SexyZoneの中島健人くんと読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
東野圭吾 『魔力の胎動』

 

*あらすじ*

映画化『ラプラスの魔女』前日譚
自然現象を見事に言い当てる、彼女の不思議な“力”はいったい何なのか――。彼女によって、悩める人たちが救われて行く……。東野圭吾が価値観を覆した衝撃のミステリ『ラプラスの魔女』の前日譚。

 

*感想*

『ラプラスの魔女』の映画化&公開おめでとうございま〜す桜ぴかぴかぴかぴか

その公開に合わせて、前日譚といわれる本書を発売するなんて、ニクイですね〜〜イヒヒ よ!商売上手!!

 

ということで、ミーハー活字中毒者の私は読んでみましたよ〜〜るんるん

 

本書は、前日譚と触れ込みの通り『ラプラスの魔女』の事件が起こる少し前の頃、羽原円華は何をしていたのか?(どんな事件を解決していたのか)というのを連作短編で読ませていくものでした。さすがに円華が主役だと物語が整理し難くなるのか、工藤ナユタという鍼灸師を主人公に物語が進んでいくのですが、どの話も東野さんお得意の人情ものと、ラプラスらしい科学の謎を融合させていて、面白かったですラッキーラッキー

 

しかし、私は本書を「面白かった」と感じるのですが、羽原円華の能力を“非現実的”と受け取る方には、ちょっと本書は楽しめないかもしれないですねあせあせ

『ラプラスの魔女』に引き続き、今回も円華が色々な自然の力を感じ取り予言したり、物理的実験をするのですが、「なぜそういう力が働いたのか?」という説明は一切ないので、結局円華の特殊能力は、“超能力”に近いものとして受け止められても仕方のない展開なんです。なのでその能力についての整合性や実証可能か云々を気にする方には、少々本書は不満かもしれないです困惑

 

私は科学についてほぼ無知みたいものなので、深く考えずに円華の能力を受け止め本書を読んだのですが、私には1話目の『あの風に向かって翔べ』が面白かったです。引退を考えているスキージャンパーを円華の能力でもう一度最高の飛行をさせてあげる物語だったのですが、比較的シンプルな“風よ読む力”と、”家族愛“と、”最後は自分を信じる力“が混ざり合っていて良い話だと思いました。

 

そして最終章では、まさにラプラス〜の前日譚らしく、青江教授も出てきますし、甘粕才生や水城義郎の名前も出てきて、物語が繋がる瞬間にドキドキしました ただ残念だったのは、もう私の手元には『ラプラス〜』がなくって、「あれ?この人はラプラス〜では何をした人だっけ?」とちょくちょく分からなくなってしまったところです。

 

なので、是非最近『ラプラス〜』を読んだよ!という方や、映画を観られた方は、間を開けずに本書を読まれることをお勧めします

あまり深く考えず、シンプルに楽しんでくださいわーい

 

 



  ├ 東野圭吾 -
秋吉理香子 『自殺予定日』

*あらすじ*

美しく逞しい継母が父を殺した。女子高生の瑠璃はそう確信していたが、証拠はなく警察も信じてくれない。あんな女と一緒に暮らすなんて耐えられない、わたしはお父さんの元に行く。瑠璃は自殺の名所として知られる森に出向くが、“幽霊"の裕章と出会う。彼は瑠璃に自殺を思いとどまらせ、継母が殺した証拠を見つけようと提案する。見つからなければその時死ねばいいと。今日から一週間後。それが瑠璃の自殺予定日となった――。疑念と嘘で絡み合う母娘が迎える結末は?! 大ヒット『暗黒女子』の作者が放つ、一気読み必至の傑作ミステリ!

