読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
畑野智美 『消えない月』

 

*あらすじ*
出版社に勤務する松原とマッサージ師のさくら、二人は、付き合いはじめ、やがて別れる。それで終わりのはずだった。婚約までした男と女の関係は、はじめから狂っていたのかもしれない。加害者と被害者、ふたつの視点から「ストーカー」に斬り込んだ、残酷にして無垢な衝撃作!!

 

*感想*

ストーカーによる殺人や事件が起きるたびに、「なんでそんなに執拗に追いかけるのだろうか…」「追いかければ追いかけるほど嫌われるのが判らないのだろうか?」と思っていたのですが、本書を読んで少しストーカーの思考がわかった気がしました。

注:思考はわかったけれど、気持ちはわかりませんからね!←ここ大切。

 

というのも、本書は、『交際している男性の抑圧的な言動に耐えられず別れを切り出したところ、その男性がストーカーになってしまった。』という話で、物語の視点がそれぞれ「ストーキングする側(男性)」「ストーキングされる側(女性)」両視点で描かれるからです。

 

もうその、ストーキングする側の視点が怖い怖い超怖い!別れを切り出した女性(さくら)が、本当に嫌がって距離を置こうとしているのに「さくらは誰かに脅されてそんなことを言わされているんだ」とか、全て自分の都合良いように解釈していて、誰が何を言おうが聞く耳持たずで、ストーキングする人は心の病なのだと戦慄する内容でした。

なので、結局解決方法も皆無に近いのですが、終盤で女性警察官がさくらに言った言葉が印象的でした

 

「相手に会い、自分の怒りをぶつけるために、ストーカーは努力します。警察よりも被害者よりも、努力します。運は平等に、努力する者の味方をします。それが間違った努力だとしても。運だけが彼に味方します。彼以上に努力して、運を河口さん(さくら)の味方にしてください」

 

なんだかこの文章だけを読むと「最後は運頼みかよー!」と捉えてしまいそうですが、そうではなくて、「ストーカーに屈してはいけない」という意味なのですよねきっと。

 

ストーカーする人の気持ちはわからないので、ラストの松原の独白は共感も同情の余地もなくただただ気持ちの悪い文章でしたが、世の中こういう変な人もいるものなのだという勉強になった作品でした。フィクションだとわかっていますが、読書の醍醐味である「自分とは違う人生」を垣間見られた作品でした。

 

是非皆さんも読んでみてくださいね〜〜♪

 

 

 

 

 

 

 



★は行 - その他の作家 -
東山彰良 『流』

 

 

 

*あらすじ*

1975年、台北。内戦で敗れ、台湾に渡った不死身の祖父は殺された。誰に、どんな理由で?無軌道に過ごす十七歳の葉秋生は、自らのルーツをたどる旅に出る。台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ。激動の歴史に刻まれた一家の流浪と決断の軌跡をダイナミックに描く一大青春小説。直木賞受賞作。

 

*感想*

本書は2015年第153回直木賞作品なのですが、この153回に又吉直樹さん羽田圭介さんが芥川賞を受賞されていたことから、世間的には芥川賞の方が脚光を浴びていた記憶があります… いや、でも、東山さん!随分遅くなってしまいましたが、ちゃんと覚えていましたよ!この作品のことも、直木賞受賞のことも!3年遅くなってしまいましたが、直木賞受賞おめでとうございます(^^)/

 

そしてやっと読ませて頂きましたが… 

これは… これは…

とても良い作品でした!!(:_;)

台湾に住む葉秋生(イエ チョウシェン)の、17歳からの人生を描いた物語なのですが、戦争の歴史と家族の歴史に縛られ翻弄されながらも、懸命に生きてゆく姿が不器用で切なく、でもそこにとても人間味があって、まるで自分が葉秋生の人生に関わっているかの様に、一心に読みふけってしまいました。

 

