読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
『Wonderful story ワンダフルストーリー』


*あらすじ*
伊坂幸太郎・大崎梢・木下半太・横関大・貫井徳郎――当代きっての人気作家5人が、「犬」にちなんだペンネームに改名(!?)して夢の競演。
犬をテーマにした五つの物語が紡ぎ出された。
個性豊かな犬たちが踊る、前代未聞の小説“ワンソロジー"、ここに登場!

*感想*
犬をテーマにしたアンソロジーだったのですが、『猫派猫』の私でもとても楽しめた1冊でしたグッドぴかぴか

まずトップバッターの伊坂幸犬郎『イヌゲンソーゴ』は、伊坂氏らしい軽妙なやり取りを犬社会でも見事に繰り広げてくれて、登場する犬たちがそれぞれ寓話の主人公の如く自身(犬?)の過去を語るという定型にまんまと笑いのツボを押さえられ、その世界に引き込まれましたラブ

犬崎梢『海に吠える』は、両親の不仲や転居先の人間関係なども絡めた、重め&暗めな内容だったのですが、その舞台に“犬吠埼”を使い、その地名の由来なども描いたことに、他編とは違う犬に纏わる話として読めて楽しめました桜

木下半犬『バター好きのヘミングウェイ』は、夫の借金返済のために、美人妻が悪党+シェパードの雄との3Pを強要されそうになる…という少々大人向けキスマークの話でした。でね、その奥さん結局3Pするのかどうかは…ご自身で読んでみてくださいね(笑)イヒヒ

横関犬『パピーウォーカー』は、盲導犬を絡めたミステリーで、犬の生態と盲導犬の役割や教育についてなども知れた良い話でしたぴかぴか ただ主人公女性の主張や思考が非常に強くて、読んでいて嫌になることが多々ありました。対人恐怖症らしい職場の先輩に「もっと大声で話せ」とかって余計なお世話ですよね。人には向き不向きがあるのだから、彼を急き立てるような言動はかなり不快でした…。ストーリーは良かったのですけどね。。。

貫井ドッグ郎『犬は見ている』は、あまりギャク的な小説を書かない貫井さんにはしてはめずらしいと思える軽さのある文章で、貫井さんの引きだしの多さとエンタメを感じた作品でした オカルト雑誌編集をしているイケメン友人を形容する辺りの文章が特に秀逸で、そんなイケメンなのに女性に興味がないことから「その外見をくれ!」と言いそうになる主人公の思考とかがとても面白かったですてれちゃう

という5人5色な内容でとても楽しめるので、『犬派犬』の方も『猫派猫』の方も是非とも読んでみてくださいね〜ラブ


★アンソロジー -
『しあわせなミステリー』

*あらすじ*
伊坂幸太郎、中山七里、柚月裕子、吉川英梨ら大人気作家が、“人の死なない"幸せなミステリーをお届けします。
伊坂節全開、決して期待を裏切らない超絶人気作家の書き下ろし短篇「Bee」
ラストで想定外の巧妙な仕掛けが炸裂する中山七里の新境地「二百十日の風」
新たな高みに到達した検事・佐方シリーズ、感動の新作「心を掬う」
ドラマ化の女性秘匿捜査官・原麻希シリーズからは子供探偵・原菜月(6歳)が大活躍の「18番テーブルの幽霊」。四篇を収録。

*感想*
定番の伊坂幸太郎の短編を読みたかったのはもちろんのこと、今回は『検事の本懐』で好きになった、柚月裕子さんの「佐方シリーズ」を大変楽しみに本書を手に取りましたるんるん 中山七里さん、吉川英梨さんの話ももちろん面白かったのですが、今回は感想文が長くなってしまうので、伊坂さんと柚月さんの感想だけを載せますね〜チューリップ

伊坂幸太郎『Bee』感想: 今回も“殺し屋”が主人公の話。しかし今回の殺し屋『兜』は「腕はいいけれど妻に頭が上がらない」という設定な上に、標的は『蜂』だったので、かなりクスっと笑えて良かったわ桜特に妻とのやりとりの場面は、結婚して家庭生活を送っている作家ならではの洞察力とでもいいましょうか… 女って妻って厳しいですからね〜イヒヒ笑。

