読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
横山秀夫 『64(ロクヨン)』


*あらすじ*
警察職員二十六万人、それぞれに持ち場があります。刑事など一握り。大半は光の当たらない縁の下の仕事です。神の手は持っていない。それでも誇りは持っている。一人ひとりが日々矜持をもって職務を果たさねば、こんなにも巨大な組織が回っていくはずがない。D県警は最大の危機に瀕する。警察小説の真髄が、人生の本質が、ここにある。

*感想*
男気溢れる警察小説でした〜ぴかぴか 相変わらずアツいね横山さん!!ラブ
本書は『陰の季節』『動機』『顔FACE』に引き続くD県警シリーズになっています。しかし登場人物で被るのは『人事のエース』の二渡さんくらいかな?上記3冊を読んだのが2006年〜2007年の事なので細かくは覚えてなくって汗 すみませんムニョムニョ

本書は、未解決事件(64ロクヨン)を巡る陰謀(?)をベースに警務部vs.刑事部、警察庁vs.地方警察、警察vs.マスコミ、など色々な確執が描かれます。そこには誰のどんな思惑が潜んでいるのか、一筋縄ではいかない警察官たちのやり取りにドキドキラブし、そして主人公の三上広報官の縦社会のルールを無視してでも上司に楯突いたりする場面にハラハラしたりしましたどんっ

ただ「幸田メモ」と「長官視察」の本意が明らかになるまでは読んでいて長く感じたわ…がく〜 
それらが簡単に判明してしまっては本編に潜む謎が軽視されてしまうという意味もあるのだろうけれど、三上の元刑事の矜持と、失踪してる娘を人質に取られたかのような警務部への忠誠心に苦しむだけの内容であの長さは辛かったです汗
しかし中盤からラストはすっごく良かった!特に指示車に乗り込んでからは圧巻でしたねるんるん
こんな熱い厚い警察小説は本書以外ないと思うので是非読んでくださいぴかぴか

あと女性視点から一つ述べるなら、美雲さんをホステス扱いしない三上広報官が本当に素敵でしたラブ 顔は鬼瓦らしいけれど、その時ばかりは佐藤浩一や舘ひろしみたいな俳優さんが脳内で映像化されてましたよ(笑)イヒヒ


  ├ 横山秀夫 -
横山秀夫 『出口のない海』
*あらすじ*
人間魚雷(にんげんぎょらい)とは小型の潜水艇で敵艦に肉薄し、それを撃破する兵器のこと。
ヒジに故障を抱えながらも大学野球を続ける甲子園優勝投手・並木浩二は、第二次世界大戦の終戦直前に徴兵されてしまう。彼が就いた任務は、人間魚雷「回天」による突撃特攻だった。発射と同時に死を約束される魚雷。命の重みと青春の哀しみを描いた戦争小説。

*感想*
「なんで歴史なんて勉強するの?」
勉強嫌いだった私は、子供の頃そんな質問を母にしました。
「過ちを二度と繰り返さないためよ」
母はそう教えてくれました。
戦争関係の話を読む度にこの母との会話を思い出します。
戦争は二度としてはいけない。だから私達は歴史を学び、そして語り継いでいかなければならないのだと。

しかしなんらかの事情で教科書に載らない事柄も多くあるかと思います。本書の舞台となる海軍の極秘作戦『人間魚雷「回天」』もその一つでしょう。
航空機による突撃作戦=神風特攻隊 の存在は知っていましたが、
潜水艇による突撃作戦=神潮特攻隊 という突撃攻撃までも戦争中にしていたのは、正直ショックでした。
この魚雷に乗り込んだ兵士は、前も後ろも何も見えない真っ暗な狭い筒の中で 「そろそろだ、そろそろぶつかる。。。」と考えながら最後の瞬間を迎えるのだろうか?死ぬ時間帯は決まっているのに、死ぬ瞬間はいつなのかわからない。。。なんて残酷な死に方だろう。
生きるために出撃するのではなく、死ぬために出撃するなんて尋常ではいられないはず。

外的要因も然る事ながら、主人公の「戦争」と「平和」についての思考、野球を愛する心が物語りをより深いものへとさせていて、大変良かったです。彼がどんどん軍人へと化していく姿は、読んでいて辛いものがありましたが。
私達は、これらの凄惨な戦争を忘れてはいけないね。そしてメジャーリーグで多くの日本人選手、その他各国の選手が活躍しているという現代も忘れてはいけないのでしょう。


