読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
海堂尊 『マドンナ・ヴェルデ』


*あらすじ*
「ママは余計なこと考えないで、無事に赤ちゃんを産んでくれればいいの」
平凡な主婦みどりは、一人娘で産科医の曾根崎理恵から驚くべき話を告げられる。子宮を失う理恵のため、代理母として子どもを宿してほしいというのだ。五十歳代後半、三十三年ぶりの妊娠。お腹にいるのは、実の孫。奇妙な状況を受け入れたみどりの胸に、やがて疑念が芽生えはじめる。
「今の社会のルールでは代理母が本当の母親で、それはこのあたし」。


*感想*
『ジーン・ワルツ』で描いた代理母出産を、代理母を引き受けたみどり(曾根崎理恵の母)の視点から描いた物語。


『ジーン・ワルツ』では多くの産科医療問題を取り上げていたのですが、本書では「代理母出産」について的を絞っています。代理母出産を身近に感じる人は多くないと思いますが、だからこそ著者がこのテーマを取り上げたということがラストで曾根崎理恵の言葉を通して語られ、代理母のルールについて考えさせられました。


本書では「法律上の母親は実際に子供を産んだ女性とし、卵子提供者の存在は法律上考慮しない」とう現在の日本の司法判断を厳しく非難しています。この論争は読んでいて胸が痛くなりました。なぜならば、自身の卵子による受精卵で代理母出産をした向井亜紀さん、第三者による卵子提供を受けて出産した野田聖子議員、とどちらのパターンも著名人によって実行されているので、他人事には思えない問題に感じたからです。両者とも「母になりたい」という思いは一緒なのに、司法の元ではどちらかしか母親になれないなんて悲しいです。しかしだからといって、曖昧なルールを作れば秩序と倫理が崩壊するものよくわかるので、私自身では結論の出せない問題でした。


これほど詳細で奥の深い医療関係の現状と問題点を鋭けるのは、医学博士である海堂尊にしか書けないでしょう。また今回はみどりの視点を通して「一人の女性」「一人の母」としての意見も多く組み込まれていて、人間味のある傑作になっていたと思いました。

 



  ├ 海堂尊 -
海堂尊 『ジーン・ワルツ』


★★★☆☆


*あらすじ*
桜宮市・東城大学医学部を卒業、東京・帝華大学に入局した32歳の美貌の産婦人科医、曾根崎理恵―人呼んで冷徹な魔女(クール・ウィッチ)。顕微鏡下人工授精のエキスパートである彼女のもとに、事情を抱えた五人の妊婦がおとずれる。一方、先輩の清川医師は理恵が代理母出産に手を染めたとの噂を聞きつけ、真相を追うが…。


*感想*
不妊治療、人工授精、妊娠、出産、代理母出産、患者搬送のたらい回し、産婦人科医訴訟、少子化対策、など、現在の産婦人科医療が抱える問題点をリアルに描き、厚生官僚や学会のお偉いさん方の無策ぶりを糾弾した、渾身の一作でした。

この一冊の中に多くの産婦人科医療の問題を盛り込み、更にエンターテイメント小説としてのストーリもバッチリ描いて、著者の多才振りに感服です。ただ、産科医療に興味がない方には、堅苦しい文章が多い本書は、読み難いかもしれないですが。


私は昨年出産したばかりだったので、自分の経験と重ね合わせて読み耽り、感情移入をする場面が多々ありました。特に胎児に奇形があると宣告する医師の見解と、それを受けた妊婦の決断には胸にずっしりときました…。


お産は安全なものだと勘違いしている人や、付け焼刃な政策ばかりを打ち出す役人たち、幅広く多くの人々に読んでもらい、誰もが納得できる産科医療現場を作っていかないとならないと思わせる、社会派小説でした。読んで良かったです。

 



  ├ 海堂尊 -
海堂尊 『チーム・バチスタの栄光』
チーム・バチスタの栄光


★★★☆☆

*あらすじ* (「BOOK」データベースより引用)

東城大学医学部付属病院は、米国の心臓専門病院から心臓移植の権威、桐生恭一を臓器制御外科助教授として招聘した。彼が構築した外科チームは、心臓移植の代替手術であるバチスタ手術の専門の、通称“チーム・バチスタ”として、成功率100%を誇り、その勇名を轟かせている。ところが、3例立て続けに術中死が発生。原因不明の術中死と、メディアの注目を集める手術が重なる事態に危機感を抱いた病院長・高階は、神経内科教室の万年講師で、不定愁訴外来責任者・田口公平に内部調査を依頼しようと動いていた。壊滅寸前の大学病院の現状。医療現場の危機的状況。そしてチーム・バチスタ・メンバーの相克と因縁。医療過誤か、殺人か。遺体は何を語るのか…。栄光のチーム・バチスタの裏側に隠されたもう一つの顔とは。

第4回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。

*感想*
最初、医療系ミステリーという事で、ちょっと身構えて読み始めたのですが、
「あれ…この人のテンポちょっとおかしいぞ…」「そういう表現方法を使うとは面白いなぁ…」
と、シリアスムードが全く無い書き方でどんどん読み進められました。
そしてだんだんストーリーが深く密になってきたところで、裏の主役(?)と言えそうな強烈キャラの厚生労働省の調査官・白鳥さん登場。
この白鳥さんのぶっ飛びキャラは良かったね!
アクティブ・フェーズだのパッシブ・フェーズだの“クドイ”瞬間もあったけれど、憎みきれない存在。そういえば奥田英朗著の“イン・ザ・プール”とかに出てくる伊良部さんによく似ているかも。
私は「術中死に殺人はありえないだろう」という素人考えしかなかったので、途中この話に疲れを感じてしまったけれど、白鳥さんのおかげで読破できたという具合でした。


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