読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
芦沢央 『雨利終活写真館』

 

*あらすじ*

遺影専門写真館を舞台にしたミステリー連作

『人生の最期に最愛の人へ最高の自分を贈るために』
巣鴨の路地裏に佇む遺影専門の雨利写真館には、今日も死に向き合う人々が訪れる。撮影にやって来る人々の生き様や遺された人の人生ドラマを若手注目ナンバー1新進気鋭のミステリー作家・芦沢央が見事な謎解きで紡ぎ出す。

人生の終焉を迎える時、人は、本当に大切な物が見えてくる。
ミステリー、なのに心温まる珠玉の4編。

一つ目の遺言状 ハナの祖母の遺言の謎。そこには驚きの仕掛けが。
十二年目の家族写真 母の死を巡り、父と息子の葛藤の日々が始まる。
三つ目の遺品 写真館に遺された一枚の写真。そこに写る妊婦は?
二枚目の遺影 末期癌を患う男性が撮った二枚の遺影写真。

 

*感想*

遺影専門の雨利写真館を舞台に、故人が残したクイズや真意を謎解くミステリー小説でした。

 

4話からなる短編集で、各話それぞれ遺影を通しての謎が用意されているのですが… 普通のミステリーというか、謎解き系を好みとしない私には少々退屈でした撃沈

舞台が『終活』『遺影』なので、故人の思いを考えると「感動的」とも取れる内容だとは思うのですが、それにしても「まどろっこしい」というか…あせあせ 雨利写真館のスタッフたちも、実は腹黒いオーナー、寡黙なカメラマン、エセ関西弁を話すおちゃらけアシスタント、そして失恋して傷心の主人公という、まぁ王道な配置で、安定感を通り越して凡庸に近かったです。

 

ってズラズラとネガティブな感想ばかり書いてしまいすみません泣き顔

じつは、本書を手に取った時に、何故か最後の「参考文献・謝辞」のページがまず目に留まったのですが、そこには

 

執筆にあたり、多くの文献・ウェブサイト等を参考にいたしましたが、書名から物語の展開が予測し得るため、あえて割愛させていただきます

 

って書いてあったのですよ!!

ちょっとこんなの読んだら

「えええっっっ!! どんな展開が待ち受けているのっ!?ラブラブ

って期待しちゃうじゃないですか

なので、期待過剰に本書を読み始めてしまったせいもあるかもしれません。

 

確かに、各話しっかりとそれぞれ予測不可能な良いオチが用意されていたと思います。でも予測不可能だったから感動するかどうかは別の話でね…汗

 

 

内容は好みではなかったのですが、私は本書から1つ、ものすごく重大なことを学びました。

それはですね、こんな所で自分のコアな部分をさらけ出すのも申し訳ないのですが…

私はですね、じつは自分の事が嫌いなんです…

何不自由ない生活を送って、好きな本を読んで、アイドル応援活動して、毎日楽しく暮らしている気がするのだけれど、どうしても自分のことが好きになれなくて、なぜこんなにも自分を好きになれないのか漠然としかその理由がわからなかったのが、本書を読んでやっとわかったのです。

それは3話目の『三つ目の遺品』にある一文で

『そういうことじゃなくて… 私が、私を許せないんです』

でした。

そうなんです、私は、過去や現在で何か上手くいってない(いかなかった)ことに対する自分の行いや思考を許せてないんです… 許せないのに、自分を変えられない、そんな自分が嫌い。この無限ループに陥っていることにやっと気づくことができました。。。ポロリ 芦沢さんありがとうございます。

 

内容が好みではなくても、何かしら気が付かされることがあったり、楽しめることがある読書ってやっぱり素晴らしいですよね。

 

終活にまだまだ無縁な方も是非本書を読んでみてくださいね〜かわいい



  ├ 芦沢央 -
芦沢央 『許されようとは思いません』

 

*あらすじ*

かつて祖母が暮らしていた村を訪ねた「私」。祖母は、同居していた曾祖父を惨殺して村から追放されたのだ。祖母はなぜ、余命わずかだったはずの曾祖父を殺さねばならなかったのか… 究極の選択を迫られた人たちの悲劇を、端正な筆致と鮮やかなレトリックで描き出す、日常に潜む狂気を描いた全5編。

 

*感想*

故意的、または必然的に事件を起こした人々を描いた短編集でした。

主人公たちにはそれぞれに貫きたい思いがあって事件を起こしてしまうので、その“思い”に共感したり、共感できずに驚いたりと、読み応えがあり面白かったですわーい

 

