読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
太田愛 『天上の葦』

 

 

*あらすじ*

白昼、老人は渋谷の交差点で何もない空を指して絶命した。死の間際、老人はあの空に何を見ていたのか。突き止めれば一千万円の報酬を支払う。興信所を営む鑓水と修司のもとに不可解な依頼が舞い込む。

老人が死んだ同じ日、一人の公安警察官が忽然と姿を消した。その捜索を極秘裏に命じられる刑事・相馬。廃屋に残された夥しい血痕、老人のポケットから見つかった大手テレビ局社長の名刺、遠い過去から届いた一枚の葉書、そして闇の中の孔雀。

二つの事件がひとつに結ばれた先には、社会を一変させる犯罪が仕組まれていた。鑓水、修司、相馬の三人が最大の謎に挑む。

 

 

*感想*

すごい本でした…びっくり

壮大なスケールと、限りなくノンフィクションと感じる裏社会の在り方に、肌が粟立ちました…冷や汗

怖いけどこれが現実なのかもしれない…ショック

でも現実にさせてはいけないのだ。

と…

 

本書は、太田さんの過去の作品にも登場している、興信所を営む鑓水と修司、そして警察官の相馬が主人公として登場します。この三人が、ある老人が最後に空を指して絶命した謎と、失踪した警察官の行方を探っていく物語なのですが… 大物政治家、テレビ局社長、警察の公安部、などの有力者たちが次々に登場してきて、どんどん物語と謎が深くなり、気が付いた時には、本書の沼にどっぷりと浸かってしまいました。

 

しかし、物語中盤は少々読むのが辛かったなーたらーっ

上巻の最後になっても、何の謎も解き明かされず、鑓水たちと公安とのやり合いはハードボイルド系銃で私には興味が持てず、鑓水たちはとある島に渡ったものの、島民の何かを隠している素振りにイライラしてしまうという始末でね…モゴモゴ

しかし、もし私と同じように中盤が苦手でギブアップしたいと感じている人がこの感想文を読んでいましたら、どうか下巻のP73からの第14章『十月十日の真相』の76項から読んで下さい!!とうとう失踪していた山波が登場し、失踪に至った経緯が明らかになっていきます。そして十五章で綴られる戦争の悲劇を通して、なんとなく本書のメインテーマがわかるようになってきて、そこからはその歴史を踏まえて、これからの私たちの生き方を考えさせられる濃い物語になっていました。絶対に面白いですぴかぴかぴかぴか

 

 

↓ここからネタバレ↓

 

↓ここからネタバレ↓

 

↓ここからネタバレ↓

 

 

 

本書のテーマは言論の自由でした。テレビニュース、新聞、週刊誌などは事実だけを報道しているわけではなく、時には政治経済の有力者たちの不利益になるようなことは報道しないように有力者から圧力が掛かり、そして時に国民を扇動する働きもあるということを訴えているものでした。しかもそのための手段に、発言力のある善良な男を偽りの罪で犯罪者に仕立て上げることも厭わないという荒業も使うのですが、それは『一罰百戒』として、その他の関係者への『みせしめ』ともなるという、読んでいて怖いものでした。

しかもそんな荒業は現代に起きたのではなく、太平洋戦争の大本営発表の改ざん・隠蔽・捏造報道が結果として多くの人の命を奪ったという悲しい過去があるのに改まらないのだろうか?そう深く深く読者に問いかけ問題提起をしてくれる重く濃い内容の物語で感銘を受けましたポロリ

 

最期に正光が渋谷の空をゆび指した先にあったもの…

それは70年前のB29が覆い尽くした東京大空襲の空ではなくて、戦後の平和になった時に正光と喜重が見た子供用ロープウェイとそこから溢れ出す子どもたちの幸せで楽しい笑い声だったのですね。

この平和が未来永劫続くことを祈って。

 

情報に溢れている現代だからこそ読んでほしい作品です。

是非読んでみてくださいねぴかぴかぴかぴか

 

 



  ├ 太田愛 -
太田愛 『幻夏』

 

*あらすじ*

「俺の父親、ヒトゴロシなんだ」少女失踪事件を捜査する刑事・相馬は、現場で奇妙な印を発見し、23年前の苦い記憶を蘇らせる。台風一過の翌日、川岸にランドセルを置いたまま、親友だった同級生は消えた。奇妙な印を残して。人が犯した罪は、正しく裁かれ、正しく償われるのか?司法の信を問う意欲作。

 

*感想*

著者のデビュー作『犯罪者 クリミナル』がとても面白かったので、2作目の本書も読んでみました〜〜桜

が… うーん…あせあせ 私にはページをめくるスピードが上がらない作品でした… すみません泣き顔

 

なぜ尚は失踪したのか?

