SexyZoneの中島健人くんと読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
池井戸潤 『陸王』

  

*あらすじ*

埼玉県行田市にある「こはぜ屋」は、百年の歴史を有する老舗足袋業者だ。といっても、その実態は従業員二十名の零細企業で、業績はジリ貧。社長の宮沢は、銀行から融資を引き出すのにも苦労する日々を送っていた。そんなある日、宮沢はふとしたことから新たな事業計画を思いつく。長年培ってきた足袋業者のノウハウを生かしたランニングシューズを開発してはどうか。
社内にプロジェクトチームを立ち上げ、開発に着手する宮沢。しかし、その前には様々な障壁が立ちはだかる。資金難、素材探し、困難を極めるソール(靴底)開発、大手シューズメーカーの妨害――
チームワーク、ものづくりへの情熱、そして仲間との熱い結びつきで難局に立ち向かっていく零細企業・こはぜ屋。はたして、彼らに未来はあるのか?

 

*感想*

池井戸さんの作品といえば、会社経営を舞台に、資金難、開発難、そしてライバル社との敵対に立ち向かいながら、会社を経営してゆく物語が多く、その展開はもうまさに水戸黄門的で、必ず最後は正義が勝つのだろうと半ば分かってはいたのですが… やはり読んでいて面白かったですラブラブぴかぴかぴかぴかラブ

 

今回の舞台となる会社は、百年の歴史を有する老舗足袋業者「こはぜ屋」です。洋装が主流となった現代、足袋産業は斜陽産業と言われ、実際に業績も右肩下がりで、同業者で廃業していくものも少なくなく、こはぜ屋が生き残りを賭けて、新規事業のランニングシューズを作る物語でした。

 

新規事業を始めるにあたって、問題は次から次へと起こってしまいますどんっ しかしそれらの問題を知恵と人情で乗り越えてゆく展開は、自分もまるでこはぜ屋の一員になったかの様に嬉しく、時には涙を流しながら読みましたポロリ

 

また、その新規事業内容がランニングシューズというところが良いですよね!!ぴかぴかぴかぴか ただ走る。だからこそ奥が深いスポーツだと思うので、作品中で語られる「走る」についての理論やレースの駆け引きは、会社経営の駆け引きとは違う楽しさを読ませてくれて、とても良かったです桜ぴかぴか

 

池井戸さんの作品は会社経営という現実を舞台にしているのに、最後は正直者・真面目な者が勝つという夢がある作品ですよね。現実はそんなに甘くはないと誰しも分かっているけれど、現実も池井戸作品のように正義が勝てばいいのに。皆でそういう社会を作っていけたらいいですよね。

 

本書は、現実の厳しさに嫌になった会社員、会社経営者にお勧めなのはもちろんのこと、「会社の大きさではなく、自分がその仕事にプライドをもってやれるかどうかなんだ。」などの仕事との向き合い方についてもとても熱く語られているので、就活中の大学生の人にもおすすめだと思いますよ〜わーい

もちろん主婦でも楽しめましたけどねウィンク

 

ドラマも放送中ですし、是非原作も読んでみてね〜ムードぴかぴか



  ├ 池井戸潤 -
川村元気 『四月になれば彼女は』

 

*あらすじ*

4月、はじめて付き合った彼女から手紙が届いた。そのとき僕は結婚を決めていた。愛しているのかわからない人と

天空の鏡・ウユニ塩湖で書かれたそれには、恋の瑞々しいはじまりとともに、二人が付き合っていた頃の記憶が綴られていた。ある事件をきっかけに別れてしまった彼女は、なぜ今になって手紙を書いてきたのか。

時を同じくして、1年後に結婚をひかえている婚約者、彼女の妹、職場の同僚の恋模様にも、劇的な変化がおとずれる。愛している、愛されている。そのことを確認したいと切実に願う。けれどなぜ、恋も愛も、やがては過ぎ去っていってしまうのか

