SexyZoneの中島健人くんと読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
朝井リョウ 『世にも奇妙な君物語』

 

*あらすじ*

2015年に25周年を迎えたテレビドラマ、「世にも奇妙な物語」の大ファンである、直木賞作家・朝井リョウ。映像化を夢見て、「世にも奇妙な物語」のために勝手に原作を書き下ろした短編、五編を収録。

かわいい1 シェアハウさない
かわいい2 リア充裁判
かわいい3 立て! 金次郎
かわいい4 13.5文字しか集中して読めな
かわいい5 脇役バトルロワイアル

 

*感想*

テレビドラマ、「世にも奇妙な物語」の原作として(勝手に)書き下ろしたそうですが、これは本当に映像化できる面白さだったと思いますぴかぴかぴかぴか是非とも映像化お願いしたいです!わーい

 

世にも奇妙な〜といえば、「もしも、こんな世界になってしまったら怖いな」という世界が描かれ、そして「ラストに戦慄のオチが用意されている」という、定番ショートストーリーだと思うのですが、本書は見事にその世界観と構成を受け継いでいました桜さすが世にも奇妙ファンだという朝井さんですねぴかぴかぴかぴか

 

もちろん全話とも面白かったのですが、私が特に印象に残ったのは、第2話目の『リア充裁判』です。近年のSNSの普及により、プライベートが充実しているというアピール用に、友人や恋人をレンタルするというビジネスがあるのをご存じですか!? 結婚式の代理出席の日常版とでもいいましょうか。私はその存在をニュースで知った時に「そんなにリア充アピールって大切?」という疑問を抱いたのですね。人と群れるのが苦手な人もいるだろうし、休日は一人でのんびりと読書などして過ごしたい人もいるでしょうから(←私)。そのように思っていたら、なんと、この『リア充裁判』では、コミュニケーション能力を高める為に、法律でSNSを推奨し、ひいてはランダムに召喚され裁判にかけられるという…唖然 軽薄であることが、コミュニケーション能力があたかも高いという様な、恐ろしい誤認世界を描いていて、近年本当にこんなことが推奨されたらどうしようと恐怖心を抱きながらも、面白く読みましたイヒヒ

 

そして5話目の『脇役バトルロワイアル』では、それまでの4話で登場した脇役の面々が再登場し、『脇役あるあるネタ』を連発していて笑えましたてれちゃう!!。登場人物の名前も「溝淳平」「八嶋智」「勝涼」「渡辺いっい」「板谷夏」「芦愛菜」と、微妙に名前を変えていても、一目でご本人を思い出すことのできてしまうもので、非常に面白かったです。これも是非このご本人たちでドラマ化したのを観たいですてれちゃう!!

 

性犯罪、コミュ障、といった少々過激な言葉を含んでいたので、その辺りで映像化は難しいかもしれませんが、朝井さんならそういうのも上手く変えて脚本にしてくれそうかなと思っています〜ムード是非2時間枠で、この5話全て見てみたいなラブ



★あ行 - その他の作家 -
川村元気 『億男』

 

*あらすじ*

宝くじで3億円を当てた図書館司書の一男。浮かれる間もなく不安に襲われた一男は、「お金と幸せの答え」を求めて大富豪となった親友・九十九のもとを15年ぶりに訪ねる。だがその直後、九十九が失踪した。ソクラテス、ドストエフスキー、アダム・スミス、チャップリン、福沢諭吉、ジョン・ロックフェラー、ドナルド・トランプ、ビル・ゲイツ数々の偉人たちの金言をくぐり抜け、一男の30日間にわたるお金の冒険が始まる。人間にとってお金とは何か?「億男」になった一男にとっての幸せとは何か?九十九が抱える秘密と「お金と幸せの答え」とは?

