SexyZoneの中島健人くんと読書が大好きな主婦の読書記録です☆
年間100作品読破を目指して日々読書に明け暮れ、本を通して感じた事や感動を忘れたくないので、記録として綴っています(*^。^*)
佐藤正午 『Y』

*あらすじ*

ある晩かかってきた一本の奇妙な電話。北川健と名乗るその男は、かつて私=秋間文夫の親友だったというが、私には全く覚えがなかった。それから数日後、その男の秘書を通じて、貸金庫に預けられていた一枚のフロッピー・ディスクと、五百万の現金を受け取ることになった私はフロッピーに入っていた、その奇妙な物語を読むうちにやがて、彼の「人生」に引き込まれていってしまう。この物語は本当の話なのだろうか?時間を超えた究極のラブ・ストーリー。

 

 

*感想*

2014年に読んだ『身の上話』以来、久しぶりに佐藤正午さんの作品を読んだのですが… 本書も非常に面白かったです!!桜ぴかぴかラブ

2018年の年明け1冊目から、こんな面白い本を読めて嬉しいわ〜ラブラブラブ

 

本書の内容は少々トリッキーというか、時間軸が2本ある物語展開なので多少混乱するかもしれません。でもね、だからこそ面白かったです!!東野圭吾さんの『パラレルワールド・ラブストーリー』が面白かったと思った方には絶対にお勧めだし、その東野さんの作品を読んだことがない方も、こういう時間軸が飛ぶ物語の面白さを堪能できる傑作だと思うので、是非読んでみてほしいですラブ

 

具体的にどの様なストーリーだったのかというと、

 

***ここからネタバレを含むのでご注意ください***

 

本書には4人のメインとなる登場人物がいます。

北川健

秋間文夫

水書弓子

西里真紀

 

この4人の人生が、1980年9月6日の夜に起きた電車の事故を分岐点に、ふた通り存在する。

という物語でした。そう、まさしくアルファベットの「Y」の様に、あの瞬間を分岐点に人生がふた通りあるのです。

 

砂時計1回目の人生では、北川健が水書弓子に一目ぼれし、デート?に誘うも、弓子が電車事故で心身ともに傷つき自殺。その後、北川は電車事故の慰霊式で会った西里真紀と結婚。秋間は独身のまま43歳。

北川は弓子を救えなかった罪悪感と「もしもあの時に…」というパラレルワールドに希望を抱き、1980年のその日に戻る。→2回目の人生が始まる

 

砂時計2回目の人生では、その日に戻ってきた北川健が水書弓子を事故に遭う電車から降ろし、秋間にもその電車に乗らないように弓子から伝えてもらう。弓子は事故に遭うことなく秋間と結婚。しかし1998年現在では弓子と秋間の結婚生活は事実上破綻していて、秋間は西里真紀と不倫。北川はそんな弓子と秋間の結婚生活と、西里真紀の生活を見守りながらひっそりと暮らし、しかし本当はこの人生には1回目というものがあったのだと、フロッピーディスクに1回目の物語を綴り秋間へ代理人を通して渡す。

 

が物語のほぼ全貌なのですが… 誰が誰とどういう風に繋がっていったのか?というのを小出しに読者に伝えていく著者の構成力は完膚なきまでにお見事なので、とにかく没頭して読んでしまいました。いや、読みこみました!!

 

そして未読の方がここでこんなにネタバレを読んでしまったとしても、本書にはまだ上記の他にも「オチ」があるので是非読んでください その「オチ」という最後に明かされる謎を読んだ後は「やはり人の寿命は決まっているものなのかポロリ」と悲しくなるけれど、でもそれが「現実」と感じました。

 

「もしあの時に戻れたら…」と誰しもが一度は思ったことがあるであろうからこそ本書は面白い。

そんなもしもの世界の片鱗を見せてくれる作品は本書しかないと思います。是非読んでみてください桜

 



★さ行 - その他の作家 -
あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございますかどまつ

 

って、もう年を越えてから1週間以上経ってしまったのですが…(^^;)

更新が不定期なうえ、12月のラストの更新から約1か月も更新できずに本当にすみません汗

読みたい本は山のようにあるのに、とにかく読む時間がなくて…ポロリ

具体的に何をしていて時間がなかったのかと言うと…

 