失った恋に翻弄される、12カ月がはじまる。

 

*感想*

派手で分かり易い事件や展開がない、文学系恋愛小説でした。

リアルでドラマチックな内容が好きな私には、かな〜り退屈な内容だったので、少々辛口な感想になるかもしれません泣き顔 ご容赦ください汗

 

過去の大学生時代の恋と、現在の婚約者との恋とを、折り重ねながら紡がれてゆく物語なのですが、主人公の藤代があまり情熱的なタイプではないので、綴られていく情景がどこか俯瞰的で、その恋の切なさややるせなさを共感したり、感じ入ることが私にはできず楽しめませんでした。

元彼女から藤代に送られた手紙も、良く言えば文学的、意地悪く言えばナルシスト的で、その手紙を通して藤代に何を伝えたがっているのか分かり難く、後半は読むのが正直辛かったです…唖然 

 

本書のテーマは多分、

「生きている限り、愛は離れていく。でも二人のあいだに残っているカケラを拾い集め、愛をつないで生きていく」

なのかなと思います。このテーマ自体にはとても興味あるし、セックスレスの妹夫婦やバイセクシャルの友人が登場してきて、このテーマを上手く多角的に見せていたとは思うのですが、私はもっとパッションを感じる文章を読みたかったな。そしてもっと明確に「四月になったから彼女はこうなった!」という変化を読みたかったです汗

 

 

私には合わない本だったけれど、愛することや結婚の意義に疑問を持っている人にはお薦めかもしれません。読んでみてくださいモグモグ

 

 

 



  ├ 川村元気 -
朝井リョウ 『何者』

  

*あらすじ*

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。

 

*感想*

直木賞受賞作品であり、人気若手俳優陣によって映画化もされている有名作品なので、以前から「読む!」「読みたい!」と言いつつ、やっと読むことができましたぴかぴかぴかぴか!

 

朝井さんの作品はこの他に2冊読ませて頂いているのですが、いつも安定の面白さだな〜 と、惚れ惚れします ラブ 本書も、朝井さんが描きたいと思っているであろう世界観と、それを具現化するための活字が見事に融合していて、今まで読んだことのないTwitter投稿文を載せるという手法に驚かされながら、その世界に没頭しましたぴかぴか 

 

人は誰しも「本当の自分」「なりたい自分」「かっこいいと思われるための自分」などなど、いくつもの顔を持っていると思うのですが、本書ではそれを「意識的/無意識にそうしているのか」という次元にまで掘り下げて問いかけてくる深い物語で、正直驚きました。

物語前半は、就職活動をやらないことで「自分はちょっと他の人とは違うんです」とアピールするイタイ男(隆良)の言動に、「ウザっ、でもこういう人いたわイヒヒ」とツッコミを入れながら軽く読めるのですが、本書後半は友人同士で本音のぶつけ合いが出てきて、しかもそれが「かっこいいと思われるための自分」「本当の自分」の辺りをエグるような、生々しい言い合いで胸が痛いのと同時に「そろそろ自分の器の大きさを認める時なんだな」と変に冷静にもなれる展開になっていて、とにかく面白かったです。そして同時に、自身の若気の至りも思い出したりもして苦笑もしましたたらーっ

 

本書のキーアイテムはTwitterなので、Twitterを利用したことがない方には、少々理解し難い部分もあるかもしれません。でも学生時代ならではの人生模索中な部分は、多分昔から変わらずあったことだと思うので、もう大人になってしまった人にも読んでもらいたいし、そして大学1・2年生頃の方々になんてドンピシャな内容だと思うので、是非読んでもらいたいですね。「大人になるということは」というヒントをもらえる作品だと思います。

 

色々な要素が含まれている作品なので、漠然とした感想文になってしまいましたが、朝井さんって天才だなと思う秀作でした。今回も素晴らしい作品ありがとうございましたぴかぴかぴかぴかわーい



  ├ 朝井リョウ -
久坂部羊 『老乱』

 

