読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
綿矢りさ 『かわいそうだね?』


*あらすじ*
【かわいそうだね?】 彼氏が元カノを居候させると言い出した。居候を認められないなら私と別れるとも―。どうする私!?
【亜美ちゃんは美人】美人の親友にいつも隣に並ばれ、引き立て役の私。たぶん私はあなたのことが嫌いだよ―。
女子のブラックな心の中を滑稽に描いた2編。

*感想*
前作『勝手にふるえてろ』に引き続き、主人公は社会人女性なのですが、今回も女性の本音を見事に描いている良作でした桜

『かわいそうだね?』は彼氏と彼氏の元カノに翻弄される女子を、『亜美ちゃんは美人』では美人な親友に翻弄される女子を滑稽に描き、まさしく「この人たちはかわいそうなのだろうか?」と問いかけたくなる話だったわ〜 ナイスタイトルグッド!! そして文章もクスっと笑える箇所が多々あり、純文学でデビューした綿矢さんの創作幅が広がってきている事が感じられ、なんだか娘の成長を喜ぶ親の気持ちで読んでしまいました。特に『かわいそうだね?』の主人公が「♪土曜の夜と〜日曜の〜♪」と不倫ソングを口ずさむシーンは最高でした 綿矢さんの年齢でも知ってる歌なんですねイヒヒ

どちらも中盤は少しドロドロした話でイライラしてしまったのですが、ラストは爽快で読後感はとても良かったです。
女子の健気さと強かさを思い出させてくれる一冊ですね〜ぴかぴか


  ├ 綿矢りさ -
綿矢りさ 『勝手にふるえてろ』

*あらすじ*
賞味期限切れの片思いと好きでもない現実の彼氏。どっちも欲しい、どっちも欲しくない。恋愛、しないとだめですか。
片思い以外経験ナシの26歳女子が、時に悩み時に暴走しつつ「現実の扉を開けてゆくキュートで奇妙な恋愛小説。3年ぶりの注目作!

*感想*
芸能界を舞台に描いた前作『夢を与える』を読んだ時は「やはり社会人経験することなく、若くして作家デビューをしてしまうと、深みのない“上っ面作品”になってしまうのかな…」と思ったのですが、本作の主人公はオタク系OL女子で、(著者にOL経験があるのか知りませんが)設定や主人公の言動に無理を感じず楽しめました
本書には壮大なストーリーやミステリーとかは全く無い、ただのオタク系OL女子の脳内独り言がメインの内容なので、年配の方や男性は感情移入ができずあまり楽しめない作品かもしれません。逆にOL経験のある女子ならそこそこ楽しめると思いますよ

ちなみに私もOL経験があるので多々共感できたり、ツボにはまった箇所がありました。
例えば、二との掛け合いの中でヨシカが心の中で呟いたこのセリフ
「望みどおりの相槌を返してあげたのに即座に打ち消してくる人、あと企画のことをかっこつけてプロジェクトと呼ぶ人は私は嫌いです」
読んだ瞬間「わかるわかる〜(笑)」とウケてしまいました。営業部にいる「僕は仕事がバリバリできます系」の若手男性ってこういう感じですよね(笑)

そしてヨシカがオタク系女子という設定なだけあって、マニアックな絶滅動物の話を本書に盛り込んできた著者のチョイスにセンスの良さを感じました。しかもそれをヨシカは自身の恋愛に見立てて
「生殖促進効果のはずの恋が、逆に子孫繁栄を阻害している。私もドードーと同じく、滅びゆく種なのだろうか。だとしたら二は私を絶滅から救う保護観察員なのだろうか」
というセリフは、著者の年齢を重ねてやっと出てきた筆力を感じました

綿矢さんには、これからも無理せずに等身大の主人公を描いていってほしいな〜と思います







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綿矢りさ 『夢を与える』

*あらすじ* (「MARC」データベースより引用)
チャイルドモデルから芸能界へ。幼い頃からテレビの中で生きてきた美しくすこやかな少女・夕子。ある出来事をきっかけに、彼女はブレイクするが…。成長する少女の心とからだに流れる18年の時間を描く待望の長篇小説。

