読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
貫井徳郎 『我が心の底の光』


*あらすじ*
峰岸晄は五歳で伯父夫婦に引き取られ、空腹を抱えながら育った。
母は死に、父は人を殺したからだった。
学校では、椅子に画鋲が置いてあったり、いじめに遭った。
幼なじみの木下怜菜は万引きまでさせられる晄をただ一人、案じてくれる存在だった。
孤独の闇の中で、晄が向かう先は――。
驚愕のラストが待ち受ける、心に迫る傑作長編!

*感想*
『このラストに、あなたは必ず衝撃を受ける』

という帯の付いた本書。
確かに、かなり衝撃を受けました!!
帯の文言は間違っていません。

しかし、
私を含め、多くの人が想像する(期待する)内容ではない『衝撃』だと思うので、心して読んで下さいたらーっ

このラストは、普通に両親に愛されて育った人には理解し難い内容だったと思います。でもだからこそ、このラストで良かったのではないのかなと思いました。私とは全く違う幼少期を過ごし、死の淵を見た主人公の思考はきっと私に理解できるはずないのだから。

ラストについては賛否両論起こりそうですが、本文はさすがヌクトクの安定感のある文章で読み易く面白かったですラブ
主人公が何の目的があって行動しているのか全く見えない状態でもサラサラと読めてしまい、そして少しずつ主人公が幼少期に受けた虐待の様子が描かれ、気が付けば主人公に同情と愛着を感じていました。しかしこの愛着がラストで見事に裏切られるのですがねイヒヒ

「2012年、晄、25歳」の章で出会った男、日野はいい人でしたねポロリ不毛な考えだとわかっていますが、「もしも晄が幼い時に日野に出会っていたら、晄の性格は何か変わったのかな?」と考えてしまいました。

激しく感情移入したり、共感したりすることのないストーリーだと思いますが、読み易くて楽しめる作品ですぴかぴか
是非皆さんもこの『衝撃のラスト』がどんなラストだったのか読んでみてね〜桜


  ├ 貫井徳郎 -
貫井徳郎 『私に似た人』


*あらすじ*
小規模なテロが頻発するようになった日本。ひとつひとつの事件は単なる無差別殺人のようだが、実行犯たちは一様に、自らの命をなげうって冷たい社会に抵抗する“レジスタント”と称していた。いつしか人々は、犯行の方法が稚拙で計画性もなく、その規模も小さいことから、一連の事件を“小口テロ”と呼びはじめる―。テロに走る者、テロリストを追う者、実行犯を見下す者、テロリストを憎悪する者…彼らの心象と日常のドラマを精巧に描いた、前人未到のエンターテインメント。

*感想*
さすがだよ〜!ラブラブ
流石ですよ〜!ラブラブ
やっぱりヌクトクさんは、期待を裏切らない傑作を出してきましたよー!!ぴかぴかぴかぴかぴかぴか
もうね、「期待を裏切らない」ではなくて「期待以上」が正解チョキてれちゃう
面白かったし、いっぱい考えさせられた。そしてラストの嬉しい裏切りに唸らされた!

本書の舞台は、貧困層に属す人々が、自らの命をなげうって社会に抵抗の意思表示をすること(小口自爆テロ)が常習化された日本です。「小口自爆テロ」なんて、現在の日本の状況を考えると非現実的にも思えるかもしれませんが、本書内で語られる日本の悪しき習慣と、社会のしくみを読んでいくと、そう遠くはない未来に本当に「小口自爆テロ」が起きる国になってしまうのではないかという不安を抱きましたどんっ

でもどんなに社会に不満があっても「テロ」を起こす勇気や方法を皆さんは思いつきますか?
多分普通の方なら思いつかないし、そこまでの行動力を持てないですよね。
それは本書内でも同じなのです。そこで登場するのが「テロをけしかける黒幕」こと≪トベ≫でした。

連作短編(オムニバス?)風に、それぞれ登場人物達の、「テロ」と≪トベ≫との関わりを、社会問題を浮き彫りにしながら描いていく手法は本当に圧巻で、面白い中にも胸が痛い文章が多く、ページを捲る手が止まりませんでした。特に中盤で≪トベ≫の正体が明らかになりそうな所では興奮で脳内にアドレナリンが出たことを感じる程で、またその興奮がラストにもやってくるように見事な伏線とミスリードが張られている構成は圧巻でした桜てれちゃう

こういうテロが起らない社会を保つべく、私たちも真面目に働き、他人に優しく、社会に関心を持ち、ネットの怖さを認識しながら生きていかないといけないですね。
小口テロの真実「絶望に追いつめられた者たちは、さらなる絶望の闇の中へ消えていくのだ」を胸に刻みながら…。

社会派な小説が好きな方にも本書は沢山考えさせられることが多くて読み応えがあるし、構成や叙述トリック系が好きな方にも絶対に満足してもらえる驚きを本書は含んでいるので、是非是非皆さん読んでみてください!!


