読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
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櫛木理宇 『寄居虫女 ヤドカリオンナ』

 

 *あらすじ*

平凡な家庭の主婦・留美子は、ある日玄関先で、事故で亡くした息子と同じ名前の少年と出会い、家に入れてしまう。後日、少年を追って現れたのは、白いワンピースに白塗りの厚化粧を施した異様な女。少年の母だという女は、山口葉月と名乗り、やがて家に「寄生」を始める。浸食され壊れ始める家族の姿に、高校生の次女・美海はおののきつつも、葉月への抵抗を始め…。

 

*感想*

気持ち悪い話でした…(>_<)本当に…櫛木さんもかなりのイヤミスをお書きになられるお方なのですね…

どういう“気持ち悪い”かと言うと、ゾンビ・お化け・血みどろなどの視覚的気持ち悪さではなくて、人間が人の心と判断力を失っていく怖さを、じっくり・べっとり・ねっとりと描く“気持ち悪さ”でした。。。もう気持ち悪いを通り越して「恐怖」でしたよ…

 

物語は、山口葉月という女が、とある家庭を自分の支配下に置き、そして家と家庭を乗っ取るという物語でした。これだけ読むと「そんな簡単に家や家庭を乗っ取ることなんてできるの?」と思うかもしれませんが、本書ではその辺の手法もなかなか具体的に描いていて、かなり説得力のある内容だったと思います。

 

そして本書は構成も良かったです!!

 

1章〜4章で「山口葉月という女に家を乗っ取られ始めている家族の話」(現在)

が具体的に描かれ、

それと同時に各章の幕間に「かつて山口葉月に家を乗っ取られた人の話」(過去)

が綴られるのです。

 

なので、このままいくと“章”の部分で葉月に家を乗っ取られかけている皆川家も破滅に向かうのだろうと推測ができてしまうので、「皆川家の皆さんしっかりして(:_;)!!」とハラハラもして、より楽しめました(気持ちわるいけど)

しかも、物語が後半になっていると、過去の葉月と、現在の葉月に何か違和感を感じるようになり… その理由やトリックもラストでは見事に収束されていて、スッキリと終われました(気持ち悪いけど)

 

でも私が一番戦慄したのは、読み終えて巻末の「引用・参考文献」で『消された一家 北九州・連続監禁殺人事件』という文字を読んだときでした(>_<)

そうだ!そうだ!こういう家族をマインドコントロールして、本書中でもあったように互いを監視させて、殺害させて、そして死体処理までさせていた事件が実際に日本であったんだった!!と思い出しました…

 

本書はその実際の事件を参考にしたフィクションですが、実際にこういう悲惨な事件がいつ自分の身に降りかかるかわからないってことですよね…

怖い…怖い… そして気持ち悪い…

 

間違いなく気持ち悪い作品ですけれど、気持ち悪い=面白い という意味なので、是非読んでみてください♪

 



  ├ 櫛木理宇 -
櫛木理宇 『世界が赫に染まる日に』


*あらすじ*
中学3年生の緒方櫂は、従兄妹の未来を奪った加害者に復讐を誓った。自分の左目は見た者を石にする“邪眼”だと称する高橋文稀は、15歳の誕生日に自殺する計画を立てた。夜の公園で出逢った二人は、文稀が死ぬまでの間、櫂の復讐に協力する契約を結ぶ。予行演習として、少年法に守られ罰せられない犯罪者たちを一人ずつ襲っていくが、彼らの制裁は次第にエスカレートしていき―。復讐の意味を問いかける衝撃作。

*感想*
いじめによって心と体に傷を負わされた従兄妹の復讐をするべく、少年2人がいじめ加害者たちを襲っていくという話でした。

このあらすじを読んだ時に「私刑は許されるのか?」という社会派小説的な疑問(ズバリ私の好きな系統ぴかぴか)が頭に浮かび、本書をワクワクラブしながら読んだのですが・・・ 本書はどちらかといえば、「報復」「私刑」「少年犯罪者たちへの処罰」という考えさせられる内容よりも、バイオレンス小説に近かったと思います。

