読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
坂元裕二 『往復書簡 初恋と不倫』

 

*あらすじ*

中学生時代の初恋の相手と、数年の時を経て再開した男女の往復書簡。

配偶者同士が不倫の末に失踪してしまった男女の往復書簡。

2人の登場人物の会話(メールのやり取り)だけで進められる会話劇という新スタイル本

 

*感想*

テレビのブックコーナーで本書を知り、興味が沸いたので読んでみたのですが…

まず、この著者の坂本裕二さんって、あの『東京ラブストーリー』や『二十歳の約束』や『最高の離婚』や『カルテット』などなどの名作ドラマの脚本家さんだったのですねっ!!!!

著者情報を全く知らずに読んでいました汗 なんだかスミマセンって気持ちですたらーっ

しかし、そういう前情報なしに読んだからこそ、本書への先入観や期待感なく、真っ新な心で読めて良かったかもラッキー

 

で、読んだ感想はというと…

ただの往復書簡を、ここまで魅力的にウィットに富んだ文章で描けるのは、この著者しかいないのではないだろうか 新しい世界を見せてもらえて面白かったですぴかぴかるんるん

人は言葉選びにもセンスや価値観というものがあるかと思うのですが、坂元さんのそれはまさに異次元だったと思います。それもかなり簡潔に綴れるという才能も持ち合わせていて、「言葉の魔術師」という言葉は、本当に坂元さんのためにある言葉なんだなとヒシヒシと感じさせる言葉たちでした桜

 

特に私が一番気に入った一文が、元気のない彼女に送ったこのメール

『出したくない元気は出さなくていいと思いますよ。人生は竹内まりやさんが思うよりは悪いものです』

というものです(笑)

この面白さが、竹内まりやさんの『元気をだして』という曲を知らない方には伝わらないのが残念すぎる程に、ナイスなメールだと思うのですが、皆さんにこの面白さ伝わっているかな!?イヒヒ

本書には、さらにボケていたり、シュールなやりとりが繰り広げられる往復書簡なので是非読んでみて下さいムード

 

だだですね、2編を通して、ずーっと同じテイストで書簡がやりとりされるので(中学生時代という若かりし頃も同じ文体)、飽きを感じたり、非現実感だったりを抱くのは否めませんがく〜 ロマンティックさやドラマティックさにも欠けるので、普通の小説とは全くの別物と思って本書を読むことをお勧めしますかわいい

 

 

 



★さ行 - その他の作家 -
佐藤正午 『Y』

*あらすじ*

ある晩かかってきた一本の奇妙な電話。北川健と名乗るその男は、かつて私=秋間文夫の親友だったというが、私には全く覚えがなかった。それから数日後、その男の秘書を通じて、貸金庫に預けられていた一枚のフロッピー・ディスクと、五百万の現金を受け取ることになった私はフロッピーに入っていた、その奇妙な物語を読むうちにやがて、彼の「人生」に引き込まれていってしまう。この物語は本当の話なのだろうか?時間を超えた究極のラブ・ストーリー。

 

 

*感想*

2014年に読んだ『身の上話』以来、久しぶりに佐藤正午さんの作品を読んだのですが… 本書も非常に面白かったです!!桜ぴかぴかラブ

2018年の年明け1冊目から、こんな面白い本を読めて嬉しいわ〜ラブラブラブ

 

本書の内容は少々トリッキーというか、時間軸が2本ある物語展開なので多少混乱するかもしれません。でもね、だからこそ面白かったです!!東野圭吾さんの『パラレルワールド・ラブストーリー』が面白かったと思った方には絶対にお勧めだし、その東野さんの作品を読んだことがない方も、こういう時間軸が飛ぶ物語の面白さを堪能できる傑作だと思うので、是非読んでみてほしいですラブ

 

具体的にどの様なストーリーだったのかというと、

 

***ここからネタバレを含むのでご注意ください***

 

本書には4人のメインとなる登場人物がいます。

北川健

秋間文夫

水書弓子

西里真紀

 

