読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
高野和明 『ジェノサイド』

*あらすじ*
急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。創薬化学を専攻する大学院生・古賀研人は、その不可解な遺書を手掛かりに、隠されていた私設実験室に辿り着く。ウイルス学者だった父は、そこで何を研究しようとしていたのか。同じ頃、特殊部隊出身の傭兵、ジョナサン・イエーガーは、難病に冒された息子の治療費を稼ぐため、ある極秘の依頼を引き受けた。暗殺任務と思しき詳細不明の作戦。事前に明かされたのは、「人類全体に奉仕する仕事」ということだけだった。イエーガーは暗殺チームの一員となり、戦争状態にあるコンゴのジャングル地帯に潜入するが…。
本の雑誌2011年上半期ベスト10 第1位
日経おとなのOFF 2011年上半期ベスト10 第1位

*感想*
本書読んで、私は初めて知りました…
活字でハリウッド映画級の壮大な物語が描けることを!!
最近色々なメデイアで取り上げられている本書ですが、確かにこれは各種メディアで紹介したくなるのも納得できます、そして間違いなく絶賛に値する作品です

ハリウッド映画級の内容であるため、簡潔なあらすじを述べるのは難しいのですが、本書の舞台は「アメリカ合衆国」「コンゴ」「日本」の3ヶ国になります。この3国間を通して描かれるテーマは「世界情勢」「国際紛争」「軍事機密」「創薬事情」「人間の善悪」などとても広く、そしてそれらは「人類全体の未来」という深いものへと繋がってゆきます。しかし舞台転換がとても早く、専門的な話はとことん専門的に綴られているために、飽きることなく、どんどんと物語の世界へと深く連れて行ってくれました。軍事評論家でも、政治評論家でも、そして科学者でもない著者が、よくぞここまで詳しく各分野のエピソードと組み込んだ物語を書けたものだ!と心の底から敬服します

エンターテインメント作品として、ドキドキハラハラしたり、胸を締め付けられる悲しい場面もあるのですが、私が一番心に残ったのは、ハイズマンという学者の3つの台詞です。
『すべての生物種の中で、人間だけが同種間の大量殺戮(ジェノサイド)を行う唯一の動物。それがヒトという生き物の定義。人間性とは残虐性なのだ』
『隣人と仲良くするよりも、世界平和を叫ぶほうが簡単なのだ』
『現生人類は、誕生から二十万年を費やしても殺し合いを止められなかった哀れな知性生物だ。』

ハイズマンの言葉を読み、自分がどれだけ平和ボケしていたか痛感しました。私には世界を変えることはできないだろうけれど、せめて今日からは新聞の世界面の記事をもっと真剣に読みたいと思います
そして本書が映像化される日を楽しみに待ちたいと思います



  ├ 高野和明 -
高野和明 『6時間後に君は死ぬ』

*あらすじ* 
他人の未来(ビジョン)が見える山葉圭史をキーマンとする5つの短編集。

『6時間後に君は死ぬ』
渋谷で突然見知らぬ男に「6時間後に君は死ぬ」と声をかけられた美緒。はじめは新手のナンパかと取り合わない美緒も、段々と男の言葉を信じざるを得ない状況に陥っていく。
6時間後、美緒の運命は…。

『時の魔法使い』
思うように仕事がもらえず、生活に困窮するシナリオライター志望の未来(ミク)は、自分が幸せだった頃の幼い日の記憶を頼りに、当時親子三人で暮らしていた町を訪れてみることに。そこで未来が出会ったのは、9歳だった子供の頃の自分だった…

『恋をしてはいけない日』
飽きればすぐに男をとっかえひっかえしていた大学生の未亜は、ひょんな事から会った男に「今度の水曜日だけは、誰かを好きになってはいけない」と告げられる。しかしその水曜日に、未亜はこれまでにない運命的な出会いをしてしまい…

『ドールハウスのダンサー』
オーディションを受けた数だけ、不合格通知を受け取っていた、実力はあるのに本番に弱い、運のないダンサー志望の美帆。そんな美帆の運命と幸せを遥か昔から見通し、祈っている人が居た…

『3時間後に僕は死ぬ』
「3時間後に自分は炎に包まれて死ぬ」というビジョンを見てしまった男は、その災難に巻き込まれる人々と自身を守る為に試行錯誤手を尽くす。未来は変えられるのだろうか…

『エピローグ 未来の日記帳』今まで描いてきた5編の総まとめ。筆者がこの短編集の軸として思い描いている事が綴られる。

*感想*
初めて著者の作品「13階段」を読んだ時は、「現実的&社会派路線を行く硬派作家」という印象が強かったのですが、本作品を含むそれ以後の作品は、どうも「幽霊」やら「超常現象」やらと、非現実的な作風ですね…。ズバリそういう「非現実的路線」は私は好きではないのですが…
今回の作品は、題名からしてちょっと引く部分もあったのですが(露骨過ぎでしょう…)、『恋をしてはいけない日』は、素直に心に響く良い作品だったと思います。