 

*感想*

累計100万部突破『世界から猫が消えたなら』の川村元気さんの小説第2作品です

『〜猫が消えたなら』は哲学系文芸書(またの名をお説教文芸書?)だったので私好みの小説ではなく、私の苦手な作家さんになってしまうのかながく〜…とおそるおそる2作目を読んでみたら… 今回はとっても面白かったですラブラブいや、面白いというよりも、興味深かったですぴかぴかぴかぴかラッキー

 

本書のテーマは、『お金と幸せの答えを探す』というものなので、お金との向き合い方に悩みがない方には退屈な本になるかもしれません。あと、あらすじに「3億円の宝くじが当選した男」という文言がありますが、その男がその3億円をどう使って、どんな風に生活が変わったのか?という即物的なエンタメのお話でもないので要注意です!

 

皆さんは大金持ちになりたいですか?

宝くじの高額当選者になりたいですか?

 

私はこのどちらの質問にもYESです。

しかし、もしも大金を手に入れたところで、『幸せ』になれるとは思っていません。ただ、人生の選択肢が広がるのは確かだと思っています。

住む場所を選べる。住む家を選べる。食べるものを選べる。着る服を選べる。医療を選べる。学習塾を選べる。習い事を選べる。学校を選べる。時間の使い方を選べる。

 

こういう風に、お金について私なりに色々と日々思っていることがありまして、本書ではそういう状態を「お金のことを愛しすぎている」と表現していて、とてもしっくりくるその表現に笑ってしまいました。

そして、お金を愛しすぎているがために、それをお守りの様に隠し持ったり、ギャンブルに賭けたり、宗教まがいなものに参加してしまったり、お金を有意義に生かすも殺すも、結局は人の心の弱さ強さ次第だと痛感する物語で、深々と読み耽りました。

 

しかしこれだけだと、結局大金を手に入れた人の戯言だったり、高額当選夢物語で終わってしまう本になってしまうのですが、本書の一番の読ませどころが終盤にあるので、是非とも最後まで本書を読んでもらいたいですひらめき

それは、主人公の一男が、弟の借金を肩代わりしたがために出て行ってしまった妻に、とうとう決別を言い渡されるところなのですが、この会話が本当に素晴らしかったんです

その妻の一言とは

『あなたはあのとき、私とまどかの“生きるための欲”を捨てさせようとしたのよ』

というもので、これは本当に私の心と記憶に突き刺さりました。自分が守りたいものがある、やりたい事があるのに、金銭を理由にその行動を諦めろと言われた人の哀しみをとても上手く表していて、そこから生まれる人間関係の歪が取り返しのつかないものになるという展開で胸が痛いほどに納得できる内容でした。

 

「うまくお金を使うことは、それを稼ぐのと同じくらい難しい」ビル・ゲイツ

「お金は鋳造された自由である」ドストエフスキー

「諸悪の根源はお金そのものではなく、お金に対する愛である」サミュエル・スマイルズ

 

本書にはお金に対する有名人たちの名言も載っているので、これ以上に上手いことを私は書けませんが、一言述べるならば

「でもやっぱりあったらあったで有難いです!お金ちゃん財布!!

ですかね(笑)

 

お金を愛している方は是非とも読んでみてくださいねわーい



★か行 - その他の作家 -
荻原浩 『家族写真』

 

 

*あらすじ*

ちっちゃい赤ん坊だった準子が嫁に行くんだぞ――男手一つで育てた娘を嫁がせる「結婚しようよ」。あの主人公が同年代の54歳と知って愕然とする「磯野波平を探して」。もはや見ないふりできない肥満解消のため家族でダイエットに励む「肉村さん一家176kg」他。笑って泣ける7つの家族の物語。

 

*感想*

以前、東野圭吾さんが『黒笑小説』か『歪笑小説』という笑える短編集を発表された時に、「泣ける小説を書くよりも、笑える小説を書く方が断然に難しいのです」と語っていたのですが、この『家族小説』は、そんな「難しいのです」という巨匠の言葉をぶち破り、笑いを極めていると言っても過言ではない面白さでしたラブラブラブ

 

本書は7編からなる短編集で、全話「家族」がテーマでした。ストーリー展開としては、ホロリときたり、ちょっとジーンポロリとくるような切なさを含んでいるものの、そのラストに辿り着くまでの文章にユーモアが込められていて、本当に笑ってしまうんですよ(笑)サラリと面白い文章を混ぜ込んでくるので、本当に不意を突いて笑わされます!!絶対に公共の場では読まない方がいいですてれちゃうラブ

