読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
角田光代 『坂の途中の家』


*あらすじ*
刑事裁判の補充裁判員になった里沙子は、子どもを殺した母親をめぐる証言にふれるうち、いつしか彼女の境遇にみずからを重ねていくのだった―。
社会を震撼させた乳幼児の虐待死事件と“家族”であることの心と闇に迫る心理サスペンス。

*感想*
2歳の女児を育てる専業主婦の理沙子が、乳幼児虐待事件裁判の補充裁判員に選ばれたことから生じる生活の変化、思考の変化、夫婦間の変化などを通して、「母親とは…」をひたすら克明に綴った心理サスペンス小説でした。

本書は、育児経験のある女性には、共感する事が非常に多く出てくるので、かなり自己投影して物語に没頭すると思いますよぴかぴかもしくは、男性でも妻が産後鬱や、育児ノイローゼ気味になっているのではないか?と思ったことがある方なら、どうやって妻を支えていけば良いのかの勉強にもなるかもしれないし、母親の複雑な心理を少しでもわかってもらえるかもしれません。

えーっと、誠に勝手ながらこんなものを作ってみましたイヒヒ
↓ 
『本書をどれだけ楽しめるかチェックシート』

○育児中、もしくは育児経験者である
○育児に強い不安やストレスがある(あった)
○夫に自分の言いたいことを言えない。夫が怖いと思う時がある(あった)
○両親(義理含む)からの育児サポートに不満足である(あった)
○角田光代『八日目の蝉』のラスト「この子まだ朝ご飯食べてないんです」に感動した。

上記5点で1点も当てはまらない人は、ちょっと本書を楽しむのは難しいかもしれないです…汗 逆に5点全て当てはまる人は絶対に本書を読んだ方がいいですよ!!
ちなみに私は5点全て当てはまったので(内密でお願いしますw)、女性登場人物達の気持ちや思考がすっごく痛いくらいに理解できて何度も泣きましたポロリ

特に泣いたのは、理沙子が夫に怯えて伝えたい気持ちを言葉にできない箇所です。それは被告人である水穂にも共通していたことで、育児という大仕事を夫婦で乗り越えていかないといけない時に、夫の協力を得られない、夫が話を聞いてくれない、夫の気に食わないことをすると夫に文句を言われる…などがあると妻は本当に落ち込むし、日々「この私の育児で正解なのだろうか?」と模索して生きている身としては、身近な人からの人格否定や劣等感を感じる物言いは、もう自分こそ死ぬしかないという絶望が見えてしまうんですよね…
そういう夫婦関係以外でも、母親はとにかく毎日戦っているんです。余裕のない育児をしている自分や、外からの情報や、沢山の事と。そういう複雑に絡み合ったまるで脳の神経回路みたいな複雑さを、角田さんは見事に理沙子の視点を通して明言化してくれていて、心底感服致しました桜

夫婦の数だけ、夫婦の形があるだろうし、母親の数だけ育児の仕方もあると思う。でも本書では母親を経験した事ある人の多くが感じ考え乗り越えてきた沢山の要素が詰まっているから、自分の思い出と重ね合わせてまるで昔のアルバムを見返すような楽しさもあれば、なんとか育児を続けてこられた自分に安堵したり、そして最終的に自分の母親に感謝する作品だといえるかもしれません。

とにかく角田さんの力作・傑作であること間違いなしの本書、是非読んで下さいぴかぴか
母親の強さ、母親の弱さ、そして母親の愛を強く感じることと思います。
育児に限界や閉塞感や無力感を感じている方も、本書を読めば「自分だけじゃないんだ」と明日からも続く育児に少し勇気が湧くかもしれないです。

育児真っ只中の今、この本に出会えて私は本当に良かったです。自分の心が整理できました。
角田さんありがとう。明日からも育児頑張ります!!