柚月裕子『心を掬う』感想: 今回はちょっとトリックが簡単すぎましたね〜どんっ 「千円、貸してもらいたいんです」と言った時点でほとんどの人は佐方検事が何をしようとしているのか大体わわかってしまったのではないでしょうかたらーっ。。。 まぁしかし、佐方シリーズはトリックだけではなくて、彼の人間性に魅力がある話なので充分に楽しめましたグッド。「郵政Gメン」という存在も初耳で興味を惹かれたしね

本書は各話後にそれぞれ著者からのコメントが載っています。著者の作品に込めた思いや不安、今後の新作情報なども書かれていて、著者たちを身近に感じられましたぴかぴか 私は中山さんと吉川さんの長編を読んだことがないので、是非今度読んでみたいと思います。特に吉川さんの「原麻希」シリーズは映像化されるそうなので、早めに読まないとね!!


★アンソロジー -
『好き、だった。はじめての失恋、七つの話』

*あらすじ*
はじめて恋を失って、はじめて本気で好きだったのだと気づいた―。
有川浩、朝倉かすみ、梨屋アリエ、石原まこちん、吉野万理子、紺野キリフキ、宮木あや子ら七人の人気作家たちが、人生はじめての大切な失恋を綴った小説アンソロジー。
終わった恋、始まらなかった恋、始めてはいけなかった恋…七人七色の失恋のカタチ。はじめての失恋には、恋愛のすべてがつまっている。

*感想*
皆さん恋してますか!?誰かに思いを寄せていますか!?
私はもう何年も胸を締め付けられる様な苦しい恋なんてしていませんよ〜汗
それは平和で平凡で充実した家庭生活を送れている証拠なのでしょうが、なんだか時々寂しくも感じるんですよね…贅沢な悩みなのでしょうが…たらーっ そんな時に読みたくなるのが、そうこれ。恋愛小説。しかもこれは「失恋」をテーマにしたアンソロジーなので、胸が張り裂けてしまうような物語が載っているのだろうと期待して読んでみましたぴかぴか

結論から言うと、1話30ページ程度の物語なので、感情移入して物語に翻弄されるような話はなかったのですが、バラエティーに富んだ失恋物語たちでそれぞれ楽しめました。
特に私がいいなと思ったのが、吉野万理子さんの「マリン・ロマンティスト」です。年に一度の社員旅行で、社長が新入社員の若葉ちゃんに少し積極的な行動にでるものの…。いやぁ、社長に哀愁を感じ、思わず社長にエールを送りたくなりました。そして社長の「本当の失恋というのは―人生が枯れて、恋そのものを失うこと」というセリフは胸にきたわ。。。もしかして私ってもう本当の失恋をしちゃってるのでは!?とね。
あと、石原まこちんさんの「タマママーンを探して」は、文章が少々マニアックなのですが、笑える描写も多々あり、そして子供の愛らしさも感じることができて、読後温かい気持ちになりました。
一番の期待は有川浩さんの作品だったのですが、やっぱり有川さんは長編で読みたいな〜っと少々不完全燃焼感を抱きました。でももちろん面白かったですよ上向き

今恋をしている人もしていない人も、本書でいろいろな恋のかたちを楽しんでみてくださいラブ


★アンソロジー -
『Sweet Blue Age』


*あらすじ*
「すべての偉大なる作品は、青春文学なのだ」
野性時代のこの断言に感応し、七人の作家が全身でとらえた、甘く、憂鬱な、「あのころ」の物語。


角田光代  『あの八月の』夜の大学に忍び込む
有川浩   『クジラの彼』究極の遠距離恋愛って?
日向蓬   『涙の匂い』あわいあわい初恋の日々
三羽省吾  『ニート・ニート・ニート』出口のみえない日々のはてに――
坂木司   『ホテルジューシー』もてあます自由とほどけない心
桜庭一樹  『辻斬りのように』5月のある朝、彼女の中で蠢きだしたものは?
森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』底無しの酒量とちいさな勇気を抱いて……


*感想*
やはり全話自分好みのストーリーというアンソロジーって無いものなのなのかもしれないですね… 編集部も幅広い読者層に応える為に、あえてバラエティーに富んだ作家を組み合わせてくるのだろうし。