 

*感想*

これは是非ともティーンエイジャーに読んでもらいたいと思った本でしたぴかぴかぴかぴか

うん十年前にティーンエイジャーを卒業してしまった私でも楽しめましたけどね(笑)イヒヒ

 

本書は「自分の死をもって、継母の犯罪を露呈させようとする少女の話」なのですが、「何故、どうやって実父は死んだのか?」というミステリー要素と、「少女が自殺を決意するまで、そして自殺に失敗してからの心情」という精神的な悩み、その両方がとてもバランスよく綴られていて、飽きることなど全くなく、何よりも少女の弱さに自然と寄り添いながら読み進めることができて良かったですぴかぴか

 

じつは私は初めて本書の装丁を見た時、若い子たち特有の「死への憧れ唖然」みたいのを描いた作品なのかな?と、ネガティブな感情を抱いたのですね。しかし読んでみたら、確かに「自殺希望少女」は登場してきますが、その「自殺」がどれほど残された人たちを悲しませるのかを分かり易く書いてくれていて、そしてその後の立ち直っていく様子もしっかり描かれていて、人生は本書のようにスムーズに上手く展開はしていかないかもしれないけれど、「人と揉めてしまった時は、一度その人とその問題にちゃんと向かい合う。時にはしっかり謝る」ことの大切さを教えてくれる作品でした。

 

また恋愛がちょっと絡んでくるのも、キュンキュンして良かったですラブ

主人公の瑠璃の自殺を阻止し、自殺を止めるように説得する幽霊青年の裕章との終盤のラブシーンは、触れたくても触れられない二人ならではのチューの仕方で(ガラス越しのチューね!ラブラブ)切なくて良かったです ここのシーンを是非実写で見たいから、どなたか映像化してくれないかな(笑)

 

ということで、是非若い子には本書を読んでもらいたいな。

そして

『自殺は自分だけの問題ではない。周囲の人の心も殺す』

という裕章の言葉を知ってもらいたいと思いました。

 

軽い気持ちで読み始めても、本書には収穫が色々あるので、是非是非読んでみてくださいね!!るんるん

 



  ├ 秋吉理香子 -
知念実希人 『崩れる脳を抱きしめて』

 

 *あらすじ*

圧巻のラスト20ページ! 驚愕し、感動する!!!
広島から神奈川の病院に実習に来た研修医の碓氷は、脳腫瘍を患う女性・ユカリと出会う。
外の世界に怯えるユカリと、過去に苛まれる碓氷。心に傷をもつふたりは次第に心を
通わせていく。実習を終え広島に帰った碓氷に、ユカリの死の知らせが届く――。
彼女はなぜ死んだのか? 幻だったのか?
ユカリの足跡を追い、碓氷は横浜山手を彷徨う。そして、明かされる衝撃の真実!?
どんでん返しの伝道師が描く、究極の恋愛×ミステリー!!

 

*感想*

先日読んだ知念さんの『あなたのための誘拐』が衝撃的に面白かったので、早速他の作品も読んでいこうと本書を手に取りましたるんるん

 

本書を読んでみた感想は…

「フムフムニコニコ 知念さんはどんでん返しがお好き&お得意なのですね。今回もまぁまぁ面白かったわ。やはり今後も知念作品は読んでいかないとですね!

という感じでしたモグモグ

 

『あなたのための誘拐』がドラマティックに面白かったので、本書への感想は少々テンション低めになってしいますが、でも本書も良かったと思いますぴかぴか

ただ、本書中盤までの第一章は、主人公の研修医(碓氷蒼馬)と、その患者(ユカリさん)の距離が縮まっていく様子が丁寧に描かれすぎていて、途中少し飽きてしまいましたモゴモゴ

なんというか… 余命短い若く美しい儚げなお嬢さんと、そこの病院にやってきた若い研修医って、選択の余地なく恋に堕ちるシチュエーションじゃないですか!? しかもお互い他に頼れる存在がない生活を送っていたのだし… なのでその安易な相手選びに、ちょっとだけ非現実感というか、イラっとしてしまったのですよねたらーっ

また、第一章のメインストーリーは碓氷先生とユカリさんのイチャイチャなのに、碓氷先生が誰かに監視されている様子や、他の患者のカルテを碓氷先生が見ようとした時に院長に強く拒否される謎などがあり、本書はラブストーリ―なのか、ミステリーなのか、はたまたその他のジャンルなのかも見えなくなり、読んでいて不安になってしまいました。

 

が!しかし!!第二章からはミステリーを紐解く展開に様変わりして、一気に面白くなりました!!