  ├ 貫井徳郎 -
貫井徳郎 『北天の馬たち』


*あらすじ*
毅志は、横浜の馬車道近くで、母親と共に喫茶店「ペガサス」を営んでいる。ある日、空室だった「ペガサス」の2階に、皆藤と山南というふたりの男が探偵事務所を開いた。スマートで快活な彼らに憧れを抱いた毅志は、探偵仕事を手伝わせてもらうことに。しかし、付き合いを重ねるうちに、毅志は皆藤と山南に対してある疑問を抱きはじめる…。

*感想*
前作の『ドミノ倒し』に引き続き、本書も探偵物語でした。あ、でも登場人物や設定など全て関係がないですよ〜わーい

『ドミノ倒し』はドタバタ劇系で私の好みではなかったため、本書のあらすじを読んだ時も「また探偵ものかー!」と少々落胆してしまいましたあせあせ 探偵話は警察話と違い、規律・法律・組織縛りがないために「何事も自由」に描ける設定になってしまうから、「ご都合主義」や、話が軽くなりがちの傾向にあると私は感じているんですよね… しかし本書を読んでみたら、しっかりミステリーあり、友情ありの話で、なかなか爽やかな読後作品で良かったです桜ぴかぴか 多少「上手く出来すぎ」的な場面もあったけれどね(笑)

まぁ、でもとにかく私は構成が良かったと思いましたハート大小 本書前半は探偵話の短編かとも思うのですが、じつはちゃんと話が繋がっていて、そのメインストーリーの裏に「なぜ毅志にこれらの仕事を噛ませたのか」という伏線もありという作り。やっぱり貫井さんは伏線を使って話に厚みを持たせる長編が上手ですね〜ぴかぴか

情報屋の歳さんや、金持ち未亡人の淑子なんかの存在はドラマチックすぎて少々白けたけれど、ドラマ化しやすそうな話や設定だったので、いずれ実写版やるかな!?
タイトルは少々ダサイけれど(貫井作品でなかったら私は読まなかったであろうタイトルだよたらーっ)、探偵業に憧れる毅志の成長と、男たちの友情物語に着目して読むと楽しめる作品だと思うので、是非読んでみてくださ〜いるんるん


  ├ 貫井徳郎 -
貫井徳郎 『ドミノ倒し』


*あらすじ*
「元彼の殺人容疑を晴らして欲しい」 
探偵・十村の元に舞いこんだ美女からの依頼。しかし事件に触れると別の事件に行き当たり、芋づる式に掘り出される死体!死体!!死体!!! いったいこの街で何が起きているのか!?
貫井流ユーモア私立探偵小説。

*感想*
やっぱり貫徳は長編でしょ〜汗 『灰色の虹』や『新月譚』らは500ページ超えの重い大作ですっごく面白かったですよぴかぴか しかし中編だからというわけではないだとうけれど、前作の『微笑む人』や本書は、正直イマイチだったよ〜〜泣き顔 寝不足でもないのに、本書を読んでる最中何度も寝落ちしそうになったわぁ爆弾

月影市で探偵業を営む十村の元に「元彼の殺人容疑を晴らして欲しい」という依頼が舞い込む。日頃「便利屋」としての仕事が多い十村には初めてともいえる探偵らしい仕事で喜んで引き受けたものの、調べを進めるほどにどんどん新しい殺人事件にでくわし… という話でした。
物語の展開や文章にはユーモアが込められていて、読者の笑いを誘おうという心意気は非常に強く感じられたのですが、物語の基盤となるミステリーの方までもが軽く感じられて読み応えを感じられませんでしたあせあせ 例えば、幼女殺人の犯人を大関と決めつけるのに証拠が少なすぎなかったですか!? まぁ本書の楽しみ方はそういう所ではなかったみたいですけど。。。 結局ラストの畳み掛けもドミノが倒れる時の様な圧巻さはなく残念に感じましたがく〜

たまにはこういうスタイルだったり軽さの本もいいのかな。でもやっぱり私は重い話が好きなんだと再実感。あと「羽根田」さんは「羽田」が良かったな…

貫井さん、次作は長編でお願いしまーす!!


