SexyZoneの中島健人くんと読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
東野圭吾 『恋のゴンドラ』

 

*あらすじ*

真冬に集う男女8人の運命は? あの東野圭吾が恋愛"という永遠のミステリーに真っ向から挑む。衝撃の結末から目を逸らすな!

 

 *感想*

タイトルと装丁から想像するに、これは恋愛小説なんだよね…!?

東野巨匠の描く恋愛が絡む小説は、前作『危険なビーナス』で懲りているから、読むのをどうしようかな…汗 

と、ずーっと躊躇っていたのですが

 

本書、面白かったです!!ラブラブラブラブぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴか

 

確かに基本は恋愛小説なのですが、「駆け引き」「謎」「オチ」が上手く組み合わされていて、心情で読ませる恋愛小説ではなく、ゲーム・ミステリー感覚で読ませる恋愛小説という感じで、ドキドキしながら一気読みでした。

 

そのゲーム・ミステリー感覚というのはどういうものかと言いますと、1話目の『ゴンドラ』では、

結婚目前の男が婚約者には内緒で他の女とスノボー旅行に行ったところ、相乗りすることになったゴンドラで本命の彼女が偶然にも乗ってきてしまう。しかし新調したウェアとゴーグルで本命の彼女に自分だとバレていない気がするのだが… 本当にバレていないのだろうか…?

と逡巡する話で、その悩む姿は哀れであり滑稽であり、そして自業自得だと腹立だしくもあり、面白かったですイヒヒ

 

その後の短編でも、登場人物たちとエピソードが上手く交錯していて、連作短編集の醍醐味である、登場人物達の“その後”を別の話で知ることができたので、読後は「完全燃焼」感がとてもあり良かったですラブ

 

私はウインタースポーツを全くやらないので、雪山の事情や、スノボーやスキーの専門的な話はよく理解できませんでしたが、それでも本書は楽しかったので、是非是非ウインタースポーツをやる人もやらない人も読んでみてくださいね★恋愛の指南書には決してならない内容だけれども、群像劇として楽しめること間違いなしですよ〜桜

 

 

 

 



  ├ 東野圭吾 -
葉真中顕 『コクーン』

 

 

*あらすじ*

 1995320日、カルト教団『シンラ智慧の会』通称「シンラ」の教祖、天堂光翅の命を受け、白装束に身を包んだ6人の信者が、丸の内で無差別乱射事件を起こす。その宗教は、1958年ひとりの女が呪われた子を産む決意をした日に始まる。たとえ今、生きる意味が見出せないとしても、もしかしたらこの子は、私に生きる意味を与えてくれるかもしれないと―。

 

*感想*

毎回、暗くて面白い作品を出してくれる葉真中さんですが、今回も暗くて面白かったです!!ラブ(←そのまんま)

 

本書は、

1941年〜1958年の戦時中〜戦後

2010年〜2013年の現代

この2つの時を交錯させて描いています。

また、登場人物達も交錯し、更には彼らの夢と現実も交錯するので、本書のしくみを理解するまで「何が何だか…汗」という印象を受けるかもしれません。

 

しかし、是非その「何を描いているんだ?この本は?」のパートを読み切ってください!そこを理解すれば絶対に本書は面白いですから!群像劇や交錯モノがお好きな方は絶対にハマります!ラブラブ

 

物語のテーマとしては『この世界の不条理』『宇宙・地球・人間が誕生した仕組みがわかっても、誕生した理由まではわからない』『もしも(IF)の世界はあるのだろうか、もしあるのならあの事件の当事者になっていたのは自分かもしれない』というものかなと思います。

まぁまぁテーマが重めなのと、これらのテーマの根底は『生きる』ということなので、『生』と『性』はやはり切り離せず、(グロテスクな)性描写も少々出てきて、はやり読み手を選ぶ作品になってしまっているのかも。でも、繰り返しになりますが、面白いです!こんな壮大で難しいテーマを、交錯という技術も入れつつ見事にまとめ上げている葉真中さんの意欲作・力作であるのは間違いないですぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴか

 

私が一番面白かったのは、最終章『パラダイス・ロスト』の、繭子が段々シンラという宗教にのめり込んでいく所でした。その様子は狂気に満ちていて、しかし繭子の最期に家族を思うエピソードもあり、思わず泣いてしまいましたポロリ