この4人の人生が、1980年9月6日の夜に起きた電車の事故を分岐点に、ふた通り存在する。

という物語でした。そう、まさしくアルファベットの「Y」の様に、あの瞬間を分岐点に人生がふた通りあるのです。

 

砂時計1回目の人生では、北川健が水書弓子に一目ぼれし、デート?に誘うも、弓子が電車事故で心身ともに傷つき自殺。その後、北川は電車事故の慰霊式で会った西里真紀と結婚。秋間は独身のまま43歳。

北川は弓子を救えなかった罪悪感と「もしもあの時に…」というパラレルワールドに希望を抱き、1980年のその日に戻る。→2回目の人生が始まる

 

砂時計2回目の人生では、その日に戻ってきた北川健が水書弓子を事故に遭う電車から降ろし、秋間にもその電車に乗らないように弓子から伝えてもらう。弓子は事故に遭うことなく秋間と結婚。しかし1998年現在では弓子と秋間の結婚生活は事実上破綻していて、秋間は西里真紀と不倫。北川はそんな弓子と秋間の結婚生活と、西里真紀の生活を見守りながらひっそりと暮らし、しかし本当はこの人生には1回目というものがあったのだと、フロッピーディスクに1回目の物語を綴り秋間へ代理人を通して渡す。

 

が物語のほぼ全貌なのですが… 誰が誰とどういう風に繋がっていったのか?というのを小出しに読者に伝えていく著者の構成力は完膚なきまでにお見事なので、とにかく没頭して読んでしまいました。いや、読みこみました!!

 

そして未読の方がここでこんなにネタバレを読んでしまったとしても、本書にはまだ上記の他にも「オチ」があるので是非読んでください その「オチ」という最後に明かされる謎を読んだ後は「やはり人の寿命は決まっているものなのかポロリ」と悲しくなるけれど、でもそれが「現実」と感じました。

 

「もしあの時に戻れたら…」と誰しもが一度は思ったことがあるであろうからこそ本書は面白い。

そんなもしもの世界の片鱗を見せてくれる作品は本書しかないと思います。是非読んでみてください桜

 



★さ行 - その他の作家 -
塩田武士 『罪の声』

 

*あらすじ*

多くの謎を残したまま未解決となった「グリコ・森永事件」の第一幕は社長の誘拐から始まった。会社施設への放火、菓子に毒物を混入し企業を脅迫。身代金取引の電話では子供の声が使われ「かい人21面相」などと名乗った挑戦状が送りつけられるという陰湿な事件だった。『罪の声』はこの事件をモデルにしたフィクションである

 

*感想*

2017年本屋大賞ノミネート作品ということで、あらすじを調べることなく読み始めましたら… ミステリーなのか、謎解き本なのか、登場人物の父親の過去を探るものなのか、注目して読むべきポイントを理解できず、ただひたすら硬派な文章を読む作業に疲れてしまい… な、な、なんと… 途中リタイヤしてしまいました泣き顔泣き顔泣き顔泣き顔どんっどんっ

 

物語は昭和53年に起きた未解決事件『ギン萬事件』の真相を追う、2人の主人公の目線でそれぞれ綴られていきます。

1人は、父親の遺品の中から『ギン萬事件』に使用されたと思われるカセットテープを発見した男性(曽根)。

もう1人は、新聞の年末企画で『ギン萬事件』を取り扱うことになった新聞記者の男性(阿久津)。

 

この2人がお互いの存在を知らずに、それぞれ『ギン萬事件』に関係のあった場所や人を調べ、事件の全貌を暴こうとするのですが、本書が400ページ超えの長編であることから、なかなか2人の点が繋がらず、そして事件の核心も全貌も全く明らかにならないんですモゴモゴ

終いには、事件についての情報提供者は、曽根と阿久津、どちらが見つけ、そして聞き込みをしたのだっけ?などと、かなり混乱してしまったので… とうとう200ページまで読んだところで、『あとは流し読みで済ます』という決断を下してしまいました泣き顔 悔しいですが、本当にこれ以上読むのは無理だったのでご勘弁を…

 

