読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
中脇初枝 『世界の果てのこどもたち』


*あらすじ*
戦時中、高知県から親に連れられて満洲にやってきた珠子。言葉も通じない場所での新しい生活に馴染んでいく中、彼女は朝鮮人の美子(ミジャ)と、恵まれた家庭で育った茉莉と出会う。お互いが何人なのかも知らなかった幼い三人は、あることをきっかけに友情で結ばれる。しかし終戦が訪れ、珠子は中国戦争孤児になってしまう。美子は日本で差別を受け、茉莉は横浜の空襲で家族を失い、三人は別々の人生を歩むことになった。
あの戦争は、誰のためのものだったのだろうか。
『きみはいい子』『わたしをみつけて』で多くの読者に感動を与えた著者が、二十年以上も暖めてきた、新たな代表作。

*感想*
小説を読んで泣くことは多々あるけれど、今までで一番泣いた作品でした。深夜に読みながら声を殺して泣くものの、どうしても嗚咽がこぼれ、そして辛すぎて読むのを止めても涙が止まらず、寝ようと入った布団の中でも泣き、翌日目を腫らしてしまう。その繰り返しでした。
本書は「戦争は誰がなんのためにしたものだったのか?」「国籍って?」「国が他国に行った暴挙の罪を、その国の国民はどうその罪を背負っていくべきなのか?」などなど沢山考えさせられました。戦争がどれほど残酷に人を死なせるものなのか、きっと多くの人が『はだしのゲン』で知っていると思います。しかし戦争で亡くなったのは、軍人だけでなく、原爆を落とされた地域の人だけでなく、空襲にあった人、そして満州に開拓民として移住していた人だってそうだったのだと、本書を読んでやっと思い至りました。平和な時代に生まれたとはいえ、本書を読み自分の無知さを猛省しました。

本書のストーリーは、昭和18年の戦時中から始まります。戦争による貧困で、高知県から満州に開拓民として移住した珠子がそこで朝鮮人の美子と、裕福な家庭で育った茉莉と出会い、そこからの3人3様な人生を描いているものでした。
その3人のその後の人生は、本当に壮絶で、読んでいて何度も泣いてしまいました。特に私が読んでいて辛かったのは、満州で日本人たちが敵地からの脱出を成功させるために、足手まといになる赤ちゃんや幼児、そして高齢者を家族が見捨てたり殺害する場面です。親に殺される子供、子供に見捨てられる親。こんな悲劇を産み出すのは戦争という極限状態しかありません。可愛い我が子の命よりもこの世に大切なものなどあるはずないのに…  
その他にも、日本で空襲にあってしまった茉莉の生活、日本で人種の壁にぶつかりながら暮す美子の話も詳しく描かれていて、読んでいて非常に辛く、この様な悲劇を二度と繰り返してはいけないと強く思いました。

ここの感想文では述べきれない程、本書には沢山の歴史と悲劇が綴られているのですが、それでも日本と世界の歴史からみたら、ごくわずかな内容でしかないのですよね。それでも、是非とも本書を皆さんに読んでもらって、当時こういう子供もいたのだと私たちは知るべきだと私は思います。だから本当に皆さんに本書を読んで頂きたい。本書前半の満州での平和な生活ぶりの辺りは穏やかな内容すぎて少々読んでいて眠くなるかと思いますが、中盤から涙とページをめくる手が止まらなくなること間違いなしですので読んでください!

テロも戦争も貧困も人種差別もなくなり、世界中の人々が平和に幸せに生きられますように!


  ├ 中脇初枝 -
中脇初枝 『わたしをみつけて』


*あらすじ*
施設で育ち、今は准看護師として働く弥生は、問題がある医師にも異議は唱えない。なぜならやっと得た居場所を失いたくないから―。『きみはいい子』で光をあてた家族の問題に加え、今作では医療現場の問題にも鋭く切り込んでいく。新境地となる書き下ろし長編。

*感想*
親に捨てられ施設で育ったという過去から、自分の居場所をもう失わないように、自我を押し殺して生きてきた弥生。しかし勤務する病院にやってきた新師長と菊池さんという患者さんが、そんな弥生を少しずつ変えていく… という物語でした。