本書でいうと、私が純粋に楽しめたのは、有川浩の「クジラの彼」だけでした。この「クジラの彼」は有川さん自身の単行本でも発売されている話なので、それなら最初からそっちの単行本を読めば良かったなぁ〜なんて思ったり(^▽^;) えへへ。
桜庭一樹さんの「辻斬りのように」は、どこか不完全燃焼な読後感がありモヤモヤしたのですが、先程調べたらこれらは長編『少女七竈と七人の可愛そうな大人』の一部みたいですね。引き込まれる世界観だったのと、主人公のその後が気になるので、そちらの方を是非今度読んでみたいと思いました。


単行本化されている話の一部抜粋等で、なんだか出版社の「ビジネス用短編集」(作品というよりも、売れる短編集を作った)という雰囲気がある1冊ですが、複数の作家の世界を楽しめるので、お得といえばお得な1冊かもしれませんね〜



★アンソロジー -
『Story Seller 2』


* あらすじ*
大好評アソンロジー第2弾。日本作家界のドリームチームが再び競演。今回もオール読み切りで、読み応え満点。どこから読み始めても、他では経験できない読書体験が味わえます。物語大好きのあなたも、これから読み始めるあなたも、お気に入りの作品が必ず見つかることでしょう。著作リストも完備して、新規開拓のガイドとしても最適です。


◆収録作品◆
沢木耕太郎 「マリーとメアリー ポーカー・フェース」
伊坂幸太郎 「合コンの話」
近藤史恵   「レミング」
有川浩     「ヒトモドキ」
米澤穂信   「リカーシブル−リブート」
佐藤友哉   「444のイッペン」
本多孝好   「日曜日のヤドカリ」



*感想*
前作から道尾秀介が抜けて、沢木耕太郎が参戦した「Story Seller」第二弾!道尾ファンの私として不満はあるものの、伊坂幸太郎作品が気になったので読んでみました。


【沢木耕太郎編】有名な作家なので胸を躍らせて読み始めたのですが、内容は小説ではなくてエッセイみたい話でビックリしました。私もお酒は好きだけれど、マリーでもメアリーでも、どちらでもいいんじゃないですかね。


【伊坂幸太郎編】斬新な作りになっていてとても面白かったです。脚本と小説の融合とでもいいましょうか、こういうスタイルも短編ではアリだと思いました。


【近藤史恵編】前作同様に自転車ロードレース話。大藪春彦賞受賞作『サクリファイス』に登場する石尾と赤城のスピンオフ話。サクリファイスを読んだ方なら楽しめると思いますが、短編のドラマとしては薄く物足りなさを感じました。


【有川浩編】“勿体ないお化け”の叔母に悩まされる一家の話で、「ひょえ〜!!」と言いながらズンズン読んでしまいました。やはり有川さんの文章って『読ませる力』がすっごくある。私もテレビのニュースでゴミ屋敷に住む老人を見たことがあるけれど、次回からはこの短編を思い出しながらニュースを見てしまいそうです。他人事だけれど、他人事とは思えない話で惹き付けれられました。


【米澤穂信編】米澤さんというと、少々古めかしい文体で読み難いイメージが強いのですが、本作は至って普通の文章で読みやすかったです。しかし弟に関する明確なオチが欲しかったな。ちょっと消化不良気味でした。


【佐藤友哉編】前作の「333のテッペン」も面白くなかったけれど、今回も相当私にはつまらなかった。題名から察する通り、前作と同じ人物が登場してきます。そいつがまた屁理屈な感じで、文章を読んでいて本当にイライラさせるのよね… ミステリーの展開としてもテンポが悪く、非常に読みにくかった。


【本多孝好編】あまりに現実離れした小学校五年生の娘の言動に、話に入り込むことが出来なかった。悪い話ではないと思うけれど、「フィクションだよな〜」とどこか醒めた目で読んでしまったわ。



私が一心不乱に読めたのは、伊坂幸太郎と有川浩の作品しかなかったけれど、バリエーション豊かな本なので、それぞれ合う好きな話がきっと見つかると思いますよ〜



★アンソロジー -
『秘密。―私と私のあいだの十二話』


*あらすじ*
レコードのA面・B面のように、ひとつのストーリーを2人の別主人公の視点で綴った短編12編。たとえば、宅配便の荷物を届けた男と受け取った男の扉をはさんだ悲喜こもごも、バーで出会った初対面の男女、それぞれに願いを叶え合おうといった男の思惑、応えた女の思惑など…。出来事や出会いが立場の違い、状況の違いでどう受けとめられるのか、言葉と言葉の裏にあるものが描かれた不思議な一冊。