 

それでですね、ここが一番重要なのですが、

最後まで読まれた方は、絶対に本書冒頭のプロローグ『コクーン―2016−』を読み返して下さい!!危険

最初に読んだ時には全く意味の分からなかったその文章が、本書を読み終えてから読み直したら、鳥肌が立ちました唖然 これこそが瑠璃の父親が言っていた

『原因と結果は、常に強力な因果律によって結びついているのだ。』(P239

なのかと…

 

やっぱり葉真中さんは天才だわ…

今回も見事に夢中にさせられました。

次回作も楽しみにしていますラブラブラブ

 

 



  ├ 葉真中顕 -
唯川恵 『セシルのもくろみ』

 

*あらすじ*

平凡な生活を送る専業主婦・宮地奈央の生活は一変した。友人に誘われ軽い気持ちで応募した女性誌『ヴァニティ』の読者モデル募集で思いがけず採用されたのだ。華やかなファッションの世界に渦巻くモデルたちの様々な思惑に困惑しながらも、奈央は負けたくないという自分の中の「女」に気付く。人気女性誌『STORY』の大好評連載、待望の書籍化。

 

*感想*

2017713日からテレビドラマ放送される同名作品の原作本ですぴかぴかぴかぴか

あ〜放送開始までに読み終えて良かった!ヾ(*´∀`*)

 

本書は、普通の主婦が読者モデルになったことを切っ掛けに、自分自身と生活が変化してゆく。という物語でした。ファッション雑誌モデルの世界が舞台なだけに、女同士の醜い諍い、嫉妬、妬みが出てくる出てくるたらーっ あと、オネエなヘアメイクさんもね(本当にヘアメイクさんってオネエが多いのかな?)

 

これだけだと、女同士のイザコザを描いた3流下世話小説になってしまうところだったと思いますが、ご安心ください!唯川さんはそれだけでは終わらせません!!

本書は主人公の奈央を始め、奈央の憧れのトップモデルのミーナさんも既婚者ということで、「主婦が働きに出たいと思う心情」「主婦が働きに出ることによる家庭への弊害」「夫への気の使い方」がしっかり描かれていて、そこが私には楽しめたところでした

ラブ

妻は働きに出るにも夫の許可が必要だし、仕事を理由に家事をおろそかにもできないし、そして夫よりも稼ぐようなことがあると、男のプライドを傷つけてしまい、夫婦のバランスが悪くなってしまう可能性がある、などなど…主婦の立場をよく解っている内容で良かったですぴかぴかぴかぴかしかも奈央がちゃんと旦那さまの下手に出て、でも結局上手く自分の要求を旦那さんに許してもらう手腕には尊敬の眼差しでした!私も奈央の様にもっと夫の扱いを上手くなりたいなとてれちゃう

 

ストーリーが読みやすい内容で楽しめたのと、あと奈央が読者モデルから、美しい専属モデルへのステップアップしていく姿を実際にビジュアルで見たいので、ドラマも観てみようと思います〜♪

 

 

最後にちょっとネタバレ↓↓

 

ネタバレ注意↓↓

 

原作ではラストに奈央と南城編集長のベッドシーンが出てくるのですが、ドラマの配役では、奈央は真木よう子さん、南城編集長はリリー・フランキーさんなのですよね。まさかこのお二人のベッドシーンなんてドラマではやらないよね!?だってもうリリーさんはおじいちゃんじゃ…たらーっ

…っていうところも気になるのでドラマも観ないとだわ(笑)

 

 



  ├ 唯川恵 -
近藤史恵 『昨日の海は』

*あらすじ*

いつも通りの夏のはずだった。その事件のことを知るまでは……
海辺の小さな町で暮らす高校生・光介。夏休みに入ったある日、母の姉・芹とその娘の双葉がしばらく一緒に暮らすことになった。光介は芹から、心中と聞かされていた祖父母の死が、実は「どちらかがどちらかを殺した」無理心中事件であり、ここで生きていくために事実をはっきりさせたい、という決意を聞かされる。カメラマンであった祖父とそのモデルも務めていた祖母。二人の間にいったい何が起こったのか。
残された写真が語るもの、関係者たちの歪んだ記憶、小さな嘘……。そして真相を追う光介が辿り着いた、衝撃的な事実とは……
『サクリファイス』『タルト・タタンの夢』などで話題の著者が、海辺の町を舞台に、青年のひと夏の冒険と成長を描く、切なくてさわやかな青春ミステリー。