  ├ 貫井徳郎 -
貫井徳郎 『微笑む人』

*あらすじ*
エリート銀行員の仁藤俊実が、意外な理由で妻子を殺害、逮捕・拘留された安治川事件。犯人の仁藤は世間を騒がせ、ワイドショーでも連日報道された。この事件に興味をもった小説家の「私」は、ノンフィクションとしてまとめるべく関係者の取材を始める。
周辺の人物は一様に「仁藤はいい人」と語るが、一方で冷酷な一面もあるようだ。さらに、仁藤の元同僚、大学の同級生らが不審な死を遂げていることが判明し……。
仁藤は本当に殺人を犯しているのか、そしてその理由とは!?

*感想*
今日の感想はネタバレ気味なので、未読の方はご注意ください!!

「ぼくのミステリーの最高到達点です」
と本書の帯で著者自身が謳っているのですが、ラストまで読んでみてその意味を納得しました。確かに、このラストを持ってすればこれが「最高到達点」でしょう。しかしそれは『傑作』という意味ではありません。『それを言っちゃ〜お終いよあせあせ』という意味でです。

「相手の心の奥底まで見通すことができない限り、人は自分の見たいようにしか他人を見ない。」
と主人公を通して著者は語っていますが、私的には「そんなの分かっているよー!!」って感じでした。だからこそ、フィクション小説に「明快な殺人動機のあるミステリー」を期待しているんじゃないですか。私を含め、ワイドショーなどで放送される「犯人の真の顔とトラウマ」みたいな内容を、「また無理やりこじつけてるんだろうな…」と思いながら見ている方には、本書のラストは肩透かし感を抱いたことでしょう…

ラストに不満は残るものの、本文には一人の男(仁藤)の人となりを明かしてゆくための証言がインタビュー形式・独白形式・座談会形式など色々な形で綴られ、飽きることなく読めて良かったです。その辺りの描写はいつもの貫井節で、一流だったと思いますぴかぴか

著者の言いたいこともわかるけれど、次回は是非とも分かり易い結論のある作品をお願いいたしますギザギザ


  ├ 貫井徳郎 -
貫井徳郎 『新月譚』

*あらすじ*
八年前に突然絶筆した作家・咲良怜花は、若い編集者の熱心な復活のアプローチに、自らの半生を語り始める。そこで明かされたのは、ある男性との凄絶な恋愛の顛末だった―。

*感想*
待っていました!約1年半振りの貫徳(ヌクトク)最新刊ぴかぴか前作の『灰色の虹』に引き続き(余談ですが先日ドラマ化されましたね)、今作も500ページ超えの長編と、ファンにはたまらない厚みでワクワクしながら読みましたてれちゃう

そして本書も圧巻だったわ!! 段落や章の切れ目でも息をつく暇を読者に与えることなく、一気読みさせられますよ。さすが貫徳、期待通り、いやそれ以上の傑作といえる出来栄えですわ桜

本書は、咲良怜花という女性の半生を描いた作品なのですが、軽く読むとただの恋愛小説に感じるものの、読み込んでいくうちに、これはただの恋愛というより「情念小説」だと気が付かされます。たった一人の男を繋ぎ止めておくために顔を変え、小説を書き続ける怜花。新しい世界を手に入れれば入れる程に、木之内なしでは生きていけないと気が付いてしまう怜花は、とても憐れで、しかしその都度描かれる負の感情はおどろおどろしく、私の心をより一層強く掴んでいきました。美貌や名誉を手に入れた途端に性格も明るくなるような陳腐な話ではないところが、とても本書を現実的でより暗いものへと導いていて良かったと思いますぴかぴか

また怜花の小説創作模様も、私を含め小説ファンには読み応えがある内容になっていると思いました。小説家の苦悩や創作秘話、文学賞の受賞に秘めた思いなどなど、フィクションが混じっているでしょうが怜花を通して色々と知ることができて楽しかったわ。「物語の蛇口」「情念の蛇口」小説家って本当に凡人にはわからない世界に生きているんですね汗

ちなみに私は暗く重い小説が大好きなので、是非とも咲良怜花が執筆した作品を読みたいと思いました。私としては桐野夏生や沼田まほかるが咲良怜花のイメージなのですが、皆さんは誰か思い当たる人はいましたか!?