 

*あらすじ*

在宅医療を知る医師でもある著者が描く迫力満点の認知症小説。
老い衰える不安をかかえる老人、
介護の負担でつぶれそうな家族、
二つの視点から、やっと見えてきた親と子の幸せとは?
現実とリンクした情報満載の新しい認知症介護の物語。

医師、家族、認知症の本人の
それぞれの切実な“不都合な"真実を追いながら、
最後にはひと筋の明るいあたたかさのある感動の長篇小説。

 

 

*感想*

高齢化社会と呼ばれる現代、皆さんの周りには介護が必要なご家族がいらっしゃいますか?

私には差し迫って介護が必要な親族はいないのですが、介護疲れからくる事件を新聞やテレビで目にする度に「将来の自分」になるのではないかとドキっとさせられています… 

 

本書は、認知症になった義父(介護される側)と、その嫁(介護する側)の視点を交互に描き、認知症の辛さを双方の視点から丁寧に、リアルに描いた骨太作品でした。途中に介護に関する新聞記事も差し込まれるので、物語に客観性と社会の認知症に対する受け止め方も知ることができて、本当に素晴らしい作品で読んで良かったです桜

 

介護される側とする側の苦悩と苦悶が詳細に描かれているので、とにかく読んでいて切なく苦しい作品でしたポロリ 義父の徘徊、排せつの失敗、さらには自分の息子を殺しかけるという狂乱には「こんな事をされたら、介護する側が介護疲れに陥るのも仕方ないし、もう施設に入れるしかないよな…」と思ってしまうのですが、「施設に入れるということは、育ててもらった恩を忘れ、親を見捨てようとしていることなのではないのか泣き顔」という考えも出てきて介護する側の雅美と知久と一緒に悩み、苦しくて辛くて胸が痛くなりましたポロリ

 

更に本書が秀作なのは、同じ場面を介護される側の幸造の目線綴られるところなのです。その時に、幸造は何を考え、どう感じてそういう行動をとってしまったのか…認知症なので明確な理由や根拠がなく、支離滅裂ともしているけれど、それでも認知症の人なりに「家族の迷惑になりたくない」などの強い考えと思いがあって、そういう行動にでてしまうことだったり、幸造自身も「俺は厄介者…早く死にたい」と思っていたりして、大切な家族で、大切な命なのに、認知症という病気のせいで、バランスが崩れてしまう心身と人間関係に涙が止まりませんでしたポロリ

 

しかしそんな苦しい場面だけではなくて、本書ラストには、介護に対しての向き合い方と、幸造の穏やかな最期が描かれていて安心し、勉強になりました。それはフィクションがなせる業の理想論かもしれませんが、でも「認知症を否定することは、本人を否定しているのと同じ」という本文は目からウロコだったし、本書を読んでおいたおかげで、何か私の介護に関する未来が変わった気がします。

 

親族の介護もそうだし、自身の老後のことを思っても読んで絶対に損のない1冊だと思います。是非是非読んでみてください!!!!ぴかぴかぴかぴか

 

 



  ├ 久坂部羊 -
芦沢央 『雨利終活写真館』

 

*あらすじ*

遺影専門写真館を舞台にしたミステリー連作

『人生の最期に最愛の人へ最高の自分を贈るために』
巣鴨の路地裏に佇む遺影専門の雨利写真館には、今日も死に向き合う人々が訪れる。撮影にやって来る人々の生き様や遺された人の人生ドラマを若手注目ナンバー1新進気鋭のミステリー作家・芦沢央が見事な謎解きで紡ぎ出す。

人生の終焉を迎える時、人は、本当に大切な物が見えてくる。
ミステリー、なのに心温まる珠玉の4編。

一つ目の遺言状 ハナの祖母の遺言の謎。そこには驚きの仕掛けが。
十二年目の家族写真 母の死を巡り、父と息子の葛藤の日々が始まる。
三つ目の遺品 写真館に遺された一枚の写真。そこに写る妊婦は?
二枚目の遺影 末期癌を患う男性が撮った二枚の遺影写真。