 

*感想*

四国の田舎町に住む男子高校生が、祖父母の死の真相を調べることにより、大人になるということを経験・成長していく物語でしたラッキー

 

祖父母が何十年も前に心中、もしくは無理心中したというエピソードは衝撃的ですが、現在の主人公である光介自身の生活は平凡で、町にも刺激的なものはないという設定のため、本書を楽しめるかどうか最初は不安だったのですが… なんと読んでみたら面白かったです!!いや、「面白い!」というよりかは「読ませてくれました!」と言った方がしっくりくるかな。まさしく著者の代表作である『サクリファイス』の時みたいに、自転車ロードレースに興味がないのに、読んでみたらハマってしまった時と同じ感じです桜

 

メインストーリーは祖父母の心中の真相を突き止めることなので、ラストでその真実を知った時は少々驚きました。しかし本書の真髄は、そのラストへ話を持っていくまでの光介の心の成長、つまり「大人になるということ。」「大人が子どもに嘘をつくとき。」「子どもが大人に嘘をつくとき。」「知らない振りをするという自己防衛と優しさ。」を見事に描いていたところだと思いました。東京への日帰り一人旅だけでなく、祖父・葉・絵里香たちのやりたい事をこの町にいながらも追い続ける姿勢に気付けたことも、とても光介には大きな収穫だったことでしょうねぴかぴかぴかぴか

あ、でもそんな風にちょっと成長した光介が、物語後半に8歳の双葉に「甘いものを食べさせたら機嫌が直るなんて思わないで」とピシャっとやり込められるところは、さすがに女の扱いまではすぐには成長しないか(笑)と笑わせてもらいましたイヒヒ

 

心中の真相を突き止めるというミステリー要素だけでなく、少年の心の成長物語としてとても良い作品だったので、本書は是非光介と同年代の子たちから大人まで、幅広い世代に読んでもらいたい物語だと思いましたラブ 是非夏休みにでも読んでみて下さいね〜〜ぴかぴかぴかぴかわーい

 

 

 

 



  ├ 近藤史恵 -
朝井リョウ 『世にも奇妙な君物語』

 

*あらすじ*

2015年に25周年を迎えたテレビドラマ、「世にも奇妙な物語」の大ファンである、直木賞作家・朝井リョウ。映像化を夢見て、「世にも奇妙な物語」のために勝手に原作を書き下ろした短編、五編を収録。

かわいい1 シェアハウさない
かわいい2 リア充裁判
かわいい3 立て! 金次郎
かわいい4 13.5文字しか集中して読めな
かわいい5 脇役バトルロワイアル

 

*感想*

テレビドラマ、「世にも奇妙な物語」の原作として(勝手に)書き下ろしたそうですが、これは本当に映像化できる面白さだったと思いますぴかぴかぴかぴか是非とも映像化お願いしたいです!わーい

 

世にも奇妙な〜といえば、「もしも、こんな世界になってしまったら怖いな」という世界が描かれ、そして「ラストに戦慄のオチが用意されている」という、定番ショートストーリーだと思うのですが、本書は見事にその世界観と構成を受け継いでいました桜さすが世にも奇妙ファンだという朝井さんですねぴかぴかぴかぴか

 

もちろん全話とも面白かったのですが、私が特に印象に残ったのは、第2話目の『リア充裁判』です。近年のSNSの普及により、プライベートが充実しているというアピール用に、友人や恋人をレンタルするというビジネスがあるのをご存じですか!? 結婚式の代理出席の日常版とでもいいましょうか。私はその存在をニュースで知った時に「そんなにリア充アピールって大切?」という疑問を抱いたのですね。人と群れるのが苦手な人もいるだろうし、休日は一人でのんびりと読書などして過ごしたい人もいるでしょうから(←私)。そのように思っていたら、なんと、この『リア充裁判』では、コミュニケーション能力を高める為に、法律でSNSを推奨し、ひいてはランダムに召喚され裁判にかけられるという…唖然 軽薄であることが、コミュニケーション能力があたかも高いという様な、恐ろしい誤認世界を描いていて、近年本当にこんなことが推奨されたらどうしようと恐怖心を抱きながらも、面白く読みましたイヒヒ