そして最後に巻末に掲載されている参考文献や著者の言葉も読んでみたら、な!なんと!!本書は昭和54年に起きた『グリコ森永事件』を描いたものだったのですね!!『グリコ森永事件』は私が赤ちゃんだった頃の事件なので詳細を知らないのですが、実話に基づいた内容だったということを最後の最後に知り、一気にまた本書に興味を抱いたのですが、流し読みで済ましてしまったページをじっくり再読する元気はありませんでした唖然

 

グリコ森永事件をリアルタイムで知っていた方には、本書はとっても楽しめると思います。

この事件を知らなくても、硬派な文章となかなか進まない展開が苦手ではないかたはチャレンジしてみてくださいね★

 

 

 

 

 

 



★さ行 - その他の作家 -
嶋中潤 『代理処罰』


*あらすじ*
最愛の娘が誘拐された。
サラリーマンの岡田に要求された身代金は二千万。
息子の心臓移植、妻の謎めいた失踪……絶体絶命の父親に迫るカウントダウン。
第17回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。

*感想*
誘拐された女子高校生の母親(エレナ)は、以前交通事故で老婆を死亡させたにも関わらず、国外逃亡した代理処罰対象者だった。しかも誘拐犯は身代金受け渡しにエレナを指定してきて… という、誘拐事件に代理処罰を融合させてたものだったので、物語は国外のブラジルにまで渡るなかなか壮大なものになっていました。

〜代理処罰(国外犯処罰規定による訴追)とは〜
日本の裁判権が及ばない母国など、国外に逃亡した犯罪容疑者について捜査資料を提供し母国や逃亡先の国の法律に基づいて裁いてもらう手続きである。(本文より)


しかし犯人の影や誘拐の意図がラストまで全然見えてこないので、私には冗長な小説に感じ、正直中盤は読んでいて眠かったですたらーっ
でもブラジルに関する描写や、子を持つ親の心情、そしてラストに明かされる事件に全貌など大変良かったと思いますよ〜(ただ私の好みではなかったというだけで…汗

事件発生→捜査→怪しい人物が何人か浮上→ラストに明かされる全貌
という王道プロット、そして主人公からのみの描写という手法でも好きな方には、きっと満足いく作品だと思いますかわいい

「悪くはないけれど普通」というのが読後一番の感想だったので、今日はあまりアツい感想が書けずにすみません…あせあせ Amazonのレビューでは高評価なので、私の感想など気にせず読んでみてくださいね〜ぴかぴか


★さ行 - その他の作家 -
佐藤正午 『身の上話』


*あらすじ*
あなたに知っておいてほしいのは、人間にとって秘密を守るのはむずかしいということです。たとえひとりでも、あなたがだれかに当せんしたことを話したのな ら、そこから少しずつうわさが広まっていくのは避けられないと考えたほうがよいでしょう。
(『【その日】から読む本』第二部・第4章)
不倫相手と逃避行の後、宝くじが高額当選。巻き込まれ、流され続ける女が出合う災厄と恐怖とは…

*感想*
皆さんは宝くじを買っていますか!? 私は毎年年末ジャンボを30枚買っているのですが、末等(300円)以外当たったことありません…泣き顔 はぁ〜毎回1等賞を夢見て購入しているのだけどなぁ…あせあせ 高額当選をしたことある人が本当に羨ましいです… でも高額当選をして大金を手に入れても、人生が幸せになるとは限らないのかな?本書の主人公ミチルのようにね。。。
ということで、本書の主人公は、宝くじが高額当選した23歳のミチルという女性なんです。

九州の海に面した町で生まれ育ったミチルは、そのまま地元で一生を終えるかと思う様な地味で平凡な暮らしをしていた。しかし、東京の出版社に勤める豊増との浮気、ちょっとした出来心での上京、さらには宝くじの高額当選がミチルの人生を狂わせていく…という物語でした。
この物語の面白いところが、ミチルには地元に久太郎という彼氏がいて、さらに豊増という男とも不倫をしているのだけれど、その2人どちらでもない男性の「妻・ミチルは…」という独白形式で物語が進められていくところです読書