かわいい5編のあらすじかわいい

『許されようとは思いません』同居する曾祖父を惨殺した祖母の真意は…

『目撃者はいなかった』仕事のミスを隠蔽中に交通事故に遭遇してしまい…

『ありがとう、ばあば』祖母に価値観を押し付けられて生きる少女は…

『姉のように』育児に疲れを感じるあるママはとうとう…

『絵の中の男』絵が描けなくなってしまった芸術家の末路は…

 

私は2話目の『目撃者はいなかった』がとても気に入りました桜ぴかぴかぴかぴか

仕事でのミスを隠蔽するためにとある場所に赴いた葛木修哉が、交通事故を目撃してしまった。しかし、その交通事故の真相を警察に話せば、なぜ修哉がそこに居合わせたのかも話さなければならなくなるので、交通事故を目撃したことを黙っていようと決め込むのだが…

という物語で、かなりハラハラドキドキさせられましたラブ

 

まず、仕事のミスを隠蔽しようとしてしまうところが、近年のニュースでも話題となった「出社したくなかったから『強盗に襲われた』と自作自演した男」や、「残業が嫌で郵便物を捨てていた郵便配達員」などを思い出させ、現代的だなと苦笑させられましたたらーっ(笑いごとじゃないけれど)。

そして、隠蔽を決めた割には、小心で、その後もヒヤヒヤドキドキ唖然と生活する修哉の心理描写はとても感情移入できて良かったです(私も小心者なので)。

あと、目撃してしまった交通事故で死亡者側に不利な捜査状況になってきているという怖さなどもリアルで、とにかく終始没頭して読みふけり、最後の最後にもう一度修哉に「会社や警察に本当の事を話すべきか、否か」という究極の選択が与えられる展開は秀逸でした!!!!

 

その他の4編は、家庭での問題が主になってくるので、未婚の方には想像し難い動機や展開かもしれないなと思ったのですが、各話50ページ程度の物語でサクっと読めるので、機会があったら是非読んでみてくださいね〜ムード



  ├ 芦沢央 -
芦沢央 『罪の余白』

 

 

*あらすじ*

安藤の娘、加奈が学校で転落死した。「全然悩んでいるようには見えなかった」。クラスメートからの手紙を受け取った安藤の心に、娘が死を選んだ本当の理由を知りたい、という思いが強く芽生える。安藤の家を弔問に訪れた少女、娘の日記を探す安藤。二人が出逢った時、悪魔の心が蠢き出す…。女子高生達の罪深い遊戯、娘を思う父の暴走する心を、サスペンスフルに描く。

「第3回」野生時代 フロンティア文学賞受賞作

 

*感想*

いじめや自殺はこの世から失くすべきことであると思うので、いじめを題材にした小説を「ありきたり」なんて言っては良くないと思いますが、“スクールカースト”“女子のグループへの執着”“いじめ”“自殺”“真実を知りたいと願う親”という、現代社会の日常のすぐ傍にある問題をベースに描かれた本書は、新鮮味や斬新さを感じられず、私にはあまり没頭できる作品ではありませんでした泣き顔

 

心理描写は上手いです。加害者側、被害者側、どちらからの視点からも物語が綴られるので、巧みに加奈を死に追い込む木場咲の手法と、追い詰められていった加奈の心情。十代の女子ならではの世界がそこにあり、臨場感がありました。

しかし、「ベタ(闘魚)」とアスペルガー症候群で高機能自閉症の「小沢早苗」の本編への関わり方が、私にはどうも受け入れられなくて、その2つが本編とは乖離している存在に感じてしまいました唖然

ベタという熱帯魚はさほど一般的ではないと思うので(私は本書を読むまで知らなかったです)、ベタを本書に登場させることによって何を伝えたかったか理解できませんでした。雄同士を同じ水槽に入れると本能的に戦ってしまうそうですが、本書の被害者と加害者は女子同士ですし、交尾後に意識を失うダリを見て「死んでいるのではない」にも意味があったとも思えないし…。そして早苗の存在も、加奈を失った聡を支える人間が必要だったのはわかりますが、それがアスペルガー症候群で高機能自閉症だという女性である必要と理由があったでしょうか?

ダブルバインド、線路上のトロッコの話などの理屈っぽい要素を本文に取り入れながらも、ベタと早苗の存在の理屈が明確ではない、その矛盾が私には著者がただ知識を披露したかっただけに感じてしまったのかもしれません。

 

終盤の聡と咲の心理戦は面白かったのですが、評価は少々低めです。すみません…がく〜



  ├ 芦沢央 -
1/1PAGES
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>
Category
Profile
Archives
Comment
Search
Mobile
qrcode
Sponsored Links