 

そして5話目の『脇役バトルロワイアル』では、それまでの4話で登場した脇役の面々が再登場し、『脇役あるあるネタ』を連発していて笑えましたてれちゃう!!。登場人物の名前も「溝淳平」「八嶋智」「勝涼」「渡辺いっい」「板谷夏」「芦愛菜」と、微妙に名前を変えていても、一目でご本人を思い出すことのできてしまうもので、非常に面白かったです。これも是非このご本人たちでドラマ化したのを観たいですてれちゃう!!

 

性犯罪、コミュ障、といった少々過激な言葉を含んでいたので、その辺りで映像化は難しいかもしれませんが、朝井さんならそういうのも上手く変えて脚本にしてくれそうかなと思っています〜ムード是非2時間枠で、この5話全て見てみたいなラブ



★あ行 - その他の作家 -
川村元気 『億男』

 

*あらすじ*

宝くじで3億円を当てた図書館司書の一男。浮かれる間もなく不安に襲われた一男は、「お金と幸せの答え」を求めて大富豪となった親友・九十九のもとを15年ぶりに訪ねる。だがその直後、九十九が失踪した。ソクラテス、ドストエフスキー、アダム・スミス、チャップリン、福沢諭吉、ジョン・ロックフェラー、ドナルド・トランプ、ビル・ゲイツ数々の偉人たちの金言をくぐり抜け、一男の30日間にわたるお金の冒険が始まる。人間にとってお金とは何か?「億男」になった一男にとっての幸せとは何か?九十九が抱える秘密と「お金と幸せの答え」とは?

 

*感想*

累計100万部突破『世界から猫が消えたなら』の川村元気さんの小説第2作品です

『〜猫が消えたなら』は哲学系文芸書(またの名をお説教文芸書?)だったので私好みの小説ではなく、私の苦手な作家さんになってしまうのかながく〜…とおそるおそる2作目を読んでみたら… 今回はとっても面白かったですラブラブいや、面白いというよりも、興味深かったですぴかぴかぴかぴかラッキー

 

本書のテーマは、『お金と幸せの答えを探す』というものなので、お金との向き合い方に悩みがない方には退屈な本になるかもしれません。あと、あらすじに「3億円の宝くじが当選した男」という文言がありますが、その男がその3億円をどう使って、どんな風に生活が変わったのか?という即物的なエンタメのお話でもないので要注意です!

 

皆さんは大金持ちになりたいですか?

宝くじの高額当選者になりたいですか?

 

私はこのどちらの質問にもYESです。

しかし、もしも大金を手に入れたところで、『幸せ』になれるとは思っていません。ただ、人生の選択肢が広がるのは確かだと思っています。

住む場所を選べる。住む家を選べる。食べるものを選べる。着る服を選べる。医療を選べる。学習塾を選べる。習い事を選べる。学校を選べる。時間の使い方を選べる。

 

こういう風に、お金について私なりに色々と日々思っていることがありまして、本書ではそういう状態を「お金のことを愛しすぎている」と表現していて、とてもしっくりくるその表現に笑ってしまいました。

そして、お金を愛しすぎているがために、それをお守りの様に隠し持ったり、ギャンブルに賭けたり、宗教まがいなものに参加してしまったり、お金を有意義に生かすも殺すも、結局は人の心の弱さ強さ次第だと痛感する物語で、深々と読み耽りました。

 

しかしこれだけだと、結局大金を手に入れた人の戯言だったり、高額当選夢物語で終わってしまう本になってしまうのですが、本書の一番の読ませどころが終盤にあるので、是非とも最後まで本書を読んでもらいたいですひらめき