*感想*
綿矢さんは一体どこに向かっているのだろうか? 
迷走しているとしか思えない程に、内容と技法の両面で粗が目立つという不出来な作品でした。 

まず内容面でいうと、とにかく結末とは関係の薄い無駄なエピソードが多すぎて、中だるみもするし、「で?それで?」とツッコミを入れたくなる箇所が多々。そして、何よりも憤りを感じる位に驚き&ショックなのが、終盤のストーリーが、陳腐な展開の王道『男絡み』だったこと。 今時こんな使い古したというか、つまらない稚拙な展開を持ってくる作家はいないでしょう。
あと、気になったのが、今回芸能界が舞台の話を書くにあたり、著者はしっかり取材をしたのか?ってところ。どうも芸能界の場面の描写が薄っぺらく感じて、「その位の背景なら、一般人の私でも想像していたのですが?」という程度の場面描写が多い。というか、むしろ「テレビのこちら側からの想像で描いてます?」というようなペラペラに浅い内容。舞台となる世界の土台くらい、しっかり描いてほしかったです。
過去2作で感じた著者の「世界観の狭さ」は、残念ながら今回も成長がありませんでした。
残念。

そして技法の面でいうと、「3人称の文章の書き方」をもっと勉強された方がいいと思いました。複数の人が登場している場面で、誰が発した言葉なのか?などの判り難かった。そして序盤では、突然主人公が夕子の母から、夕子へと移るという展開があったにも関わらず、その移行が曖昧で非常に判り難かった。これは私の読解力の低さの問題だけではないと思います。

と、まぁ、久々に酷評させて頂きました。
やはり、人は社会に出て、仕事や人間関係に揉まれ、翻弄されて成長するのだろうな。
現役大学生である著者には、大学を卒業して一度社会に出た後の作品に期待したいと思います。


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綿矢りさ 『蹴りたい背中』
蹴りたい背中

★★☆☆☆

*あらすじ* (Amazon.comより引用)
長谷川初実(ハツ)は、陸上部に所属する高校1年生。気の合う者同士でグループを作りお互いに馴染もうとするクラスメートたちに、初実は溶け込むことができないでいた。そんな彼女が、同じくクラスの余り者である、にな川と出会う。彼は、自分が読んでいるファッション雑誌のモデルに、初実が会ったことがあるという話に強い関心を寄せる。にな川の自宅で、初実は中学校時代に奇妙な出会いをした女性がオリチャンという人気モデルであることを知る。にな川はオリチャンにまつわる情報を収集する熱狂的なオリチャンファンであった。

*感想*
文章は確かに上手い。表現力がまだ乏しい所があるにしろ、続きを読ませたくなる含みのある言い回しや、ところてんが ツルっ と喉を通ってしまう様に さらっ と文章を読ませる流暢さは素晴らしい。 しかし、内容がつまらない。 ストーリーが在って無いようなもの。本書はストーリー云々ではなく、思春期のモヤモヤした気持ちやジレンマを「解る!解る!」と共感しながら読むものなのでしょう。ので、もう高校を卒業して10年以上経つ私にはそんな淡い感情共感できないし、思い出す事もできなかったわ。。。 あと、基本的な主人公の性格が前作「インストール」の主人公と似ている所も気になったな。グループ行動をする女子高生と一緒になりたくないと思って、そういう子たちをちょっと下目に見ている所とか。確かに著者は平均的高校生の思考よりも客観視できる冷めた目を持っているのかもしれない。しかし、その自分の美学に当てはまらない同級生を遠ざけようとする所がまだまだ幼いというか…。まだまだ「自分は他人とは違う」という理想と幻想(!?)を抱いている若い本でした。めげずに次作に期待します。


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綿矢りさ 『インストール』
インストール

★★☆☆☆

*あらすじ* (「MARC」データベースより引用)
突然、学校生活から脱落することを決めた高校生・朝子。ゴミ捨て場で知り合ったクールな小学生かずよしに誘われて、チャット風俗で一儲けすることに。押入れのコンピューターから覗いた「オトナの世界」とは? 第38回文藝賞受賞作品(著者は史上最年少の17歳にて受賞)。

*感想*
「史上最年少17歳にて文藝賞受賞作品」
という肩書きがなかったら最後まで読めたか微妙な作品でした…。文藝賞自体「新人作家の登竜門」みたいものなので、そういう意味ではピッタリの作品なのですが。つまり「今後の活躍が期待できそう」という作風。
本作品も“現役高校生らしい瑞々しい感性”と、“もう一歩!というツメの甘さ”が目に付きます。17歳でこんなに冷静に人の心情を客観視、かつそれを文章化できる才能は本当に素晴らしいと思いました。しかしやはり著者が所詮まだ大人の社会に出ていない高校生のせいなのか、世界観が狭いです。その世界観の狭さを自身でジレンマにでも思っているのか、チャットを通じて外部との交信を取ろうとするのが、高校生らしい等身大な設定で悪くなかったですが。まぁやはりラストはちょっと安易というかチンケかな。主人公の心の闇はそんな簡単に切り替えられるものなの!?とちょっと驚いたし、それまで読んできた内容を無にされてしまう感覚さえ覚えた。
10年後、著者が社会を実体験し、一皮剥けた時が本当の勝負かと思います。


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