  ├ 角田光代 -
角田光代 『私のなかの彼女』


*あらすじ*
男と張り合おうとするな。みごとに潰されるから。祖母の残した言葉の意味は何だったのだろう。全力を注げる仕事を見つけて、ようやくいつも前を行く彼と、やっと対等になれるはずだったのに――。和歌と仙太郎の関係は、いつかどこかでねじ曲がった。母の呪詛。恋人の抑圧。仕事の壁。祖母が求めた書くということ。すべてに抗いもがきながら、自分の道を踏み出す彼女と私の物語。

*感想*
和歌という女性の20代(大学生)〜40代までの人生を描いている本書。容姿も含め、自分自身になんの取り柄もないと思っている和歌が、仙太郎との恋愛と、実家の蔵で発見した祖母が執筆したと思われる書物に感化され「物書き」の道へと進んでいくのだが… というストーリーでした本

その和歌の人生に、大きな事件やトラブルが起きるわけではないので、一見地味な小説に思えたのですが、和歌の心情描写と、その他の登場人物達のセリフが繊細で、胸にグサー!撃沈と刺さる箇所が多々あり、物語に引き込まれました。

特に恋人である仙太郎の発するキツイ言葉にはグサー!撃沈っときましたね。例えば…
タクシーを使わずに徒歩で来たために遅刻した和歌に向かって「安月給は使えないけど、人の時間は無駄に使えるってわけ」と言ったり
新人賞を受賞した和歌に「小説ってかんたんに書けるものなんだな」と言い放ったりとね汗
しかしそういう些細なやりとりから、和歌がだんだん仙太郎の顔色を窺うようになってしまうという、必然的な展開の仕方に著者の筆力の強さをとても感じられ良かったです!

また『空に梯子』を改題して『私のなかの彼女』になったそうですが、このタイトルもとても良かったラブ和歌が恋愛や仕事で追い詰められていた時に思い出す過去の自分、小説を書くきっかけになった祖母、自分を認めてくれない母、どれも今現在の和歌ではないのに、どこかしら和歌に通じているものがあって、それこそ『和歌のなかの彼女たち』がとてもよく表れていたと思いますぴかぴか

角田作品にはキャンプファイヤーの様な激しい炎はないのだけれど、石や炭がじわじわとじっくりと焼けるような強さがありますね。私の心にもじわじわきましたよ〜るんるん


  ├ 角田光代 -
角田光代 『紙の月』


*あらすじ*
わかば銀行から契約社員・梅澤梨花(41歳)が約1億円を横領した。会社員の夫と安定した生活を送っていた、正義感の強い平凡な主婦が顧客の金に手をつけるようになった切っ掛けは、年下の大学生・光太と出会いと顧客からの絶対的信頼だった。金銭感覚と日常が少しずつ少しずつ歪んでいき、「私には、ほしいものは、みな手に入る」と思いはじめる梨花は現実に戻れるのか―?

*感想*
お金とは、人の心と生活を豊かにも、逆に貧しくもさせてしまう恐ろしいもの唖然だと痛感する作品でした。

メインとなる、銀行から1億円横領した梅澤梨花の話は、「こんな出来事があったから1億円横領することになった」という様な単純明快話ではなく、全てが些細な切っ掛けだったのに、徐々に梨花の理性のブレーキが緩み、気が付いたら1億円もの大金を横領していたという過程が丁寧に描かれていました。だんだん梨花の本当の姿が見えなくなっていく様子は非常に狂気染みているのに、同じ主婦としてはどこか「羨ましさ」も感じてしまいました。それはある意味「夢物語」に思えたからかな。

また、梨花の同級生たちのお金にまつわる日常が伏線として綴られるのも、本書のメインテーマであろう「お金を通して得られるもの」を深く考えさせられる内容になっていて良かったですぴかぴか

梨花の旦那の言葉に腹が立ち、光太のラストの言葉に胸を痛め、裕福さを求める妻を持つ山田和貴に同情し、節約が美徳としすぎる木綿子を憐む、非常に濃い内容でした。
大金横領事件を、ミステリーではなく人間ドラマでここまで読ませる角田光代さんはさすがですねぴかぴか拍手


