読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
村田沙耶香 『消滅世界』

*あらすじ*

「セックス」も「家族」も、世界から消える…

世界大戦をきっかけに、人工授精が飛躍的に発達した日本。人は皆、人工授精で子供を産むようになり、生殖と快楽が分離した世界では、夫婦間のセックスは〈近親相姦〉とタブー視され、恋や快楽の対象は、恋人やキャラになる。

そんな世界で父と母の〈交尾〉で生まれた主人公・雨音。彼女は朔と結婚し、母親とは違う、セックスのない清潔で無菌な家族をつくったはずだった。だがあることをきっかけに、朔とともに、千葉にある実験都市・楽園(エデン)に移住する。そこでは男性も人工子宮によって妊娠ができる、〈家族〉によらない新たな繁殖システムが試みられていた…

 

*感想*

すごい本でした…びっくり すごい世界でした…びっくり

 

人工授精による妊娠が当然の世界となったため、恋愛の延長にセックスがなくなり、夫婦間のセックスは『近親相姦』という扱いの上、夫婦お互いに別の恋人が家庭外にいてもかまわない。そして男性が人工子宮で妊娠ができる世界へと向かってゆく…

 

という怖〜い物語なのですが…

何が怖いって、本当に未来はこうなる気がするのが怖かったです唖然

 

若者の草食化、3次元キャラとの恋、夫婦間のセックスレス問題、晩婚化による自然妊娠の難しさを考えると、この物語の描いている世界は将来現実になるかもしれないですよね。

必要と利便性に応じてスタイルや常識も変化してゆく。性欲を持たずとも、子孫繁栄することができるならば、いずれ異性に触れたいという欲求も消えてゆくのかもしれない…どんっ

 

本書は、そういう新しい(?)基準の世界で、一人の女性(雨音)が恋愛とは?セックスとは?家庭とは?と悩みながら生きてゆく物語なので、現代の恋愛・性・家庭などの在り方について疑問や不満を持たない方には、ぶっ飛び過ぎている内容に感じるかもしれませんモゴモゴ。しかし現在の日本の状況を見ていると「絶対にこんな未来はこない!」とも断言できないリアリティーがあるので是非是非読んでみてほしいです!!ちなみに本書の根底は著者の『殺人出産』に収録されている「清潔な結婚」だと思うので、「清潔な〜」が楽しめた方には本書は絶対におすすめですよぴかぴか桜

 

私は「清潔な〜」の時の感想にも書きましたが、夫婦間の役割と関係性について思うことがあるので、本書をとても楽しめました。雨音夫婦がそれぞれお互いの恋人の話をしたり、水人夫婦が水人の彼女である雨音と3人で食事をしたりする関係がちょっと羨ましかったな(引かないでくださいねひやひや

 

物語終盤の楽園(エデン)での生活は、完全に「家族」「家庭」が崩壊した世界で、人間の子供がまるでロボットか愛玩動物の様に育てられてゆく描写が気持ち悪くて受け入れられませんでしたが、

 

どういう未来にしていきたいか。どういう未来にしていくべきか。

 

を考える良いきっかけにもなった作品でした桜

 

想像を超えた世界がここにはあるので、是非是非読んでみてくださいねぴかぴか

何十年後かに「この小説はフィクションでなく予言書だった!」という日がくるかもしれませんよ〜〜イヒヒイヒヒ



  ├ 村田沙耶香 -
村田沙耶香 『コンビニ人間』



*あらすじ*
36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが…。
「普通」とは何か?現代の実存を軽やかに問う衝撃作。第155回芥川賞受賞。

*感想*
村田さん、芥川賞受賞おめでとうございます(*´∀`*)ノ
遅ればせながら、読ませて頂きました♪

芥川賞=純文学 という図式が出来ていて、人によっては芥川賞受賞作品は読みにくい、理解するのが難しいイメージがあるかもしれませんが、本作品は文学でありながらもエンタメ的なハラハラすることもあって、とても読みやすい作品でしたヽ(^o^)丿