 

全話面白かったのですが、私が特に一番笑いながら読んだ作品は、6話目の『しりとりの、り』ですイヒヒ

家族旅行中の車中での物語で、運転手である父親が「会話が足りなくないか」と怒ったところから始まる物語でした。一人で盛り上がろうと息巻く父親と、それに対して冷たく対応する家族の温度差と言葉のラリーが、とにかくシュールで面白かったです。しかも「しりとり」を利用して家族の状況を描写していくという高度な技(!?)も組み込まれていて素晴らしかった!!この笑いは天才だと思いますラブラブ

 

その他の物語でも必ず笑える箇所があって、私のツボにはまった文章を書き留めておきますね

 

・(54歳の主人公が)ステッキ買おうかな、などと考えながら。まぁ、ステッキ、という親父ギャグを思いついたことを、恥じることもなく。(『磯野波平を探して』より)

・蔓薔薇を這わせたフェンスも鉄柵で、高さはあまりない。低くて中が覗ける塀は、巨乳女の襟ぐりと一緒。自信の現れだ。(『住宅見学会』より)

 

荻原さんの作品といえば、『二千七百の夏と冬』が壮大な物語で、本当に大好きな作品なのですが、それとはまた違った面白さの本書もお勧めです!

 

是非是非読んでみてくださいね〜〜ぴかぴかぴかぴかぴかぴか

 

 



  ├ 荻原浩 -
太田愛 『幻夏』

 

*あらすじ*

「俺の父親、ヒトゴロシなんだ」少女失踪事件を捜査する刑事・相馬は、現場で奇妙な印を発見し、23年前の苦い記憶を蘇らせる。台風一過の翌日、川岸にランドセルを置いたまま、親友だった同級生は消えた。奇妙な印を残して。人が犯した罪は、正しく裁かれ、正しく償われるのか?司法の信を問う意欲作。

 

*感想*

著者のデビュー作『犯罪者 クリミナル』がとても面白かったので、2作目の本書も読んでみました〜〜桜

が… うーん…あせあせ 私にはページをめくるスピードが上がらない作品でした… すみません泣き顔

 

なぜ尚は失踪したのか?

なぜ尚のランドセルには、失踪当日の時間割ではなくて、その翌日の教材が入っていたのか?

なぜ尚の父親は死んだのか?

23年後におきた、少女失踪事件は、尚の失踪事件と何か関係あるのか?

 

などなど、沢山の謎がちりばめられていて、真実をご自身で推理したい方にはとてもワクワクハラハラする内容だったのかもしれませんが、私は推理よりも、理性と感情の間で苦しみ、そして人生を運命という波に飲み込まれていくような群像劇が好きなので、本書のひたすら真実を捜査していく物語には興味を持てず、そして一刻も早く真実を知りたくて読み進めるのに、なかなか事件の全貌に関するヒントすら与えられなくてイライラしてしまいました唖然(普段はそんなに短気でせっかちなタイプではないんですがね…ひやひや

 

今回そのイライラがピークに達したのが(負の感想ですみません)、本書中盤を超えた213ページで、鑓水が23年前の香苗たちの年賀状が、その長い年月の間、どこに保管されていたのかを知った時の台詞、

『もしそうだとしたら、23年前の事件の様相は一変する。』

のところでした。

なぜならば、この『もしそうだとしたら』の内容が、その本文の直前も、その直後も綴られなかったからです!!