  ├ 横山秀夫 -
横山秀夫 『顔』
顔 FACE


★★★☆☆

*あらすじ* 
「陰の季節」の一編「黒い線」に登場したD県警所属の婦警・平野瑞穂。彼女は「黒い線」での休職以降、復職し、鑑識課・機動鑑識班から秘書課・広報公聴係りに異動していた。その瑞穂を主人公とした5つの連作短編集。

『魔女狩り』警察がマスコミに発表していない特ダネを掴み、新聞に載せているJ新聞社。いったいどういう経路でこの特ダネは漏れているのか…。

『決別の春』「なんでも相談テレホン」という電話相談員に配転された瑞穂。そこに掛かってきた「火が怖いんです。きっと私、焼き殺されます」との相談電話。その電話の主と、その根拠は一体どういう事なのか…。

『疑惑のデッサン』殺人事件発生。目撃者の証言により犯人の似顔絵を書いた瑞穂の後輩婦警、三浦真奈美。犯人逮捕後にそのデッサンと犯人像を並べると酷似していた。このデッサンは本当に目撃証言から書かれたものだったのか…。

『共犯者』銀行強盗対策訓練中に、本当の銀行強盗が発生。訓練中だった為、本当の事件現場へ警察官が駆けつけるまでに時間がかかってしまった。これは単なる偶然だったのか、それとも計画的犯行だったのか…。

『心の銃口』婦警を襲い、拳銃を奪うという事件が発生する。その婦警は瑞穂の同僚婦警である南田安奈だった。安奈の為にも、婦警という立場を守る為にも犯人逮捕に迫る瑞穂だが…。

*感想*
クールで硬い文章を書く横山さんにしては、やはり女性が主人公だったせいか柔らか目な文章だったと思います。私としては、横山作品にはいつものクールな文章が合っていて好きなので、今回は中途半端な気がしてしまいました。男性ならではの視点というか、女性に対する願望なのか、瑞穂がちょっと真面目すぎると思ったの。私が世間に擦れてしまったのか、瑞穂やその他の女性登場人物達の言動に
「横山さぁ〜ん、女っていうのはもっとシタタカなものじゃなくてぇ〜〜?( ̄― ̄)ニヤリッ」
とついつい思ってしまってね。。。

一番良かったというか、考えさせられたのは最後の『心の銃口』です。
警察内の男尊女卑、そしてマスコミのあり方について考えました。
今現在でも男尊女卑が警察内にあるのかどうかは謎だけれど、昔は確実にあったよね?
「女のくせに」と口にする男性同僚、そんな事言われたら女性は仕事を続けたくても、続けにくい状況になるだろうね。
そして結果論だけでバッシングをしてくるマスコミ。。。。
瑞穂がいろいろと可哀想で、「警察にはなりたくないな」
と思ってしまう程に臨場感があり、良かったです♪


  ├ 横山秀夫 -
横山秀夫 『動機』
動機


★★★☆☆

*あらすじ*

『動機』 警察手帳の一括保管制度をテスト導入した矢先、その30冊もの警察手帳が紛失してしまう。内部の犯行か?外部の犯行か?そしてその動機は…。
第53回日本推理作家協会賞受賞作

『逆転の夏』 殺人罪の服役を終え社会へ戻ってきた中年男の元に、全く知らない男から電話がくる「あなたになら私の気持ちが解るはずです… だからあの人を殺してください」と。だんだん報奨金に目がくらみ始める主人公…。

『ネタ元』 女性地方新聞記者が特ダネを掴むために奔走する中、有名大手新聞社からの引き抜きの誘いがくる。その引き抜きを実現させる為にも特ダネを掴みたく“ネタ元”のある女性に接近するのだが…。

『密室の人』 D地裁の裁判長、安斉は公判中に居眠りをした挙句、寝ぼけて妻の名前まで洩らしてしまった。そしてこの醜態を記事にするという新聞記者。どんどん窮地に追い込まれていく安斉…。


*感想*
横山作品といえば、主人公が“警察官”、もしくは“新聞記者”という話が多い中、今回短編であるにしろ“服役後の中年男”と“裁判官”というのは目新しかったです。
特にその服役後の中年男が主人公である『逆転の夏』は本格的なミステリーかつ、犯罪者の社会復帰問題についても描いている濃い一作で良かったです。