本書をめくると、まず「主な登場人物」一覧が出てくるのですが、そこに記載されている名前が「葉秋生(イエ チョウシェン)」「趙戦雄(ジャオ ジャンション)」など日本人には馴染みのないもの、更には第1章から「蒋介石」「毛沢東」など、政治と戦争の話がグイグイ綴られるので、正直最初は本書を読み切れる自信がありませんでした(>_<) しかも暴力シーンも多々あるしで… 

でもね、東山さんの文章がとても読みやすくて、シリアスな場面はとことんシリアスなのに、ちょっと息を抜けるようなシーンでは「クスっ」となるような言い回しもあったりして、気が付いたらどっぷりと本書の世界に入り込んでいました。東山さんの文章と構成は「明らかに(ウケや涙を)狙っている感じがないのに、笑えたり涙が出たり感情を揺さぶられて、言葉を操るプロ、そのものでした。

 

私が感動した文章は幾つかありましたが特に

P.220「人には成長しなければならない部分と、どうしたって成長できない部分と、成長してはいけない部分があると思う。この混合の比率が人格である」

 

P.352「わたしたちは魚なのだ。だから、どんなに泣いても、涙なんか見えるはずもない。彼女の涙は流れ落ちる間もなく、水に洗われてゆく。それをわたしはずっと見て見ぬふりをしてきたのだ。」

 

この2個所でした。

 

そして“これは東山マジックなのでは!?”と思ったのですが、

後者(P.352)の魚の方を読むと、本書冒頭に綴られている

 

魚が言いました…わたしは水のなかで暮らしているのだから

あなたにはわたしの涙が見えません

王璇「魚問」より

 

の意味がなんとなく理解できるようになり、つまりそれは「大人へと成長することにより、自分の本当の感情を表に出さなくなる(水の中で泣いて、相手に涙を見せなくなる)」

でもそれは前者(P.220)で綴られた「成長しなければならない部分」だったのですか?「成長してはいけない部分」だったのではないですか?

 

と、私の中ではリンクしていったのです。

どうだろう… 考えすぎかな…?

でも、そう考えてしまう程に、東山さんの綴る文章はエモーショナルで、全ての文章に意味があった様に感じました。

 

台湾と中国の歴史に疎い私でもとても楽しめた作品なので、私と同じく歴史をよくは知らない方にも是非読んで頂きたいし、歴史に興味がある人ならもっと楽しめると思うので是非読んでみてほしいです〜☆

台湾・中国名を覚えるのは大変だと思うけどファイトだよ〜!



★は行 - その他の作家 -
畑野智美 『罪のあとさき』

 

 

*あらすじ*

中学時代の同級生、正雄と再会した楓。正雄はかつて、同級生を殺害していた。

何事もなかったかのように接する正雄。楓は、殺害した理由などを訊けないまま徐々に正雄と過ごす時間が長くなっていくが、それにはある事情があった。

罪を背負った人間は償ったあと、どのように生きていけばよいのか。少年犯罪のゆくえは…

 

*感想*

中学生時代に同級生を殺害してしまった正雄と、そのクラスメートだった楓が大人になってから再会し、過去との向き合い方と、この先の生き方を探っていく物語でした。

 

少年時代に犯罪(殺人)を犯してしまった人は、大人になってからどう生活していくのか?と興味があったので本書を読んでみたのですが、本書は私が求めているその答えを描いているような内容ではなく、設定や展開に違和感を抱く箇所もあったために、残念ながら私の好みの小説ではありませんでした…泣き顔

 

**ここからネタバレを含みますのでご注意ください**

 

正雄にはアスペルガー症候群かサヴァン症候群なのかと思われる、ある特定分野においての記憶力が抜群に良いことと、他人の気持ちを察することが苦手という特性がありました。その特性があったからこそ、中学時代に永森くんの言葉を真に受けて、彼を殺害してしまうという展開と、ストーカー被害の後遺症で男性との交際に臆病になっている楓の心にスッと入り込むことができたという展開になれたという重要な設定であるのはわかるのですが、 『症候群の子=人を殺せる子』という偏見を抱きかねない危険な設定だったと思うので、私は純粋に楽しめる小説ではありませんでした。

特にP.186

 