これには「もしも何がどーで、そうだとしたら、どう様相が一変するのよっ!」と、心の中で悪態をついてしまいました。恥ずかしながら…泣き顔

 

本書はただ単に私の好みでなかっただけで、現場に残された暗号の秘密や、冤罪事件も絡み、奥ゆきのあるストーリーで良かったは思いました。なので推理好きな人は楽しめる作品だと思いますよ〜るんるん

私の感想なんて気にせず、とりあえず読んでみて下さいね〜ラッキー

 



★あ行 - その他の作家 -
村山由佳 『La Vie en Rose ラヴィアンローズ』

 *あらすじ*

薔薇の咲き誇る家で妻思いの優しい夫・道彦と暮らし、予約のとれないフラワーアレンジメント教室の講師、カリスマ主婦として人気を集めている咲季子。平穏な毎日が続いていくはずだった。あの日、年下のデザイナー堂本と出会うまでは。

 

後悔なら、死ぬほどしている。それでもなお、初めて堂本と口づけを交わしたあの瞬間―雷に打たれたようなあの瞬間だけは、人生の宝なのだった。いつまでもきらめく宝石のような一瞬だったのだ。

 

*感想*

エロかったです!切なかったです!そして面白かったです!!ラブラブ

 

本書を一言で表すと、『主婦の不倫小説』で、ストーリー展開は特段変わっているものではないのですが、言葉の駆け引きと心情描写がとても非常にこの上なく(←しつこい)上手で、活字の威力に圧倒されながら読み耽った作品でした。本当に面白かった!素晴らしい文章でしたぴかぴかぴかぴか

 

恋愛は『不安』との闘い

結婚は『不満』との闘い

 

こんな言葉を以前私は耳にしたのですが、本書ではまさしくその状態が描かれていて、いくつかの恋愛を経験し、そして現在婚姻生活を送られている方は、主人公:咲季子の言動にハっとさせられたり、共感したりする場面が多々あるかと思いました。

 

まず、夫である道彦からのモラハラは読んでいて不快に感じる程に度が過ぎたものでしたが、現実にはあそこまで酷いモラハラではなくても、主婦というのはある程度は夫に気を使うし、そして社会から遮断された世界(家の中)で生きている主婦にとっては、自分を評価してくる唯一の存在が夫だけとなり、「自分の価値=夫からの評価」 という危険な判断になってしまうのですよね… なので咲季子が自分の意思を仕舞い込む姿に、その状況と気持ちが理解できて、胸が痛かったです泣き顔

 

そしてそんな自分にもっと違う価値を見出したかったり、自信を持ちたかったり、主婦としてではなく女として求められることの喜びを思い出したかったりしてハマっていく不倫…

その不倫の場面では、不安との闘いと、人を求める情熱と、そしてその恋から醒めた時の悲しさが完膚なきまでに表現されていて、切なかったですポロリ

 

何度も書いてしまいますが、本当に本書の文章は最高でした。最高に良かったです。

『伝えたい気持ちと展開を文字で90%表し、ニュアンスで10%届ける。』という感じだったのです。だって、人っていつでも自分の気持ちを100%言葉にするわけではないですよね、80%とか90%だけ言葉にして、あとはニュアンスと空気感で相手の気持ちを汲み取るのが現実だから、本書はとてもリアルでした。

 

そして最後に本書で一番エロかったと思うところを書かせてください(笑)

それは箱根一泊旅行の夜の

「私のこと……ちょっとは、好き?」

「今さら何言ってんの?そうじゃなかったら、なんでこんなことしてるんだよ。え?」

「好きでもない女に、こういうことする男だと思われてんの、俺」

 

のシーンだったんですけど… あー、是非このシーンを皆さんはどう受け取ったのか語り合いたい(笑)

旦那からのモラハラはストレス以外の何物でもないのに、年下の愛人からの主導権を握られている上から台詞には思わずキュンとしてしまいました 女心は複雑ですねwイヒヒ

 

 

 

 



  ├ 村山由佳 -
畑野智美 『罪のあとさき』

 

 

*あらすじ*

中学時代の同級生、正雄と再会した楓。正雄はかつて、同級生を殺害していた。

何事もなかったかのように接する正雄。楓は、殺害した理由などを訊けないまま徐々に正雄と過ごす時間が長くなっていくが、それにはある事情があった。

罪を背負った人間は償ったあと、どのように生きていけばよいのか。少年犯罪のゆくえは…

 

*感想*

中学生時代に同級生を殺害してしまった正雄と、そのクラスメートだった楓が大人になってから再会し、過去との向き合い方と、この先の生き方を探っていく物語でした。

 