 

*感想*

遺影専門の雨利写真館を舞台に、故人が残したクイズや真意を謎解くミステリー小説でした。

 

4話からなる短編集で、各話それぞれ遺影を通しての謎が用意されているのですが… 普通のミステリーというか、謎解き系を好みとしない私には少々退屈でした撃沈

舞台が『終活』『遺影』なので、故人の思いを考えると「感動的」とも取れる内容だとは思うのですが、それにしても「まどろっこしい」というか…あせあせ 雨利写真館のスタッフたちも、実は腹黒いオーナー、寡黙なカメラマン、エセ関西弁を話すおちゃらけアシスタント、そして失恋して傷心の主人公という、まぁ王道な配置で、安定感を通り越して凡庸に近かったです。

 

ってズラズラとネガティブな感想ばかり書いてしまいすみません泣き顔

じつは、本書を手に取った時に、何故か最後の「参考文献・謝辞」のページがまず目に留まったのですが、そこには

 

執筆にあたり、多くの文献・ウェブサイト等を参考にいたしましたが、書名から物語の展開が予測し得るため、あえて割愛させていただきます

 

って書いてあったのですよ!!

ちょっとこんなの読んだら

「えええっっっ!! どんな展開が待ち受けているのっ!?ラブラブ

って期待しちゃうじゃないですか

なので、期待過剰に本書を読み始めてしまったせいもあるかもしれません。

 

確かに、各話しっかりとそれぞれ予測不可能な良いオチが用意されていたと思います。でも予測不可能だったから感動するかどうかは別の話でね…汗

 

 

内容は好みではなかったのですが、私は本書から1つ、ものすごく重大なことを学びました。

それはですね、こんな所で自分のコアな部分をさらけ出すのも申し訳ないのですが…

私はですね、じつは自分の事が嫌いなんです…

何不自由ない生活を送って、好きな本を読んで、アイドル応援活動して、毎日楽しく暮らしている気がするのだけれど、どうしても自分のことが好きになれなくて、なぜこんなにも自分を好きになれないのか漠然としかその理由がわからなかったのが、本書を読んでやっとわかったのです。

それは3話目の『三つ目の遺品』にある一文で

『そういうことじゃなくて… 私が、私を許せないんです』

でした。

そうなんです、私は、過去や現在で何か上手くいってない(いかなかった)ことに対する自分の行いや思考を許せてないんです… 許せないのに、自分を変えられない、そんな自分が嫌い。この無限ループに陥っていることにやっと気づくことができました。。。ポロリ 芦沢さんありがとうございます。

 

内容が好みではなくても、何かしら気が付かされることがあったり、楽しめることがある読書ってやっぱり素晴らしいですよね。

 

終活にまだまだ無縁な方も是非本書を読んでみてくださいね〜かわいい



  ├ 芦沢央 -
秋吉理香子 『聖母』

  

*あらすじ*

東京都藍出市で、幼稚園児の遺体が発見された。被害者は死後に性的暴行を加えられていた。
事件のニュースを見た主婦・保奈美は、大切なひとり娘は無事だろうか、と不安に陥る。
警察は懸命に捜査を続けるが、犯人は一向に捕まらない。
娘を守るため、母がとった行動とは。『暗黒女子』の著者が放つ驚愕の長編ミステリー!

