読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
八木圭一 『一千兆円の身代金』

*あらすじ*
前代未聞の身代金を要求する、史上最凶の誘拐劇。
若者へ負担を押しつける日本の政治や、財政赤字への不満・不安をブログで訴える平岡ナオト。
彼のもとに保育士や大学生らが集まり、ある計画がスタートする。
やがて、元首相の孫にあたる小学生が誘拐される事件が発生。
犯人「革命係」からの要求は、財政赤字の見直し、もしくは一千兆円の身代金だった!
政府、マスコミ、国を巻き込んだ事件の行方は……。
第12回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞受賞作品、待望の文庫化。

*感想*
日本の財政赤字や警察の不祥事など現実の社会問題をベースに誘拐事件が発生するという、社会派ミステリーでした。

誘拐犯の要求が日本の財政赤字と、それに伴う若い世代への負担を核に描いているので、至る所で池上彰先生の授業を聞いている気分になりますテレビジョン。しかし誘拐犯の政府への要求はシンプルに
『身代金1085兆円を用意すること(1085兆円とは日本の財政赤字と同額)』

もしくは
『財政危機を招いた責任を謙虚に反省し、国民に対して公式謝罪と具体的な再建案の提示をすること』

の二者択一というもので、政治経済に疎い私でも楽しむことができました!いや、あまりに無知すぎる自分にかなり耳が痛かったのも事実ですがね…モゴモゴ

また構成も刑事、誘拐犯、誘拐された男児の親の目線と場面で変わるので、事件の全貌が厚みを持って描かれていて良かったです。視点を変える事によって、社会問題の硬派な部分もしっかり描き、ネット社会や若者言葉の軟派な部分も取り入れられていてメリハリを感じられましたぴかぴか ちょっとイケメンすぎる刑事は流行に乗り過ぎな気もしましたけどね(笑)イヒヒ

今回の誘拐犯は少々過激なところがあったけれど、いつ何時現実に平岡ナオトが出てきてもおかしくない世の中だし、国民全員がこの問題をしっかり受け止めて日本を変えていかないといけないことなので、楽しみながらも沢山考えさせられた良作だったと思います桜たしかに「このミステリーがすごかった!」!!

あ!そうだ!本書はこの秋フジテレビでドラマ化ですね!
まだ放送日は発表されていないけれど、公式HPはこちら
http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2015/150730-255.html
主演は香取慎吾くんで、誘拐されるのは本田望結ちゃんですよ〜るんるん私も観てみますラッキー


★や行 - その他の作家 -
山口恵似子 『月下上海』


*あらすじ*
スキャンダルを逆手にとり人気画家にのしあがった財閥令嬢・八島多江子は、戦時統制下の日本を離れ、上海に渡った。謀略渦巻く魔都・上海で、多江子が出会う四人の男たち。憲兵大尉・槇庸平、民族資本家・夏方震、医学生ながら抗日運動に身を投じる黄士海、そして多江子の前夫・奥宮瑠偉。いま、運命の歯車が回り始める―。第20回松本清張賞受賞!

*感想*
「食堂のおばちゃんが、松本清張賞受賞!」
というニュースで話題になった本書。
「どれどれるんるん食堂のおばちゃんがどんな小説を書いたのか読んでみるかるんるん」と軽い気持ちで本書を読み始めたのですが…
新人とは思えないおしゃれな文章、歴史的背景、簡潔さで、見事に魅了されましたぴかぴかぴかぴか桜

『昭和17年、八島多江子は第二次世界大戦統制下の日本を離れ、絵の個展と文化講演を行うために上海へやってきたのだが、憲兵大尉からとある民族資本家についてスパイ活動するように強要される。』
というのが基本的なあらすじ。このあらすじを読めばおわかりかと思いますが、時代設定と背景が、ガッツリ『歴史』なんですたらーっ なので蒋介石、菊池寛といった実在した人物名が出てきたり、上海の地名が詳しく記述されたりと、冒頭は少々お堅い雰囲気のある小説でしたが、話の流れが多江子の胸元の大きな傷について語られ、恋物語として軌道に乗ってからはグンっと話が身近になりスラスラと読めました上向き

本書の内容を一言でいえば『メロドラマ』でしょう。でもね、そのメロドラマ的内容や展開がお好きでない方も、著者の紡ぎだす芸術や服装についての描写、教養と上品さのある男女の会話のセンスにはきっと驚かされると思うので、是非読んでみてもらいたいな上向き また著者は脚本家を目指していたということもあってか、とある一文が(「その眼鏡は変装用かしら?」)が、一気に読者の心を惹き付けることと、その後の展開までおも変えてしまうというパワーに、私は衝撃と感動を覚えましたポロリ

夏方震と距離ができてしまってからの多江子の様子に、少々腑に落ちない点もあったりもしたのですが、全体的にはかなり高水準な小説だと思いますぴかぴか
食堂のおばちゃんというよりも、どこかの有閑マダムが執筆したのではないかと感じる本書、是非読んでみてね〜わーいるんるん


★や行 - その他の作家 -
矢口敦子 『償い』


★★☆☆☆


*あらすじ*
36歳の医師・日高は子供の病死と妻の自殺で絶望し、ホームレスになった。流れ着いた郊外の街で、社会的弱者を狙った連続殺人事件が起き、日高はある刑事の依頼で「探偵」となる。やがて彼は、かつて自分が命を救った15歳の少年が犯人ではないかと疑い始めるが…。絶望を抱えて生きる二人の魂が救われることはあるのか?