少年時代に犯罪(殺人)を犯してしまった人は、大人になってからどう生活していくのか?と興味があったので本書を読んでみたのですが、本書は私が求めているその答えを描いているような内容ではなく、設定や展開に違和感を抱く箇所もあったために、残念ながら私の好みの小説ではありませんでした…泣き顔

 

**ここからネタバレを含みますのでご注意ください**

 

正雄にはアスペルガー症候群かサヴァン症候群なのかと思われる、ある特定分野においての記憶力が抜群に良いことと、他人の気持ちを察することが苦手という特性がありました。その特性があったからこそ、中学時代に永森くんの言葉を真に受けて、彼を殺害してしまうという展開と、ストーカー被害の後遺症で男性との交際に臆病になっている楓の心にスッと入り込むことができたという展開になれたという重要な設定であるのはわかるのですが、 『症候群の子=人を殺せる子』という偏見を抱きかねない危険な設定だったと思うので、私は純粋に楽しめる小説ではありませんでした。

特にP.186

 

人を殺すというのは、動機の問題じゃない。殺せるか、殺せないか、その人個人の性質の問題だ。卯月くんは、人を殺せる。

 

の箇所は、本当に「個人の性質」と受け取る読者がどれだけいるのだろうか?と思いました。

 

他にも、正雄が永森くんを殺害した時に「殺すべき命だ」と心の中でつぶやいたのを、私はとても恐ろしく感じ、そして人間として最低な考え方だと思いました。しかしそんな考え方も楓と一緒に暮らすことによって何か変化が起きたかと少し期待したのですが、ラストで「守るべき命だ」と言ったことで、命の選別をしている正雄はやはり恐ろしい人で、何も昔から変わっていないんだなと、気持ち悪い終わり方でした。

 

結局本書の伝えたかった事は何だったのだろう…

犯罪者との恋愛を成就させる難しさかな?

そういえば、幼少期に言葉を発することをしない妹・千尋が、数年後に全く問題なく発声・会話できるようになったという展開にも唖然としてしまいました。こういうのは個人差あることなのでいいんですけどね… でもあれだけ正雄の家庭環境の不安定さを千尋のことのネタにしていたのに…

 

今回は不満の多い感想ですみませーんモゴモゴ でも文章は読みやすくて良かったので、機会があったら著者の他の作品も読んでみますね!!

 



★は行 - その他の作家 -
芦沢央 『許されようとは思いません』

 

*あらすじ*

かつて祖母が暮らしていた村を訪ねた「私」。祖母は、同居していた曾祖父を惨殺して村から追放されたのだ。祖母はなぜ、余命わずかだったはずの曾祖父を殺さねばならなかったのか… 究極の選択を迫られた人たちの悲劇を、端正な筆致と鮮やかなレトリックで描き出す、日常に潜む狂気を描いた全5編。

 

*感想*

故意的、または必然的に事件を起こした人々を描いた短編集でした。

主人公たちにはそれぞれに貫きたい思いがあって事件を起こしてしまうので、その“思い”に共感したり、共感できずに驚いたりと、読み応えがあり面白かったですわーい

 

かわいい5編のあらすじかわいい

『許されようとは思いません』同居する曾祖父を惨殺した祖母の真意は…

『目撃者はいなかった』仕事のミスを隠蔽中に交通事故に遭遇してしまい…

『ありがとう、ばあば』祖母に価値観を押し付けられて生きる少女は…

『姉のように』育児に疲れを感じるあるママはとうとう…

『絵の中の男』絵が描けなくなってしまった芸術家の末路は…

 

私は2話目の『目撃者はいなかった』がとても気に入りました桜ぴかぴかぴかぴか

仕事でのミスを隠蔽するためにとある場所に赴いた葛木修哉が、交通事故を目撃してしまった。しかし、その交通事故の真相を警察に話せば、なぜ修哉がそこに居合わせたのかも話さなければならなくなるので、交通事故を目撃したことを黙っていようと決め込むのだが…

という物語で、かなりハラハラドキドキさせられましたラブ

 