最近の大学生達の恋愛事情はどのようなものだか知らないけれど、主人公未亜の様に「飾り」「遊び」「暇つぶし」的な感覚で交際をしている人も少なくはないでしょう。そういう付き合いを私は特別に否定はしません。ただし大切なものを見失わないならばね。その大切なものとは、相手の本質を見極める事とか、自分の心と体を大切にするという事なのですが。
この作品は未亜の視点を通して、そういう事を思い出させてくれるエンターテイメント+@ な良い話だったと思います。


  ├ 高野和明 -
高野和明 『K・Nの悲劇』

*あらすじ* 
夏樹果波は、幸福の絶頂にいた。仕事で成功した夫、高層マンションでの新しい生活。そして夫との子供を妊娠−。しかし夫から経済的な事を理由に中絶してほしいとの旨を告げられる。夫の希望を優先するべく中絶を決意した果波だが、以来、彼女の精神に異変が起こり始める。精神の病か、それとも死霊の憑依なのか。科学と心霊の狭間で、夫と精神科医が治療に乗り出すが、二人の前には想像を絶する事態が待ち受けていた―。

*感想*
高野作品で毎回感じるのが、「読者を惹きつけるタイミングが上手!」という事。
そろそろ間延びしそうかなぁ…って所で、新たなる事件解決のヒントや展開を見せてくれる。おかげで、「おおっと!!ちょっと読書を休憩しようかと思っていたのに、もうちょっと読んでからにしよう!」と、ついつい先を読んでしまいます。
今回も果波の症状が単調になってきたかな。。。っと気が緩んできた所で、パっと過去の親友の存在が明らかになってきたりして、ネタ出しが鮮やかでした。

そして、中絶という問題について考えさせられる内容で心に響きました。
「1年間に全国で殺処分される犬と猫は、それぞれ約30万頭」
「1年間に全国で中絶する人は、約34万人」
動物愛護の為に、動物への避妊手術徹底を呼びかける記事や報道をよく見ます。しかし、なんと人間はその犬や猫の殺処分以上に中絶をしていたなんて。。。ショックでした。
ペットに対しても、そして自分自身に対しても、一人一人責任のある行動をしないとね!

いろいろ医学用語とか出てきて、途中は文も内容も濃かったけれど、最後は結構サッパリと終わっていて良かったです。


  ├ 高野和明 -
高野和明 『グレイヴディッガー』


*あらすじ* (Amazon.co.jpより引用)
中世の魔女裁判期に登場した殺人鬼「グレイヴディッガー(=墓堀人)」をまねた大量殺人事件が発生した。煮えたぎった浴槽に浮かぶ変死体。偶然にもそれを発見してしまった主人公・八神は、謎の集団に追われることになる。今までの悪行をかえりみて挑もうとしている、人生初の人助け「骨髄提供」を全うするため、八神は逃げる。カルト集団や公安警察の手をかいくぐっての逃亡劇。はたして無事病院にたどり着けるのか…。

*感想*
アクション系に全く興味が無い為か、逃走シーンの多さに正直疲れてしまいました…。
グレイヴディッガーの正体が段々と明らかになっていく過程は、意外な登場人物の名前が突然登場してきたりして面白かったのですがね。。。
しかし、読後一番の感想は
「で、結局犯人はなぜ『グレイヴディッガーのまねをしていたの?』という疑問。。。
本中でも「証拠品をこんなに残す殺人は、犯人にとってかなりリスクが高い」と書かれている位なのだから、このグレイヴディッガーの真似については明確な説明が欲しかったなぁ。。。。うーん…残念。


  ├ 高野和明 -
高野和明 + 阪上仁志 『夢のカルテ』

*あらすじ* 
銃撃事件に遭遇して以来、悪夢に苦しめられている麻生刑事は心理療法を受けるべくあるセラピストの元を訪れる。そこで出会ったのは「他人の夢の中に入ることができる」という特殊能力を持ったカウンセラー 来生夢衣だった。
カウンセラーと患者という立場の二人だが、次第にお互い惹かれていき、そしてその後 いろいろな事件に巻き込まれてゆく ラブ&ミステリー小説。

*感想*
「他人の夢の中に入る」という設定がすっごく面白くて、ロマンスすら感じたのだけれど、麻生刑事と夢衣の恋愛模様が陳腐でいまいち入り込めなかった…
まず、二人が親密になっていく展開が速すぎる!!第一章で既に恋に落ち、そして突然『夢衣!』『健介!』と名前で呼び合うという展開… 
ちょっと気持ちが通じ合えたからって、すぐに名前を呼び捨てで呼び合うカップルなんて日本人にはそうそう居ないでしょう。絶対にこの展開には無理がある。。。
余りに不自然で、思わず
「ありえないーーー!!」
と 家の中で叫びましたよ、私。
恋愛だけがメインの小説ではないので、そこまで細かく恋愛の展開に難癖を付けるのも申し訳ないのですが、「これは恋愛転移ではないのか?」と主人公が悩んでいる設定がある限り、もっと綿密な恋愛模様を描いて欲しかったです。
ミステリーや事件の部分は面白かっただけに、恋愛パートの内容には残念でした。


  ├ 高野和明 -
高野和明 『幽霊人命救助隊』
幽霊人命救助隊


★★★★☆

*あらすじ* 
大学受験に失敗し自殺した裕一がたどり着いたのは、天国と地上の中間地−自殺者が天国にいけずに彷徨う場所だった。そこで裕一は、自身と同じく自殺を理由に天国へ行けない3人の幽霊と出会う。彼ら4人が天国へ行くには『地上に戻り自殺志願者の命を100人救う事』という指令が神様から下され、4人の人命救助活動が始まった。活動期限は7週間。彼らは期限内に無事ミッションを達成し、天国へ行くことができるのか?そして4人が100人の自殺志願者達との交流を通して感じ、考える事とは…?