なぜ尚のランドセルには、失踪当日の時間割ではなくて、その翌日の教材が入っていたのか?

なぜ尚の父親は死んだのか?

23年後におきた、少女失踪事件は、尚の失踪事件と何か関係あるのか?

 

などなど、沢山の謎がちりばめられていて、真実をご自身で推理したい方にはとてもワクワクハラハラする内容だったのかもしれませんが、私は推理よりも、理性と感情の間で苦しみ、そして人生を運命という波に飲み込まれていくような群像劇が好きなので、本書のひたすら真実を捜査していく物語には興味を持てず、そして一刻も早く真実を知りたくて読み進めるのに、なかなか事件の全貌に関するヒントすら与えられなくてイライラしてしまいました唖然(普段はそんなに短気でせっかちなタイプではないんですがね…ひやひや

 

今回そのイライラがピークに達したのが(負の感想ですみません)、本書中盤を超えた213ページで、鑓水が23年前の香苗たちの年賀状が、その長い年月の間、どこに保管されていたのかを知った時の台詞、

『もしそうだとしたら、23年前の事件の様相は一変する。』

のところでした。

なぜならば、この『もしそうだとしたら』の内容が、その本文の直前も、その直後も綴られなかったからです!!

これには「もしも何がどーで、そうだとしたら、どう様相が一変するのよっ!」と、心の中で悪態をついてしまいました。恥ずかしながら…泣き顔

 

本書はただ単に私の好みでなかっただけで、現場に残された暗号の秘密や、冤罪事件も絡み、奥ゆきのあるストーリーで良かったは思いました。なので推理好きな人は楽しめる作品だと思いますよ〜るんるん

私の感想なんて気にせず、とりあえず読んでみて下さいね〜ラッキー

 



  ├ 太田愛 -
太田愛 『犯罪者 クリミナル』


*あらすじ*
白昼の駅前広場で多くの犠牲者を出した通り魔事件。その裏には社会を揺るがす恐るべき陰謀があった。ただひとり生き残った青年が、刑事と売文家の助けを借り、暗殺者に追われる逃亡生活の中、真相を追う。

*感想*
「相棒」「TRICK2」「ウルトラマンティガ」など人気作の脚本読書を書いている太田さんのデビュー小説という本書、とってもとっても面白かったですラブラブラブぴかぴか

上下巻合わせて800ページにも及ぶ長編なのですが、その構成は最初に起きた殺人事件がラストに解決されるという単調な作りではなく、下巻の中盤からはそれまで謎を「解いていく側」だった登場人物が、今度は「仕掛ける側」になるという大きな動きのあるものでしたラブ
その大きな枠組みだけでも面白い作りなのだけれど、各章でも人物の視点と時系列を飛ばして描くことにより、ジクソーパズルのピースが所々で組み合わさり、それらが更なる小さなピースをもって大きく繋がるように物語を作り上げていて、常にウズウズドキドキさせられ食いつくように読んでしまいました!!

「あと十日。十日、生き延びれば助かる」と修司に言った男
「ありがとよ、坊主。」の真意
高知県のホテルの地下駐車場で従業員を呼び出した男
杉田の自宅で発見されたホテルのバスマットが入った段ボール箱

ここには書き切れない程の多くの謎とトリックが本書には散りばめられていて、翻弄させられること間違いなしですよグッドラブ!! そして読後もう一度最初から読み返したくなるはずです。
また著者がテレビ出身なせいか、ドラマチックな見せ場も多いのも魅力的でした。
「あの人は、組織の中の良心なんだ」
にはジーンときたよ…ポロリ 映像化したらしっとりした雰囲気のBGMが流れる箇所間違いなしだねぴかぴか
構成だけでなく組み込まれている社会的問題の内容も、政界と財界の癒着・産業廃棄物の内容と処理方法・マスコミによる国民のイメージ誘導戦略 etc… と多岐に渡っていて本当に読み応えもあるし、本当に本書はアツく、「相棒」や「TRICK」を観て太田愛さんのファンになったの方も、そうでない方も、是非とも著者の小説デビュー作品を読んでみてください! 面白いですよ〜ラブラブ


  ├ 太田愛 -
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