まず、仕事のミスを隠蔽しようとしてしまうところが、近年のニュースでも話題となった「出社したくなかったから『強盗に襲われた』と自作自演した男」や、「残業が嫌で郵便物を捨てていた郵便配達員」などを思い出させ、現代的だなと苦笑させられましたたらーっ(笑いごとじゃないけれど)。

そして、隠蔽を決めた割には、小心で、その後もヒヤヒヤドキドキ唖然と生活する修哉の心理描写はとても感情移入できて良かったです(私も小心者なので)。

あと、目撃してしまった交通事故で死亡者側に不利な捜査状況になってきているという怖さなどもリアルで、とにかく終始没頭して読みふけり、最後の最後にもう一度修哉に「会社や警察に本当の事を話すべきか、否か」という究極の選択が与えられる展開は秀逸でした!!!!

 

その他の4編は、家庭での問題が主になってくるので、未婚の方には想像し難い動機や展開かもしれないなと思ったのですが、各話50ページ程度の物語でサクっと読めるので、機会があったら是非読んでみてくださいね〜ムード



  ├ 芦沢央 -
麻耶雄嵩 『貴族探偵』

 

 *あらすじ*

信州の山荘で、鍵の掛かった密室状態の部屋から会社社長の遺体が発見された。自殺か、他殺か? 捜査に乗り出した警察の前に、突如あらわれた男がいた。その名も「貴族探偵」。 警察上部への強力なコネと、執事やメイドら使用人を駆使して、数々の難事件を解決してゆく。斬新かつ精緻なトリックと強烈なキャラクターが融合した、かつてないミステリーが誕生!傑作5編を収録。

 

*感想*

現在、相葉雅紀さん主演で放送されている月9ドラマ『貴族探偵』の原作になりまするんるん

 

これは是非ともドラマ化の前に読んでおこう!!と思ったのですが、残念ながら初回放送までに読み終えることができませんでした泣き顔 でも「原作Firstぴかぴか」のポリシーに則り、まだドラマは見ていませんよ〜〜イヒヒ

 

とういうことで、純粋に本の感想を…ラブ

 

あらすじにもあります通り、本書は謎解きミステリーの短編集です。事件の起こる場所や状況は各話それぞれ違うものの、その謎を解くのは“貴族探偵の使用人”であり、その貴族探偵は現場に居合わせる“美しい女性を口説く”という、お決まり事項のある小説でした。

 

トリックは解けてみれば案外単純だったものから、少々ややこしいものまであり、幅広く楽しめました。

 

私が特に「くぅ〜〜〜 そういうトリックだったのかてれちゃう」と苦虫を嚙んだように悔しくなった話は、単純なトリックだった方に分類される、第二話目の『トリッチ・トラッチ・ポルカ』でした。

発見された遺体には頭と腕がなく、後日別の場所からその頭と腕が発見されたのですが、なぜ犯人はわざわざ頭と腕を切断したのか… それはストレートにアリバイ工作に不可欠な理由があってやったことだったので、ラストがすっきりしていて良かったですムード

 

逆に、トリックがややこしかったのは、第三話目の『こうもり』でした。こちちらのトリックは、映像ではなく、文章でこの物語を楽しみ、推理しようとしている読者にはかなり不利なトリックが使われていて、これはトリックが暴けなくて当然だったと思います。。。モゴモゴ

 

 

↓ここからネタバレ↓

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『トリッチ・トラッチ・ポルカ』のトリック

犯人は、小関仁美という美容師だった。アリバイ工作のために、遺体の頭と腕を持ち帰り、それにケープをかけて、髪をセットしているところを他のお客に目撃させて、死亡時刻詐称をした。

→感想:生首や腕から血が滴ったり、生臭さがなかったのか?と私としても細かいところが気になるのですが、フィクションなのでそこまで気にしてはきっといけないのですよね…ひやひや

 

『こうもり』のトリック

佐和子を殺害したのは、義兄である大杉道雄だった。殺害時刻に妻と女子大生2人とランチをしていたというアリバイがあったが、じつはそれは大杉の替え玉だった(過去に大杉を語って無銭飲食していた男)。妻の真知子は佐和子殺害のグルだったのと、女子大生2人は大杉に会うのが2度目だったので、替え玉と気が付かなかった。