*感想*
自殺者が増加している昨今、生きる意味を考えさせられる良い本でした。
世に言う「勝ち組」や「夢を追いかけている人」にいくら「頑張って生きなさい」と言われても、前向きに物事を考える性格ではない人にとってその様な台詞は聞く耳を持たない事でしょう。しかし本書の語り手は、そういう強く人生を歩んでいる人ではなくて、絶望の果てに自殺をしてしまった人々なので、妙に説得力があります。

4人の救助隊のメンバーは、過去に自身が自殺をしてしまったのにも関わらず、今目の前で自殺を考えている人々に
「深刻に死のうとするより、軽薄に行きましょう!」 だの
「一所懸命に生きなくていいですから、ただ存在していましょう!」 だのとエールを送り続けるのです。なんて面白い設定なんでしょう。

そして人命救助が進むにつれ、彼らももっと深く「生きる意味」を考えていきます。
この「生きる意味」の本書における著者の考えは胸に刺さりました。
私は基本的には前向き思考な性格なのですが、やはり時には落ち込み「何故生きているのだろう?」と考えてしまう時もあるからね。。。
本書に書かれている「生きる意味・目的」は

人が生きていることには意味も目的もないのではないか。人はただこの世に居るだけではないか。そう考えた方が気が楽だ。そもそも命の意味とか目的とかを言い出したら、それに当てはまらない人間は生きるに値しないことになってしまう。

と書かれています。 この言葉には深く納得しました。
辛くてもなんでも、とにかく人は生きるしかないんですよね。
本書を読み終わっての一番の感想は
とにかく生きるしかないのなら、少しでも楽しい人生になるように日々ささやかな努力をした方が良いのだろうなぁ〜 という事でした。
漠然と自殺願望がある人には是非一度読んでほしい作品です。


  ├ 高野和明 -
高野和明 『13階段』
13階段


★★★★★

*あらすじ* 
喧嘩相手を誤って死に至らしめてしまい、3年の刑に服していた三上純一が仮釈放された。そんな折、純一の服役していた刑務所の刑務主任・南郷正二が純一を訪れ、ある死刑確定囚の冤罪を晴らす調査に純一を誘う。2人はこの冤罪を晴らせるのか?人を殺めてしまった過去に苦しむ純一と、死刑執行を遂行した過去に苦しむ南郷が解き明かすこの事件の全貌とは!?
第47回江戸川乱歩賞受賞作。

*感想*
冤罪を晴らすための情報・証拠収集というミステリーサスペンス要素と、死刑制度について深く考えさせられる素晴らしい1品でした。

まず、ミステリーサスペンス部分では、簡単には解けない謎と、解け始めたと思ったらその糸の先が思わぬ所へと繋がってゆくという驚愕の展開! 良い意味で翻弄され、最後まで目が離せません!

そしてもう1つの読み処である、死刑制度についての状況説明と、それを執行・遂行する人々の苦悩も素晴らしかった。これは南郷刑務主任の過去を通して語られるのですが、死刑執行までの手順をストーリーに上手く組み込ませ、そして死刑執行に関わる人々の精神的苦悩も南郷さん自身と、同僚達の詳しい描写でとても強く伝わってきました。
極悪犯罪人と解っていても、裁判で「死刑」という判決を受けた人間だと解っていても、死刑を遂行させる人の苦悩は並大抵ではないですよね。。。簡単に「仕事だから…」と割り切れるはずのない域でしょう。

すごく印象的だったのが
「日本国民の過半数が死刑制度を支持している。しかし日本人は、悪人を死刑にしようと心の中では思いながら、それを口にする人間を白い目で見るんだ。本音と建前を使い分ける民族の陰湿さだよ」
という南郷さんの言葉。
うーん… 「白い目」で見るかと言われれば、どうかは解らないけれど、もしも隣の家に住んでいる人が「死刑執行員」だと知ったら一目置いてしまうかもね…。
この特別視こそが、執行員達の苦悩を更に強くさせてしまうのだろな。。。

あぁ。。本当に深く難しい問題だね。。 日本の死刑制度はかなりの極秘情報らしく、受身ではなかなか知ることのできない世界との事なので、本書を一度読まれることを強くお勧め致します! 

ちなみに13階段とは死刑執行時の首吊り台までに登る階段の数だと言われていますが、今は床が外れる仕組みなので、そんなことは無いらしいです。


  ├ 高野和明 -
1/1PAGES
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>
Category
Profile
Archives
Comment
Search
Mobile
qrcode
Sponsored Links