*感想*
ひとつのストーリーを、2人の別主人公の視点で綴った短編集。この設定を知ってまず思い出したのが、辻仁成と江國香織によって書かれた『冷静と情熱のあいだ』でした。1999年に発表された『冷静と情熱のあいだ』は、当時の私にとても衝撃を与えたものです。男女2人共が主役になる恋愛小説なんて、それまで読んだ事がなかったからね!しかしその後、その様なスタイルの本に出会うことがなく10年が過ぎてしまい、今回本書の存在を知った時は、「おぉ!このスタイル、久々だわ!」と興奮してしまいました。


読み始めてまず驚いたことは、一編の短さです(笑)
180弱のページ数の中で、12人の作家がA面B面の2話を綴るので、一編が3・4ページ程度しかありません。時間にしても1・2分で一編が読めてしまうのではないでしょうか。そんな短い文章の中でも、作家達は皆それぞれ違った世界を、簡潔に面白く展開してくれるから凄いですよね。


全て面白かったのですが、私が特に気に入った作品は、北村薫さんの『百合子姫』です。私には2歳上の姉がいるのですが、その姉は百合子姫の如く「外面」がすっごく良かったんですよ。おかげで、同じ中学校に通っていた頃は、あらゆる人から「素敵なお姉さんをお持ちね」と言われてました。そう言われる度に、私は心の中で「家の中での姉の姿を見せてやりたいよ」と毒づいたものです。なので、「百合子姫」の話は、自分の昔を思い出しながら読めて楽しかったです。


他にも、嘘をつき合う恋人同士や、迷い犬を拾った人と引き取る人、いろいろな場面の『2人』がバラエティー豊かに描かれ、サラっと読めるのに、楽しめる1冊でした。



★アンソロジー -
『Story Seller』


* あらすじ*
これぞ「物語」のドリームチーム。日本のエンターテインメント界を代表する7人が、読み切り小説で競演!短編並の長さで読み応えは長編並、という作品がズラリと並びました。まさに永久保存版アンソロジー。どこから読んでも、極上の読書体験が待つことをお約束します。お気に入りの作家から読むも良し、新しい出会いを探すも良し。著作リストも完備して、新規開拓の入門書としても最適。


◆収録作品◆
伊坂幸太郎 「首折り男の周辺」
近藤史恵   「プロトンの中の孤独」
有川浩     「ストーリー・セラー」
米澤穂信   「玉野五十鈴の誉れ」
佐藤友哉   「333のテッペン」
道尾秀介   「光の箱」
本多孝好   「ここじゃない場所」


*感想*
伊坂幸太郎・道尾秀介は、元から好きな作家であり、期待通りの秀作でした(★4つ!)。故に、この2作が面白いのは当然の事として、ここでは違う作品についての感想を綴らせて頂こうと思います♪



今回、予想外にハマり、面白かったのは、近藤史恵『プロトンの中の孤独』と、有川浩『ストーリー・セラー』でした。


近藤史恵の代表作といえば、自転車ロードレースを描いた『サクリファイス』(大藪春彦賞受賞)と、名前は知っていたのですが、失礼ながら“読まず嫌い”をしていました。私には、自転車ロードレースというものが身近なスポーツに感じられず、敬遠してしまっていたのです…。しかし、偶然にも本書でロードレースを舞台とした短編、『プロトンの中の孤独』と出会い、読んでみたら…大変面白かったですd(≧▽≦*)!! 自転車ロードレースという競技を全く知らなくても、競技の過酷さや、レースの駆け引きが、臨場感溢れる描写で書かれ、読んでいてドキドキハラハラ楽しめました。短編なのが惜しい位に面白かったので、長編の『サクリファイス』を是非とも読んでみたいと思いました。