 

*感想*

先日読んだ、秋吉さんの『暗黒女子』が面白かったので、早速他の作品を読んでみようと本書を手に取ったのですが…

あまりの面白さに一気読みでした!!(^o^)丿ぴかぴかぴかぴかぴかぴか

 

本書のストーリーは、幼稚園児殺害事件をベースに、〕鎮娜犹を殺害した犯人 △修離縫紂璽垢鮓た主婦 その事件を担当する刑事 の3つの視点で綴られていきます。 しかし物語は単純に刑事が犯人を捕まえることができるのか?というものだけではなくて、犯人が殺害遺棄した幼児の遺体に、遺体発見時に更なる暴行が加えられているという謎や、△亮臧悗、近所に住む前科犯を非常に恐れ、そしてこの幼稚園児殺害事件の犯人はその前科犯だと決めつけて警察へ通報する、という尋常ではない行動が綴られ、この物語がどこへ繋がっていくのか分からい展開になっていきます。

 

しかし、そのどこへ繋がっていくのか分からなくなった物語と、それまで理解できなかった登場人物たちの不可解な行動(性器を切り取る、蓼科が犯人だと決めつける、など)には全て理由があったのだと解り、グロテスクだし、残虐だし、絶対にこんな犯罪を許してはいけないけれど、許してはいけないからこそ、そういう犯罪から我が子を守りたいという母親=聖母の愛が伝わってくる物語で、こういう風でしか我が子を守り助けることしかできなかった切なさに涙がこぼれましたポロリ

 

 

↓ここからネタバレ↓

↓ここからネタバレ↓

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由紀夫ちゃん、聡ちゃんを殺害した犯人は本中で書かれている通り真琴でした。

その真琴は、保奈美が不妊治療の末にやっと授かった1人娘で、真琴は13歳の時に蓼科秀樹に強姦され、妊娠してしまう。真琴は中絶するつもりだったが、妊娠出産は奇跡だと思っている保奈美に説得され、薫を出産したのだった。その後、薫は保奈美の養子として育てられていた。しかし真琴は強姦された記憶と恐怖から、蓼科に似た乱暴な幼児を殺害してしまう。そして保奈美はそんな真琴の過去の強姦された苦しみから抜け出せていない事を感じ、幼児の死体遺棄に細工し、ラストではその犯人を蓼科にすり替えるという荒業までしてしまうのだった…

という物語でした。

 

 

 

本書も『暗黒女子』同様、映像化されてもおかしくないレベルの秀作だと思うのですが、本書では叙述トリックが使用されているので、残念ながら映像化は厳しいかと思われます(+_+) ので、どうか皆さん本書を活字で読んでみてください! グロテスクな描写があるけれど、母親の究極の愛を感じる作品になっていて感動しますよポロリ

 



★あ行 - その他の作家 -
秋吉理香子 『暗黒女子』

 

*あらすじ*

ある女子高で、最も美しくカリスマ性をもつ女生徒が死んだ。
一週間後に集められたのは、女生徒と親しかったはずの文学サークルの仲間たち。
ところが、彼女たちによる事件の証言は、思いがけない方向へ――
果たして女生徒の死の真相とは?全ての予想を裏切る黒い結末まで、一気読み必至の衝撃作!

 

*感想*

『イヤミス』といえば湊かなえさん、真梨幸子さんが代表的かと思いますが、これからは秋吉さんも入っていくのかな!?と思った、レベルの高いイヤミス作品でしたぴかぴかぴかぴかぴかぴか

 

物語の舞台は、ミッション系女子高の文学サークルの会長である女生徒(白石いつみ)が亡くなり、いつみを偲ぶべく、文学サークルのメンバーがそれぞれ『いつみの死をテーマにした小説』を執筆、朗読する会でした。

しかし5名のサークルメンバーが、小説内で「いつみを死に追いやった犯人」として名指しする人物がそれぞれ違い、いつみの本当の姿と、いつみの死の真相が、読めば読むほど分からなくなる内容で、とてもヒヤヒヤゾクゾク楽しかったですラブ

 

メンバーそれぞれが名指しする犯人と、タイイングメッセージのすずらんとの関係はこちら↓

 

執筆者      → 犯人 (すずらんとの関係)

 

1年A組 二谷美礼 → 古賀園子(すずらんの香水)

2年B組 小南あかね→ 二谷美礼(すずらんのバレッタ)