*感想*
『償い』というタイトルの通り、「人の肉体を殺したら罰せられるのに、心を殺しても罰せられないのか?」など倫理・哲学要素を含んだ記述が多々盛り込まれています。しかし「社会派ミステリー」と呼ぶには内容が稚拙で、都合が良過ぎる展開と、無理のある設定に呆れることが多かったです。こんな何件もの殺人事件が起きている話なのに、全く話が盛り上がらない作品っていうのも珍しいですよ。これは著者の筆力がないせいでしょう。なので登場人物達にも魅力がなく、感情移入なんて到底できませんでした。うーん…かなり残念。


とにかく腑に落ちない箇所が多すぎなんですよね、主人公のキャラクターからホームレスになる程の鬱々とした苦悩が感じられなかったり、警察がやたら事件の情報をホームレスの主人公に流し、そして便宜を図ったりと。そういう土台の弱い物語の中で、どれだけ高尚な文章が綴られようとも、読者の心には響かないと思いました。


三浦綾子や天童荒太を読んだことのある方には、物足りない一冊だと思います。



★や行 - その他の作家 -
山崎豊子 『華麗なる一族』
華麗なる一族〈上〉

華麗なる一族〈中〉

華麗なる一族〈下〉


★★★★☆

*あらすじ*(「BOOK」データベースより引用)
業界ランク第10位の阪神銀行頭取、万俵大介は、都市銀行再編の動きを前にして、上位銀行への吸収合併を阻止するため必死である。長女一子の夫である大蔵省主計局次長を通じ、上位銀行の経営内容を極秘裏に入手、小が大を喰う企みを画策するが、その裏で、阪神特殊鋼の専務である長男鉄平からの融資依頼をなぜか冷たく拒否する。不気味で巨大な権力機構「銀行」を徹底的に取材した力作。

*感想*
山崎豊子作品といえば、社会の闇の世界にメスを入れる“社会派で重い内容”というスタイルで、かつ長編(今回の華麗なる一族も文庫本で上・中・下巻合わせて1800ページ!)。それ故、作品の存在は知っていたけれど私は長年敬遠していました。 が、しかし!ドラマになるとなっては読むしかない!と一念発起。 そしてどうにかドラマの展開の後追いになる前に読み終えました。

感想を一言でいえば、「面白かった〜」よりも「勉強になった〜」という方が強いです。

勉強になった事
1.財 政 官の繋がりと、そのメリット。
万俵大介(財)美馬中(官)永田大蔵大臣(政)の繋がりを核に流れるストーリーはじつに巧妙で、そしてそこに介入させるマスメディアの存在も大きく、なぜニュースから「不正献金」「癒着」等々、財政官の繋がりについての報道が絶えることがないのかが少し理解できました。この本の中に出てくるのは、そういう闇の繋がりのほんの氷山の一角・一例にすぎないのだろうけれど、私にとって無縁の世界を垣間見れたと思いました。

2.経営者の手腕はどういう所で発揮されるのか
日頃、「会社のトップ(社長・頭取)ってどんな仕事をしているのだろう?」と漠然と疑問に思っていたのですが、“会社を生かすも殺すも経営者次第”というのを万俵大介の阪神銀行経営策を通して納得しました。常に社会や政治の動きにアンテナを張り巡らし、自分の会社を守るために先手先手を打ってゆく、時には冷酷な人間になってでも・・・。 会社経営はやはり凡庸な人間には無理ですよね。

3.日常使わない日本語
私の知識不足なのか、もしくは古風な表現なのか、私の日常生活では使わない単語が時々出てきました。何個かあるのだけれど、その中では一番頻繁に出てきたのが「妻妾同衾(さいしょうどうきん)」という単語かな。 男女の立場が対等になりつつある現代に、こんな生活を送っている人はもういないでしょうがね。

とまぁ、勉強になった事は数多く。しかし話の終盤は人間ドラマ色が強くなり、ただの財政官界の裏事情話だけで終わらず良かったです。 
現在ドラマ放送中ですが、やはり話を簡潔にさせるため端折っている箇所が多々あります。もちろんそれでもドラマが成り立つのですが、やはり本の「ノーカット版」の方が断然面白いし、社会のしくみの複雑性がよく出てると思います。読んで良かったと思える一品でしたヽ(*^^*)ノ


★や行 - その他の作家 -
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