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*あらすじ*
圧巻のラスト20ページ! 驚愕し、感動する!!!
広島から神奈川の病院に実習に来た研修医の碓氷は、脳腫瘍を患う女性・ユカリと出会う。
外の世界に怯えるユカリと、過去に苛まれる碓氷。心に傷をもつふたりは次第に心を
通わせていく。実習を終え広島に帰った碓氷に、ユカリの死の知らせが届く――。
彼女はなぜ死んだのか? 幻だったのか?
ユカリの足跡を追い、碓氷は横浜山手を彷徨う。そして、明かされる衝撃の真実!?
どんでん返しの伝道師が描く、究極の恋愛×ミステリー!!
*感想*
先日読んだ知念さんの『あなたのための誘拐』が衝撃的に面白かったので、早速他の作品も読んでいこうと本書を手に取りました
本書を読んでみた感想は…
「フムフム 知念さんはどんでん返しがお好き&お得意なのですね。今回もまぁまぁ面白かったわ。やはり今後も知念作品は読んでいかないとですね
」
という感じでした。
『あなたのための誘拐』がドラマティックに面白かったので、本書への感想は少々テンション低めになってしいますが、でも本書も良かったと思います
ただ、本書中盤までの第一章は、主人公の研修医(碓氷蒼馬)と、その患者(ユカリさん)の距離が縮まっていく様子が丁寧に描かれすぎていて、途中少し飽きてしまいました
なんというか… 余命短い若く美しい儚げなお嬢さんと、そこの病院にやってきた若い研修医って、選択の余地なく恋に堕ちるシチュエーションじゃないですか しかもお互い他に頼れる存在がない生活を送っていたのだし… なのでその安易な相手選びに、ちょっとだけ非現実感というか、イラっとしてしまったのですよね
また、第一章のメインストーリーは碓氷先生とユカリさんのイチャイチャなのに、碓氷先生が誰かに監視されている様子や、他の患者のカルテを碓氷先生が見ようとした時に院長に強く拒否される謎などがあり、本書はラブストーリ―なのか、ミステリーなのか、はたまたその他のジャンルなのかも見えなくなり、読んでいて不安になってしまいました。
が!しかし第二章からはミステリーを紐解く展開に様変わりして、一気に面白くなりました
もしも私と同じく、第一章を読み進めるのが辛い方がいらっしゃいましたら、是非頑張って第一章を乗り越えてください!とお伝えしたいです
第二章では、そもそもユカリさんは実在していたのか?という謎や、もし本当に実在していたのならば、ユカリさんはどのように亡くなったのか?などのミステリー全開で物語が進んでゆき、『あなたの〜』の時にも感じた、「これが知念さんの筆力なのだろうな」という力を感じられ、とても楽しめました
そして、先ほどは『安易な恋愛』と思っていた2人の恋にも、物語終盤で碓氷先生が、人生のレールを切り替えてでもユカリさんを選ぶシーンが出てくるため、おままごと的恋愛から、生涯の愛への移り変わりが読み取れて感激しちゃいました
碓氷先生がユカリさんへ愛の告白をしようとして「環さん…」と呼んだ時に、なぜ「ユカリと呼んで」と言われたのか。。。 これは素敵なトリックだったし、
ユカリさんは、本当はカフェのマスターと愛し合っていたことを知り、一度は失恋をする碓氷先生が、その後の真相に気が付いたどんでん返しも良かったですね〜〜
ということで、結果、本書も面白かったです
今回も見事に知念さんのトリックに嵌められてしまいました!
楽しませてくれてありがとうございました
*あらすじ*
「ハヤクボクヲミツケテ」女子中学生を誘拐した謎の犯罪者“ゲームマスター”が課した“ゲーム”に失敗、被害者を死なせてしまったことで、警視庁特殊班の刑事上原真悟は職も家族も失った。それから四年、再びゲームマスターを名乗る誘拐犯が現われる。被害者は女子高校生、身代金は五千万円、警察への通報も指示されたという。そして要求はもう一つ、交渉役は上原真悟にすること―。「ずっと君とまたゲームがしたかったんだよ」と嘯く犯人に、真悟は失いかけていた刑事魂を燃えたぎらせるが…。
*感想*
過去最高に面白かった誘拐事件物語でした
こんなに面白い警察小説があるなんて、しかもその著者が警察出身の方ではなくて、現役医師作家(知念さん)だなんて、本当に驚きです
私は、★マークでランクを付けるときに、「面白さ」「社会的意味」の2点を考慮して決めているのですが、本書は「社会派」な面は弱かったけれども、とにかく疾走感溢れる非常に面白い内容だったので★5つにしました
本書がなぜそれほど面白かったのかというと、「誘拐犯は一体誰なのか?」という一番の大きな謎と、その他にも「4年前の誘拐事件との関係は?」「なぜ犯人は上原に執着するのか?」など色々な伏線が沢山張られていたことと、身代金受け渡し場所へ辿り着くまでのクイズが解りそうで解らないというもどかしさで、読者も読みながらかなり頭を使わされる内容だったからだと思います。しかも4年前の事件のことから、もしも犯人(ゲームマスター)の出すクイズに正解できなければ、容赦なく人質は殺害されてしまうという思いを植え付けられているので、ゲームマスターにクイズや指令を出されるたびに緊張が走りました。
とにかく本書には無駄なエピソードが1つもなかったことが良かったです。序盤で主人公の上原が同じ特殊班の女性刑事と不倫していたエピソードなんて、かなりどうでも良いと思っていたのですが、その後その事実の告白を最愛の娘に告げるよう犯人から指示があり、上原のメンタルを潰そうとしてきたり、結局ラストではそれが犯人の正体を暴く重大な要素になっていたりで、全てにおいて構成も内容も完璧に仕上げられた小説でした。警察内部の事情も、硬派になりすぎず適度に描かれていて、ハードすぎない警察小説で女性にも読みやすかったかと思います
読み始めたら絶対に読む手が止まらない傑作なので、是非是非是非是非読んでみてください
そして映像化したら絶対に面白いと思うので、いつかテレビかスクリーンで見れるといいな
↓↓ここからネタバレ↓↓
↓↓ここからネタバレ↓↓
↓↓ここからネタバレ↓↓
ここからネタバレコーナーなので、自分の備忘録を兼ねてズバっと犯人の名前と、それについての感想も書いちゃいますね
今回、佐和奈々子を誘拐殺害した犯人(ゲームマスター)は、上原真悟の娘、水田優衣だったというのは本当に予想できなかった結末でしただって、優衣と真悟が一緒に居る時にゲームマスターと電話で会話していたシーンもあったぐらいですからね。。。
しかしまぁそこは奈々子がゲームマスターの振りをしてくれていたということになっているので、深くは追及しないでおくとして、父・真悟を愛するばかりに犯行に及んだ優衣の気持ちは共感できないにしろ、意外なストーリー展開で面白かったです そしてサブタイトルの「KIDNAPPING FOR MY LOVE」の意味が理解でき、ちょっとそこはウルっときちゃいました
10年前の麻薬取締事件、4年前の誘拐殺害事件、そして今回の誘拐殺害事件、この3つの事件を上手くリンクさせて、読者を翻弄し、そして綺麗に収束させた著者の力量は本物だと思ったし、おかげでとにかく飽きる暇がないスピード感でした。これからも知念さんの作品を読んでいきたいと思いまーす
*あらすじ*
療養型病院にピエロの仮面をかぶった強盗犯が籠城し、自らが撃った女の治療を要求した。
先輩医師の代わりに当直バイトを務める外科医・速水秀悟は、事件に巻き込まれる。
秀悟は女を治療し、脱出を試みるうち、病院に隠された秘密を知る――。
そして「彼女だけは救いたい……」と心に誓う。
閉ざされた病院でくり広げられる究極の心理戦。迎える衝撃の結末とは。
*感想*
先日何かのレビューで本書を知り、著者の作品を初めて読んでみました