犯罪者の再犯率を下げるためには、犯罪者の内省が大切なのはもちろん、社会の受け入れ態勢も重要なのだとこの作品を読んで痛感しました。
自分は公正したと信じ、普通の一般人として働き生きていきたいのに「犯罪者」という名札で受け入れ拒否をする社会。そして自暴自棄に陥っていく犯罪者。
しかし簡単に社会復帰できるようなシステムにしてしまうのも「殺人」という重罪を思うと考えものですがね… 人の命を奪うって、一生かけてでも償うべき重罪だろうからね。。

裁判長が主人公の『密室の人』もめずらしくて良かったですが、やっぱり基本的に職業に矜持を持った人が大好きな横山さんなのね。と再認識いたしました 笑。


  ├ 横山秀夫 -
横山秀夫 『陰の季節』
陰の季節


★★★☆☆

*あらすじ*
D県警を舞台に起る県警内部の事件と謎4編。

『陰の季節』 警察組織を敵に回してでも人事異動を拒む男の真意に迫る謎
第5回松本清張賞受賞作

『地の声』 監察官のもとに届いた密告文書。限りなく品行方正な男を密告した犯人に迫る謎
『黒い線』 犯人逮捕に大手柄をたてた婦警が突然失踪した理由に迫る謎
『鞄』 県議会で警察へ質問をぶつけるという県議員の質問内容を探る謎

*感想*
「まったく新しい警察小説の誕生!」
という謳い文句の元、出版されている本作品。
確かに“新しい”と思いました。(この単行本が出版されたのは1998年で、結構前にも関わらず!)
何が新しいって、主人公が皆さん「刑事課」の人でない事でしょう。
警察が出てくる小説といえば、やはり「殺人=捜査一課」という図式になりやすいと思うのですが、警察だってある意味“会社”であり、管理部門という部署が存在するのですよね。今回その管理部門に勤める人を主人公にしている所がすっごく目新しく興味を惹かれたわヽ(*^^*)ノ

「陰の季節」では主役だった『人事のエース』こと、二渡真治(フタワタリシンジ)がその後の3編にもさり気なく登場するとことが、ブツ切れになってしまう短編の宿命にちょっと繋がりを持たせる役割をしていて私は好きでした。
内容として一番に共感というか感情移入したのはやはり女性が主人公の『黒い線』ですね。

婦警七尾友子(ナナオトモコ)が主人公で、「婦警担当係長」の42歳。仕事ももちろん大変だが、警察という『男社会』の風当たりを感じる一作でした。

警察という男の聖域に身を投じて25年。婦警の敵は、内なる弱気感情である

そう心の中で呟き自分を奮い立たせる友子。
この話の中には「警察に女性はいらない」と唱える『婦警不用論者たち』という単語が出てくるのだが、現実にもそういう風潮は残っているのだろうか?“全くない”とは絶対にないよね。この話を読んで、犯罪や世間とだけでなく、そういう風潮とも向き合って乗り越えていかなければならない女性警官にエールを送りたくなりました!是非そういう方がいらっしゃったら頑張ってほしいです!

最近横山作品で警察物ばかり読んでいるのですが、自分の為にもちょっとここで警察の階級についておさらい。本編にも「年齢は下だが階級は1つ上」とかと、階級表示が結構出てきてどうも混乱してしまうのです… この階級を正確に理解していればこの警察小説の男達の年齢・階級に神経を使う人間関係模様がもっと楽しめると思うのでヽ(*^^*)ノ

◆巡査◆ 地方公務員
警察官の最低級。一般の警察官は全て巡査から始まり、(キャリアは警部補からスタート)階級を上げるためには警部になるまでその都度、昇任試験を受けなくてはならない。

◆巡査長◆ 地方公務員
巡査のうち、特に勤務成績が優秀で、実務経験が豊富な者に与えられる称。しかし実は、勤務年数がある程度以上になっても巡査部長になれない者に対して、試験を受けなくても「長」を付けてあげようと言う親心で与えられる称号。これは、巡査経験の長い者に対して志気高揚を目的に与えられるもので、年功的な便宜上で与えられるものなので基本的には警察の階級外とされている。

◆巡査部長◆ 地方公務員
巡査の次の階級(巡査長は階級外のため)。巡査部長は、いわば現場の親方クラスで新任の巡査を教育する役目も負っている。

◆警部補◆ 地方公務員
巡査部長の次の階級。国家公務員1種試験で合格したキャリア組が一番最初になる階級でもある。役職では警察署の係長や警視庁では主任クラス。道府大小県警本部でも係長クラス。