もしも私と同じく、第一章を読み進めるのが辛い方がいらっしゃいましたら、是非頑張って第一章を乗り越えてください!とお伝えしたいですラッキー

 

第二章では、そもそもユカリさんは実在していたのか?という謎や、もし本当に実在していたのならば、ユカリさんはどのように亡くなったのか?などのミステリー全開で物語が進んでゆき、『あなたの〜』の時にも感じた、「これが知念さんの筆力なのだろうな」という力を感じられ、とても楽しめましたラブ

 

そして、先ほどは『安易な恋愛』と思っていた2人の恋にも、物語終盤で碓氷先生が、人生のレールを切り替えてでもユカリさんを選ぶシーンが出てくるため、おままごと的恋愛から、生涯の愛への移り変わりが読み取れて感激しちゃいましたポロリ

碓氷先生がユカリさんへ愛の告白をしようとして「環さん…」と呼んだ時に、なぜ「ユカリと呼んで」と言われたのか。。。 これは素敵なトリックだったし、

ユカリさんは、本当はカフェのマスターと愛し合っていたことを知り、一度は失恋をする碓氷先生が、その後の真相に気が付いたどんでん返しも良かったですね〜〜ラブ

 

ということで、結果、本書も面白かったですラッキー

今回も見事に知念さんのトリックに嵌められてしまいました!

楽しませてくれてありがとうございましたぴかぴかぴかぴかぴかぴか

 

 

 



  ├ 知念実希人 -
知念実希人 『あなたのための誘拐』

*あらすじ*

「ハヤクボクヲミツケテ」女子中学生を誘拐した謎の犯罪者“ゲームマスター”が課した“ゲーム”に失敗、被害者を死なせてしまったことで、警視庁特殊班の刑事上原真悟は職も家族も失った。それから四年、再びゲームマスターを名乗る誘拐犯が現われる。被害者は女子高校生、身代金は五千万円、警察への通報も指示されたという。そして要求はもう一つ、交渉役は上原真悟にすること―。「ずっと君とまたゲームがしたかったんだよ」と嘯く犯人に、真悟は失いかけていた刑事魂を燃えたぎらせるが…。

 

*感想*

過去最高に面白かった誘拐事件物語でした!!!!ぴかぴかぴかぴかラブラブ

こんなに面白い警察小説があるなんて、しかもその著者が警察出身の方ではなくて、現役医師作家(知念さん)だなんて、本当に驚きですラブぴかぴか

私は、★マークでランクを付けるときに、「面白さ」「社会的意味」の2点を考慮して決めているのですが、本書は「社会派」な面は弱かったけれども、とにかく疾走感溢れる非常に面白い内容だったので★5つにしましたラブラブラブ

 

本書がなぜそれほど面白かったのかというと、「誘拐犯は一体誰なのか?」という一番の大きな謎と、その他にも「4年前の誘拐事件との関係は?」「なぜ犯人は上原に執着するのか?」など色々な伏線が沢山張られていたことと、身代金受け渡し場所へ辿り着くまでのクイズが解りそうで解らないというもどかしさで、読者も読みながらかなり頭を使わされる内容だったからだと思います。しかも4年前の事件のことから、もしも犯人(ゲームマスター)の出すクイズに正解できなければ、容赦なく人質は殺害されてしまうという思いを植え付けられているので、ゲームマスターにクイズや指令を出されるたびに緊張が走りました。

 

とにかく本書には無駄なエピソードが1つもなかったことが良かったです。序盤で主人公の上原が同じ特殊班の女性刑事と不倫していたエピソードなんて、かなりどうでも良いと思っていたのですが、その後その事実の告白を最愛の娘に告げるよう犯人から指示があり、上原のメンタルを潰そうとしてきたり、結局ラストではそれが犯人の正体を暴く重大な要素になっていたりで、全てにおいて構成も内容も完璧に仕上げられた小説でした。警察内部の事情も、硬派になりすぎず適度に描かれていて、ハードすぎない警察小説で女性にも読みやすかったかと思いますぴかぴか

 

読み始めたら絶対に読む手が止まらない傑作なので、是非是非是非是非読んでみてください!