自分は社会不適合者かもしれないと思ったことありませんか?もしくは、その場の“異物”にならないために周りの人々の思考や気持ちに、自分の本当の思いとは違っても、同調したことはありますか?
多分ほとんどの方が“いじめ”にあわないために、意識的にも不意識にもやっていることだと思いますが「あ〜あるある。そういう時あるわ」って思った方は、間違いなく本書を楽しめると思いますよ!o(^▽^)o

というのも、本書の主人公(恵子)は、そうやって周りに合わせながら、周りが“普通”と思う生き方をしようとする女性だからです。そして物語の中盤からは、恵子とは逆に自我を押し通し過ぎて、社会から排除され、身を隠して生きようとする白羽くんという男も出てきて、周り(社会)に合わせて生きないとどうなるか?というのが恐ろしくリアルに描かれ、今まで自分が漠然と“普通”であるために選んできた生き方が、それで良かったのか?正しかったのか?という思考と価値観に、村田さんの文章がザクザク胸に良い意味で刺さりました

特に「文章で読むと重みが増すなぁ…」と感じた箇所は
◆「プライベートな質問は、ぼやかして答えれば、向こうが勝手に解釈してくれるから」
◆皆、変なものには土足で踏み入って、その原因を解明する権利があると思っている。
◆あ、私、異物になっている。ぼんやりと私は思った。正常な世界はとても強引だから、異物は静かに削除される。まっとうでない人間は処理されていく。

の3箇所でした。
白羽くんに言わせれば、縄文時代から続いている社会ってやつなんですよね、これが。。。

なんだか暗めな感想になってしまいましたが、ラストは「他人が良い」と言うことを真似して生きてきた恵子が、自身で進路を決断するという気持ちの良い終わり方で爽やかな結末で良かったです(*'▽'*)

最初にも書きましたが、読みやすい作品で、2時間位で一気に読める作品なので、皆さんも是非読んでみて下さいね(ゝω・)!



  ├ 村田沙耶香 -
村田沙耶香 『殺人出産』


*あらすじ*
「産み人」となり、10人産めば、1人殺してもいい―。そんな「殺人出産制度」が認められた世界では、「産み人」は命を作る尊い存在として崇められていた。育子の職場でも、またひとり「産み人」となり、人々の賞賛を浴びていた。素晴らしい行為をたたえながらも、どこか複雑な思いを抱く育子。それは、彼女が抱える、人には言えないある秘密のせいなのかもしれない…。
三人での交際が流行する、奇妙な世界を描いた「トリプル」など、短篇3作も併録。普遍の価値観を揺さぶる挑戦的作品集。

*感想*
村田さんは仲良しの朝井リョウさんなどの作家仲間から「クレイジー沙耶香」と呼ばれているそうなのですが、うーん…確かに本書はかなり「クレイジー」でしたイヒヒ でもその「クレイジー」は、私の中の固定観念・価値観・常識をとても揺さぶり、本書中で繰り広げられている世界こそが「正しい世界」なのではないかと錯覚する瞬間もあり、面白いというより興味深い作品でしたぴかぴかぴかぴか

本書には短編が4編収録されています
◆『殺人出産』「産み人」となり、10人産めば、1人殺しても良い。そんな「殺人出産制度」が認められた世界
◆『トリプル』2人というカップルでの交際ではなく、「トリプル」という3人での交際が流行り、一般化しつつある世界
◆『清潔な結婚』夫婦間から「性」を排除した、新しいスタイルの結婚生活を送る夫婦がいる世界
◆『余命』延命処置の飛躍的進歩により寿命がなくなり、最期の迎え方を自分で選べるようになった世界