  ├ 貫井徳郎 -
貫井徳郎 『灰色の虹』


*あらすじ*
身に覚えのない殺人の罪。それが江木雅史から仕事も家族も日常も奪い去った。理不尽な運命、灰色に塗り込められた人生。彼は復讐を決意した。ほかに道はなかった。強引に自白を迫る刑事、怜悧冷徹な検事、不誠実だった弁護士。七年前、冤罪を作り出した者たちが次々に殺されていく。ひとりの刑事が被害者たちを繋ぐ、そのリンクを見出した。しかし江木の行方は杳として知れなかった…。彼が求めたものは何か。次に狙われるのは誰か。あまりに悲しく予想外の結末が待つ長編ミステリー。


*感想*
500ページ越えの長編ミステリーで読み応えがありました


本書は冤罪被害者と、冤罪へと追込んだ刑事・検事・裁判官、それぞれの物語が綴られています。冤罪被害が生まれるまでの過程と、その後冤罪被害者が刑事らを復讐殺害してゆく展開は、どちらも読んでいて非常にハラハラドキドキしました。今まで何故冤罪が起きてしまうのか不思議に思っていたのですが、本書を読み、強引な取調べや不確かな目撃証言、そして不誠実な弁護等、多くの要因が最悪の状況で重なった時に起きてしまうものだと理解できました。


各登場人物の深いエピソードを描き、そこに復讐の殺人事件を盛り込んでくる構成は大変面白く、さすが貫井徳郎!と思いました。特に出だしの『第一章 刑事』では、伊佐山刑事の強引な取調べに強い興味と嫌悪を抱き、フィクション小説でこんなにも不快な気分にさせてくれる著者に感服しました。この「不愉快だけれど続きが気になる」という物語を書ける貫井さんは、強い筆力を持つ才能のある作家だと思います。是非これからも重く暗い作品を書いてください


重く長編小説だった為にラストのオチが少々軽く感じてしまいましたが、そこに辿り着くまでの過程が非常に面白い作品なので大変満足の1冊でした。
『後悔と真実の色』の読書感想で「貫井さんに警察小説は無理だった」と書いてしまいましたが、本書では刑事達の熱意と矜持を上手く書き分けていて、読みやすく面白かったです。失礼な事を書いてすみませんでした

 



  ├ 貫井徳郎 -
貫井徳郎 『明日の空』


*あらすじ*
両親は日本人ながらアメリカで生まれ育った栄美は、高校3年にして初めて日本で暮らすことに。「日本は集団を重んじる社会。極力目立つな」と父に言われ不安だったが、クラスメイトは明るく親切で、栄美は新しい生活を楽しみ始める。だが一つ奇妙なことが。気になる男子と距離が縮まり、デートの約束をするようになるが、なぜかいつも横槍が入ってすれ違いになるのだ。一体どうして―?栄美は、すべてが終わったあとに真相を知ることになる。


*感想*
重いテーマが主流のヌクトク(←私が勝手に呼ばせて頂いている略称)にしては珍しく、さら〜っと読める青春系(?)小説でした。
しかし、本書はただの青春小説では終わらせません


構成はPART1〜3に分かれていて、PART1とPART2では不可解な出来事が多発。一見何の接点もなさそうなPART1&2が、PART3で一気に合致して謎が溶ける、というもの。
PART1&2での奇妙な出来事と展開の速さがとても読みやすく、そしてその謎や腑に落ちない点を解明したくて、グイグイ話に引き込まれ、そしてドンドン読み進めてしまいます。
そしてやっと辿り着くPART3。ここでやっと全ての謎が解き明かされるのね〜と期待しながら読み始めると、これまた前半は、不思議な出来事が多発し、一体いつ本書の謎は明かされるのと焦らされてしまいました。しかしご安心を PART3の後半でしっかり全て繋がります


この、読者の興味を惹き付けて惹き付けて、最後の最後にドーン!!と種明かしする技、いいですね〜 読んでいる最中は悶々とするものの、読後感は爽快でした。


差別問題が取り上げられたり、少し悲しい内容も含んでいますが、「一日一善」の心と明日への希望を思い出させてくれる良作だったわ〜

 



  ├ 貫井徳郎 -
貫井徳郎 『後悔と真実の色』


★★★☆☆


*あらすじ*
若い女性を襲い、死体から人指し指を切り取る連続殺人事件が発生した。犯人はネットで自身を「指蒐集家」と名乗り、次の殺害予告までもしてきた。犯人の足がかりが掴めずに翻弄される警察官達。その状況下、捜査一課のエース、西條輝司はある出来事を機に窮地に立たされていた―。これは罠なのか?被害者たちにつながりはあるのか?犯人の狙いは何か?緻密な構成で不器用に生きる男たちを活写する長編作。