留学生  ディアナ・デチェヴァ→ 高岡志夜(すずらんの別名「君影草」の本)

3年B組 古賀園子 → ディアナ(故郷の花すずらん)

2年C組 高岡志夜 → 小南あかね(すずらん型のあざ)

 

 

5人の小説を読んだ後は、誰が犯人であってもおかしくない状況に少々戸惑ったのですが、その後、いつみが亡くなるまで副会長を務め、いつみの親友でもある澄川小百合の朗読により、全てが完結するのでご安心下さい!私もイヤミスながら読後はすっきりしました

 

↓ここからネタばれ↓

↓ここからネタばれ↓

↓ここからネタばれ↓

 

 

サークルメンバー5人の小説で、副会長だった澄川小百合を犯人だと疑う記述が全くなかったので、逆に怪しいと思っていたのですが…

はやりいつみを殺害したのは小百合たったという結末に「予想通り」と思いました しかし、その殺害方法と理由が、テラスからの落下ではなくて(それは北条先生と駆け落ちするための演技だった)、小百合が毒のあるすずらんをお茶をいつみに飲ませて殺害したとは… またその動機が、北条先生との生活で「凡庸で平俗」な女子になってしまったいつみよりも、自分の方が「主人公」にふさわしいと思ったという、どこまでも本書の趣旨通りの「小説」らしいもので、戦慄が走りました。

 

非常に各章の内容や相関図に『互換性』のある作りで、読み応えのある良い作品でした。

秋吉さんの作品をこれからも読んでいきたいと思いま〜すわーい桜



★あ行 - その他の作家 -
薬丸岳 『ガーディアン』

 

*あらすじ*

匿名の生徒による自警団「ガーディアン」が治安を守る中学校。赴任したばかりの秋葉は、これまでと比べて問題が少ない学校に安堵する。ささいな生徒の変化をきっかけに、秋葉は生徒の身を案じるが、同僚たちは激務に疲弊し、事なかれ主義だ。ガーディアンのメンバーたちは、問題のある生徒らに「制裁」を行っていた。相次ぐ長期欠席を怪しむ秋葉がガーディアンの存在に気づいたとき、おとなしい生徒達が一斉に牙を剥く。

 

*感想*

いじめを題材にした学園物語なのですが、クラス単位ではなくて学校全体での物語だったので、登場人物の多さに目が回りました(笑)たらーっ

今から読まれる方は、筆記用具必須ですよ鉛筆

 

ストーリーは、秋葉が赴任した石原中学校は、これまでの学校と比べて問題が少ないのだが、長期不登校の生徒が多々いることに違和感を抱き、調べてみたら生徒内で『ガーディアン』という自警団があることを知る。ガーディアンに目をつけられた生徒は、学校生徒全員から無視をされるなどの「制裁」を受けるため、学校に来られなくなるようなのだが… ガーディアンの正体は一体誰なのか?ガーディアンとは必要なのだろうか?

というものでした。

 

物語の大半は、生徒たちの悩みと、それに伴いガーディアンの活動内容を知る内容が綴られていき、「一体誰がガーディアンなのだろうか?」と、ミステリー感覚で読めて楽しかったでするんるんそしてガーディアンの正体が明らかになってきてからは、いじめ問題に教師はどう向き合うべきなのか?という教育論的なものも綴られ、それは学生時代特有の悩みではなく、社会を生きていく上でも必要な向き合い方、付き合い方として考えさせられる良い物語でしたぴかぴかぴかぴか

 

教師は万能ではない。しかし無力ではない。

 

本文で綴られたこの言葉、「教師」を「大人」と言い換えて、私も我が子らに伝えたい言葉だと思いましたポロリ

本当はいじめがなくなるのが一番なのだけれど、人間って他人と自分を比べてしまったり、自分や大切な人を守るために去勢を張ったり嘘をついたりしないといけない時があったりして、簡単にはなくせない問題なのだろうね…。でも優奈が答辞で読んだように「自分をわかってもらう努力」を忘れずに私自身もそしてみんなにもしていってもらいたいと思いましたポロリ

