読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
森絵都 『みかづき』

 

*あらすじ*

「私、学校教育が太陽だとしたら、塾は月のような存在になると思うんです」

昭和36年。人生を教えることに捧げた、塾教師たちの物語が始まる。

 

小学校用務員の大島吾郎は、勉強を教えていた児童の母親、赤坂千明に誘われ、ともに学習塾を立ち上げる。

女手ひとつで娘を育てる千明と結婚し、家族になった吾郎。ベビーブームと経済成長を背景に、塾も順調に成長してゆくが、徐々に吾郎と千明の塾の役割について意見が食い違うようになり…

 

*感想*

感動しましたポロリ 感銘を受けましたポロリ “学ぶ意味”と“学ぶ大切さ”を深く考えさせられましたポロリ 

森絵都さん、素敵な物語を本当にありがとうございますポロリぴかぴかぴかぴか桜

 

本書は、大島吾郎と千明夫妻が立ち上げた千葉進塾を軸に、戦後から現代までの教育問題を考えさせられる深く濃い物語になっています。学力テスト廃止、偏差値廃止、ゆとり教育、何度も行われる教育改革…そこにはどんな背景があったのか、塾業界が盛んになるまでにどんな大変なことがあったのか…が、詳しい時代背景と共に描かれていて、まるで私自身も昭和36年から生きていたかの様に、塾教育の世界に入り込み、没頭して読みました。

しかも本書には勉強面の教育の在り方と共に、家族の暖かさと命を繋いでゆくという精神面で大切なことも同時に描いていて、多くの大切なことが詰まった作品でとても良かったですぴかぴかぴかぴか

 

勉強面での教育の在り方については、本書に素晴らしい答えが1つ載っていて、この先、子どもに勉強の意義を尋ねられたら、是非ともこの言葉を伝えたいと思いましたムード

 

教育は、子どもをコントロールするためにあるんじゃない。

不条理に抗う力、たやすくコントロールされないための力を授けるためにあるんだ―。

 

このブログでこの文章を読むだけだと、少々意味が軽く感じてしまうかもしれませんが、本書中の激動の教育改革の中で語られたこの言葉は、非常に重く、そして納得のいくものでしたポロリぴかぴか

 

そして『みかづき』というタイトルも場面毎に深い意味があって、本当に感動的でした。

 

最初に三日月の意味が出てきたのは、千明が吾郎に塾の講師になるように説得する際に使われたこの文章

「私、学校教育が太陽だとしたら、塾は月のような存在になると思うんです。太陽の光を十分に吸収できない子どもたちを、暗がりの中で静かに照らす月。今はまだ儚げな三日月にすぎないけれど、かならず、満ちていきますわ」

 

その後、千葉進塾を大きくするために走りつづけ、夫と娘の思いを放っておいた千明の性格を、吾郎が評した

「どこまでも飛んでいくナイフのようでもあるし、けっして満ちることのない月のようでもある。」

 

それから一郎の代では、crescent=三日月、または新月。の「新月」として活躍

 

ラストには再び千明の思いを紡いだ

「常に何かが欠けている三日月。教育も自分と同様、そのようなものであるのかもしれない。欠けている自覚があればこそ、人は満ちよう、満ちようと研鑽をつむのかもしれない。」

 

この他にも、吾郎はまるで太陽の様に暖かくおおらかに表で塾教師をしている反面、千明は月の如く事務方を照らし整えていたり、一郎のやりたいことを満月の微笑みで快諾・応援してくれた蕗子だったりと、さりげなく要所に月と太陽を取り入れていて、この本のタイトルが『みかづき』以外はもう考えられない程に感動しましたポロリ

 

本当に本当に本当に本書は素晴らしい作品なのですが、私のこの拙い文章で伝わっているか不安ですモゴモゴ。あー…こんなレベルの低い文章力の自分が嫌になります。私も千葉進塾、もしくはクレセントに通いたいなと思いました!!

 

ということで、是非是非是非是非本書読んでみて下さいぴかぴか

絶対に読んで損はない傑作ですから!

 

追記:

本書の舞台が千葉だったということで、生まれも育ちも千葉県である私にはとても親近感が湧いて嬉しかったですイヒヒ 津田沼・船橋・八千代が身近なのはもちろん、谷津遊園行ったことありますよ私(笑)←年齢(世代)がバレるなぁ〜猫2

 

 



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森絵都 『カラフル』



★★★☆☆

*あらすじ*
「おめでとうございます、抽選にあたりました!」。
死んだはずの「ぼく」の魂にむかって天使が言った。
そうして、ぼくは「小林真」という自殺したばかりの14歳の少年の体に乗り移り、自分が前世で犯した悪事を思い出さなくてはならなくなった。