人を殺すというのは、動機の問題じゃない。殺せるか、殺せないか、その人個人の性質の問題だ。卯月くんは、人を殺せる。

 

の箇所は、本当に「個人の性質」と受け取る読者がどれだけいるのだろうか?と思いました。

 

他にも、正雄が永森くんを殺害した時に「殺すべき命だ」と心の中でつぶやいたのを、私はとても恐ろしく感じ、そして人間として最低な考え方だと思いました。しかしそんな考え方も楓と一緒に暮らすことによって何か変化が起きたかと少し期待したのですが、ラストで「守るべき命だ」と言ったことで、命の選別をしている正雄はやはり恐ろしい人で、何も昔から変わっていないんだなと、気持ち悪い終わり方でした。

 

結局本書の伝えたかった事は何だったのだろう…

犯罪者との恋愛を成就させる難しさかな?

そういえば、幼少期に言葉を発することをしない妹・千尋が、数年後に全く問題なく発声・会話できるようになったという展開にも唖然としてしまいました。こういうのは個人差あることなのでいいんですけどね… でもあれだけ正雄の家庭環境の不安定さを千尋のことのネタにしていたのに…

 

今回は不満の多い感想ですみませーんモゴモゴ でも文章は読みやすくて良かったので、機会があったら著者の他の作品も読んでみますね!!

 



★は行 - その他の作家 -
長谷川夕 『僕は君を殺せない』

 

 

*あらすじ*

クラスメートの代わりにミステリーツアーに参加することになった『おれ』。携帯もつながらない山中の屋敷に男女十数人が集められ、気づいたときには籠の鳥。順々に殺されていく。『おれ』は必死に逃げ出すが……。
一見、接点のないように見える二人の少年の独白――。
誰も想像しない驚愕のラストへ……!
二度読み必至!! 新感覚ミステリー!

 

*感想*

『二度読み必至!!』

という、あらすじに煽られて、読んでみましたよ〜〜♪♪

 

確かに本書は『二度読み必至』でした。

 

しかしですね、私なりに相関図とポイントとなる叙述をメモしながら再読して、全貌を解明させたところで

「くぅ〜〜そんな叙述トリックがあったのかっ!」

「なるほどねっ!そんなヒントが隠されていたとは、完全に読み落としていたぜぃ」

というような、嬉しい裏切りや、著者への敬服・感服感は抱かない全貌だったのです残念ながら…

本書の『二度読み必至』は、単に登場人物たちを『おれ』『僕』『あいつ』『君』という代名詞に置き換えて綴られているがために、誰が誰だか分からないという意味での『二度読み必至』でした。

 

誰が誰だか分からない小説。確かに斬新で新感覚ミステリーだったのは間違いありません。しかし『二度読み必至作品』というと、本田孝好さんの『チェーン・ポイズン』や、乾くるみさんの『イニシエーション・ラブ』などの、完全に読者をミスリードさせていく小説が私の中では『二度読み必至』の代名詞になってしまっていたので、本作は少々肩透かしを食らってしまった気持ちです。

あ、でも、普通に面白かったですよ。文章が読者の心を扇動するような刺激的なものではなかったのが少々残念でしたが、構成と展開はワクワクドキドキしたし、結局『僕は君を殺せるのか?』のラストに胸が痛く切なくなってちょっとホロリときました。

 

 

皆さんは、だれが「僕」で、だれが「君」だかわかりましたか?

 

 

↓ネタバレ注意↓

 

↓ネタバレ注意↓

 

↓ネタバレ注意↓

 

私の見解では

「僕」=清瀬誠

「君」=レイと“おれ”

 

で間違いないと思います。

名前を入れ込んで、ストーリーを振り返ってみましょう

 

***完全ネタバレあらすじ*****

『僕』(清瀬誠)が子供の時、母親が麻野という男(レイの父親)と不倫していた。

誠の父親は、清瀬家の本家の人間ではなかったために本家で冷遇されていた事、妻の不貞行為へのショック、そして誠がお化け屋敷内で母親を刺し殺してしまった事実を隠すために自殺。