  ├ 角田光代 -
角田光代 『かなたの子』

*あらすじ*
生れるより先に死んでしまった子に名前などつけてはいけない。過去からの声があなたを異界へといざなう八つの物語。

*感想*
角田光代さんも本当に書ける抽斗が多い方ですね〜ぴかぴか 

今その場にいない人の声が聞こえたり、姿が見えたりする物語の短編集なのですが、どの話もただの奇怪小説として終わらせない面白さを持っていて良かったです桜

私が一番感情移入したのは、母親目線で描かれる文章が多かった『前世』でした。川べりに立たされて、実の母親に石を振り下ろされる夢を見る娘のその後は… それはもう読中胸が苦しく鼓動も早くなり、読後は嗚咽が漏れる程だったよ。赤ちゃんの夜泣きで納屋を出て母屋で白湯を飲ませ「泣くな泣くな」と呟くシーンでは、夫との主従関係と子への母性を感じ胸が痛くなっわ。そしてラストの佳境へと向かうシーンでは、フィクションだとわかっていても「そんなことしちゃダメだ!ダメだ!」と何度も心の中で叫んでいる私がいました泣き顔この少ないページ数に、こんなに胸の痛くなる話を紡げる角田さんはやっぱり凄いわ。圧巻です。

全体的に文章が硬めなのと、想像が多い展開なことからサラサラとは読めなかったけれど、印象には非常に残る一冊でしたウィンク。子供が絡む話が多いので、子育て経験のある方にお勧めしたい作品でするんるん


  ├ 角田光代 -
角田光代 『森に眠る魚』


*あらすじ*
都内文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通して互いに心を許しあう彼女たちだったが、その関係性は徐々に変容してゆく。引き金となったのは小学校受験なのか、それとももっと他の何かなのか。――あの子さえいなければ。私さえいなければ。5人のせめぎあう感情が胸にひりひりと迫る、著者母子小説の衝撃作!

*感想*
「くぅぅ〜〜てれちゃう読ませるねぇ〜〜〜!!」と思わず唸り声を上げた作品でした。さすが角田光代さん!!やはり内容も筆力も圧巻の作家さんですわぴかぴか

主人公は子を持つ5人の母親(小学生児の母1人、幼稚園児の母3人、乳児の母1人)。最初は子供のことが話せる友人として仲良くし、相手の生活スタイルにも憧れや好感を抱いていたはずなのに、徐々に5人の間に目には見えない嫉妬と不安にかられ、崩れてゆく5人の関係という話。それは読んでいて非常に迫力がある展開で、何度も恐怖を感じましたどんっ
私もこの4月から幼稚園児の母となるのですが、本書の中の出来事は決して『他人事』とは思えず、戦慄きが止まらなかったよぉ撃沈

本書のカギを握るのが「小学校受験」なのですが、本書では単に“お受験戦争”を描いているだけではなく、無意識に他人と自分を比べてしまう人間の醜さや、他人より有利でいたいという欲望を見事に描いていたと思います。しかもそれが「ママ友達」という狭い世界で起きている事だということも示し、だけどそこから抜け出す事ができない母親たちの抗う姿は「お見事!」としか言いようのない描写で圧倒されました。

幼稚園児以上の子供を持つ母親には、絶対本書が楽しめると思いますぴかぴかたとえ「私はママ友と上手く仲良くやっているわ〜」という人でも、絶対に一度は家庭・育児・自分の生活・子供自身について、何かしら焦燥感などを抱いたことがあると思うからさ…

この世界から抜け出すには母親自身が強くなること、もしくは働きに出ることだけなんだろうね。私はこれからどうしようかな。。。汗


  ├ 角田光代 -
角田光代 『ツリーハウス』

*あらすじ*
謎多き祖父の戸籍──祖母の予期せぬ“帰郷”から隠された過去への旅が始まった。満州、そして新宿。熱く胸に迫る翡翠飯店三代記。第22回伊藤整文学賞。

*感想*
さすが角田光代! 内容も文章も非常に読み応えのある1冊でした。 女性作家の中で角田さんはもう『大御所』の域にあたるのかしら? 実状はどうだかわかりませんが、本書にはそう自然とそう思える『貫禄』があったと思います。

新宿に位置する中華料理店『翡翠(ヒスイ)飯店』を営む藤代家。
祖父:泰造、祖母:ヤエ、父:慎之輔、母:文江、叔父:太二郎、叔母:今日子、叔父:基三郎、長男:基樹、長女:早苗、次男:良嗣が登場し、一見賑やかに思える藤代家。しかし祖父:泰造の死をきっかけに、良嗣は「祖父母には“親戚”にあたる人々がいない」という事実に気がつく。そして祖父母の隠された歴史が、当時の様子をそれぞれの視点で語られてゆく本書。
一番古いエピソードは、泰造が十代だった頃の昭和15年から始まります。それは戦時中の話で満洲移民や貧困と、激動の世界情勢と国民の生活を描いた重いものでした。そしてヤエとの馴れ初めや、子供たちの誕生が詳細に描かれ、物語の視点は慎之輔から良嗣へと受け継がれていき、まさしく藤代家の歴史をくまなく描いた壮大な物語でした。