*感想*
生きるということを中学生の目線から描き、自分を大切にしようというメッセージが深く入っている作品でした。真が生き返ったシーンで見せる両親の喜びや、だんだん“真の自殺は間違いだった”と読者に読み取らせていく内容は、小中学生達に是非読んでもらいたいですね。私はラッキーな事に、真の様に自殺を考える程に家族関係や友人関係で悩まされたことはないのですが、唯一「この本を中学生時代に読んでいたら、私は変わったかも」と思ったのが、「両親だって一生懸命に生きている」というのが伝わってきた事。本書中に両親が真と正面から向き合うべく語りかけるシーンがあるのですが、その両親の話の内容がとても心に沁みました。両親だって悩みながら生きているように、真だって、誰だって悩みながら、それでも自分を信じて生きていかなければならないのだと。

十人十色という意味でカラフルと名付けたのか、自分の人生を鮮やか(カラフル)に染めることができるのは自身だけなのだ、という意味なのか、題名もとても素敵な作品だと感じました。


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森絵都 『永遠の出口』


★★☆☆☆

*あらすじ*
女友達との問題、親への反抗、初恋、初めてのアルバイト…。誰もが経験する青春時代を、どこにでもいる普通の少女“紀子”の小学三年から高校三年までの九年間として描いた小説。第一回本屋大賞第四位作品。

*感想*
特別な起承転結がないため、「面白い!」と絶賛する箇所がない淡々とした話でした。きっとこの本は、誰もが経験する青春時代の9年間を描いているので、途中「あ〜自分にもそういう時期があったなぁ。。。」と感傷に浸ったり、共感を楽しむ話なんでしょうね。
私の場合は、残念ながらこの9話どれも共感できなくて、正直楽しめなかったのですが。。。

一箇所だけ大爆笑したのが、紀子の小学校5年生時代の話。
紀子に気になる男の子ができ、「彼と目が合うと、二人にだけのサインを送ってくれるんだ。私と彼だけの秘密の暗号なの。」とロマンティックに友人に語っていたのに、な・なんとそのサインというのが、中指を上に突き立てた「ファック・ユー」のサインだったというオチ。。。
紀子には悪いけれど、これはかなりウケました。

同じ学生時代の話ならば、スポーツ物や、バカを極めた“ちびまるこちゃん”とかのほうが私には合っているようです。


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森絵都 『風に舞いあがるビニールシート』
風に舞いあがるビニールシート


★★★★☆

*あらすじ*
大切な何かのために懸命に生きる人たちの、6つの物語。

『器を探して』 尊敬するパティシエの元で翻弄されながら働く女性の話。
『犬の散歩』 犬の里親探しボランティア資金の為に水商売をする女性の話。
『守護神』 アルバイトの傍らに夜間大学に通う男性と、論文代筆をボランティアで引き受ける女性の話。
『鐘の音』 仏像修復作業に深い情熱を持っているのに、突如その仕事を辞めてしまう男性の話。
『ジェネレーションX』 商品のクレーム処理に向かう営業マンと広告主の男性達の話。
『風に舞いあがるビニールシート』 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に勤める夫婦の話。

第135回 直木賞受賞作品

*感想*
すごい・・・短編にも関わらず内容の濃い1冊でした。 各話違う職業(ボランティア含)の人達が主人公になるのですが、それら職業の専門的な話がとても濃く、かなり森さん自身勉強したのだろうなというのが伝わってきました。 正直 『鐘の音』 の仏像と宗教の話には、あまり興味が持てなくて“濃い”分だけに、読むのが辛くも感じましたが・・・。

一番良かったのは、やはり表題作 『風に舞いあがるビニールシート』 かな。
全く前知識なくこの題名を読んだ時に、何故か“桜が舞うような美しい風の光景”を想像したのですが、本編の内容は全く逆と言っても良い程にシリアスな内容だったと思います。 

(本文より)
吹けば飛ぶようなビニールシートはどこまでも飛んでいく。とりかえしのつかない彼方へと追いやられる前に、虚空にその身を引き裂かれないうちに、誰かが手をさしのべて引き留めなければならないー。

このビニールシートを難民キャンプの世界に例える夫、エド。
「僕はいろんな国の難民キャンプで、ビニールシートみたいに簡単に舞い上がり、もみくしゃになって飛ばされていってしまう、人の命・尊厳・ささやかな幸福を見てきたんだ。」

しかしこのビニールシートを家庭に例える妻、理佳。
「私たち夫婦のささやかな幸せだって、吹けば飛ぶようなものじゃないの?私たちのビニールシートは誰が支えてくれるの?」

支える努力をせずに、そこに有り続けるものは、世の中できっと稀なものなのだと思う。仕事も家庭も、どんどん飛躍してしまうけれど、お金・平和・友情・愛情・全てもものが、きっと「吹けば飛んでいってしまう」不安定なものなのかもしれない。
私は私のビニールシートを一生懸命舞いあがらないように、日々努力しないといけないのだろう。

うーーーん・・。いい本でした。


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