一体いつ、どういう経緯でミチルは結婚をするのか…? それも気になりますが、2億円という高額当選を経てミチルの人生はどう変わってしまったのか…?も気になり、とても面白く本書を読めました。独白形式なので淡々とミチルの人生が語られるのだけれど、やっぱり波乱万丈なんですよ…可哀想なことに…ポロリ

本書は2013年にNHKでドラマ放送された「書店員ミチルの身の上話」(戸田恵梨香主演)の原作です桜 じつはですね、私このドラマ(全10話)を全部録画して年末に6話目まで観たところで、あまりに面白くてドラマを観るのを一時休止して本書を読み始めたんです。ドラマ版の結末はまだ観ていないのですが、ドラマは話のテンポが良く、視聴者に事の流れを分かり易くするための脚色があって、原作に引けを取らない作品になっているなと私は思いました。しかしラストのミチルの夫の独白の濃さと重さを、ドラマではどう表現したのかな!? 今から急いでドラマの続きを観てみますねポッるんるん

きっとドラマを先に観た方でも本書を楽しめると思うし、逆に本書を先に読んだ方もドラマを観てみてほしいな〜ぴかぴかわーい

佐藤正午さん、面白い「身の上話」をありがとぉ〜ラブ


★さ行 - その他の作家 -
篠田節子 『ブラックボックス』


*あらすじ*
サラダ工場のパートタイマー、野菜生産者、学校給食の栄養士は何を見たのか?
会社の不祥事で故郷に逃げ帰ってきた元広告塔・栄実は、食い詰めて就職した地元のサラダ工場で、栄実は外国人従業員たちが次々に体調不良に見舞われるのを見る。その頃、最先端技術を誇るはずの剛のハイテク農場でも、想定外のトラブルが頻発する。複雑な生態系下で迷走するハイテクノロジーのせいなのだろうか?
食と環境の崩壊連鎖をあぶりだす、渾身の大型長編サスペンス。

*感想*
みなさんは開封後すぐに食べることができるカット野菜を使用したことがありますか?
カット野菜って便利ですよね。しかし野菜というのは通常切り口からすぐに変色してしまうもの。それが長時間変色することも、傷むこともないカット野菜って不思議だと思ったことはありますか?
私は時短の為に時々カット野菜を使用しているのですが、本書を読んでこれから使用を控えようと思いました…汗なぜならば本書のメイン舞台はカット野菜工場で、野菜の切り口の変色防止に特殊液に漬けたり、旨味成分を添加し、しかしそれらの人体への安全保障は曖昧で撃沈…という内容だったからです。

もちろん本書は(一部)フィクションです。しかし著者は遺伝子組み換え食品、無農薬野菜、無菌状態での栽培出荷ビジネス等々、食の安全を現実社会の状態にリンクさせて描いていたので、とてもフィクションとは思えず、まるで新聞の社会面・生活面に掲載されているような社会問題として本書を読み、そして怖くなりました。
そんな中、私が一番印象に残った場面は、栄美が涙を流し震えながら虫のついた無農薬路地栽培野菜を調理するところです。たとえ薬品や添加物に拒否反応を示していても、やっぱり虫や泥付き野菜を自身で調理するのは辛いですよね… 目には見えない農薬、目に見える虫… 調理するものにとってどちらが辛いかと言われれば… でも健康のため、将来の自分のためですからね!!

家族の食事管理を任されている主婦としては、食の安全を深く考えさせられ、そして耳のちょっと痛い作品だったけれど、農家が安定した生計を手に入れつつ、消費者に安全な食物を提供する方法について考えさせられる傑作だったと思いますぴかぴかぴかぴか(あ、でも私自身にはあまり没頭できる内容ではなかったから星は3つで…たらーっ



★さ行 - その他の作家 -
斉木香津 『凍花』

*あらすじ*
なぜ、妹を殺したのか?3人姉妹の長女は次女を殺害した。長女は自首し収監されるが、面会は断り心情は誰にもわからない。今まで当たり前にいた2人の姉を失った私はある日、1冊のノートを見つける。それは長年、長女がつけていた日記帳だった……。サスペンスとミステリーが融合した書き下ろし長編小説。

