読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
仙川環 『無言の旅人』


*あらすじ*
交通事故で意識不明になった三島耕一の自宅から尊厳死の要望書が見つかった。延命処置を一切拒否するという内容に、耕一との結婚を控える大木公子や家族は激しく動揺する。触れれば温かい身体を失ってまで、望む死を叶えるべきなのか?苦渋の選択を迫られた公子たちが決断を下した時、耕一の身に異変が―。胸をつく慟哭の医療ミステリ。

*感想*
元医療ジャーナリストの著者による「尊厳死」を題材に描かれたミステリー小説でした。

物語の前半は、三島耕一の尊厳死をめぐる家族・婚約者・医師の苦悩を描いているのですが、後半はとある医療事故の話へとシフトしていきます。ネタバレになるので誰のどの様な医療事故なのかはここでは伏せておきますが、全ては「尊厳死」に関わる流れなので、尊厳死について自分なりの経験や意見がある方にはかなり深く考えさせられながら読める作品だと思いました。

かくいう私はというと… まだ尊厳死について身近ではない生活を送っているのですが、本書を読みながら「親」と「婚約者」では尊厳死を遂行するかどうか、自分の意見が分かれるのではないかと思いながら読んでいました。
つまり、自分の両親や配偶者が意識不明になった場合、本人が尊厳死を強く希望していたならば私はそれを受け入れる努力をすると思うんです。でもそれが我が子だった場合…はっきり言って受け入れられないと思いますポロリ やはり自分のお腹を痛めて産み育ててきた子供に先立たれるというのは、想像を絶する辛さだと思うのです。今現在も自分よりも長生きすると信じて育児もしていますしね…。なので、本中の耕一の母親・芳子の気持ちは非常によくわかったし、医療事故で疑心暗鬼になっている姿は一人の親として当然のなりゆきかとも思いましたポロリ

自分が意識不明になった時に周りの人々に極力迷惑をかけたくないというのは誰もが思うところでしょうが、尊厳死を希望することによってどの様な苦悩を周りの人々が抱くのかをとてもわかりやすく描いているテキストであり、ミステリーもあるエンタメ小説の本書、読んでおいて損はないと思いますよ〜わーい


  ├ 仙川環 -
仙川環 『誤飲』


*あらすじ*
睡眠薬、向精神薬、経口避妊薬、抗ウイルス薬…。誰もが日常的に手にしている薬を巡って、ごく普通の人間関係が奇妙に絡まり合い、崩壊していく恐怖を描く、著者新境地の連作集。『感染』の仙川環が贈る大人気医療ミステリーシリーズ第六弾。

*感想*
飽きずに仙川作品を立て続けに読んでますよ〜わーい
本書は著者の初となる連作短編集だったのですが、「薬」という共通アイテムを全話に盛り込み、登場人物達も全話にリンクしてくるので、長編の様な濃さがあり面白かったです桜

第1章「藤本洋文」子供を望まぬ洋文が妻にビタミン剤だと偽り渡していた錠剤は…
第2章「小野恭子」DVの旦那にインフルエンザ予防薬を手に入れろと言われ…
第3章「木島博人」向精神薬を不正入手し転売で儲けるべく精神科に通うが…
第4章「林崎洋子」禁煙するための薬を職場の医師から貰うのだが…
第5章「松原延彦」容姿も性格も良い松原が手放せない薬とは…
第6章「沢村亜美」職場に入ってきた主婦は花粉症らしいのだが…
第7章「小野厚之」新しい職場と妻が実家に帰ってしまいストレスが溜まり…
第8章「三田秋枝」彼氏が薄毛治療薬だという薬を持っていたが本当は…

全章それぞれに主人公はかわるものの、彼らをとりまく人間関係は他の章の物語にも通じているので、どの話が一番面白かったとか特別にはないのですが、本書のスタイル(意図)がまだ読み取れていなかった前半の章は、読んでいてかなりドキドキラブさせられ楽しめました。
特に第2章の「小野恭子」と第3章の「木島博人」は、不正に薬を入手した側と、薬を渡しが側の視点が間を空けずに読むことができ、脳内で映像化しやすくてワクワクラブしました。
本書後半第7章の「小野厚之」では、登場する薬が急な腹痛を止めるものだけだったので、なんとなく無理矢理感がなくもなかったですがたらーっ…最終章で描かれる小野厚之のラストについて読者の共感を得るためには必要な章だったと理解し、やっぱり本書面白かったです!!