◆警部◆ 地方公務員
警部補の次の階級。役職としては警察庁ですと係長。警視庁でも係長クラス、道府大県警本部では課長補佐。大小所轄では課長クラス。

◆警視◆ 地方公務員
警部の次の階級。役職としては大所轄では一部ではあるが課長。警察庁では課長補佐、警視庁では理事官・管理官、課長。小県警本部では参事官・課長。道府大県警本部では課長クラス。

◆警視正◆ 国家公務員・地方警務官
警視の次の階級。役職としては警視庁参事官・主要課長・各方面本部長。道府大県警では本部長(各本部の本部長は数名がノンキャリア)・参事官・主要課長。小県警本部では部長クラス。(警務以外はかなりがノンキャリア組)

◆警視長◆ 国家公務員
警視正の次の階級。ノンキャリア組にとっては最高位の階級。これ以上の階級はキャリア組だけの階級である。(ノンキャリアは退官時、警視監と昇任する)役職としては警視庁本部部長(2名ほどノンキャリア)。道府大県警本部主要部長、北海道警各方面本部長、小県警本部本部長。

◆警視監◆ 国家公務員
警視長の次の階級。階級外の警察庁長官を除けば、トップの警視総監に次いでナンバー2のポストでその枠は36名。役職としては警視庁本部主要部長、道府大県警本部本部長、大阪府警警務部長。

◆警視総監◆ 国家公務員
日本の警察官のただ一人に与えられる最高峰の階級と同時に警視庁の長。内閣総理大臣の承認を得て任免され、警視庁の事務を統括し、職員を指導、監督する。


  ├ 横山秀夫 -
横山秀夫 『ルパンの消息』
ルパンの消息


★★★☆☆

* あらすじ*(「BOOK」データベースより引用)
「昭和」という時代が匂い立つ社会派ミステリーの傑作! 平成2年12月、警視庁にもたらされた一本のタレ込み情報。15年前に自殺として処理された女性教師の墜落死は、実は殺人事件だった―しかも犯人は、教え子の男子高校生3人だという。時効まで24時間。事件解明に総力を挙げる捜査陣は、女性教師の死と絡み合う15年前の「ルパン作戦」に遡っていく。「ルパン作戦」―3人のツッパリ高校生が決行した破天荒な期末テスト奪取計画には、時を超えた驚愕の結末が待っていた…。昭和の日本を震撼させた「三億円事件」までをも取り込んだ複眼的ミステリーは、まさに横山秀夫の原点。人気絶頂の著者がデビュー前に書いた“幻の処女作”が、15年の時を経て、ついにベールを脱いだ。第9回サントリーミステリー大賞佳作。

*感想*
横山氏の処女作というのが納得の作品。設定にも文章にも初々しさを感じました。

まずは設定。高校生ツッパリ3人組みという設定なのだけれど、高校生をメインに持ってくるなんて、今まで読んだ横山作品にはないし、“3人組”って、小学生の時に読んだ「ズッコケ三人組」じゃないんだからさぁ。。。とちょっと驚いた。 
そして文章、なんとその3人組の一人である竜見の言葉遣いが「やめてよォー」とか「なんだよォー」と、ちょっとナヨナヨ系なのよね(体は大柄マッチョ系の設定にも関わらず)。。。多分これは著者が3人組のそれぞれに個性を持たせる為に取った策なのだろうけど、逆に鼻について仕方がなかったわ。。。 ツッパリ高校生ならそんな言葉遣いしないんじゃない?とかもっと違う方法で個性を持たせる方法あるだろうよ… と。

まぁ、そういう細かい事を気にしなければ良い作品だったと思います♪「ルパン作戦」時に発見してしまう一体の死体。そしてその死体が移動する謎。誰が?何の目的で?いろいろ悩まされました。そして警察での取調べ時に描写される「取調べの心理作戦」が良かった。 警察の取調べってただ単純に「早く口を割りやがれ!」みたいに怒鳴られるだけかと今まで想像していたのだけれど、どうやら実際は違うのね!連行する時から警察側の“演技”は始まり、威圧的な刑事、友好そうな刑事、いろいろ顔を使い分けて容疑者から話を聞きだしてゆくとは凄い能力ですね!