*感想*
3人姉妹の長女が次女を殺害した。残された三女はある日長年長女がつけていた日記帳を見つける… しかしそこに記された内容は罵詈雑言だらけのものだった…びっくり しかし、しかしですね、三女の彼氏(柾也)がピックアップした日記の中の10箇所の部分を読んだ後は、それらはただ周囲の人々を非難した内容ではなかった…と変化します。この読者の視点をガラっと変えさせる技術は圧巻で、読みながらどんどん長女の世界に引っ張り込まれていくのが自分でもよくわかりました。

色々な家族小説が世の中にあると思いますが、本書は家族や姉妹にでさえ自分の本心を伝えられない長女の苦悩が上手く表現され、姉妹として育ち、そして今自身も家庭を持つ私の心にぐっとくるものがありました。そしてラストは… 誰か誰か長女の百合を大きな心で包んであげてくださいと私まで懇願したくなるものだったわ悲しい

面白かったですぴかぴか 斉木香津さんありがとぉ〜ラブ


★さ行 - その他の作家 -
佐藤青南 『ある少女にまつわる殺人の告白』

*あらすじ*
長崎県南児童相談所の元所長らが語る、ある少女をめぐる忌まわしい事件。10年前にいったい何が起きたのか。元所長、医師、教師、祖母……様々な証言が当時の状況を明らかにしていく。関係者を訪ねてまわる男の正体が明らかになるとき、哀しくも恐ろしいラストが待ち受ける!
「今日的テーマを扱いつつ、難易度の高いテクニックを駆使し、着地の鮮やかさも一級品である」と『このミステリーがすごい!』大賞選考委員・茶木則雄が絶賛した2011年『このミス』大賞優秀賞受賞作。

*感想*
児童虐待というテーマをインタビューと独白形式で綴った本書は、斬新さに欠けていると言われても仕方がないでしょう。が、しかし!徐々に明らかになってゆく「ある少女にまつわる話」は、いつ殺人へと繋がってゆくのか、事件の全貌とはどの様なものだったのかが気になり、一気に読み終えてしまいましたぴかぴか

特に児童相談所の権限や役割、そして問題点を簡潔に織り込んだ構成と筆力は、本書を『このミス』の優秀賞に導いた大きな要因になったのではないでしょうか。強制立入り調査への躊躇、熱意ある児童福祉司ほど辞めたくなる現状は、読んでいて私も歯痒さを感じました泣き顔
一つ残念だったのは、主観と客観が混じった文章になってしまっていたこと。文章の書き出しは完全に「独白(モノローグ)形式」なのに、途中から状況や言動文に客観性が入ってきてしまい混乱した読者も少なくないはず…

著者の2作目が非常に楽しみです!次作も社会問題を取り入れたミステリー系だと、個人的には嬉しいな。さしあたり、『このミス』大賞作家(海堂尊など)が書き下ろしたミステリー短編集『「このミステリーがすごい!」大賞10周年記念 10分間ミステリー』という本に青南さんの作品も載っているそうなので読んでみたいと思いますラブ


★さ行 - その他の作家 -
柴田よしき 『激流』

*あらすじ*
京都。修学旅行でグループ行動をしている、東京から来た七名の中学三年生。知恩院に向かうバスで、その中の一人の女生徒、小野寺冬葉が失踪し、消息を絶った―。二十年後。三十五歳となり、それぞれの毎日を懸命に生きるグループのメンバーに、過去の亡霊が甦る。「わたしを憶えていますか?」突然、送られてきた冬葉からのメール。運命に導かれて再会した同級生たち。彼らに次々と降りかかる不可解な事件。冬葉は生きているのか?そして、彼女の送るメッセージの意味とは…?「今」を生きるすべての人に贈る、渾身のサスペンスミステリー。

*感想*
20年前クラスメート(冬葉)失踪事件の関係者に起きる、サスペンスミステリーでした。失踪したクラスメートの安否はわからないままに話は進むのですが、亡霊・怨念・サイコホラーみたいものは登場しないのでご安心ください(そういうフィクションが好きではないのは私だけかな?笑)

