけらかし」とも受け取れてしまいそうなかんじもありましたが…。
「はるか」の書いた素敵なラブレターを盗用して、是非誰かに手紙を送りたい気分ですが、文章と知識のレベルが私の実力とはかけ離れてしまっているから、きっとすぐに私の言葉ではないとばれてしまうのだろうな(笑)
├ 蓮見圭一 -
蓮見圭一 『水曜の朝、午前三時』
2006.02.20 Monday

★★★☆☆
*あらすじ*(「MARC」データベースより引用)
「もし、あの人との人生を選んでいたら…」 1970年、万博の夏。45歳の若さで逝った女性翻訳家が娘のために遺した4巻のテープ。そこに語られる砕け散った恋と許されぬ過去。切なさと歓びに涙がとまらない恋愛告白小説。
*感想*
表紙の絵がとても素敵なのでずーっと読んでみたいと気になっていた本。あまり詳しく感想を書くとネタバレになってしまうから難しいのだけれど、主人公がずーっと好きだった彼を振ることになった理由が「えええ!??」ってかんじで、ちょっと興醒めした。後半の展開はあまり好みではなかったけど、素敵な言葉がポロポロ出てきて良かったです。例えば「言うべきか?言わないべきか?と悩んだ時に『言わない』方を選ぶ人というのは、大きな不幸な目に会わないだろうけど、それと同様に大きな幸せにも出会う事がない」(今手元に本がないので、多少文章が違うと思うけど、意味はこういう事でした)本の中では「言う」という表現で表していたけれど、これはつまり「行動」と同義語なんだろうね。私も最近保守的になりすぎてて「大きな幸せ」「大きな達成感」を味わってない気がしました。
├ 蓮見圭一 -
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