そして、有川浩といえば、これまた誰もが知っている『図書館シリーズ』の著者なのですが、こちらも私は“読まず嫌い”をしてしまっていました…。正確には、図書館シリーズを少し読んだのですが、私には合わず、途中棄権をして以来、有川さんを敬遠していました。 しかし今回、本書掲載の『ストーリー・セラー』を読み、有川さんの世界観に没頭させられ、彼女の作風を少し理解できた気がします。物語の前半は、無理矢理キスされるシーンがあったり、会話中心に場面が展開していったりと、ライトノベルのタッチになっていて、「私には読めないかも!」という思いが過ぎったのですが、そこを超えると、人間関係の難しさや、夫婦愛をヒシヒシと感じ、最後は涙が溢れてしまいました。有川さんの作品は、言葉をストレートに受け取り、感じなければいけない作品なのですね。有川作品の読み方が分かったので、途中で読むのを止めてしまった図書館シリーズを、再挑戦したいと思いました!


本書のおかげで、勝手に自分には合わないと思い込んでいた作家がそうではないのかもしれない、と思い直すいいキッカケができました やはり時々アンソロジーを読んで、作家と作品の新境地を開くのも大切ですね〜


 



★アンソロジー -
『蝦蟇倉市事件1』


*あらすじ*
海と山に囲まれた、風光明媚な街、蝦蟇倉。この街ではなぜか年間平均十五件もの不可能犯罪が起こるという。自殺の名所に、怪しげな新興宗教や謎の相談屋。不可能犯罪専門の刑事や、とんでもない市長、そして無価値な置物を要求する脅迫者―。様々な不可思議に包まれた街・蝦蟇倉へようこそ!今注目の作家たちが、全員で作り上げた架空の街を舞台に描く、超豪華競作アンソロジー第一弾。

*感想*
「オトナの片思い」「クリスマス」「LOVE LETTER」などの、共通テーマを基盤にしたアンソロジーは何冊か読んだけれど、本書の様に“ある一つの街を舞台に描く”というスタイルは、初めて読むスタイルで興味深かったです。


本書に収録されている作品の著者は
◆ 道尾秀介 ◆伊坂幸太郎 ◆大山誠一郎 ◆福田栄一 ◆伯方雪日
の5名。私のお目当ては、最近その執筆活動の早さに驚かされる道尾秀介と、発表した作品が次々と映像化されている伊坂幸太郎です。全話読んだ感想としても、やはりその二人の作品が私の好みで印象に残りました。


道尾秀介の作品は、ラストシーンが遠まわしにしに描かれ、読者が熟読しないと「誰がどうなったのか?」が分からなくなっています。
私はあの最後の人影を隈島だと理解したのですが、皆さんはどうでしょうか?


* ** ここからネタバレ ***

まずは巻頭の地図をよく見て、下記の点を確認してください。
【P22】 弓子の部屋は二階の一番奥。つまり事故が起こったのは、アパートの南側。
【P65】 囃子台は商店街を南側から北側へと移動する。
【P68】 十王還命会のヴァンは蝦蟇骨スカイラインから、ゆかり荘を左手に見ながら南下。
【P71】 森野雅也は囃子台を追い越すように(つまり商店街の南側→北側方向へ)、すり抜けた。
【P77】 隈島は囃子台と逆行するように(つまり商店街の北側→南側へ)、すり抜けた。


これらの位置関係から、南下してきたヴァンに衝突したのは、商店街の南側口から出て、道路を北上してゆかり荘に向かっていた隈島と考えられます。邦夫は、外階段を下りてからトンネルへ向かって北上するので、アパートの南側へは行かないしね。


* ******************************


ちなに初版本に限りP69で時刻の誤植があります。私は初版本を読んでいたので、この時刻の誤植により「ということは、雅也は対象外だな…」と誤認してしまいました。
誤植についての詳細は道尾さんのホームページを見てね↓
http://michioshusuke.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-9bf6.html


なんだか、道尾さんの話だけで、随分と長くなってしまいました… ので他の話の感想は割愛。


アンソロジーにも関わらず、他の話と登場人物が微妙にリンクする所があり、著者達の遊び心と、作品の質の高さを感じました。面白かったわ〜

 