冬葉の失踪時にグループ行動を共にしていた5人の20年後をそれぞれ描き、群創スタイルで話が進むため、ボリュームのある1冊になっています。しかし5人の職業は警察官・文芸書編集者・芸能人・エリートサラリーマン・セレブ主婦とバラエティーに富み、そして書き込みも具体的なので、読んでいて大変興味深かったわ 私はやっはり文芸書好きなので、編集者(圭子)の場面を一番熱心に読み込みました 本当に作家と編集者の間に恋愛感情とかって生まれやすかったりするのかしら… とか思いながらね。

本書にはとにかく“謎”が多発するために、ラスト1/3ページくらいの畳み掛けが凄いことになっています。私はこのラストを特別“強引”だとは感じなかったですが、そのラストに行き着くまでに5人が色々と推理や回想する場面には少々抵抗がありました。20年前の出来事をそんなに思い出せるものですかね。。。 私の年齢が丁度この5人と同じくらいなので、特にそう考えてしまいました。私は平凡な中学生生活しか送ってないけれど、「あの時の彼女の形相は普通ではなかった」とか思い出せるものですか?
まぁ、これはフィクションだからいいとしましょうか あはは



★さ行 - その他の作家 -
齋藤智裕 『KAGEROU』


*あらすじ*
第5回ポプラ社小説大賞受賞作。『KAGEROU』―儚く不確かなもの。廃墟と化したデパートの屋上遊園地のフェンス。「かげろう」のような己の人生を閉じようとする、絶望を抱えた男。そこに突如現れた不気味に冷笑する黒服の男。命の十字路で二人は、ある契約を交わす。肉体と魂を分かつものとは何か?人を人たらしめているものは何か?深い苦悩を抱え、主人公は終末の場所へと向かう。そこで、彼は一つの儚き「命」と出逢い、かつて抱いたことのない愛することの切なさを知る。水嶋ヒロの処女作、哀切かつ峻烈な「命」の物語。



*感想*
2010年ラストの感想文が、今年文芸書界を大いに賑わわせた本書で締め括る事になるとは、タイムリーというか何というか…。週刊誌には小説大賞受賞に際しての裏事情やら、単行本化されるまでにプロによる修正・加筆が大幅に行われたなど、いろいろな憶測が書かれていましたが、話題になればなるほどに読みたくなるのが消費者心理というもので、私も読んじゃいました。


読んだ感想を一言でいうと、
「命」をテーマに描いている作品なのに、重みも深みも感じられない作品でした。


主人公は、40代男性・自殺志願者なのですが、人物描写がまったく40代男性に追いついておらず、読んでいて非常に違和感を抱きました。幼稚な言動と、全くもって40代のプライドを感じさせない主人公は、どこから読んでも「なんか面白いことねーし、生きるのが面倒になってきちゃったよ〜」と漠然と語る10代後半〜20代前半の若者としか見えなかったと思います。これが水嶋ヒロの思い描く40代男性なのでしょうか?それとも、自殺を考える者はその程度の精神レベルだと見下してのことだったのでしょうか?
そして臓器移植レシピエントの茜のセリフで「臓器提供を受けるということは、誰かの死を待っているという事で辛い」という様なものがあるのですが、その辺りなんかはドキュメンタリー番組でみた受け売り程度にしか感じられず、「想像で描ききった作品感」満載でした。


臓器移植・身体移植の合理化という題材は悪くはなかったと思いますが、著者には「自分の伝えたいことをどうやって読者へ投げかけ、そして伝えるか」をもっと勉強してほしいと思います。


ちなみに、初版の232ページに誤植が発生したみたいで、シールによる修正がされていますね。発売前からベストセラーである本書、1冊1冊にシールを貼るのは大変な作業だったことでしょう…。



★さ行 - その他の作家 -
1/2PAGES >>
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>
Category
Profile
Archives
Comment
Search
Mobile
qrcode
Sponsored Links