藤代一家全員の物語がそれぞれに描かれるので、誰の人生を見てもそれは「たった一つの人生であり、生き方」だと心に響いたのですが、私には読んでいて一番祖母:ヤエの人生が重く苦しいものでした。
例えば、「満洲にいったこと、後悔したことある?」という良嗣の質問に
「もし、なんてないんだよ。後悔したってそれ以外にないんだよ、何も。私がやってきたことがどんなに馬鹿げたことでも、それ以外はなんにもない、無、だよ。だったら損だよ、後悔なんてするだけ損。それしかなかったんだから。」
と答えたヤエの言葉はずっしりと心にきました。あの頃の人々に選択肢なんてなかったのだから。せめてもの選択肢といえば、泰造のように「徴兵」もしくは「逃げる」だけだったのでしょう。しかしその「逃げる」という選択肢すら、じつは無いようなものなのだから。

全章通して、時代背景も登場人物達の思考も、非常に綿密で中だるみがなく読んでいて飽きることが一切ありませんでした。三世代に渡る物語なので、幅広い年代の方々に本書は楽しめる作品だと思います。私も祖父母や両親の歴史をこのぐらい詳しく知りたいな〜 と思いました。




  ├ 角田光代 -
角田光代 『マザコン』


*あらすじ*
「あなたはマザコンよ、正真正銘の」妻に言われ、腹立ちまぎれに会社の女の子と寝てしまったぼく。夫より母親を優先する妻のほうこそ、マザコンではないのか。苛立つぼくの脳裏に、死の床から父が伸ばした手を拒む母の姿がよみがえり…表題作ほか、大人になった息子たち娘たちの、母親への様々な想いを描く作品集。疎ましくも慕わしい母と子の関係―胸がしめつけられる、切なくビターな8編。


*感想*
「お母さんは生まれた時から、お母さんだったんだ」
と子供の頃思っていませんでしたか?
中学生くらいになれば、両親にも赤ちゃんだった時、少年少女だった時、そして男女だった時期があったという事を理解できるのですが、それでも『お父さん』『お母さん』という役割に対して、絶対的な理想を抱き、押し付けたくなってしまうのですよね。例えば、両親には“男と女”という性的な部分を感じさせて欲しくなかったりとか。


本書には、母と子の関係を描いた8編の短編が収められています。(マザコンについて書いた短編集ではないのでご注意を)
嫌悪していたはずの母の性格に似てゆく子、母の新生活を「自分の知らない母になってゆく」気がして喜べない子、母と友達親子をして独身を通しているが自分の行く末を案じ愕然とする子… などなど。
バラエティー豊かな内容ともいえるのですが、『母』の存在感の強さは全話どれも強烈でした。“母の呪縛”といっても過言ではないでしょう。


特に私が読み入った作品は「パセリと温泉」でした。現実と妄想の区別がつかなくなった母のセリフが、とても妄想とは思えない内容で、たとえそれが妄想だとしても、その話の続きをもっと聞きたくなる魅力がありました。そして他人の悪意について愚痴る母親を嫌悪していたのに、気が付いたら自分の思考回路が母と同じになっていて…。子は親の鏡というけれど、切ない話でした。


子は100%間違いなく、母親の子宮から生まれてきます。だからこそ人にとって母とは特別な存在なのかもしれない。そして母と向き合う事は、自身と向き合う事にも通じているのかもしれないと気付かされました。


 



  ├ 角田光代 -
角田光代 『ロック母』


*あらすじ*
川端賞受賞作を収録。角田光代ベスト短編集初の芥川賞候補作から川端賞受賞作「ロック母」まで、角田光代の15年にわたる代表作を集めた「ベスト短編集」。角田文学のすべてがわかる傑作短編集。