→感想:うーん…替え玉の大杉からはたばこの匂いがしたなどのヒントは読者に与えてくれてはいるものの、やはり小説は「言葉で勝負」すべきだし、替え玉作戦が有効になってしまうと、この世のミステリーのトリックが崩壊してしまうので、私としてはこのトリックは「なし」かな…汗

 

 

本書をドラマ版キャストを思い浮かべながら読むと、事件の関係者である女性たちを毎度口説く貴族探偵役には相葉くんというより、手越くんの方がイメージに合うな… と思ったのですが…イヒヒ ドラマでは女性を口説くシーンはないのかな!?

 

是非ドラマ版も観てみますね〜ラブ



★ま行 - その他の作家 -
岩木一麻 『がん消滅の罠 完全寛解の謎』

 

*あらすじ*

日本がんセンター呼吸器内科の医師・夏目は、生命保険会社に勤務する森川から、不正受給の可能性があると指摘を受けた。
夏目から余命半年の宣告を受けた肺腺がん患者が、リビングニーズ特約で生前給付金3千万円を受け取った後も生存しており、
それどころか、その後に病巣が綺麗に消え去っているというのだ。同様の保険支払いが4例立て続けに起きている。
不審を抱いた夏目は、変わり者の友人で、同じくがんセンター勤務の羽島とともに、調査を始める。
一方、がんを患った有力者たちから支持を受けていたのは、夏目の恩師・西條が理事長を務める湾岸医療センター病院だった。
その病院は、がんの早期発見・治療を得意とし、もし再発した場合もがんを完全寛解に導くという病院。
がんが完全に消失完治するのか? いったい、がん治療の世界で何が起こっているのだろうか―。

 

*感想*

かんかい【寛解】がんの症状が軽減した状態。がんが縮小し、症状が改善された状態を部分寛解、がんが消失し、検査値も正常を示す状態を完全寛解という。

 

今は、日本人の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで死亡すると言われています。そんな身近になってしまった病気を題材に、しかもそのがんが寛解するらしい!?という触れ込み?の小説である本書、読まないわけにいきません!!2017年の『このミステリーがすごい!』大賞受賞作でもあるので、早速読んでみましたよ〜桜

 

巻末の『このミス』選評や、Amazonなどのレビューでは賛否両論あった様子ですが、私は本書がとっても面白かったですラブラブラブ

 

医療ミステリーはどうしても専門用語や専門知識が必要になってきてしまうので、それを読者に簡単に説明する役割を担う、医療素人の登場人物がいて(夏目の彼女)、スリーリーに軽いタッチを入れるために少々変人を登場させる(羽島)などは、「お決まり」感が否めなかったのですが、確かにそのおかげでグッと読みやすくなっていたので目を瞑るとしましょう…イヒヒ

 

まず本書の素晴らしいところは構成だと思いましたぴかぴかぴかぴか

本書のメインディッシュとなる「がん寛解の謎」が展開される前に、小振りで前菜的な「がん寛解の謎」が1つ披露されるのです。この前菜寛解は、医療素人の私たちでも解ける簡単なトリックが使われていて、このおかげでメインの寛解の謎に挑むウォームアップが自然とできました。このウォームアップのおかげで医療ミステリーへの食べず嫌いがかなり減ったのではないでしょうかラッキー

そしてメインの寛解トリックはそれなりに深い理由とトリックが含まれているもので読み応えがあり、そのままデザートで〆なのかと思いきや… 主人公の夏目に振舞われることのなかった真相という料理が、まだ厨房では料理されていたのですよ!!まるで料理のフルコース+αの様な流れの素晴らしいストーリーじゃありませんか!!