遺書には父親をそこまで追い詰めた清瀬家とその一族の春川家の人間の名前、そして妻の不倫相手だった麻野とその娘の名前が書かれていたため、誠はそのリストに載っている人間を、唯一の友人である『一馬』と「処刑」することにした。

その「処刑」を実行するべく、関係者を「ミステリーツアー」として招集するも、殺害予定だった『秋津』が急遽自身の身代わりに『おれ』をツアーに参加させてしまう。

 

『おれ』=子供のころ妹と共に、親から虐待をされていた。妹は虐待のせいで死にかけ、そして両親は逮捕された。『おれ』の一番大切なものは妹であり、今も意識の戻らない妹のお世話をしている。(作中で本名は明かされることがなかった)

 

『おれ』はなんとか自力で「処刑場」から脱出し、途中で『僕(誠)』に捕まってしまうが、無事に駅に戻される→誠はリストに載っていない人間を殺すつもりはないため。

 

『僕』(誠)と『おれ』が、清瀬兄(秀一)が死亡した火災現場で再会する。そこで誠は『おれ』に今回の事件の全貌を打ち明け、妹の治療費を出す代わりに、清瀬日沙子のお世話と、ラストにレイを殺害した後の処理を依頼する。

 

********************************

 

という内容だったと私は理解したのですが、どうでしょうか!?

 

なんだか本書を三度読みすると、『秋津』は結局何をやらかしたのか?なぜ遊園地を彷徨う女の子の霊に拘ったのか?レイの記憶喪失はなんなのか?とか突っ込みたいエピがぽろぽろ出てきたのですが、この辺で本書読了とすることとしまーす。

 

同時に収録されている2編も独特な世界観で個性があって良かったので、また著者の作品読んでみようかと思います☆彡

 



★は行 - その他の作家 -
早見和真 『イノセント・デイズ』


*あらすじ*
「整形シンデレラ」とよばれた確定死刑囚、田中幸乃。その女が犯した最大の罪は、何だ? 殺されたのは三人だった。幸乃の元恋人だった男の妻とまだ一歳の双子の姉妹。なぜあの夜、火は放たれたのか? たったひとり、最後まで味方であり続けようとする男。なぜ彼は、幸乃を信じることができるのか? すべてを知らされたときあなたは、真実を受け入れることができるだろうか?

*感想*
イノセント【innocent】
1.無実の。潔白な。
2.純粋な。無邪気な。

イノセントの意味は、大きく分けて上記の通り2つあるのですが、本書の主人公である田中幸乃死刑囚の人生を語るうえでは、この両方の意味が深く関係していました。無邪気で純粋だったがために、幸乃が背負う事になったものとは…

物語は、田中幸乃死刑囚の刑務所で迎えた「その日」の朝、そして死刑判決唖然を言い渡された法廷シーンから始まります。その時の裁判長の判決理由が、目次に記され各章のタイトルにもなっている「覚悟のない17歳の母のもと―」「養父からの激しい暴力にさらされて―」などで、それだけを読むと、幸乃の荒んだ生い立ちからの倫理観崩壊、そして計画的犯行によって、死刑判決が至極真っ当に思えてしまいます。更にワイドショーなとで流れる様な、人相の悪い写真なんかも同時に見せられたりしたら「なんか、いかにもだよね」と大抵の人は思ってしまうかと思うのですが、その後の本編である第1章から、幸乃の真の姿が語られるにつれ、最初に植え付けられた幸乃の凶悪犯像が壊されていくものとなっていました。

この最初に幸乃の法廷シーンを通して読者に植え付けていた凶悪犯像を、幸乃が過去に接点があった人たちの回顧を通して、本当の幸乃の姿を読者に見せ、そして読者の思い込みを崩壊させていく展開が非常に面白かったですラブぴかぴか 
日頃からニュースを鵜のみにしてしまっている自分に危機感さえ抱きました。なので、冤罪や報道の先走りなどはないと信じていますが、犯人の写真を見て「いかにもだよね」と思うことだけは止めようと本書を読んで思いました。