*感想*
私はあまり短編集が好きではないのですが、川端康成文学賞を受賞した作品「ロック母」がどのような内容なのかが気になり、読んでみました。


本書には1992年から2006年までに書いたという、全7作品が収録されています。あとがきにて角田さんは、二十代に書いた作品に拙い部分があると語っているのですが、私は読んでいて特にそうは思いませんでした。それどころか、どれがデビュー初期の作品で、どれが至近の作品なのか、私には読み分けができなかったわ。それは私が真の角田ファンではないからでしょうか…(^▽^;) んまぁ、でも少し言い訳をさせて頂くと、収録されている7編は、「家族への歪んだ思い」か「旅」という2つのテーマ、どちらかで書かれていたからかもしれません。


気になっていた「ロック母」と、その他6編を読んだ感想は… 文章は上手いけれど、主人公が皆グダグダと悩み、鬱憤を抱えているという内容で、読んでいて疲れました。自分の家の噂話をするご近所さん達や、旅先での混乱など、“逃れたくても、簡単には飛び出せない状況”というのを描きたかったのでしょうが、私にしてみれば「もっと自分の力で道を切り開けよ!」と、主人公達に喝を入れたくてイライラしっぱなしでした。


私には全く合わない短編集でしたが、角田ファンの方には、今まで単行本に未収録だった過去の作品が読める、素敵な一冊かもしれないですね〜。

 

 

 



  ├ 角田光代 -
角田光代 『三面記事小説』


*あらすじ*
バリケードのような家に住む姉夫婦、妻殺害をネットで依頼した愛人の心の軌跡など、実際の事件(三面記事)を元に描いた、フィクション小説集


*感想*
この本のモチーフを知った時、「角田さんって面白い事考え付くな〜」と思いました。


確かに、新聞の三面記事に書かれる事件のあらましは簡潔すぎるんですよね。起承転結でいう「転」と「結」しか書きませんからね。しかしそこで「起」と「承」も知りたくなるのは、ワイドショーばかり観ている「オバチャン精神」「野次馬根性」みたい気がして踏み込み難いのが、多くの人の思いなのではないかな?


結局どういう経緯でこれらの事件が起きたのか、真相は当事者達にしかわからないけれど(いや、当事者達にも分からない場合もあるだろう)、角田さんが脚色した本書中のストーリー達は、人間の醜い部分と弱い部分を繊細に描いていて、見事でした。


ただ、本書のモチーフからしてどうしようもない事なのですが、各話「愛憎劇」に終始してしまい、読めど読めど、暗く救いようの無い世界が続き、読んでいて疲れてしまいました。
もしも「三面記事小説・第二弾!」が発売されても、もう手を出さないかなぁ(^▽^;)

 



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角田光代 『ちいさな幸福 〜All Small Things〜』


★★★★☆


*あらすじ*
長谷川カヤノは悩んでいた。
32年間生きてきて、初めて恋人ができたというのに、今ひとつ盛り上がりが足りない気がするのだ…
そこで、カヤノは友人に尋ねてみた「今までで一番印象に残っているデートって、どんなの?」と。


デートといっても人それぞれ、そこには十人十色の思い出がある。
丁寧に紡ぎ出された12の恋ストーリーと、読者百人のアンケートによる「記憶に残っているデート」を収録した短編集。


*感想*
「一番印象に残っているデート」
「一番にやついたデート」
「一番デートとはいえない様なデート」etc…
デートに関する思い出が、リレー形式で綴られるという内容でした。


どの話も、全然特別なシチュエーションではなくて、きっと思い出に深く残るデートって、他人から見たら何てもないような日常に近いものなのかもしれない、と思いました。結局はどれだけ相手の事を好きだったか…ということなのかも。


ちなみに、私の「一番印象に残っているデート」は高校2年生の時に経験したデートかな。好きな人とチャリを2人乗りして、千葉ポートタワーに行ったのね。その後、その人に私は振られるのですが…(^▽^;) 
…って、こんな所で自分の恋愛話を暴露しちゃって、恥ずかしいわ(/ω\)ハズカシーィ


しかしきっとこの本を読んだ人は皆、自身の恋愛遍歴を振り返り、思い出話しをしたくなりますよ そして、やっぱり人を好きになるという純粋な気持ちっていいなと、思うのじゃないかな?


巻末の読者アンケート「記憶に残っているデート」も他人の恋愛事情の実態が知れて、面白かったです。


ただ今恋愛真っ最中の方も、既婚者で胸の高鳴りを久しく味わっていない方も、是非是非本書を読んで、甘酸っぱい気持ちを体験してください


 



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