 

この+αの部分は、俗に言う「どんでん返し」部分なので伏せておきたいとも思ったのですが、後々自分でこのブログを読み返した時に、「はて?どんな結末だったのだっけ?」と思うことが近年多いことに気が付いたので、備忘録といことでネタバレを書いておきたいと思います。

 

 

↓ここからネタバレ↓

 

↓ここからネタバレ↓

 

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がん寛解の謎は、他人のがん細胞をターゲットの体内に注入し(この時に他人の細胞が体内に入ってくることへの拒否反応を起こさない様に免疫制御剤を使用)がんを発症させ、のちに免疫制御剤の使用を停止することによって、自身の拒否反応によってがん細胞を攻撃、死滅させていた。

 

本書の黒幕である西條先生は、亡くなった妻と娘の仇討ちのために動いていた。

妻は不貞をはたらき、西條との子どもではない娘を出産。本書ラストで西條が殺害されたと思われたが、じつは娘と西條は血が繋がっていなかったので、その遺体は妻の浮気相手のものだった。そして娘が死亡するきっかけになった妊娠の相手は羽島だった。

一連の西條の計画を傍でサポートしている宇垣医師は、西條が若い頃に精子を他人に提供して生まれた子どもだった。

 

なので、ラストで宇垣医師が西條のことを「お父さん」と呼んだのですね〜〜猫2

 

うーん なんてよく出来ているお話てれちゃうラブ

 

 

医療という素人には分かり難い専門的トリックだけでなく、人間ドラマのトリックも並行して描いているので、かなりお勧めのミステリーだと思いますムード

 

是非是非、がんに興味がなくても読んでみてもらいたいですラッキー

そして、いつか本当にがんが寛解する病気になってくれますようにぴかぴかぴかぴか

 

 



★あ行 - その他の作家 -
塩田武士 『罪の声』

 

*あらすじ*

多くの謎を残したまま未解決となった「グリコ・森永事件」の第一幕は社長の誘拐から始まった。会社施設への放火、菓子に毒物を混入し企業を脅迫。身代金取引の電話では子供の声が使われ「かい人21面相」などと名乗った挑戦状が送りつけられるという陰湿な事件だった。『罪の声』はこの事件をモデルにしたフィクションである

 

*感想*

2017年本屋大賞ノミネート作品ということで、あらすじを調べることなく読み始めましたら… ミステリーなのか、謎解き本なのか、登場人物の父親の過去を探るものなのか、注目して読むべきポイントを理解できず、ただひたすら硬派な文章を読む作業に疲れてしまい… な、な、なんと… 途中リタイヤしてしまいました泣き顔泣き顔泣き顔泣き顔どんっどんっ

 

物語は昭和53年に起きた未解決事件『ギン萬事件』の真相を追う、2人の主人公の目線でそれぞれ綴られていきます。

1人は、父親の遺品の中から『ギン萬事件』に使用されたと思われるカセットテープを発見した男性(曽根)。

もう1人は、新聞の年末企画で『ギン萬事件』を取り扱うことになった新聞記者の男性(阿久津)。

 

この2人がお互いの存在を知らずに、それぞれ『ギン萬事件』に関係のあった場所や人を調べ、事件の全貌を暴こうとするのですが、本書が400ページ超えの長編であることから、なかなか2人の点が繋がらず、そして事件の核心も全貌も全く明らかにならないんですモゴモゴ

終いには、事件についての情報提供者は、曽根と阿久津、どちらが見つけ、そして聞き込みをしたのだっけ?などと、かなり混乱してしまったので… とうとう200ページまで読んだところで、『あとは流し読みで済ます』という決断を下してしまいました泣き顔 悔しいですが、本当にこれ以上読むのは無理だったのでご勘弁を…

 

そして最後に巻末に掲載されている参考文献や著者の言葉も読んでみたら、な!なんと!!本書は昭和54年に起きた『グリコ森永事件』を描いたものだったのですね!!『グリコ森永事件』は私が赤ちゃんだった頃の事件なので詳細を知らないのですが、実話に基づいた内容だったということを最後の最後に知り、一気にまた本書に興味を抱いたのですが、流し読みで済ましてしまったページをじっくり再読する元気はありませんでした唖然

 

グリコ森永事件をリアルタイムで知っていた方には、本書はとっても楽しめると思います。

この事件を知らなくても、硬派な文章となかなか進まない展開が苦手ではないかたはチャレンジしてみてくださいね★

 

 

 

 

 

 



★さ行 - その他の作家 -
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