  

最後に、私が書き出した登場人物一覧を載せておきますねかわいい

ネタバレになるのでご注意くださいイヒヒ危険

 

★教師

西村   1年学年主任

蓮見玲子 1A担任 

細木   1B担任

森    1C担任

 

加藤   2年学年主任

相原   2B担任 28歳 数学教師

 

下田篤郎 3年生学年主任 昨年胃がんを患う

秋葉悟郎 3A担任 今年赴任してきた

辻    3B担任 現在のサッカー部顧問

佐久間  3C担任 40代半ば女性教師

 

武藤   元サッカー部顧問

倉持   養護教諭

佐伯   教務主任

 

★石原中生徒

三宅彩華  2年前に小児がんで死亡 当時の担任は蓮見、学年主任下田

 

日下部幸樹 1A 大山葵に惹かれる演劇部員

柳瀬七緒  1A 3A常盤結衣のいとこ

川越真凜  1B 元七緒の親友 いつもマスクをしている

仲あゆみ  1B 日下部幸樹の机に千羽鶴をおく

大山葵   1C 名の知れた元子役 演劇部員

 

岡部さゆり 2B 性的虐待で父親が逮捕される

伊藤涼子  2B 演劇部部長

江上志穂  2年 演劇部副部長

 

小野悠   3年 小5で転入してきて大雅と彩華と仲良くなる

常盤結衣  3A 三宅彩華と仲が良かった

若木陸   3A 以前武藤に髪を切られた

トモ    3A 優奈の友達

松山大雅  3B 元サッカー部 三宅彩華と幼馴染

南     3B 八巻・赤塚と松山をいじめていた

西尾宗次郎 3B 若木陸の友達

八巻創   3C 赤塚・南と松山をいじめていた

吉岡優奈  3C 生徒会長 松山大雅に思いを寄せる

山岸絵里香 3C 優奈の友達

赤塚颯太  3A 八巻・南と松山をいじめていた

 

★その他

五十嵐真理 南部中13組 葵をゆする

西尾奈々子 西尾宗次郎の母親

若木静香  若木陸の母親

八巻大和  八巻創の弟

赤塚絢人  赤塚颯太の弟

園原    秋葉の中学校同級生 塾経営者

米沢    園原が経営する塾の講師

夏目信人  錦糸警察署 強行犯係

楠木    下田が入院中の臨時採用教師

 

★ガーディアン

アテナ  常盤結衣

アポロン 小野悠

アレス  日下部幸樹

 

その他にも、一度ただ名前が出てきただけの人物もいたのですが割愛しますね汗

 

ネットを利用した子どもたちの裏社会を描いていて、これが現代のいじめなのかなと勉強になったし、実写化されたらなかなか面白そうなストーリーだとも思ったので是非読んでみていくださいね〜ムード



  ├ 薬丸岳 -
東野圭吾 『恋のゴンドラ』

 

*あらすじ*

真冬に集う男女8人の運命は? あの東野圭吾が恋愛"という永遠のミステリーに真っ向から挑む。衝撃の結末から目を逸らすな!

 

 *感想*

タイトルと装丁から想像するに、これは恋愛小説なんだよね…!?

東野巨匠の描く恋愛が絡む小説は、前作『危険なビーナス』で懲りているから、読むのをどうしようかな…汗 

と、ずーっと躊躇っていたのですが

 

本書、面白かったです!!ラブラブラブラブぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴか

 

確かに基本は恋愛小説なのですが、「駆け引き」「謎」「オチ」が上手く組み合わされていて、心情で読ませる恋愛小説ではなく、ゲーム・ミステリー感覚で読ませる恋愛小説という感じで、ドキドキしながら一気読みでした。

 

そのゲーム・ミステリー感覚というのはどういうものかと言いますと、1話目の『ゴンドラ』では、

結婚目前の男が婚約者には内緒で他の女とスノボー旅行に行ったところ、相乗りすることになったゴンドラで本命の彼女が偶然にも乗ってきてしまう。しかし新調したウェアとゴーグルで本命の彼女に自分だとバレていない気がするのだが… 本当にバレていないのだろうか…?