プロフィール欄にも書いているのですが、ワタクシSexy Zoneを応援しておりまして、特に中島健人くんが好きなため、ツムツムというゲームに忙しかったり、ニンテンドー Switchを抽選でなんとか購入できたため、そのソフトのスプラトゥーン2というゲームに忙しかったり、あとはパートのお仕事、主婦のお仕事、母親としてのお仕事などなど…と。ほんとね、毎日やりたい事がたくさんあって、幸せです(笑)

でも、活字愛は永久に不滅だし、そろそろ本気で読書時間の割合を増やしていかないと自分に対して罪悪感もあるので、今年はまた月に3冊は読めるように頑張っていこうと思っているので、良かったら時々ブログを覗いてみてください★

 

本当は2017年に読んだ本の総括もしたいところなのですが、早速読み終えた本の感想を書きたいので、総括はまた今度にします… 

 

今年も素敵な本に出合えることをお祈り申し上げますぴかぴかぴかぴかぴかぴか



★みわゆ〜の日常 -
池井戸潤 『アキラとあきら』

*あらすじ*

零細工場の息子・山崎瑛(あきら)と大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬(かいどうあきら)。生まれも育ちも違うふたりは、互いに宿命を背負い、自らの運命に抗って生きてきた。やがてふたりが出会い、それぞれの人生が交差したとき、かつてない過酷な試練が降りかかる。逆境に立ち向かうふたりのアキラの、人生を賭した戦いが始まった――

 

 

*感想*

やはり池井戸さんは天才なんですね!!!!

と確信した傑作でしたラブラブ桜ぴかぴか

本当に面白かった!!!!

家事育児、そしてパートのお仕事など全てを放り出して24時間ぶっ通しで読みたいと本気で思いました。しかしそんなこともできないので、毎日泣く泣く栞を挟んでは読書を中断し、少しずつ読み進めたのですがね…泣き顔

 

本書は、零細工場の息子・山崎瑛(あきら)と大手海運会社の御曹司・階堂彬(かいどうあきら)、2人のあきらの人生を描いた物語でした。

父親の会社が倒産し、経済的に苦しい学生時代をおくっていた山崎瑛。大手海運会社の御曹司で経済的には不自由のない暮らしだが、その跡取り問題や親族間でのトラブルが絶えない階堂彬。

この生まれも育ちも違うあきらたちが大学で出会い、そしてその後の就職先でとうとう人生が交わり始めた時、2人の未来を大きく変えであろう戦いに挑むことになり―。という話で、人生とは戦いの連続である。と言ったりもしますが、この瑛と彬の人生もまさしく波乱と戦いの連続で、読んでいて本当にドキドキラブハラハラ唖然ワクワクラブラブシクシクポロリさせられました。

 

具体的に、何にドキドキハラハラワクワクシクシクさせられたのかと言うと、池井戸作品なので、もちろん今回も銀行の融資部と、その融資を受ける企業が登場してきます。まず、アキラとあきらが、どういうポジションで物語が進んでいくのか…もうそこからドキドキラブしました。バンカー同士として対峙するのか、バンカー対経営者としてなのか、もしくはそれぞれが経営者となっていて、それぞれ銀行と対峙するのか…などなど。

そしてアキラたちが関わる会社の経営難の実情にハラハラ汗し、その苦境を切り抜けるべく繰り広げられる壮大な企業買収計画にワクワクてれちゃうし、最後はあきら2人の人情と幼い頃の思い出にシクシクポロリ感動しました。

 

「アキラとあきら」というタイトルを読んだ時に、まず相反する2人のあきらが登場していがみ合うような姿を想像してしまっていたのですが、本書はそんな器の小さな物語ではないので、ご安心ください!瑛も彬も、下衆な私欲や嫉妬などを持たず、ただお互いを敬服し、そして会社と従業員を守りたいがために一所懸命奔走する人物たちで、物語の壮大さと2人の素敵な人間性にただただ感動すること間違いなしですぴかぴかぴかぴかぴかぴか 

 

『会社を救うのか、銀行の論理を通すのか、なんのためにカネを貸すのか―』

 