過激な小説という意味では人体を痛めつける記述が多くインパクトがありましたが、倫理的には読者に問い掛けてくるものが少なくて、また主人公の相棒となる14歳の少年が自分の目は“邪眼”だと言ったりする辺りに『中2病』たらーっを感じさせ、大人よりも若い子向きの作品かなと思いました。 あ、でも一箇所とても考えさせられた文章がありました。それは…

「少年法というのはもともと、戦後に町へあふれかえった戦災孤児に対する情状酌量措置として制定されたそうだ。でも、女を強姦できるようなやつはほんとうに“少年”なのかな。女を犯すことは、情状酌量の余地ある犯罪かな。はたして強姦は、少年法で守られるべき罪状と言えるのかな?」
というもの。

2007年に少年院送致の年齢下限を「14歳以上」から「おおむね12歳以上」に引き下げられたそうなので、現在では強姦をした犯罪者が少年法で守られているというケースは少ないかもしれませんが、少年法の定義について考えさせられました。

ラストもどっかのバイオレンス映画そのまんまの終わり方みたい感じだったので私はあまり楽しめなかったのですが、櫛木さんの選ぶ小説のテーマは嫌いじゃないので、また他の作品を読んでみたいと思います桜


  ├ 櫛木理宇 -
櫛木理宇 『チェインドッグ』


*あらすじ*
鬱屈した日々を送る大学生、筧井雅也に届いた一通の手紙。それは稀代の連続殺人犯・榛村大和からのものだった。
「罪は認めるが、最後の一件だけは冤罪だ。それを証明してくれないか?」
そう訴える大和のため、事件の再調査を決めた雅也。パン屋の店主だった大和の人生に潜む負の連鎖を知るうち、雅也は大和に魅せられ始める。一つ一つの選択が明らかにしていく残酷な真実とは?俊英が描く傑作ミステリ登場。

*感想*
表紙の女の子の絵から受ける印象と、小説中身のミステリーにギャップを感じた作品でしたイヒヒ

表紙だけ見ると少々ラノベ風で、主人公が女学生なのかな?とも思ったのですが、読んでみると主人公は男子大学生(しかもかなり内向的)だし、その彼を動かすキーマンというのが、死刑宣告を受けて拘置所で控訴中の連続殺人犯という、かなりハードなストーリー展開でした。とても面白かったです桜

主人公の雅也が連続殺人犯・榛村の歴史を調べていく過程は、吉田修一さんの『悪人』の様に、それぞれの立場の人から見た榛村が語られるので、読者にも榛村の魅力がよく伝わるようになっていて、しかしそれと同時に引き合いに出される歴史上実在の連続殺人犯たちの話(ジャック・ザ・リッパー、テッド・バンディ、ジョン・ウェイン・ゲイシーetc…)を知ることにより榛村も負けずと残虐・残酷な男だというのを再認識し、榛村をこれ以上知りたくない様で、もっと知りたいという絶妙なバランス展開の本でしたぴかぴか

そして本書後半になると主人公も読者も気が付くのです、自分がどれだけ榛村に魅せられているのかと。いや、殺人鬼に対して「魅せられている」というと語弊が生じるかもしれませんね… 単純に言えば「何か真相なのかが気になる」ということです。もうそこまできたら、ほんと読者は榛村と著者の手中に収まってしまったもので、完全に本書に魅了されていた私はエピローグとラスト1行を読むことによってやっと目を覚ます事ができました。

人は人から必要とされることに悦びを感じるということや、憧れの人がいると模倣したくなるというような習性を見事にミステリーに融合させ、どこか遠い世界の話に感じてしまう連続殺人と虐待というものを、他人事ではなくもっと身近に感じた作品で入り込みやすかったですぴかぴか

ラスト1行になんて書かれているのか、是非皆さんもご自身で読んでみてくださいね!!


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