それは、主人公の一男が、弟の借金を肩代わりしたがために出て行ってしまった妻に、とうとう決別を言い渡されるところなのですが、この会話が本当に素晴らしかったんです

その妻の一言とは

『あなたはあのとき、私とまどかの“生きるための欲”を捨てさせようとしたのよ』

というもので、これは本当に私の心と記憶に突き刺さりました。自分が守りたいものがある、やりたい事があるのに、金銭を理由にその行動を諦めろと言われた人の哀しみをとても上手く表していて、そこから生まれる人間関係の歪が取り返しのつかないものになるという展開で胸が痛いほどに納得できる内容でした。

 

「うまくお金を使うことは、それを稼ぐのと同じくらい難しい」ビル・ゲイツ

「お金は鋳造された自由である」ドストエフスキー

「諸悪の根源はお金そのものではなく、お金に対する愛である」サミュエル・スマイルズ

 

本書にはお金に対する有名人たちの名言も載っているので、これ以上に上手いことを私は書けませんが、一言述べるならば

「でもやっぱりあったらあったで有難いです!お金ちゃん財布!!

ですかね(笑)

 

お金を愛している方は是非とも読んでみてくださいねわーい



★か行 - その他の作家 -
荻原浩 『家族写真』

 

 

*あらすじ*

ちっちゃい赤ん坊だった準子が嫁に行くんだぞ――男手一つで育てた娘を嫁がせる「結婚しようよ」。あの主人公が同年代の54歳と知って愕然とする「磯野波平を探して」。もはや見ないふりできない肥満解消のため家族でダイエットに励む「肉村さん一家176kg」他。笑って泣ける7つの家族の物語。

 

*感想*

以前、東野圭吾さんが『黒笑小説』か『歪笑小説』という笑える短編集を発表された時に、「泣ける小説を書くよりも、笑える小説を書く方が断然に難しいのです」と語っていたのですが、この『家族小説』は、そんな「難しいのです」という巨匠の言葉をぶち破り、笑いを極めていると言っても過言ではない面白さでしたラブラブラブ

 

本書は7編からなる短編集で、全話「家族」がテーマでした。ストーリー展開としては、ホロリときたり、ちょっとジーンポロリとくるような切なさを含んでいるものの、そのラストに辿り着くまでの文章にユーモアが込められていて、本当に笑ってしまうんですよ(笑)サラリと面白い文章を混ぜ込んでくるので、本当に不意を突いて笑わされます!!絶対に公共の場では読まない方がいいですてれちゃうラブ

 

全話面白かったのですが、私が特に一番笑いながら読んだ作品は、6話目の『しりとりの、り』ですイヒヒ

家族旅行中の車中での物語で、運転手である父親が「会話が足りなくないか」と怒ったところから始まる物語でした。一人で盛り上がろうと息巻く父親と、それに対して冷たく対応する家族の温度差と言葉のラリーが、とにかくシュールで面白かったです。しかも「しりとり」を利用して家族の状況を描写していくという高度な技(!?)も組み込まれていて素晴らしかった!!この笑いは天才だと思いますラブラブ

 

その他の物語でも必ず笑える箇所があって、私のツボにはまった文章を書き留めておきますね

 

・(54歳の主人公が)ステッキ買おうかな、などと考えながら。まぁ、ステッキ、という親父ギャグを思いついたことを、恥じることもなく。(『磯野波平を探して』より)

・蔓薔薇を這わせたフェンスも鉄柵で、高さはあまりない。低くて中が覗ける塀は、巨乳女の襟ぐりと一緒。自信の現れだ。(『住宅見学会』より)

 

荻原さんの作品といえば、『二千七百の夏と冬』が壮大な物語で、本当に大好きな作品なのですが、それとはまた違った面白さの本書もお勧めです!

 

是非是非読んでみてくださいね〜〜ぴかぴかぴかぴかぴかぴか

 

 



  ├ 荻原浩 -
太田愛 『幻夏』

 

*あらすじ*

「俺の父親、ヒトゴロシなんだ」少女失踪事件を捜査する刑事・相馬は、現場で奇妙な印を発見し、23年前の苦い記憶を蘇らせる。台風一過の翌日、川岸にランドセルを置いたまま、親友だった同級生は消えた。奇妙な印を残して。人が犯した罪は、正しく裁かれ、正しく償われるのか?司法の信を問う意欲作。

 

*感想*

著者のデビュー作『犯罪者 クリミナル』がとても面白かったので、2作目の本書も読んでみました〜〜桜

が… うーん…あせあせ 私にはページをめくるスピードが上がらない作品でした… すみません泣き顔

 

なぜ尚は失踪したのか?