今回は企業買収なども大きく関わってくる物語なので、会社の財務関係の話も多々出てくるにも関わらず、池井戸さんらしい硬派すぎない文体とストーリー展開で本当に楽しかったです。感無量。池井戸さん、ありがとうございましたラブラブラブ

 

 



  ├ 池井戸潤 -
久坂部羊 『いつか、あなたも』

 

*あらすじ*

在宅医療専門クリニック看護師のわたしと新米医師、院長らが、患者本人と家族、病とその終焉に向き合う。

終末医療、看取り、安楽死、死後処置カルテに書かれない六つの物語。

 

 

*感想*

在宅医療専門クリニックの看護師の視点を通して、終末医療と人の最期について考えさせられる物語でした病院

 

先日、久坂部さんの認知症を描いた物語『老乱』を読んだばかりで、「またそういう系(老いや最期)の本読んでいるの〜〜?」なんて言われてしまいそうですが、超高齢化社会の今、こういう話題が気になってしまうのですよね…ついついたらーっ

 

本書は、ガンの末期、筋肉が萎縮し体が動かなくなる病気の末期、認知症、などの人々の在宅医療をそれぞれ短編で描いていた物語で、あとがきで久坂部さんが「ほぼすべて実話に基づいています。」とおっしゃっています。

なので、どの物語も壮絶ともいえる病状、介護状況、死体処置が詳細に綺麗ごとなく描かれていて、まだ近親者のお別れに立ち会ったことのない私には衝撃どんっともいえる箇所がいくつかありました。。。

 

第1話目の『綿をつめる』で、ご遺体の体内を空っぽにし綿をつめていく記述が詳細に綴られるのですが、鼻・口・耳だけでなく下半身にも綿を詰めるとは知りませんでした…汗 ここの具体的な記述で、本書は「人と人とのお別れを美しく描いた“お涙頂戴物語”ではなくて、亡骸から大便を掻き出し綿を詰める作業がある“これが本当の人間の死というもの”なんだ」という“現実の死”を目の前に叩きつけられ、はっ!と目が覚めた気がしました。

 

その後の物語からは患者さんの病状とその介護者の苦悩がメインで描かれていくのですが、それはとても過酷で、「人はそこまでして長生きする意味があるのだろうか?」とも考えさせられました。本書は現場の現実を本書を通して伝えているだけなので深くは書かれていなかったのですが、尊厳死と安楽死をもっと議論する時になっているのではないかと、最終話の『セカンド・ベスト』から、読んでいてやんわりと伝わってきました。

 

20年以上前に『病院で死ぬということ』という本が有名になりましたが、本書は『自宅で死ぬということ』という視点で読んでみると良いかもしれません。

いつか、あなたも、亡くなる。

いつか、あなたも、介護されるかもしれない。

いつか、あなたも、介護するかもしれない。

だからこそ、読んで損のない1冊だと思いますよ桜

 

 



  ├ 久坂部羊 -
太田愛 『天上の葦』

 

 

*あらすじ*

白昼、老人は渋谷の交差点で何もない空を指して絶命した。死の間際、老人はあの空に何を見ていたのか。突き止めれば一千万円の報酬を支払う。興信所を営む鑓水と修司のもとに不可解な依頼が舞い込む。

老人が死んだ同じ日、一人の公安警察官が忽然と姿を消した。その捜索を極秘裏に命じられる刑事・相馬。廃屋に残された夥しい血痕、老人のポケットから見つかった大手テレビ局社長の名刺、遠い過去から届いた一枚の葉書、そして闇の中の孔雀。

二つの事件がひとつに結ばれた先には、社会を一変させる犯罪が仕組まれていた。鑓水、修司、相馬の三人が最大の謎に挑む。

 

 

*感想*

すごい本でした…びっくり

壮大なスケールと、限りなくノンフィクションと感じる裏社会の在り方に、肌が粟立ちました…冷や汗

怖いけどこれが現実なのかもしれない…ショック

でも現実にさせてはいけないのだ。

と…

 