★アンソロジー -
『TROIS トロワ』


石田衣良 唯川恵 佐藤江梨子 による共作


* あらすじ*
新進気鋭の作詞家・遠山響樹は、ひと回り年上のエステ経営の女性実業家・浅木季理子と8年の付き合いを続けていた。20代の頃にミュージシャンとしてデビューした響樹は、季理子の援助を受け、ようやく作詞家として花開こうとしていたのだ。ある時、響樹は訪れた銀座のクラブで、ダイヤモンドの原石のような歌手の卵エリカと出会った。響樹は季理子とも関係を続けながら、エリカと恋に落ちた。そして季理子とともにエリカをプロデュースすることでスターダムに押し上げようと計画する。絡み合う嫉妬と野心、そして官能。炎のように燃え上がる複雑な三角関係の行方は……。
二人の直木賞作家と人気女優が奇跡のコラボ。それぞれ描く男女三人が、複雑に絡み合い、嫉妬と野心、官能渦巻く恋愛小説。


*感想*
三者による共作小説。しかも石田衣良、唯川恵という直木賞作家と、人気女優(?)佐藤江梨子、という異色の顔ぶれ。これは面白い企画だと思い、あらすじを熟読することなく、読んでみる事にしました。


読後、率直な感想は
「うげげげぇぇぇ〜〜〜… なんて陳腐でつまらない話じゃ〜〜 ガッカリ!!」
と、久し振りに「この本に費やした時間を返せ」と憤りを感じました。


新進気鋭の作詞家(響樹・34歳・男性)と、エステサロン経営者(季理子・45歳・女性)が、ダイヤモンドの原石のような歌手の卵(エリカ・24歳・女性)を、スターダムに押し上げることを企てる。しかしそこに、恋愛感情が芽生え、複雑な三角関係へと縺れてゆく… というストーリーなのですが、芸能界の華やかさや、裏表を小説で表現することに限界を感じ、全く小説の世界に入り込む事ができませんでした。

そして、登場人物達にも全然魅力がなかったです。。。特にエリカの精神的に幼い部分にはイライラさせられたわ。「幼い頃から歌手になるのが夢だった」と言う割には、堪え性がなさすぎでしょう。なんだか、今ここに真剣に感想を書く事すら、無駄な時間に思えてくる1冊でした。。。


同じく芸能界の裏側を描いた、新堂冬樹の「女優仕掛人」も私にはつまらなかったのですが、それは私が芸能界物が好きではないからなのだろうか。
芸能界物には、当分手を出さないでいようと思います。

 



★アンソロジー -
『Love Letter』


★★☆☆☆


*あらすじ*
11人の作家が、それぞれの「ラブレター」に想いを込めて描く恋愛小説アンソロジー。


◆石田 衣良   「ありがとう」
◆島村 洋子   「空」
◆川端 裕人   「ラブレターなんてもらわない人生」
◆森福 都     「再会」
◆前川 麻子   「ミルフイユ」
◆山崎 マキコ  「音のない海」
◆中上 紀     「水槽の魚」
◆井上 荒野   「虫歯の薬みたいなもの」
◆桐生 典子   「竜が舞うとき」
◆三浦 しをん  「永遠に完成しない二通の手紙」
◆いしい しんじ 「きまじめユストフ」


*感想*
1話が12ページ程度の、ラブレターに纏わる恋愛小説です。

アンソロジーって、今まで知らなかった作家に出会える素敵な本だと思うのですが、今回のアンソロジーは正直ハズレだったな…


前半に収録されている作品は、亡くなってしまった元彼女へのLove Letter、遠距離恋愛している彼からの葉書(Love Letter)、などという設定で、比較的に読み易く面白かったのですが、後半になると、幼児虐待とDV、水槽の魚の声が登場したり…と、読むに耐えない内容でした。


あえて一番面白かった作品を挙げると、川端 裕人の「ラブレターなんてもらわない人生」です。
「いつも変わらずに親切にしてくれてありがとう」と書かれた手紙。もらった男の子の記憶には残らなかったけれど、これを送った女の子としては、精一杯の勇気を出して書いた物だった…という所にキュンときました。脇役の山崎さんもいい味出してたし。


今回は新たなるお気に入り作家の発掘に繋がらなかったけれど、これに懲りずに、また何かしらアンソロジーを読みたいと思います

 



★アンソロジー -
1/2PAGES >>
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>
Category
Profile
Archives
Comment
Search
Mobile
qrcode
Sponsored Links