そして映像化したら絶対に面白いと思うので、いつかテレビかスクリーンで見れるといいなわーい

 

↓↓ここからネタバレ↓↓

↓↓ここからネタバレ↓↓

↓↓ここからネタバレ↓↓

 

ここからネタバレコーナーなので、自分の備忘録を兼ねてズバっと犯人の名前と、それについての感想も書いちゃいますねあっかんべー

 

今回、佐和奈々子を誘拐殺害した犯人(ゲームマスター)は、上原真悟の娘、水田優衣だったというのは本当に予想できなかった結末でした汗だって、優衣と真悟が一緒に居る時にゲームマスターと電話で会話していたシーンもあったぐらいですからね。。。

しかしまぁそこは奈々子がゲームマスターの振りをしてくれていたということになっているので、深くは追及しないでおくとして、父・真悟を愛するばかりに犯行に及んだ優衣の気持ちは共感できないにしろ、意外なストーリー展開で面白かったですラブラブ そしてサブタイトルの「KIDNAPPING FOR MY LOVE」の意味が理解でき、ちょっとそこはウルっときちゃいましたポロリ

 

10年前の麻薬取締事件、4年前の誘拐殺害事件、そして今回の誘拐殺害事件、この3つの事件を上手くリンクさせて、読者を翻弄し、そして綺麗に収束させた著者の力量は本物だと思ったし、おかげでとにかく飽きる暇がないスピード感でした。これからも知念さんの作品を読んでいきたいと思いまーすぴかぴかぴかぴかパンチ



  ├ 知念実希人 -
雫井脩介 『望み』

 

*あらすじ*

東京のベッドタウンに住み、建築デザインの仕事をしている石川一登と校正者の妻・貴代美。二人は、高一の息子・規士と中三の娘・雅と共に、家族四人平和に暮らしていた。規士が高校生になって初めての夏休み。友人も増え、無断外泊も度々するようになったが、二人は特別な注意を払っていなかった。そんな夏休みが明けた9月のある週末。規士が2日経っても家に帰ってこず、連絡すら途絶えてしまった。心配していた矢先、息子の友人が複数人に殺害されたニュースを見て、二人は胸騒ぎを覚える。行方不明は三人。そのうち犯人だと見られる逃走中の少年は二人。息子は犯人なのか、それとも…。息子の無実を望む一登と、犯人であっても生きていて欲しいと望む貴代美。揺れ動く父と母の思い―。

 

*感想*

高校生の息子が行方不明となり、その息子の仲間と思われる少年が、遺体となって発見された。息子はこの事件に関わっているのだろうか… 関わっているとすれば、どのような形で関わってしまったのだろうか… 少年を殺害した加害者として?もしくは被害者として?

高校生の息子の安否を巡り、揺れ動く家族の心を描いた作品でした。

 

一人の母親として興味のある題材だったのですが、いまいち没頭できない作品でした泣き顔

まず、本書の前半は、誰が主人公なのかが分かり難い書き方で、父親の一登目線で描かれていたのが、気が付いたら妻の貴代美になっていたり、一登の元へ注文住宅の依頼をしに来た夫婦の会話がくどかったり、物語に肉付けのためには必要だったのかもしれませんが、読んでいて疲れましたがく〜

