読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
島本理生 『Red』


*あらすじ*
三年間もセックスレスじゃなかったら―大人の恋愛と官能の世界。
妻、母を生きる女が一線を越えるとき、そこにはどんな世界が待っているのか―。充実した毎日を送っていたはずの女は、かつての恋人と再会し、激しく身体を重ねた記憶に導かれるように快楽の世界へと足を踏み入れていく。島本理生が官能の世界に初めて挑む!

*感想*
約5年振りに島本理生さんの最新作を読んだら… 
本の内容も文章も大人になっていてビックリしました!!
5年前までの島本作品は思春期〜20代女性の主人公が主だったので、島本さんもその位の年齢なのかと今でも思い込んでいたのです。しかし本書を読み、官能シーンの綿密な描写に度胆を抜かれ、思わず島本さんの年齢を調べてしまいましたよー。そしたらいつの間にか30歳を超えられて、結婚→離婚→再婚も経験されていたのですね汗
そりゃ、私も歳を取るはずだ!←親戚のおばちゃんか(笑)イヒヒ

本書は「専業主婦の塔子が元彼に再会した事により、元彼との情事にはまっていく…」という不倫小説なのですが、その背景に専業育児主婦ならではの鬱屈とした思いを詳細に描き、夫や生活への不満に向かい合う場面、そして社会復帰という形で自分の生きる方向を探し始める姿勢、というものをしっかり描いた素晴らしい作品でした。

本書で描かれる夫婦の会話や夫の態度はまさしく「あるあるネタ」で、30代主婦の方ならいくつかは共感できる場面が出てくるのではないかと思います。
そして塔子を不倫の道へと進ませてしまう下記の思いは…読んでいて私の胸も痛みました

もし夫が、私をちゃんと一人の魅力的な女性として扱ってくれていたら。
三年間もセックスレスじゃなかったら。


専業主婦って狭い世界で生きていて、家事育児しても目に見える成果や報酬はなく、誰からも自分の名前を呼んでもらえない日々が普通で、自分を見失わないようにすることでいっぱいいっぱいなんです。それで更に夫に女性としての役割を求められなくなった日には、本当に『○○ちゃんのお母さん』なんですよ。
だから物語前半の塔子の苦悩は痛いほどよくわかりましたポロリ

でもね、だからって本当に浮気するかどうかは別。

しかも
『三年間もセックスレスじゃなかったら。』
なんてお涙頂戴セリフがあった割には、その後旦那に求められるシーンが出てくるんですよ!でもその時はすでに塔子は不倫をしてしまっていて旦那に気持ちが全くないので拒否するんですよね…。ちょっとそこだけは塔子のエゴが強く出ていて私としては共感しがたいところがあったのですが、不倫の行方や塔子が自身で選ぶ将来に興味が湧いて一気に読んでしまいました。

不倫の良し悪しではなく是非大人の恋愛小説、人生の選択として読んでみてくださいラブ
本書は21回島清恋愛文学賞受賞ですよ〜桜


  ├ 島本理生 -
島本理生 『あられもない祈り』


* あらすじ*
三年前“あなた”に出会った。会社を経営し、いろんな人間に会うのが好きなあなた。二十歳そこそこの私には、あなたの世界を到底把握することはできない、だから付き合いを拒んできた。でも、一度心を開き始めたら、もう止まらなかった。あなたには私の仕組みを変えるかもしれない光があるから…。
“あなた”と“私”、名前すら必要としない二人の恋愛物語。



*感想*
本書を「島本理生の新境地!」と紹介しているサイトがあるのですが、全然新境地ではなかったと思います。新境地を期待していたわけではありませんが、本作にはちょっとガッカリでした…


主人公の女性は、著者の過去の作品「波打ち際の蛍」と「大きな熊が来る前に、おやすみ。」と同様に、心に大きな傷を抱え、そして暴力を振るう恋人がいます。島本さんは、女性の「弱いけれど強い部分」を描くのがとても上手なのですが、毎度その“弱さ”を表現するエピソードとして、家庭不和とDVを用いてしまうんですよね。それらの境遇の登場人物達に、さすがにもう私は飽き飽きです。よく今回も、これらのエピソードを使おうと思ったよね、と変に感心してしまう程ですよ。


とまぁ、不満が沢山あるのですが、結局最後まで読んでしまいました。これが島本理生でなくて他の作家が書いたものだったら、きっと途中で読むのを止めたと思うのですが、やっぱり今回も文章が美しかったんですよ〜〜。本当に島本さんの綴る文章って、優しくて儚くて、五感を刺激してくるんですよね。情景を頭の中で想像して描く時に、感じるはずのない匂いや空気の流れすら感じられる文章。流石でした。

あと、個人的に「百回会ってからじゃないと、好きも嫌いも分からないような人間ではないつもりです」という口説き文句(?)好きだったわ



次回は今までとは違う境遇の登場人物達を使って、素敵な恋愛小説を書いて欲しいです。
絶対に「島本理生の文章でしか書けない恋愛小説」があると思うので!!