なぜ尚のランドセルには、失踪当日の時間割ではなくて、その翌日の教材が入っていたのか?

なぜ尚の父親は死んだのか?

23年後におきた、少女失踪事件は、尚の失踪事件と何か関係あるのか?

 

などなど、沢山の謎がちりばめられていて、真実をご自身で推理したい方にはとてもワクワクハラハラする内容だったのかもしれませんが、私は推理よりも、理性と感情の間で苦しみ、そして人生を運命という波に飲み込まれていくような群像劇が好きなので、本書のひたすら真実を捜査していく物語には興味を持てず、そして一刻も早く真実を知りたくて読み進めるのに、なかなか事件の全貌に関するヒントすら与えられなくてイライラしてしまいました唖然(普段はそんなに短気でせっかちなタイプではないんですがね…ひやひや

 

今回そのイライラがピークに達したのが(負の感想ですみません)、本書中盤を超えた213ページで、鑓水が23年前の香苗たちの年賀状が、その長い年月の間、どこに保管されていたのかを知った時の台詞、

『もしそうだとしたら、23年前の事件の様相は一変する。』

のところでした。

なぜならば、この『もしそうだとしたら』の内容が、その本文の直前も、その直後も綴られなかったからです!!

これには「もしも何がどーで、そうだとしたら、どう様相が一変するのよっ!」と、心の中で悪態をついてしまいました。恥ずかしながら…泣き顔

 

本書はただ単に私の好みでなかっただけで、現場に残された暗号の秘密や、冤罪事件も絡み、奥ゆきのあるストーリーで良かったは思いました。なので推理好きな人は楽しめる作品だと思いますよ〜るんるん

私の感想なんて気にせず、とりあえず読んでみて下さいね〜ラッキー

 



★あ行 - その他の作家 -
村山由佳 『La Vie en Rose ラヴィアンローズ』

 *あらすじ*

薔薇の咲き誇る家で妻思いの優しい夫・道彦と暮らし、予約のとれないフラワーアレンジメント教室の講師、カリスマ主婦として人気を集めている咲季子。平穏な毎日が続いていくはずだった。あの日、年下のデザイナー堂本と出会うまでは。

 

後悔なら、死ぬほどしている。それでもなお、初めて堂本と口づけを交わしたあの瞬間―雷に打たれたようなあの瞬間だけは、人生の宝なのだった。いつまでもきらめく宝石のような一瞬だったのだ。

 

*感想*

エロかったです!切なかったです!そして面白かったです!!ラブラブ

 

本書を一言で表すと、『主婦の不倫小説』で、ストーリー展開は特段変わっているものではないのですが、言葉の駆け引きと心情描写がとても非常にこの上なく(←しつこい)上手で、活字の威力に圧倒されながら読み耽った作品でした。本当に面白かった!素晴らしい文章でしたぴかぴかぴかぴか

 

恋愛は『不安』との闘い

結婚は『不満』との闘い

 

こんな言葉を以前私は耳にしたのですが、本書ではまさしくその状態が描かれていて、いくつかの恋愛を経験し、そして現在婚姻生活を送られている方は、主人公:咲季子の言動にハっとさせられたり、共感したりする場面が多々あるかと思いました。

 

まず、夫である道彦からのモラハラは読んでいて不快に感じる程に度が過ぎたものでしたが、現実にはあそこまで酷いモラハラではなくても、主婦というのはある程度は夫に気を使うし、そして社会から遮断された世界(家の中)で生きている主婦にとっては、自分を評価してくる唯一の存在が夫だけとなり、「自分の価値=夫からの評価」 という危険な判断になってしまうのですよね… なので咲季子が自分の意思を仕舞い込む姿に、その状況と気持ちが理解できて、胸が痛かったです泣き顔

 

そしてそんな自分にもっと違う価値を見出したかったり、自信を持ちたかったり、主婦としてではなく女として求められることの喜びを思い出したかったりしてハマっていく不倫…