そしてその後に息子の規士が行方不明になってからは、規士が加害者なのか被害者なのか、はたまた全く事件とは関係ない行方不明なのか、全てが憶測で話が進む展開で、もう少し規士が関係しているという証拠を開示しながら話を進めてほしかったと思いました。全く根拠と証拠がないのに「規士が事件に関与している」と言われてもねぇ・・・。「発見された遺体に規士の私物が混入していた。→規士はこの事件に関係している!」とかの演出があっても良かったんじゃないかな。。。

 

と、内容には少々物足りなさを感じたのですが、「はっ!」とする、素敵な文章はいくつかあって心に沁みました。

 

P124 悲しみは事実が確定した時点をピークにして増殖が止まる。それ以上に厄介なのは不安だ。心の中に巣くって、気持ちを千々に乱れさせるものは、悲しみの事実がヴェールで見通せないときに生じる不安である。

P129 二歳半と十六歳を比べるのはおかしいということは承知だが、目を離したのはわずかなつもりでも、子どもは信じられないほど遠くに行ってしまうのだ。

 

物語後半の、規士の生死をめぐり、夫婦が「犯罪者の家族になるくらいなら、規士には被害者になっていてほしい」「たとえ規士が加害者でも、生きていてくれるだけでいい」の論争は涙なくして読めなかったですがポロリ、その辺りも私が望むほどには掘り下げられていなくて、やはりちょっと物足りなかったです。

 

今の時点では感情移入できない作品でしたが、雫井さんがいう通り、我が家にいる幼児も目をほんの少し離しただけで、あっという間に外泊とかする年齢になってしまうのだろうから、少年犯罪が全くの他人事とは思わずに、子どもの変化にすぐに気が付いてあげられる親でいられるように頑張らないといけないなと思います!!るんるん



  ├ 雫井脩介 -
葉真中顕 『政治的に正しい警察小説』

 

*あらすじ*

“ポリティカル・コレクトネス”をコンセプトにした警察小説の依頼を受けた、新人作家・ハマナコがたどり着く境地とは……!? 表題作「政治的に正しい警察小説」ほか、偶然通りかかったカレーショップで、生き別れた母の思い出の味に再会した大学生の僕とその“隠し味”をめぐる「カレーの女神様」、25歳の若さで亡くなった“史上最強の棋士”紅藤清司郎の没後20年にあたり、彼の軌跡を取材したライターがたどりつく真相を描く「神を殺した男」など。驚愕と感嘆にあふれた全6編を収録。『ロスト・ケア』『絶叫』など社会派ミステリーの新鋭が放つ、ブラックユーモアミステリー集が文庫オリジナルで登場。

 

*感想*

『ロスト・ケア』『絶叫』『コクーン』など、読み応えのある長編社会派ミステリーを生み出してきた著者、葉真中さんが短編を書くと、こういう作品集になるのねぴかぴかぴかぴかラブ

と、葉真中さんの才能に心酔しながら楽しめた、傑作短編集でしたるんるん

 

本書には6編掲載されていて、全話一筋縄ではいかない叙述トリックや、オチがある話でした。

まず1話目の『秘密の海』では、親に虐待されて育った男女が、夫婦になってからのお話が綴られます。親に虐待された挙句、捨てられた男性がのちに、母親の愛を知ることになる展開に涙が止まりませんでしたポロリ その愛を読者に読ませる構成とトリックが本当に上手だったんですよ!!!! これはきっと誰もが「葉真中さんって本当に凄い作家さんなんだな」と思うはずです!!これこそ活字で勝負している小説の醍醐味だと感じる作品で良かったですぴかぴかぴかぴか

 

その後の作品も、ちょっとお涙頂戴の感動話から一気にどんでん返しありの180度急展開ものや(カレーの女神様、リビング・ウィル)、将棋界の神と崇められていた棋神を殺害した真の理由を突き止める正統派ミステリーもの(神を殺した男)など、バラエティーに富んでいて楽しめましたラブ

 

ただ、私は表題作の『政治的に正しい警察小説』は苦手だったかな…がく〜 主人公の相手役となる編集者の女性がエキセントリックで、よくわからない理屈を捏ね回し、会話口調も狂っていて読み難く、途中で疲れてしまいました。。。 表題作になる程だから、読みこめば面白い作品なのかもしれませんが、ちょっとギブアップです…撃沈