本書は、太田さんの過去の作品にも登場している、興信所を営む鑓水と修司、そして警察官の相馬が主人公として登場します。この三人が、ある老人が最後に空を指して絶命した謎と、失踪した警察官の行方を探っていく物語なのですが… 大物政治家、テレビ局社長、警察の公安部、などの有力者たちが次々に登場してきて、どんどん物語と謎が深くなり、気が付いた時には、本書の沼にどっぷりと浸かってしまいました。

 

しかし、物語中盤は少々読むのが辛かったなーたらーっ

上巻の最後になっても、何の謎も解き明かされず、鑓水たちと公安とのやり合いはハードボイルド系銃で私には興味が持てず、鑓水たちはとある島に渡ったものの、島民の何かを隠している素振りにイライラしてしまうという始末でね…モゴモゴ

しかし、もし私と同じように中盤が苦手でギブアップしたいと感じている人がこの感想文を読んでいましたら、どうか下巻のP73からの第14章『十月十日の真相』の76項から読んで下さい!!とうとう失踪していた山波が登場し、失踪に至った経緯が明らかになっていきます。そして十五章で綴られる戦争の悲劇を通して、なんとなく本書のメインテーマがわかるようになってきて、そこからはその歴史を踏まえて、これからの私たちの生き方を考えさせられる濃い物語になっていました。絶対に面白いですぴかぴかぴかぴか

 

 

↓ここからネタバレ↓

 

↓ここからネタバレ↓

 

↓ここからネタバレ↓

 

 

 

本書のテーマは言論の自由でした。テレビニュース、新聞、週刊誌などは事実だけを報道しているわけではなく、時には政治経済の有力者たちの不利益になるようなことは報道しないように有力者から圧力が掛かり、そして時に国民を扇動する働きもあるということを訴えているものでした。しかもそのための手段に、発言力のある善良な男を偽りの罪で犯罪者に仕立て上げることも厭わないという荒業も使うのですが、それは『一罰百戒』として、その他の関係者への『みせしめ』ともなるという、読んでいて怖いものでした。

しかもそんな荒業は現代に起きたのではなく、太平洋戦争の大本営発表の改ざん・隠蔽・捏造報道が結果として多くの人の命を奪ったという悲しい過去があるのに改まらないのだろうか?そう深く深く読者に問いかけ問題提起をしてくれる重く濃い内容の物語で感銘を受けましたポロリ

 

最期に正光が渋谷の空をゆび指した先にあったもの…

それは70年前のB29が覆い尽くした東京大空襲の空ではなくて、戦後の平和になった時に正光と喜重が見た子供用ロープウェイとそこから溢れ出す子どもたちの幸せで楽しい笑い声だったのですね。

この平和が未来永劫続くことを祈って。

 

情報に溢れている現代だからこそ読んでほしい作品です。

是非読んでみてくださいねぴかぴかぴかぴか

 

 



  ├ 太田愛 -
真梨幸子 『祝言島』

 

*あらすじ*

東京オリンピック前夜の1964(昭和39)年、小笠原諸島にあった「祝言島」が噴火し、生き残った島民は青山のアパートに避難した。しかし後年、祝言島は”なかったこと”にされ、ネット上でも都市伝説になった。一方で、祝言島を撮ったドキュメンタリー映画が存在し、ノーカット版には恐ろしい映像が含まれていた。
2006121日、東京で3人の人物が連続して殺され、未解決となっている「十二月一日連続殺人事件」。無関係と思われる3人の共通点が「祝言島」だった。半世紀を経て、”消された島”の禍々しい歴史が暴かれる――!!!

 

 

*感想*

2006121日に東京でおきた未解決事件「十二月一日連続殺人事件」の被害者は、一ノ瀬マサカズ、七鬼百合、国崎珠里、3名。彼らの共通点は、日本の歴史から“なかったこと”にされている島『祝言島』らしいのだが、彼らがどう『祝言島』に繋がっていくのかを解き明かしていく物語でした。

 

祝言島という島、その祝言島の実態をドキュメンタリーとして撮った映画、それらの存在が全て『都市伝説』の様に描かれるので、この物語は実話なのかフィクションなのか、そして本当に日本に祝言島という島がある(あった)のではないか、などなど、読んでいてとても翻弄させられ、そして「信じるも信じないもあなた次第」というスタンスでの物語の進め方に、読んでいてイライラどんっさせられ、疲れるところも多かったです。 