死刑囚:田中幸乃の本性と犯行に及ぶまでの経緯は、ミステリーの様に少しずつ解き明かされる面白さぴかぴかがあり、幸乃のそれまでの人生で関わってきた人たちとの思い出は、ヒューマンドラマ的哀愁ポロリがあるという、味わい深い作品でした。

きっと読んだ人は、
「正直者が馬鹿をみる」「信じるものは救われない」そんな世の中は嫌だよ!
だけど幸乃ちゃん、もっと狡猾になろっ! 強かになろっ!そして、生きよっ!!ポロリ
そうエールを送りたくなると思いますよるんるん そして「面白かったラッキー」とも思うことでしょう桜



★は行 - その他の作家 -
東山紀之 『カワサキ・キッド』


*あらすじ*
川崎での少年時代が「ヒガシ」をつくった。40代になって初めて明かす自身のルーツ、運命の出会いと別れ、ジャニーズでの生活、30年ぶりの故郷再訪で見た原風景―。ちょっぴりせつなく、心あたたまる、秘話満載の自伝的エッセー。

*感想*
少年隊の「ヒガシ」といえば、皆さんはどういうイメージをお持ちですか?
ストイックそう?醤油顔?クール?時代劇もこなす俳優?
いやいや、やっぱり“仮面舞踏会”でしょうかわーい
本書はそういう漠然とヒガシに抱いているイメージを肯定も否定もしてくれる、ヒガシの本音をさらけ出した自伝的エッセーでした。

まずヒガシの生い立ちから語られるのですが、あのキレのあるダンスをするヒガシからは考えられない「生後八か月の時に両足が変形するほどの大やけどをした」エピソードから始まります。それだけでもショッキングなのですが、その他にも親の離婚、経済的困窮、義父からの暴力… それは華やかなステージでスポットライトを浴び、観客を魅了し続けているヒガシからは想像できない過去でしたがく〜

しかしそれらの不遇ともいえる頃の話を、ヒガシは自身を憐れむのでも、誰かを恨むのでもなく、ただ淡々と語り、そして冷静にその頃の経験があったからこそ、今の自分があるのだということを綴っていて、読者に全く不快感を与えないものになっていますぴかぴか

生い立ちの後は、ジャニーズ事務所への入所の経緯や、少年隊としてデビューするまでの苦悩、そしてデビュー後の努力などが幅広く語られていきます。多くの著名人のお名前も登場するので中盤は少々ミーハー気分でも読んでも楽しめるかもしれません。
ちなみになぜ「少々ミーハー気分」なのかというと、ヒガシの仕事に対するストイックさは情熱的で、そして大御所俳優の皆様とヒガシの人間関係を綴った部分は一般人の私には触れることの許されない異次元さを感じたからです。

終盤は大人になってから生まれ育った川崎へ足を運び、幼少期を回顧する運びとなるので、少々ノスタルジックな雰囲気にもなるのですが、本書通して感じた「初心と所信を大切にしている」ヒガシのその姿勢に、ヒガシの精神のファンになりました。やはりどこの世界でも長い間活躍し続けている人というのは、物事の捉え方、努力の仕方、そして他人への接し方が違うものなのでしょうね。

ヒガシのファンでなくても、ジャニーズのファンでなくても、本書は楽しめるし、自分も何かに夢中になって、そして何かに一所懸命取り組みたくなるエネルギーをもらえる本だとも思うので、是非読んでみてくださいね〜〜桜


★は行 - その他の作家 -
誉田哲也 『あなたの本』


*あらすじ*
父の書斎で見つけた奇妙な本。『あなたの本』と題されたそれを開くと、自分の誕生から現在までが一つ違わず記されていた。このまま読み進めれば、未来までもわかってしまうのか。その先をめくるか否か、悩みぬいた男の決断とは?サスペンス、ユーモア、ファンタジー、SFなど人気作家の多彩な作風を堪能できる七つの作品集。

*感想*
誉田哲也さんといえば、『ストロベリーナイト』などの姫川玲子シリーズや、『ジウ』などが有名で、私もいつかは読んでみたい作家さんだと思っていましたぴかぴか しかしなかなかシリーズ物に手を出す勇気がなく、誉田作品デビューすることができなかったのですが、今回短編集である『あなたの本』が文庫本化されたので読んでみましたよ〜ラブラブ