 

傑作を生みだす作家さんというのは、長編でも短編でも良いものを書けるものなのですねぴかぴか

葉真中さんが好きな方は是非読んでみてくださいね〜♪葉真中さんを知らないかたも、是非本書を読んで、そしてその次には是非長編も読んでみてください!葉真中さんの作品は絶対に面白いですからラブラブ桜

 

 

 

 



  ├ 葉真中顕 -
真梨幸子 『お引っ越し』

 

 

*あらすじ*

引っ越した先は闇の中。マンションの内見、引っ越し前夜の片付け、隣人トラブル…「引っ越し」に潜む“恐怖”を描いた、世にも奇妙な連作短編集。

 

*感想*

イヤミスの女王、真梨幸子さんの引っ越しにまつわる連作短編集でしたるんるん

 

おうち引っ越し先探しのために内覧に行った女性の行く末、

おうち隣に引っ越してきた夫婦がどうやらDV問題を抱えているらしい、

おうち引っ越し業者で働く女性が知ってしまった会社の問題

などなど、バラエティーに富んだ引っ越し物語たちなのですが、もちろん全話“いやぁ〜な感じ”に仕上がっておりますので、ご安心ください(?)イヒヒ

 

そして各話、それぞれその話で一度完結するのですが、この短編集の最終章に『解説』という話が掲載されていまして、そこで各話の総括がされるのがとても面白かったです!!ぴかぴか

というのも、各話のラストはそれぞれ一応完結しているものの、どこかしら「え?じゃあその後どうなったの?」と思わされる終わり方だったり、収束していない部分もあったりしていたので(収束していなくても十分楽しめるのですが)、この『解説』を読んだことにより、より一層本書の“気持ち悪さ”が増して、真梨さんの作品ならこうでなくっちゃ!と膝を叩いた良い終わり方だったと思いますラッキー

 

ちなみに、私が一番良かったと思った作品は、5話目の『壁』という、隣の家がDV問題を抱えているらしい物語です。作中には、過去に親からDVを受けていた主人公、現在隣人のDV騒音に悩まされている同僚、その2人が登場するのですが、その結末に自分の中にある固定観念を駄目だしされたショックを受けましたムニョムニョ

 

↓ネタバレ注意

↓ネタバレ注意

↓ネタバレ注意

 

子どもや配偶者に暴力を振るっていたのは、男性(お父さん・旦那さん)ではなくて、女性(お母さん・妻)だったのですよね…

確かに、一般的に体力面では女性より男性の方が勝っていることの方が多いので、DVというとついつい加害者が男性側ととらえがちですが、女性が加害者ということだってなくもないのですよね…がく〜

こういう日常の隙間というか、落とし穴みたいところを突いてくる真梨さんの作品、好きだな〜〜ラブ

 

サラっと読める短編集ですが、読後感はすっきりとはしないので、読む時期を選んで是非読んでみてくださいね桜

 

 



  ├ 真梨幸子 -
坂元裕二 『往復書簡 初恋と不倫』

 

*あらすじ*

中学生時代の初恋の相手と、数年の時を経て再開した男女の往復書簡。

配偶者同士が不倫の末に失踪してしまった男女の往復書簡。

2人の登場人物の会話(メールのやり取り)だけで進められる会話劇という新スタイル本

 

*感想*

テレビのブックコーナーで本書を知り、興味が沸いたので読んでみたのですが…

まず、この著者の坂本裕二さんって、あの『東京ラブストーリー』や『二十歳の約束』や『最高の離婚』や『カルテット』などなどの名作ドラマの脚本家さんだったのですねっ!!!!