*感想*
もしも貫井さんが私の親しい友人ならば、是非とも聞きたい、
「なぜ今更ながらに警察小説など書こうと思ったの?」と。
もしも貫井さんが私の夫で、本作品を発表前に一読させてもらえ、感想を求められたならば素直に答えるでしょう
「悪くはないけれど、警察物は止めておいたほうが良いんじゃないかしら」と。


本書中でも誰かが言っていた通り『餅は餅屋』なのですよ。やはり警察物を書くには、その世界に身を置いていた人でないと、やはり臨場感が出ないですね。警官上がりではありませんが、元新聞記者でる横山秀夫氏の警察小説を読むと、かなり記者時代に警察内部の事情に触れる機会があったと思われる程に、詳しい警察内部の情景が描かれていて読み応えがあります。ので、本書は残念ながら、薄っぺらい警察小説にしか感じられませんでした…


警察官が多数登場し、それぞれの視点で心情と物語が綴られるのですが、なんだかどの人も“三流俳優の演技”を見ているみたいな違和感を抱きました。特に西條と綿引に。矜持だのなんだのと息巻き、その後の挫折や失望、なんだか自己陶酔してるとしか思えず興醒めでした。そして肝心な連続殺人の犯人とトリックも大体予想した通りだし…


いつもなら500ページという長編にワクワクするのですが、今回は「一刻も早く読み終わりたい」という一心で読み進めました。申し訳ないですが、ヌクトクの警察物はこれっきりで勘弁してほしいです。

 



  ├ 貫井徳郎 -
貫井徳郎 『乱反射』


★★★★★


*あらすじ*
これはひとりの幼児を死に追いやった殺人事件である。
しかし罪を問われるべき犯人が単純には見つからない。なぜならば、それは良識派の主婦、怠慢な医師、深夜外来の常習者、無気力な公務員、尊大な定年退職者、複雑に絡み合うエゴイズムの果てに起こった悲劇であったからだ。罪さえ問えぬ人災の連鎖を暴く、全く新しい社会派エンターテインメント。


*感想*
ウダウダと感想を書く前に、まず一言。


非常に面白かった!
貫徳(←ヌクトクと勝手に略称で呼んでます(^▽^;))は期待を裏切らないねぇ!
素敵な時間をありがとう


ということで、ここからは毎度の如く、タラタラと感想を語らせて頂きます。。。


***


盲点をつく小説というのは、何もミステリー小説に限ったことではないのだろう。本書は、誰もが犯してしまいそうな小さなモラル違反を繋いだ、新しい社会派エンターテインメント作品になっています。この『誰もが犯してしまいそうな小さなモラル違反』というのが、著者の素晴らしき着目点であり、私たちの盲点だったところだと思います。
読み始めて数分で、本書のあらすじと結末がわかってしまいましたが、それをがっかりする事はなく、むしろ「この登場人物達が、どの様に交錯していくのだろう」とワクワクと高揚感を感じました。節の番号付け(44節→0節に減り、0節→35節に増えてゆく)が、また効果的な演出(?)になっていたとも思いますしね。


具体的な内容としては、理性ではなく感情で行動する人々の頑迷さを読み続ける事になるので、憤りと疲労を感じ続けます。生真面目な人は、登場人物に本気で腹を立ててしまうかもしれません。私も多々苛立ちを感じる場面がありました。特に三隅幸造(威張り散らす団塊世代のジジイ)には、「いるいる!こういうオヤジ!この前もスーパーのレジで店員さん相手に威張り散らしていたオヤジいたもん!」と、忘れかけていた不愉快な光景までも思い出されて、憎たらしさが倍増しましたわ。しかしこんな風に本気で登場人物に憤りを感じる事ができるのは、まさしく貫井さんの筆力があるという証明なんですよね。凄いぞヌクトク!


聖人君子などこの世にはいない。しかし最低限のマナー・ルール・モラルは守らなければいけない。自分に甘くなりそうになった時、これから私は本書を思い出すことでしょう。そして、嫌煙家の私としては、歩きタバコやタバコの投げ捨てをしている輩にも本書を読んで頂き、自身のマナーを見直してもらえたらいいなと思いました。



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