その不倫の場面では、不安との闘いと、人を求める情熱と、そしてその恋から醒めた時の悲しさが完膚なきまでに表現されていて、切なかったですポロリ

 

何度も書いてしまいますが、本当に本書の文章は最高でした。最高に良かったです。

『伝えたい気持ちと展開を文字で90%表し、ニュアンスで10%届ける。』という感じだったのです。だって、人っていつでも自分の気持ちを100%言葉にするわけではないですよね、80%とか90%だけ言葉にして、あとはニュアンスと空気感で相手の気持ちを汲み取るのが現実だから、本書はとてもリアルでした。

 

そして最後に本書で一番エロかったと思うところを書かせてください(笑)

それは箱根一泊旅行の夜の

「私のこと……ちょっとは、好き?」

「今さら何言ってんの?そうじゃなかったら、なんでこんなことしてるんだよ。え?」

「好きでもない女に、こういうことする男だと思われてんの、俺」

 

のシーンだったんですけど… あー、是非このシーンを皆さんはどう受け取ったのか語り合いたい(笑)

旦那からのモラハラはストレス以外の何物でもないのに、年下の愛人からの主導権を握られている上から台詞には思わずキュンとしてしまいました 女心は複雑ですねwイヒヒ

 

 

 

 



  ├ 村山由佳 -
畑野智美 『罪のあとさき』

 

 

*あらすじ*

中学時代の同級生、正雄と再会した楓。正雄はかつて、同級生を殺害していた。

何事もなかったかのように接する正雄。楓は、殺害した理由などを訊けないまま徐々に正雄と過ごす時間が長くなっていくが、それにはある事情があった。

罪を背負った人間は償ったあと、どのように生きていけばよいのか。少年犯罪のゆくえは…

 

*感想*

中学生時代に同級生を殺害してしまった正雄と、そのクラスメートだった楓が大人になってから再会し、過去との向き合い方と、この先の生き方を探っていく物語でした。

 

少年時代に犯罪(殺人)を犯してしまった人は、大人になってからどう生活していくのか?と興味があったので本書を読んでみたのですが、本書は私が求めているその答えを描いているような内容ではなく、設定や展開に違和感を抱く箇所もあったために、残念ながら私の好みの小説ではありませんでした…泣き顔

 

**ここからネタバレを含みますのでご注意ください**

 

正雄にはアスペルガー症候群かサヴァン症候群なのかと思われる、ある特定分野においての記憶力が抜群に良いことと、他人の気持ちを察することが苦手という特性がありました。その特性があったからこそ、中学時代に永森くんの言葉を真に受けて、彼を殺害してしまうという展開と、ストーカー被害の後遺症で男性との交際に臆病になっている楓の心にスッと入り込むことができたという展開になれたという重要な設定であるのはわかるのですが、 『症候群の子=人を殺せる子』という偏見を抱きかねない危険な設定だったと思うので、私は純粋に楽しめる小説ではありませんでした。

特にP.186

 

人を殺すというのは、動機の問題じゃない。殺せるか、殺せないか、その人個人の性質の問題だ。卯月くんは、人を殺せる。

 

の箇所は、本当に「個人の性質」と受け取る読者がどれだけいるのだろうか?と思いました。

 

他にも、正雄が永森くんを殺害した時に「殺すべき命だ」と心の中でつぶやいたのを、私はとても恐ろしく感じ、そして人間として最低な考え方だと思いました。しかしそんな考え方も楓と一緒に暮らすことによって何か変化が起きたかと少し期待したのですが、ラストで「守るべき命だ」と言ったことで、命の選別をしている正雄はやはり恐ろしい人で、何も昔から変わっていないんだなと、気持ち悪い終わり方でした。

 

結局本書の伝えたかった事は何だったのだろう…

犯罪者との恋愛を成就させる難しさかな?

そういえば、幼少期に言葉を発することをしない妹・千尋が、数年後に全く問題なく発声・会話できるようになったという展開にも唖然としてしまいました。こういうのは個人差あることなのでいいんですけどね… でもあれだけ正雄の家庭環境の不安定さを千尋のことのネタにしていたのに…

 

今回は不満の多い感想ですみませーんモゴモゴ でも文章は読みやすくて良かったので、機会があったら著者の他の作品も読んでみますね!!

 



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