著者情報を全く知らずに読んでいました汗 なんだかスミマセンって気持ちですたらーっ

しかし、そういう前情報なしに読んだからこそ、本書への先入観や期待感なく、真っ新な心で読めて良かったかもラッキー

 

で、読んだ感想はというと…

ただの往復書簡を、ここまで魅力的にウィットに富んだ文章で描けるのは、この著者しかいないのではないだろうか 新しい世界を見せてもらえて面白かったですぴかぴかるんるん

人は言葉選びにもセンスや価値観というものがあるかと思うのですが、坂元さんのそれはまさに異次元だったと思います。それもかなり簡潔に綴れるという才能も持ち合わせていて、「言葉の魔術師」という言葉は、本当に坂元さんのためにある言葉なんだなとヒシヒシと感じさせる言葉たちでした桜

 

特に私が一番気に入った一文が、元気のない彼女に送ったこのメール

『出したくない元気は出さなくていいと思いますよ。人生は竹内まりやさんが思うよりは悪いものです』

というものです(笑)

この面白さが、竹内まりやさんの『元気をだして』という曲を知らない方には伝わらないのが残念すぎる程に、ナイスなメールだと思うのですが、皆さんにこの面白さ伝わっているかな!?イヒヒ

本書には、さらにボケていたり、シュールなやりとりが繰り広げられる往復書簡なので是非読んでみて下さいムード

 

だだですね、2編を通して、ずーっと同じテイストで書簡がやりとりされるので(中学生時代という若かりし頃も同じ文体)、飽きを感じたり、非現実感だったりを抱くのは否めませんがく〜 ロマンティックさやドラマティックさにも欠けるので、普通の小説とは全くの別物と思って本書を読むことをお勧めしますかわいい

 

 

 



★さ行 - その他の作家 -
久坂部羊 『芥川症』

 

*あらすじ*

父の死因とは一体何だったのか? 食い違う医師・看護師の証言。真相を求め、息子はさまよう(「病院の中」)。多額の募金を得て渡米、心臓移植を受けた怠け癖の男と支援者たちが巻き起こす悲喜劇(「他生門」)。芸術を深く愛するクリニック院長と偏屈なアーティストが出会ったとき(「極楽変」)。芥川龍之介の名短篇に触発された、前代未聞の医療エンタテインメント。黒いユーモアに河童も嗤う全七編。

 

*感想*

久坂部羊さんの作品といえば、医療系がテッパンなのですが、なぜに装丁で白衣を身にまとった芥川龍之介が描かれているのかが気になり読んでみましたるんるん

 

その芥川龍之介が描かれている理由は、目次を見た時には「あれ?これって?なんだか似たような題名の芥川作品あったよね??」という程度なのですが、読み進めてみたら、完全に芥川作品を医療現場や医療従事者という久坂部さんの十八番フィールドに落とし込んだ(パクった?インスパイアされた?オマージュされた?)パロディ作品ということがわかりましたイヒヒ(笑)本書のタイトルと、その元となったと思わる芥川作品のタイトルはこちら↓

 

 

久坂部作品  芥川作品

病院の中   ← 藪の中

他生門    ← 羅生門

耳      ← 鼻

クモの意図  ← 蜘蛛の糸

極楽変    ← 地獄変

バナナ粥   ← 芋粥

或利口の一生 ← 或阿保の一生

 

こうやって一覧にしてみたりすると、いつも少々お堅い作品のイメージがある久坂部さんにもユーモアがある方なんだな〜わーいと思ったし、実際に本書の『クモの意図』では、病院内に出現したクモに名付けしようと「クーモン(くまもんのパクり)」「スパッシー(ふなっしーのパクり)」「チュラちゃん(ちゅらさんのパクり)」などで盛り上がるところはかなり笑えました。しかし、全体的には私は芥川作品に精通していないので、タイトル以外の内容面では、どの程度オマージュされているものなのか判別できず、楽しみが半減してしまった気がします。なので、学校の授業以来読んでいない芥川作品を再び読んでみたくなりました!!ちょっと図書館で探してみようかな桜

 