内容は、クローズド・サークル(外部と連絡が遮断された空間で殺人事件等が起きる)の本格ミステリーなのですが、単純な殺人事件というわけではなく、病院に籠城したコンビニ強盗犯の真の目的や、頑なに警察に通報したがらない院長の秘密なども同時に探究していく、読み応えのあるミステリーで面白かったです

本書の面白さを簡単にいうと、『最後まで解からない謎がある』ところと『そんな謎は素人だってわかるし、その展開無理がありませんか?』という相反する内容が混在するところでしょうか。(褒めてます)
まず前者の『最後まで解からない謎』とは、“病院に籠城した犯人とその犯人が連れてきた人質女性の素性”そして“病棟に隔離されている人間の誰が主人公・秀悟の味方なのか”の2点です。
この2点の隠し方は非常に上手だったと思います


後者の『そんな謎は素人だってわかるし、その展開無理がありませんか?』とは、まずこの療養型病院に最新設備の手術室があり、しかもベッドが2台並べてあった時点で、この病院で極秘にどんな違法行為が行われていたのか想像つきますよね








とまぁ、細かい所で気になることもあったのだけれど、ラストまで謎は残っていて、しかも最後の最後にまた事件が起きて… と最初から最後まで楽しめました

読み易い本格ミステリーがお好きな方には間違いなくおすすめな1冊ですよ〜

また是非とも知念実希人さんの作品を読みたいと思います