  ├ 横山秀夫 -
横山秀夫 『臨場』
臨場


★★★☆☆

*あらすじ*
【臨場】 りんじょう 警察では、事件現場で他殺か自殺か判断する初動捜査に当たる事をいう。

ズバ抜けた検視能力を持つL県警本部の捜査一課長調査官:倉石義男警視。現場に残された謎とヒントを倉石の異質の「眼」を通して事件解決へと導いてゆく警察小説。

*感想*
横山さんの書く警察小説って本当に面白いですね。 しかも横山さんの前職が「新聞記者」だったということで、話の途中途中に出てくる「警察と新聞記者の繋がり」の信憑性がかなり高いですし。まさにフィクション小説でありながら、ノンフィクションも楽しませてもらってる感覚でした。

今回の現場は「検視」がメイン。とはいっても、実際検視する倉石さんは話の中ではほぼ脇役なんですけどね。確かに、8話もあるこの短編集の全話全て彼が主人公で、彼の目線で描かれていたら、いくら謎解きが面白くても飽きてしまっていたかも。 あえて倉石さんが脇役なのは正解でしょう。
検視官って凄い仕事だなぁ。。。とひたすら思いました。現場状況の見極めの時点で ”自殺を他殺と間違えた場合”は捜査の為に多くの無駄足を刑事達にさせてしまうし、”他殺を自殺と間違えた場合”はその事件は一生闇に葬られてしまう・・ 本当に洞察力と知識を要求させられる職業ですね。

今回の8話の中で私が一番気に入ったのは『餞(ハナムケ)』です。
退官目前の刑事部長の話で、部長がどれ程警察という仕事に情熱を注いできたのかが伝わってきて、最後は日頃オヤジをうざがっている私でも「おっちゃん・・・頑張ったね・・」と、グっときちゃったわ。
横山さんが1957年生まれという事もあってか、オヤジについて書かせたらピカ一かもね。等身大なんでしょうね、きっと。


  ├ 横山秀夫 -
横山秀夫 『真相』
真相



★★★☆☆

*あらすじ*
事件のその後をそれぞれ描いた短編集
『真相』     事件で息子を亡くした父親の10年後
『18番ホール』  14年前の事故を永遠に葬るために村長選に出馬する男。
『不眠』     リストラされた男が下したある決断のその後。
『花輪の海』   空手部の合宿で仲間を失った者たちの12年後。
『他人の家』   強盗致死罪で5年の刑を終え社会復帰した男の2年後。

*感想*
事件や事故って犯人が捕まったり、新聞や雑誌に記事が取り上げられなくなっても、決して『終わり』ではないし、もしかしたら『終わり』のないものなのかもしれませんね。
この本の中で一番私が良かったと思ったのは(どれもハッピーな話ではないので”良かった”という表現もなんだか微妙ですが・・・)、表題作でもある『真相』です。
この話についてだけちょっと詳しく感想を書こうかな♪

『真相』
10年前に息子を殺人事件で亡くした父親の元にやっと犯人が逮捕されたとの連絡がくる。
「やっと息子を亡くした恨み辛みをぶつける対象が出てきた」と安堵するかと思いきや、息子がなぜ殺害されてしまったのか?というその現場状況が詳しく犯人の口から語られ、そこには父の知らなかった息子の一面があった・・・。

というのがおおまかなストーリー。
ストーリーとしては「驚愕」とかするわけではないのだけれど、私の個人的にその父親と新聞記者のやり取りにハっとさせられたんです。
被害者にとって余り良くない素行等々をマスコミに書かれた時、遺族は激怒するんです「そんな事を書いて死んだ息子の名誉を傷つけるのか!」って。
しかしそのマスコミの人が返した言葉は
「その名誉というのは、もしかしてあなたの名誉じゃないですか?」
というもの。
すっごく深い一言だと思いました。
そう、もう当事者である被害者の息子はいない。だからその内容が名誉毀損なのかどうか誰に判断できるというものなのだろうか。。。
「死人に口なし」
それは犯人にとっても、遺族にとっても、そして警察にとっても同じ。

しかし例え「口」がなくなったとしても、自分の過去をいろいろ調べ露見されてしまうのは嫌ですよね・・・私を含め、誰にだって知られたくない自分の過去や秘密にしておきたい事ぐらいあるはずだからね!
つまり、そう、やはり事件での死亡だけはしたくないわ・・・

もしも、もしもよ、今
『心から信じて愛している旦那が殺され、しかもその犯人は「旦那の愛人」だった・・・』
とかなったら、もうダブルパンチでショックで私は一生立ち直れないかも。。
「旦那を失った悲しみ」と「じつは裏切り行為をされていた」という悲しみは計りきれないでしょう。

そういう想定外の事も考えやはり裏切り行為や人には大きな声で話せない事をするのはよくないな、と改めて思いました。

この『真相』はそんなに長い話ではないのに、ここまでいろいろ話が膨らんでしまいましたσ(^_^;) 自分でもびっくり!