「信じるも信じないもあなた次第、ってどういう事よ!!結局真実は何なのよ!!!?この祝言島は実際にあるの!?ないの!?で、この登場人物たちはどう繋がっていくのよっ!!!?ちっ

と何度キレかかったことか… 

でもね、でもね…そうやって言いながらも、じつは最後までほぼ一気読みだったのですよぉ〜〜〜たらーっ つまり、イライラするけど結局は真梨さんの手中にどっぷり嵌められていたってことなのでしょうね。これぞ新種のイヤミスなのだと思いました。読んでいてイライラするのに読むのを止められないというね。。。

 

 

↓ここからネタバレ↓

↓ここからネタバレ↓

 

 

 

誰が誰だかよくわからなかった登場人物達と結末を3つにまとめるとこちら

1.国崎珠里と七鬼紅玉(ルビィ)が同一人物。

2.紅玉(ルビィ)と三ツ矢の間に生まれた子どもがサラ・ノナに託され、九重皐月としてサラ・ノナ(九重サラ)に育てられる。

3.九重サラ=サラ・ノナ=嘉納明良=東雲アキラが同一人物。←すべてはこの人物が祝言島で育った者の血を引くものを全滅させるためだった。

 

ということだったのですね… 

多重人格や解離性同一性障害などを小説に登場させるのは、視覚的要素を与えられない読者に非常に不利な状況なので(そんなトリック見破れるはずがない!)好きではない展開でしたが、何にしてもちゃんと結末があって良かったですぴかぴかぴかぴか

 

今後も東雲アキラの殺害は続いていき、祝言島に関わった人々の血は絶えるのか…

その結末は是非ウェブペディアで読んでくださいね(なんてね)笑。



  ├ 真梨幸子 -
池井戸潤 『陸王』

  

*あらすじ*

埼玉県行田市にある「こはぜ屋」は、百年の歴史を有する老舗足袋業者だ。といっても、その実態は従業員二十名の零細企業で、業績はジリ貧。社長の宮沢は、銀行から融資を引き出すのにも苦労する日々を送っていた。そんなある日、宮沢はふとしたことから新たな事業計画を思いつく。長年培ってきた足袋業者のノウハウを生かしたランニングシューズを開発してはどうか。
社内にプロジェクトチームを立ち上げ、開発に着手する宮沢。しかし、その前には様々な障壁が立ちはだかる。資金難、素材探し、困難を極めるソール(靴底)開発、大手シューズメーカーの妨害――
チームワーク、ものづくりへの情熱、そして仲間との熱い結びつきで難局に立ち向かっていく零細企業・こはぜ屋。はたして、彼らに未来はあるのか?

 

*感想*

池井戸さんの作品といえば、会社経営を舞台に、資金難、開発難、そしてライバル社との敵対に立ち向かいながら、会社を経営してゆく物語が多く、その展開はもうまさに水戸黄門的で、必ず最後は正義が勝つのだろうと半ば分かってはいたのですが… やはり読んでいて面白かったですラブラブぴかぴかぴかぴかラブ

 

今回の舞台となる会社は、百年の歴史を有する老舗足袋業者「こはぜ屋」です。洋装が主流となった現代、足袋産業は斜陽産業と言われ、実際に業績も右肩下がりで、同業者で廃業していくものも少なくなく、こはぜ屋が生き残りを賭けて、新規事業のランニングシューズを作る物語でした。

 

新規事業を始めるにあたって、問題は次から次へと起こってしまいますどんっ しかしそれらの問題を知恵と人情で乗り越えてゆく展開は、自分もまるでこはぜ屋の一員になったかの様に嬉しく、時には涙を流しながら読みましたポロリ

 

また、その新規事業内容がランニングシューズというところが良いですよね!!ぴかぴかぴかぴか ただ走る。だからこそ奥が深いスポーツだと思うので、作品中で語られる「走る」についての理論やレースの駆け引きは、会社経営の駆け引きとは違う楽しさを読ませてくれて、とても良かったです桜ぴかぴか

 