と逡巡する話で、その悩む姿は哀れであり滑稽であり、そして自業自得だと腹立だしくもあり、面白かったですイヒヒ

 

その後の短編でも、登場人物たちとエピソードが上手く交錯していて、連作短編集の醍醐味である、登場人物達の“その後”を別の話で知ることができたので、読後は「完全燃焼」感がとてもあり良かったですラブ

 

私はウインタースポーツを全くやらないので、雪山の事情や、スノボーやスキーの専門的な話はよく理解できませんでしたが、それでも本書は楽しかったので、是非是非ウインタースポーツをやる人もやらない人も読んでみてくださいね★恋愛の指南書には決してならない内容だけれども、群像劇として楽しめること間違いなしですよ〜桜

 

 

 

 



  ├ 東野圭吾 -
葉真中顕 『コクーン』

 

 

*あらすじ*

 1995320日、カルト教団『シンラ智慧の会』通称「シンラ」の教祖、天堂光翅の命を受け、白装束に身を包んだ6人の信者が、丸の内で無差別乱射事件を起こす。その宗教は、1958年ひとりの女が呪われた子を産む決意をした日に始まる。たとえ今、生きる意味が見出せないとしても、もしかしたらこの子は、私に生きる意味を与えてくれるかもしれないと―。

 

*感想*

毎回、暗くて面白い作品を出してくれる葉真中さんですが、今回も暗くて面白かったです!!ラブ(←そのまんま)

 

本書は、

1941年〜1958年の戦時中〜戦後

2010年〜2013年の現代

この2つの時を交錯させて描いています。

また、登場人物達も交錯し、更には彼らの夢と現実も交錯するので、本書のしくみを理解するまで「何が何だか…汗」という印象を受けるかもしれません。

 

しかし、是非その「何を描いているんだ?この本は?」のパートを読み切ってください!そこを理解すれば絶対に本書は面白いですから!群像劇や交錯モノがお好きな方は絶対にハマります!ラブラブ

 

物語のテーマとしては『この世界の不条理』『宇宙・地球・人間が誕生した仕組みがわかっても、誕生した理由まではわからない』『もしも(IF)の世界はあるのだろうか、もしあるのならあの事件の当事者になっていたのは自分かもしれない』というものかなと思います。

まぁまぁテーマが重めなのと、これらのテーマの根底は『生きる』ということなので、『生』と『性』はやはり切り離せず、(グロテスクな)性描写も少々出てきて、はやり読み手を選ぶ作品になってしまっているのかも。でも、繰り返しになりますが、面白いです!こんな壮大で難しいテーマを、交錯という技術も入れつつ見事にまとめ上げている葉真中さんの意欲作・力作であるのは間違いないですぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴか

 

私が一番面白かったのは、最終章『パラダイス・ロスト』の、繭子が段々シンラという宗教にのめり込んでいく所でした。その様子は狂気に満ちていて、しかし繭子の最期に家族を思うエピソードもあり、思わず泣いてしまいましたポロリ

 

それでですね、ここが一番重要なのですが、

最後まで読まれた方は、絶対に本書冒頭のプロローグ『コクーン―2016−』を読み返して下さい!!危険

最初に読んだ時には全く意味の分からなかったその文章が、本書を読み終えてから読み直したら、鳥肌が立ちました唖然 これこそが瑠璃の父親が言っていた

『原因と結果は、常に強力な因果律によって結びついているのだ。』(P239

なのかと…

 

やっぱり葉真中さんは天才だわ…

今回も見事に夢中にさせられました。

次回作も楽しみにしていますラブラブラブ

 

 



  ├ 葉真中顕 -
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