 

 


 



  ├ 島本理生 -
島本理生 『真綿荘の住人たち』


*あらすじ*
レトロな下宿「真綿荘」の住人達、それぞれの恋愛を描いた短編集。
美人たが性格は最悪の女性に惚れる大和君、
同性の恋人を持ちながらも、その関係に戸惑う椿さん、
大和君に思いを寄せているのに、先輩に告白されて揺れる鯨ちゃん、
そして、大家で小説家の綿貫さんと、その内縁の夫である晴雨さんの、誰にも明かされない微妙な過去とは…



*感想*
北海道の高校に通う大和君が、東京の大学進学を機に、念願の上京!という話から始まる本書。出だしは軽快なやり取りが繰り広げられるため、軽い話の本なのかと思いました。しかし上京して「真綿荘」に入居後は、住人達それぞれの“型に嵌らない恋愛模様”が描かれていき、どちらかというと重い話の類になっていたと思います。


特に本書を重くさせた強烈なエピソードは、やはり大家の綿貫さんと、その内縁の夫である晴雨さんの過去についてでしょう。この2人の関係は凡人には縁のないものなので、感情移入できないのはもちろん、理解することすら難しかった… この2人の現実離れした(?)関係性が判明した途端、その強烈さに、「大和君の恋愛話ってどんなのだったっけ?」と、途中の物語がぶっ飛んじゃいましたよ
しかし、この綿貫さんの物語こそが、女性の内に秘めている強さを描くのが上手な、島本理生らしいものになっていたかも。


私は他人との共同生活が性に合わないので、本書を読んでいて「よく下宿をしようと思うよな〜」「下宿仲間とはいえ、今のセリフはプライベートに踏み込みすぎじゃない?」などと思ってしまい、正直あまり楽しめませんでした。メインは恋愛話なので、そんな事を気にしなくてもいいとは思っていたのですがね




  ├ 島本理生 -
島本理生 『大きな熊が来る前に、おやすみ。』


★★★☆☆


*あらすじ*
徹平と暮らし始めて、もうすぐ半年になる。だけど今が手放しで幸せ、という気分ではあまりなくて、むしろ転覆するかも知れない船に乗って、岸から離れようとしている、そんな気持ちがまとわりついていた―。新しい恋を始めた3人の女性を主人公に、人を好きになること、誰かと暮らすことの、危うさと幸福感を、みずみずしく描き上げる感動の小説集。切なくて、とても真剣な恋愛小説。


*感想*
それぞれが独立した物語でありながら、「新しい恋」と「暴力」という2つの共通モチーフを使った短編集でした。いつも穏やかで緩〜い雰囲気の物語を書く島本さんなので、暴力のシーンが出てきたことに正直驚いたのですが、それよりも暴力のシーンですら上品に描ける島本さんの才能に感服しました。


島本さんは、真面目で少し不器用な女性を描くのがとても上手いですよね。今回登場する3人の主人公達も、真面目な故に男性に傷つけられ、そしてその悩みとストレスを上手く他人に相談したり発散させたりできずに苦しんでいました。彼女達の痛みに共感できる女性は、世の中に結構いるのではないでしょうか、特に2話目の「クロコダイルの午睡」の様に、無神経な言葉に傷つけられる人は少なくないと思うし、私も主人公に感情移入して心が痛かったです。


今は結婚して落ち着いた生活を送っている私ですが、不器用な恋愛をしていた頃を思い出させてくれた1冊でした。



  ├ 島本理生 -
島本理生 『波打ち際の蛍』


★★★★☆


*あらすじ*
川本麻由はかつての恋人によるDVで心に傷を負い、生きることに臆病になっていた。ある日通院先で植村蛍に出会い、次第に惹かれてゆくが…どこまでも不器用で痛く、眼が眩むほどスイートな恋愛小説。


*感想*
島本さんらしい、穏やかで美しい文章の本でした。ストーリーに派手さや、驚愕の展開はないのだけれど、流れるような文章の底に力強さを秘めた芯のある話だったと思います。著者によるあとがきにも書かれていた通り、「人と人が響きあう作品」でした。良かったです。


