読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
谷村志穂 『余命』


★★★☆☆


*あらすじ*
結婚十年目にあきらめていた妊娠をした外科医・百田滴。子を宿した喜びも束の間、彼女は数年前に患い完治したと信じていた乳癌の再発を知る。子を諦め癌治療に専念するか… 子供を産み命を託すか… 余命を決めるのは自分。そして彼女の下した壮絶な決断とは。



*感想*


***今回の感想はネタバレですのでご注意ください***


『女は強い』いや、『母は強い』
本書を読んだ人は皆きっとそう思うのはないでしょうか?


自身の命よりも赤ちゃんの命を優先して、癌治療を一切せずに妊娠・出産を乗り越えようとする主人公の強さ… 本書はフィクションだけれど、この主人公・滴の決断は、妊娠出産を経験した女性には共感はできなくとも強い感銘を与えるものだと思いました。

ただ一つ残念だったのが、癌再発の告知を夫に隠し、更には出産間近に夫を遠ざけてしまうところです。本書中では「彼は私を愛しているが故に、子供の誕生を諦めて私に癌治療をさせようとするだろう」という理由が書かれています。しかし本当に信頼し愛し合っている夫婦ならば、妻はそんな憶測だけで決断をするべきではなかったと思いました。夫を本当に信じているのならば「私の命よりも、子供の命を優先したい」という希望をちゃんと夫に伝え、そして二人で結論を出し、その決断に向かって力を合わせていくのが夫婦のあるべき姿だと私は思います。でないと、滴はあまりに身勝手だと思いませんか?子供の誕生を優先させたい気持ちはわかりますが、自分が死んだ後に子供の面倒は一体誰がみると思っていたのでしょうか?「夫がみて当然」と思っていたのかしら。あの夫を追いやってまでの出産の仕方には「夫の人生の尊重」と「育児に対する責任」が感じられなくて、私は滴に対して憤りを感じました。

 



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谷村志穂 『海猫』


★★★☆☆

*あらすじ*(「BOOK」データベースより引用)
女は、冬の峠を越えて嫁いできた。華やかな函館から、昆布漁を営む南茅部へ。白雪のような美しさゆえ、周囲から孤立して生きてきた、薫。夫の邦一に身も心も包まれ、彼女は漁村に馴染んでゆく。だが、移ろう時の中で、荒ぶる夫とは対照的な義弟広次の、まっすぐな気持に惹かれてゆくのだった―。風雪に逆らうかのように、人びとは恋の炎にその身を焦がす。島清恋愛文学賞受賞作。

*感想*
函館から昆布漁を営む南茅部(北海道)に嫁いだ女性、彼女を中心に描かれる愛についての物語です。漁村という舞台で彼女の新しい家族となったのは、頑固な舅、気の良い姑、口下手で体を重ねることでしか愛を表現できない夫、そして夫とは正反対に繊細な心を持つ義弟だった。
この設定だけを読むと「地味〜〜〜」な雰囲気がバリバリするし、実際読めど読めど「地味感」は付きまとっていたのですが、風景や状況描写が繊細なおかげと、ヒロイン薫の内に秘める「熱さ」という意外なギャップのおかげで物語に引き込まれ、結局最後までサラサラと読めてしまいました。
こういう“昼ドラみたい話の展開”を私は好まないはずなのに、苦労なく読み終えることが出来たのは、きっと著者に読者を惹きつける文章を書く才能・技術があるからなのでしょう。すごい人だな谷村志穂。

本書原作で2004年に映画化されたそうです。孤独な哀しみ抱えるヒロイン薫に伊藤美咲、保守的で、女性を所有物としか考えない夫に佐藤浩市、強さと繊細な優しさをもつ義弟に仲村トオル。佐藤浩市の「暴君」の演技はかつて見たことがないので、女性を支配下に置こうとするこの旦那役をどう演じるのか少々興味があるけれど、やはりストーリー的には地味感がありわざわざレンタルDVDをする気にならないので、多分観ないかな…。



それにしても、『島清恋愛文学賞』という賞があることを、この度初めて知りました。世の中沢山の文学賞があるものなんですね。



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