芥川ファンの方にはお薦めな1冊だと思うので、是非読んでみてくださいね〜ムード



  ├ 久坂部羊 -
辻村深月 『鍵のない夢を見る』

 

*あらすじ*

望むことは、罪なのか!? ふとしたきっかけで悲劇は訪れ、いつの間にか犯罪者になるかもしれない。現代の地方都市の閉塞感を背景に、ささやかな欲望と闘うありふれた人々が奈落に転がり落ちていくさまを描く。

147回直木賞受賞作

 

*感想*

過去に、恋に、結婚に、育児に、そして未来に悩む女性たちの生き方を描いた短編集でした。

 

5編からなる短編集でした。 前半2編は自分のプライドと正義感を他人に侵食されるような、変なモヤモヤ感を抱かされる精神的な罪深さがある物語で、3話目からの後半3編は殺人や誘拐という、もっと分かり易い完全な「罪」を含みつつも、そこに達するまでの心情描写がある丁寧な作品で、面白かったですぴかぴかぴかぴか

 

今回は、私が一番面白いと思った、4話目の『芹葉大学の夢と殺人』について感想を書かせてもらいますねラッキー

この話のあらすじは、

大学在学中、将来の夢を追いかけている真っただ中に、出会い交際を始めた未玖と雄大だったが、徐々に未玖は現実を見始め「夢を現実的に追いかける」という名目で教師となった。一方、雄大は大学をいつまでも卒業できないまま、それでも大きな将来の夢を見ていて、挙句に殺人の容疑で指名手配されて身勝手に未玖を頼ってくる。その時に未玖が下した決断とは…

というものでした。

 

いつまでも夢を諦めきれない雄大もバカだし、そんなバカな雄大を見捨てきれない未玖もバカだし、読んでいて「バカ!バカ!モゴモゴ」と思わされるものの、夢を見ることの純粋さや、心の強さにもなんだか感動させられてしまった作品でしたポロリ

その感動した一節がこちら

 

夢見る力は、才能なのだ。

夢を見るのは、無条件に正しさを信じることができる者だけに許された特権だ。疑いなく、正しさを信じること。その正しさを自分に強いることだ。

それは水槽の中でしか生きられない、観賞魚のような生き方だ。だけどもう、私にはきれいな水を望むことができない。これから先に手に入れる水はきっと、どんなに微量であっても泥を含んでいる気がした。

 

 

ううう… だから未玖は、生徒である男子高校生に告白されても、鈍感な振りをしてフってしまったのね… と納得しました。。。

大人になるって、どんな場所でも生きていけるような雑食動物になるような面もあるからね…ポロリ

 

危険危険ここからネタバレがあります↓

 

そしてそして、いつまでも都合よく未玖を頼ってくるわりには、なんの甲斐性も男気もなく、夢の世界で生き続けようとする雄大に、最後に未玖が「唯一無二の女」になるべく取った行動が過激で度肝を抜かれました。それは、一人殺害したくらいでは死刑にならないと言う雄大を死刑にさせるべく、未玖自身も雄大に殺されたように見せかける形で自殺するという… それこそ夢を見ているような展開でした。 しかし、私はこの結末を夢のようにすぐに忘れたりはせず、きっと一生覚えていると思います。そう言い切れるくらいに、面白かったし、衝撃的でした爆弾

 

本書の5編を通して「夢」ってなんだろう? ということを考えさせられました。大人は子どもに当たり前のように「将来の夢はなに?」なんて聞いたりするけれど、就職活動をする頃になると「もっと現実をみろ」と言い始める。子どもの頃の「夢」と「正義」を平気で捨てさせようとする。そして、自分で決断を下し、進んで得た仕事や家庭や子どもであっても、仕事に嫌気が指したり、育児ノイローゼにもなったりもする。

そんな人間の弱さや矛盾を描いた本書は、文学的にも素晴らしい作品だったと思いますぴかぴかぴかぴか

 

是非読んでみてくださいね〜〜ラブるんるん

 



  ├ 辻村深月 -
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