私は、純文学と恋愛小説をあまり好まないのですが、島本さんの恋愛小説だけはとても好きなんです。その理由は、話の情景と登場人物の心情がとても繊細に描かれていて、鮮やかに想像できるからだと思う。そして、あともう一つ最大の理由としては、露骨な性描写がないところです。恋愛小説にはどうしても男女の交わりを描かざる負えない場面があると思いますが、島本さんの小説には即物的なシーンがありません。今回の波打ち際の蛍でもそうでした。それでも麻由が蛍を異性として意識していることがちゃんと伝わってくるんですよね。


最初に会ったときと同じストライプのシャツ。
一枚隔てただけの、肩。
脂肪のない腕。
長い指先。
男の人すぎる体の存在感に、めまいがする。


私にはこの文章がとてもセクシーで官能的なものに思えました。異性に対してドキっとした瞬間って、たしかに「まめい」を感じますよね。

麻由の状況を理解できる読者は少ないと思いますが、文章はとても綺麗なのでおすすめの1冊です。
 



  ├ 島本理生 -
島本理生 『シルエット』
シルエット


★★☆☆☆

*あらすじ* (「BOOK」データベースより引用)
女性の体に嫌悪感を覚える元恋人の冠くん。冠くんと別れ、半ばやけでつき合った遊び人の藤井。今の恋人、大学生のせっちゃん…人を強く求めることのよろこびと苦しさを、女子高生の内面から鮮やかに描く群像新人賞優秀作の表題作と15歳のデビュー作。せつなくていとおしい、等身大の恋愛小説。

*感想*
思春期の女の子の悩みやジレンマをこんなにも美しい文章で表現できるのは彼女だけだろうと思いました。話の内容は主人公の女の子の心情描写ばかりなので、エンターテイメント性としてはあまり面白く感じられないのだけれど、まるで静かな湖の水面を風が撫で、水面に小さな波ができる様な静かな変動が起きている感覚。
他人を受け入れること、他人に受け入れてもらうこと、この難いテーマを素晴らしい感性で上手に書き上げている作品で良かったです。


  ├ 島本理生 -
島本理生 『リトル・バイ・リトル』
リトル・バイ・リトル


★★★☆☆

*あらすじ*
高校を卒業してから、家庭の経済的事情によりアルバイトをして過ごす私。家族はなんだかいつも楽しそうな母と、異父妹の小学校2年生のユウちゃん。大学へは行っていないけれど、そんな素敵な家族と、習い事の書道教室の先生、そして母の紹介で知り合ったボーイフレンドの周とのふれ合いを描いた青春小説。
第25回野間文芸新人賞受賞作。

*感想*
ゆる〜いかんじの小説でした。
“つまらない”わけではないけれど、刺激的ともいえない内容。
主人公の言動や感情の変化が本当に少しずつで 「リトル・バイ・リトル」で、本当に素敵な題名だと思いました。

私としては書道教室の先生である柳さんの存在がとても良かったです。
柳さんは奥さんと結婚する時に、
『決して奥さんより先に死んだりしないと約束をさせられる』のね、
その約束を果たす為に、柳さんは、玄米を食べ、青汁を飲み、無農薬の野菜を買ったりと少しずつ(リトル・バイ・リトル) 健康に気をつけ、努力するんだよね。
このエピソードにはホロリときました。

健康にしろ、家族の絆にしろ、自分の性格にしろ
突然変化が生じるって事はないんだよね、
『リトル・バイ・リトル』 いい言葉だ。。。


  ├ 島本理生 -
島本理生 『ナラタージュ』
ナラタージュ

★★★★★

*あらすじ*
高校教師:葉山先生と元生徒の泉のお話。お互いに必要としあっているはずなのに、事情・環境・将来を見据えて簡単には交われない二人の関係。切ない恋愛小説。

*感想*
最近恋愛小説で面白いと思えるものに出会っていなかったのだけれど、これは良かったヾ(@~▽~@)ノ yoshi著のDeep Loveなど即物的すぎる内容のものを『本』だと思っている学生さん達には、是非こういう表面的には穏やかだけれど、心の中は熱く繊細な強さと弱さを持った心情を表現している文章を読んでもらいたいな。主人公の好きな人「葉山先生」の煮え切らない理性的とズルイの中間ともいえる態度に翻弄される主人公の思いに一緒に胸が締め付けられたよ。。。 そして構成も良かった!筆者の策略なのか、物語は主人公が「結婚する相手との新居を見に行く」場面から始まるのね、つまり彼女は誰かと結婚をするのよ。それは『誰』なのかを知りたくて知りたくて結末が楽しみで仕方がなく、最後まで本当に楽しめました☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆


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