本書には7つの短編が収録されていて、どの作品も「世にも奇妙な物語」風な不思議な話でした。

『帰省』DVの彼氏から逃げるように帰省した先で待っていたのは…
『贖罪の地』人類の始まりの話なのか何なのか…
『天使のレシート』コンビニ店員の「天使さん」は本当の天使だった…
『あなたの本』父の書斎で見つけた本には俺の一生が綴られていたのだが…
『見守ることしかできなくて』片思いの彼女のフィギュアスケート大会を見守る僕は…
『最後の街』この世の果てを見に来た俺が行きついた場所は…
『交番勤務の宇宙人』宇宙から地球に派遣され交番で勤務し始めるのだが…

私が一番面白かったのは、表題作でもある『あなたの本』です。
上記のあらすじにも書いてあるのですが、つまり自分の未来を綴った本があったならばあなたなら読みますか?という物語で、短編らしく主人公はグダグダ悩んだりせず簡潔に自分の答えを出していくし、それが読者も正しいと思うようになるのですが、凄い結末が待っているんです…!! 
その結末は是非ご自身で読んでみてくださいラブ

あと『交番勤務の宇宙人』も個人的にはなかなか面白かったでするんるん というのも、じつは私はお友達に宇宙人の存在を信じている子がいまして、彼女に「私たちの生活に宇宙人は紛れ込んでるんだよ」と聞かされていたのと、この話がとてもリンクしていて親近感が湧いたんですイヒヒ あ、でも私は宇宙人の存在に否定的ですがねたらーっ

『贖罪の地』や『最後の街』はちょっとSFすぎて私には理解できない世界観だったのですが、とりあえず誉田さんの文体がどの様なものなのか読めただけでも私には満足な1冊でした。

短編集なので気軽に読める本だと思うので、皆さん読んでみてね〜桜
私もいつか必ず姫川シリーズ読んでみます!!


★は行 - その他の作家 -
花房観音 『女の庭』


*あらすじ*
箱庭のような街、京都。そこで自分を縛り生きる5人の女たちが解放される時間……
兄を心中で亡くし二十代で結婚するも離婚し、親の土産物屋を手伝う美しい京おんな、絵奈子。
西陣の名家の生まれで安定した家庭を持つ里香。
モデルのような美しさが取り柄の独身、愛美。
カフェを夫婦で営む大人しい唯、
エステサロンを経営する翠。
京都を舞台に「腹黒い」京女たちが秘めやかに花咲く、情念溢れる物語。

*感想*
女子大の同級生だった5人が恩師の葬式で再会し、それぞれ互いの老いと変化を観察しながら、自らの胸の中に抱える「秘密」に向き合ってゆく物語でした読書
5人それぞれの物語が綴られるので、序章、1〜5章、そして終章という形で完結しています。この1〜5章で綴られる5人それぞれの物語がものすごく女心を綿密&的確に描いていて、この女性作家ならではの観察眼の凄さに正直驚きましたびっくり

全章に共通しているのが、どの女たちも満たされぬ心と体を持っていること。再会した同級生たちの方が幸せなんじゃないかと羨むこと。そしてでも結局自分にはこの生き方しかできないんだと気が付いていることの3点。このキーポイントは一緒なのに、5人5様な物語がしっかりと描かれ、しかもちゃんと京都の風情と性描写の部分もそれぞれに特色を持たせていて、非常によく書けている作品でしたぴかぴか 性描写がかなり赤裸々なので、本書を下世話とか下品ととらえる読者もいるかもしれませんが、そこはその書き分けの凄さを堪能してもらいたいですね上向き

私が一番感情移入したのは、やはり同じ主婦として第二章の里香でした。育児の苦悩や世間からも見られ方、そして特に生理的に気持ちの悪い男からの欲情にですら反応してしまうその乾いた心と体についての描写は圧巻でした。もちろん主婦全員が里香みたいわけではないだろうけれど、私には里香の思いが理解できたので面白かったですかわいい