とまぁ、かなりぶっ飛んだ内容なのですが、じつは人口減、同性婚、少子高齢化、草食化などの社会を反映している内容で、どの作品も考えさせられる部分も多かったです。

中でも一番私が考えさせられたのは『清潔な結婚』でした。
この話は、性行為を行わないという約束で夫婦になった人のお話なのですが、その理由がとてもしっくりきたのです

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家族なのに女であることを求められたり、一方で友達のような理解者であることを求められたり、母親になったりしなくてはいけないことに矛盾を感じる。
性的嗜好に合った相手が、家族としてふさわしい人間だとは限らないし、その逆に家族として適している人物に、性的に興奮するとは限らない。
(本文抜粋)
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どうですか?既婚者の皆さん「まさしく!!」だと思いませんか!?この理由!!
結局「性欲」は「欲」ですから、個人差が大きいものなのですよね。それなのにその処理は「夫婦間のみでどうにかしてください」ということになっていて、おかげで苦しんでいる人が多くいるな…というのが、私の個人的印象なのです。 それは理性を持つ生き物(人間)だから、規制されて当然で、それを守って当然なのかもしれないけれど…
とまぁ、色々と思う事があるので、この『清潔な結婚』は私にとってとても目から鱗で、興味深く楽しく読めましたモグモグしかも、この性行為NG夫婦が子供を持つべく行う医療行為(?)による受精シーンがシュールすぎで、一人でクスクスゲラゲラ笑ってしまいましたてれちゃう

村田さんの作品は、世の中を新しい切り口で魅せてくれる素晴らしい作家さんですね桜
全体的には暗いストーリー展開ですが、ふっとした所にシュールなユーモアがあってクセになりそうです。
次回は『女子にぴったり!可愛い死に方100選』か『愛される死に方ランキング☆図解説明付き』でも読んでみようかな(笑)←『余命』を参照くださいムード


  ├ 村田沙耶香 -
村田沙耶香 『授乳』


*あらすじ*
受験を控えた私の元にやってきた家庭教師の「先生」。授業は週に2回。火曜に数学、金曜に英語。私を苛立たせる母と思春期の女の子を逆上させる要素を少しだけ持つ父。その家の中で私と先生は何かを共有し、この部屋だけの特別な空気を閉じ込めたはずだった。「―ねえ、ゲームしようよ」。表題作他2編。

*感想*
村田さん、『コンビニ人間』で芥川賞受賞おめでとうございます桜ぴかぴか祝 受賞記念というわけではないのですが、村田さんの作品も前々から気になっていたので、デビュー作の『授乳』を読んでみました〜〜ラブ

読んだ感想は…
さすが芥川賞作家さん!!感性が瑞々しく、文学的内容すぎて、私のストライクゾーンではなかったわー!! です(笑)ストレートにすみませんたらーっ

本書には『授乳』(群像新人文学賞受賞作)『コイビト』『御伽の部屋』という3編が収録されています。主人公は全て未婚女性で、日頃の自分とは違う人間を本能のままに、欲望のままに、気の向くままに演じるかの様な世界が繰り広げられます。
『授乳』では高校生女子が、家庭教師の大学生男子の心を支配して授乳し、
『コイビト』では大学生と小学生女子がぬいぐるみを人間の恋人の様に扱い、
『御伽の部屋』ではとあるアパートの一室で、まるで親しい間柄を装う男女がいる。
どの話も設定はかなり異常で、その異常行動を読者に読ませきる著者の筆力が凄い。凡人が書いたら支離滅裂で物語が破綻するであろう世界を、読者に理解できなさそうで、理解させて、でもやっぱり理解できない(←私のパターン)という文学世界を描いていました。

残念ながら私の感性には響かなかったけれど、確かに文章は美しいし(『授乳』の修羅場で『母の背中は、少しも震えていなかった。確かにその時、母からにょきにょき「母」が生えてきたのだ』と表現した所がスキでしたラブ)、凄い世界観をお持ちの作家さんだというのは読んでいてわかったので、これからもちょくちょく村田さんの作品を読んでいきたいと思いますわーい


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