主人公が施設育ちで、その後の人生を地味に孤独に生きているという状況が最初に描かれていたため、最初は本書を「安っぽいお涙頂戴小説」に感じました。しかし読み進めてみると、想像以上に本書に込められているメインストーリーが良くて(メインストーリー=わたしをみつけて)本気で泣いてしまいました悲しい

これは「親に捨てられた」「施設で育った」などの人生における「持ち札」が自分を不幸にしているのではなく、自分の心との向き合い方で全てが変わると教えてくれていました。そして自分を変えられるのは自分だけなのだけれども、そんな自分を陰ながら見てくれている人がいる、支えてくれている。ということもしっかり描かれていて、読後に自分を育ててくれた人々に感謝もしたくなる作品だったんですぴかぴか
って、ここまでの感想を読むと、それこそ「安っぽい」感がある気がするのですが…その主題を伝えていく中脇さんの文章が本当に素晴らしいんですよラブラブ
特に私が感銘を受けたのは師長のこの言葉

「若いひとが、自分探しとか言って、ほんとの自分を探して旅したり、転職してみたりするでしょ。ほんとの自分がどこかにいると思ってる?ほんとの自分なんてね、なんだっていいのよ。そんなのないと言ってもいい。仮面をかぶって三十年もたてば、それがほんとの自分。」


はぁ〜私も藤堂師長みたいお方と一緒にお仕事したいです〜
いや、私も師長みたいに強く信念を持った生き方ができるように頑張るわ!
本当の私はかなり弱い人間だけれども、仮面をかぶって何十年が経てば、強い人間になれてたりすると信じてね!

短い小説ながらも、障がいを持った人の医療受診の難しさについても触れていたりして、色々な意味で他者との接し方についても考えさせられた良い作品でしたよ〜桜


  ├ 中脇初枝 -
中脇初枝 『きみはいい子』

*あらすじ*
ある雨の日の夕方、ある同じ町を舞台に、誰かのたったひとことや、ほんの少しの思いやりが生むかもしれない光を描き出した連作短篇集。
夕方五時までは帰ってくるなと言われ、雨の日も校庭にたたずむ生徒と新任教師との心のふれあいを描く「サンタさんの来ない家」をはじめ、娘に手を上げてしまう母親とママ友との物語、ひとり暮らしが長くなった老女と、家を訪ねてきたある男の子との物語など、胸を打つ作品を五篇収録。
人間の優しさとその優しさが生む光が、どれほど尊くかけがえのないものかをあらためて感じさせる感動作。

*感想*
私自身、出産して育児を経験するまで「虐待」とは他人事で、虐待する親を「犯罪者」という目でしか見ていませんでした。しかし2児の母となった今、「虐待」は私のすぐそばにも迫っていて日常の陰に潜んでいるものだと感じています。
この私の気持ちは、育児経験のある人ならきっとわかってくれますよね… それと同じ位に、本書で描かれる育児と虐待についても、育児経験のある方なら理解や思い当たる節があったりする内容になっていると思います。
(注:「理解」とは、虐待を容認するとの意味ではないですからね!

本書は虐待がテーマなのですが、子供をただ痛めつけるような内容ではなくて、そこから派生する人間関係と、そして虐待している大人へ差し伸べられる他人の優しい思いが描かれていて、救いのある内容で良かったです。そして胸に沁みわたるセリフがたくさんありました悲しい
「怖かったのも、触れたかったのも、おかあさんの手だった。」
「幸せなひとだけが、幸せをひとに分けてあげられる。」
「しあわせは、晩ごはんを食べておふろに入ってふとんに入っておかあさんにおやすみを言ってもらうときの気持ちです。」

本書を読んで、子供にとってどれだけ「母親」と「家庭」が大きな存在なのか再認識させられ、そして子供に「叱る」ではなく「怒る」ことを時々してしまう自分を恥じました。明日からまた育児を頑張ろうと思わせてくれた本書に感謝です!

育児中の方、育児を終えた方も是非是非読んでみてください。読後我が子を抱きしめたくなること間違いなしですポッ


  ├ 中脇初枝 -
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