性描写の分量が多いので官能小説とも言われそうですが、そういう分類の小説が苦手な方もとりあえず読んでみてほしいな。女性って結婚や外見や欲望に結構囚われていて不憫な性だとわかると思いますよ〜るんるん


★は行 - その他の作家 -
法坂一広 『弁護士探偵物語』

*あらすじ*
第10回『このミステリーがすごい! 』大賞受賞作。「法曹関係の圧倒的ディテール、そして司法と検察、弁護側の馴れ合いを糾弾する作者の筆致が、実に素晴らしい。(茶木則雄)」と選考委員も絶賛の、現役弁護士が描く法曹ミステリー。
舞台は福岡。母子殺害事件の被告人を信じた弁護士の「私」は無罪を主張するが、裁判所は聞く耳を持たない。被告人を救おうとした「私」は業務を一年間停止する処分を受ける。復帰後、別居中の夫に生活費の請求をしたいという美女の依頼を受けるが、連続する殺人事件に巻き込まれていく…。

*感想*
第9回『このミス』受賞作品たちがどれも大変面白かったので、第10回の受賞作品もとても期待して読んだのですが… う〜ん… 残念ながら本書は私の嗜好には合わなかったわ悲しい

殺人事件の容疑者にさせられてしまった弁護士が、事件の本質を暴くべく立ち向かうという本書。不可解な死を遂げた者たちの繋がりや、その裏に隠されている事情が見え隠れし、非常に興味を惹くものの、主人公の減らず口が絶えることなく、読んでいて疲れてしまいました。彼の発する言葉の9割以上は冗談みたいものでしたからね(この冗談のことを『ワイズクラック』と言うらしい!?)、終盤はウザくて仕方かなかったわ。もちろんそのジョークも笑える箇所もあったんですけどね汗
「火曜サスペンス劇場は何年か前にもう終わったんだよ。歳が分かってしまうから、そんなことは言わない方がいい」
とか。
とにかく闇雲に冗談を入れすぎなので、この加減を調節できるようになったら「伊坂節」ならぬ「法坂節」として読者にも受け入れてもらえるようになるのではないでしょうか。次作はもっと冗談を抑え目によろしくお願いします。


★は行 - その他の作家 -
深町秋生 『ダウン・バイ・ロー』

*あらすじ*
大型ショッピングモールに客足を奪われ、貧困と荒廃が進む山形、南出羽市。それに追い打ちを掛けるような震災の発生。女子高生・真崎響子は、幼なじみの遥から小遣いをまきあげ、憂さを晴らす日々だった。その遥が自分の目前で線路に突っ込み自殺してしまう。自殺の原因を疑われ、煩悶を続ける響子。その響子のまわりに連続しておこる不可解な事件と、謎の人物。死んだはずの遥が響子の耳元にささやき、響子はズブズブと、事件の泥流に絡め取られていく。

*感想*
幼馴染の自殺、残虐な幼児殺害事件、謎の失踪した級友、と不可解な事件が響子の周りで相次ぐ… それは全て何かが繋がっている事件なのか、それともただの偶然か… ついには真相を探ろうとした響子の身にも危険が忍び寄り…
 
という王道的なミステリー作品でしたかわいい 途中に素性がわからない人物が登場したり、主人公の友情物語的な要素も取り入れてあることにより、本書を厚みのある話へと近づけていたけれど、まぁ普通のミステリーだったかな。

本書の特徴としては、設定が震災後の山形県だったため、「これまでは東北でも太平洋側でのニュースが多かったのだが」や「震災後にガソリンが手に入らず商売が追い込まれた」などの、“山形県だって震災の影響を受けた地域なんだ”ということを読者に訴える文章が折々に綴られているところでしょう。 気になって調べてみたら深町さんは山形県出身とのことで、本書は復興支援的な作品だということなのかな。

終盤に描かれるバイオレンス部分は、男性作家らしい力強いものでしたので、生臭さの好きな方にはお勧めですね〜上向き


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