  ├ 横山秀夫 -
横山秀夫 『クライマーズ・ハイ』
クライマーズ・ハイ

★★★★☆

*あらすじ*
1985年8月12日の日航ジャンボ機墜落事故発生。
墜落現場である群馬県の北関東新聞の記者、悠木和雅は同僚の安西とこの日の夜からある山を登攀する予定だったのだが、未曾有の大惨事の為にその約束が果たせなくなる。そしてこの日航ジャンボの新聞記事について指揮を取る重要な役職『全権デスク』の任を命じられ、事故と社内の確執、そして家族・安西との人間関係に翻弄されてゆく…。

*感想*
これまた「男くさい小説」でした。
著者の横山さんは12年間新聞社の記者をしていた経験の持ち主という事もあってか、この本の中で翌日の朝刊作りの現場をすごい臨場感・緊張感ある文章で綴っています!私は主人公の悠木さんと共にとてもハラハラドキドキ、高揚落胆、そして一喜一憂しちゃいました。記者達の記事にかける思いとそのプライドがこんなに凄いものだとは知らなかった…、これから新聞を読む時の心構えが変わりそうです。
私はこの本に『男のロマン』というものを強く感じ、途中何度か悠木さんの行動に理解し難い場面もありました。いや、きっとそれは彼が「不器用」「世の中を適当に上手く渡ろうという狡猾さよりも、自分の真っ直ぐな部分を貫きたいという強い思い」があったかもしれませんが・・・ 男性読者にはこれは共感できる思考なのかどうか、是非男性読者の書評を読んでみたいと思いました。 しかしこの本も読み応えがあって良い作品だったわd(≧▽≦*)good!! 横山作品全作読破狙います♪

そして今回のこの小説の舞台となる日航機事故。当時私は7歳でした。この事故の事は薄っすらとしか知らなかったのでどんな惨事だったのか自分なりに調べました。
一番心に残ったのは飛行機がもう急降下という時に書いたと思われる遺書。ジェットコースターとかではなく本当に死を意識する急降下をしている機内って生き地獄なんだろうな。。何通か遺書があったのだけれど、そのうちの一人の遺書は『家族へのメッセージを書いた紙を入れた封筒に自分の運転免許書を同封しておいた』というもの。そう、そうすれば確実にその遺書が誰のものだかわかって家族に渡ると思ったのだろうね。非常事態だというのになんて冷静な判断だったのだろう。


  ├ 横山秀夫 -
横山秀夫 『第三の時効』
第三の時効

★★★★★

*あらすじ*
検挙率100%の『F県警捜査第一課』精鋭メンバーが挑む殺人事件の謎解き短編集。
個性豊かなメンバーは下記の通り
捜査第一課 一班 班長:朽木 笑わない男、しかし心優しい(!?)
捜査第一課 二班 班長:楠見 冷酷。女性に対して特に辛辣
捜査第一課 三班 班長:村瀬 野生的直感力がズバ抜けている。

*感想*
舞台と登場人物達が一貫しているので、短編とはいえかなり深く楽しめました!容疑者を追い詰めていく技(ハード面)が巧妙に組まれているのはもちろん、登場人物達の心理描写(ソフト面)も今までどの本でも読むことがない描写で(『男の嫉妬』『男の仕事に対する欲』等々)、私にとってかなり新境地で良かったです。文句のつけようのない素晴らしい一品でした。
しかも登場人物達がなんだかカッコイイ!空想の人物とは知りつつも読んでいて朽木さんに惚れそうになちゃったわOo。。( ̄¬ ̄*)ぽあぁん
短編が苦手な人も、これはお勧めです♪


  ├ 横山秀夫 -
1/1PAGES
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>
Category
Profile
Archives
Comment
Search
Mobile
qrcode
Sponsored Links