ドロドロしすぎず、軽すぎず。私たちの生活に必需品となっている薬というアイテムを上手く登場させてくる本作品は、読み易さもバツグンなので、是非お正月休みにでも読んでみてくださ〜いぴかぴか桜


  ├ 仙川環 -
仙川環 『転生』


*あらすじ*
フリーライターの深沢岬は、仕事の依頼で待ち合わせたホテルのロビーで、ベビーカーに乗った赤ん坊を目の前にしていた。「その子はあなの娘だ。引き取ってもらいたい」。岬にかかってきた電話の主は、最初から赤ん坊を渡すつもりで依頼者を装い、岬を呼び出したのだった。身に覚えのない岬は激高するが、それがまさか前年、報酬欲しさに違法だと知りつつ提供した自分の卵子から生まれた子だったとは…。第一回小学館文庫小説賞を受賞した『感染』に続く待望の医療ミステリー第二作がいよいよ登場。

*感想*
先日読んだ、仙川さんのデビュー作『感染』が面白かったぴかぴかので、早速その次作となる本書を読んでみましたよ〜わーい 本書も医療系ミステリーということで、私の知らない医療技術を組み込みながら、素敵なミステリーを読ませてくれるのだろうとワクワク読み始めたのですが… 今回は残念ながら私の好みには合わない展開ものでした泣き顔あせあせ

物語の題材自体は私は好きなんです。2児の母としては卵子提供や、その辺りの倫理観等にとても興味があるので。しかし本書には不足していることが2点あって、読み進めるのが苦痛になってしまいました。その2点とは「魅力的な人物描写」と「読者にKEYポイントを印象付ける、リマインドさせる技」です。

「魅力的な人物描写」は、岬が美人だという記述があってもそれを想像できなかったし、岬が窮地に陥ってるとわかっていても、助けてあげたいという気持ちにならず、行く末が気にならなかったところから感じました唖然。あと殺人者の小野田の名前や特徴も全然覚えられず、視点が変わるたびに小野田の箇所を読み返し疲れました撃沈

「読者にKEYポイントを印象付ける、リマインドさせる技」は、文庫本145ページで岬が平木のいる記者クラブのデーターベースを使い「宮園春香」と打ち込んだ行で、私が宮園春香が誰だったのかを全然思い出せなかったことから感じたのですが… 
皆さんはこの時にすぐに宮園春香が誰だったかを思い出せましたか!?
この宮園春香という名前はどこからやってきたのかというと(私も何度か読み返してやっと見つけたのですが)ページを遡ること118ページ、岬がセントメリーズ病院の院長を脅して、3月1日に排卵誘発剤を使用した患者のカルテ開示を迫ったところ、自分の名前はなくこの宮園春香という女性のみだった。ということでした。
こういうのって、上手い作家さんだと「岬は自分の名前が書かれていると信じて疑わなかったカルテにあった別の女性の名前―宮園春香の正体を調べるべく一目散に入力したのだった」的な一文を必ず入れてくれると思うんですよねイヒヒ

という具合に、今回はすんなり読み耽ることができなかったので評価は低めです。
でも仙川さんの作品のあらすじは私の興味を引くものが多いので、これからも読んでいきたいと思いますわーい


  ├ 仙川環 -
仙川環 『感染』


*あらすじ*
ウィルス研究医・仲沢葉月は、ある晩、外科医の夫・啓介と前妻との間の子が誘拐されたという連絡を受ける。しかし夫は別の女からの呼び出しに出かけていったまま音信不通、幼子は焼死体で発見された。痛み戸惑う気持ちで夫の行方を捜すうち、彼女は続発する幼児誘拐殺人事件の意外な共通点と、医学界を揺るがす危険な策謀に辿りつく――。
医学ジャーナリストが描く、迫真の医療サスペンス! 第1回小学館文庫小説賞受賞作。

*感想*
著者の仙川さんは、本作で小学館文庫小説賞を受賞しデビューとなったそうなのですが、かなり完成度が高く惹き付けられる内容で、受賞作という名にふさわしい作品でした桜 

本書のKEYテーマは「子供の臓器移植」です。本書が執筆刊行されたのが2002年なので、作中ではまだ「日本国内における子供の臓器移植は違法」というベースの下、当時から問題視されていた「子供が海外で臓器提供を受ける事」について盛り込み、そしてその臓器移植を受けた子供たちが立て続けに殺害されてしまう謎を描いたミステリー作品でした。

ページ数が少ないので、登場人物達全員が何かしら重要な役割を持って登場してくるのですが、その役割(裏の顔)が最後まで推測できず、最後の種明かしでは正直ハラハラドキドキラブしました。特に主人公(葉月)の夫(啓介)が、なぜ人の命の大切さを良く知る外科医であるにも関わらず、幼児殺害に関係することになってしまったのかは、医学界に身を置く人間らしい決断で、一般人には想像できないもので良かったと思いますぴかぴか

著者の仙川さんはバイオテクノロジー系の研究をされていたそうなので、そういう専門的記述もとても分かり易く読めましたるんるん 医学系を扱う内容は必然的に硬い文章になりがちなのですが、女性らしい優しい文章でミステリーに仕立てていくその手腕に惚れたので、これから仙川作品を沢山読んでいきたいと思いますラブラブ


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