池井戸さんの作品は会社経営という現実を舞台にしているのに、最後は正直者・真面目な者が勝つという夢がある作品ですよね。現実はそんなに甘くはないと誰しも分かっているけれど、現実も池井戸作品のように正義が勝てばいいのに。皆でそういう社会を作っていけたらいいですよね。

 

本書は、現実の厳しさに嫌になった会社員、会社経営者にお勧めなのはもちろんのこと、「会社の大きさではなく、自分がその仕事にプライドをもってやれるかどうかなんだ。」などの仕事との向き合い方についてもとても熱く語られているので、就活中の大学生の人にもおすすめだと思いますよ〜わーい

もちろん主婦でも楽しめましたけどねウィンク

 

ドラマも放送中ですし、是非原作も読んでみてね〜ムードぴかぴか



  ├ 池井戸潤 -
川村元気 『四月になれば彼女は』

 

*あらすじ*

4月、はじめて付き合った彼女から手紙が届いた。そのとき僕は結婚を決めていた。愛しているのかわからない人と

天空の鏡・ウユニ塩湖で書かれたそれには、恋の瑞々しいはじまりとともに、二人が付き合っていた頃の記憶が綴られていた。ある事件をきっかけに別れてしまった彼女は、なぜ今になって手紙を書いてきたのか。

時を同じくして、1年後に結婚をひかえている婚約者、彼女の妹、職場の同僚の恋模様にも、劇的な変化がおとずれる。愛している、愛されている。そのことを確認したいと切実に願う。けれどなぜ、恋も愛も、やがては過ぎ去っていってしまうのか

失った恋に翻弄される、12カ月がはじまる。

 

*感想*

派手で分かり易い事件や展開がない、文学系恋愛小説でした。

リアルでドラマチックな内容が好きな私には、かな〜り退屈な内容だったので、少々辛口な感想になるかもしれません泣き顔 ご容赦ください汗

 

過去の大学生時代の恋と、現在の婚約者との恋とを、折り重ねながら紡がれてゆく物語なのですが、主人公の藤代があまり情熱的なタイプではないので、綴られていく情景がどこか俯瞰的で、その恋の切なさややるせなさを共感したり、感じ入ることが私にはできず楽しめませんでした。

元彼女から藤代に送られた手紙も、良く言えば文学的、意地悪く言えばナルシスト的で、その手紙を通して藤代に何を伝えたがっているのか分かり難く、後半は読むのが正直辛かったです…唖然 

 

本書のテーマは多分、

「生きている限り、愛は離れていく。でも二人のあいだに残っているカケラを拾い集め、愛をつないで生きていく」

なのかなと思います。このテーマ自体にはとても興味あるし、セックスレスの妹夫婦やバイセクシャルの友人が登場してきて、このテーマを上手く多角的に見せていたとは思うのですが、私はもっとパッションを感じる文章を読みたかったな。そしてもっと明確に「四月になったから彼女はこうなった!」という変化を読みたかったです汗

 

 

私には合わない本だったけれど、愛することや結婚の意義に疑問を持っている人にはお薦めかもしれません。読んでみてくださいモグモグ

 

 

 



  ├ 川村元気 -
朝井リョウ 『何者』

  

*あらすじ*

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。

 

*感想*

直木賞受賞作品であり、人気若手俳優陣によって映画化もされている有名作品なので、以前から「読む!」「読みたい!」と言いつつ、やっと読むことができましたぴかぴかぴかぴか!

 

朝井さんの作品はこの他に2冊読ませて頂いているのですが、いつも安定の面白さだな〜 と、惚れ惚れします ラブ 本書も、朝井さんが描きたいと思っているであろう世界観と、それを具現化するための活字が見事に融合していて、今まで読んだことのないTwitter投稿文を載せるという手法に驚かされながら、その世界に没頭しましたぴかぴか 

 

人は誰しも「本当の自分」「なりたい自分」「かっこいいと思われるための自分」などなど、いくつもの顔を持っていると思うのですが、本書ではそれを「意識的/無意識にそうしているのか」という次元にまで掘り下げて問いかけてくる深い物語で、正直驚きました。

物語前半は、就職活動をやらないことで「自分はちょっと他の人とは違うんです」とアピールするイタイ男(隆良)の言動に、「ウザっ、でもこういう人いたわイヒヒ」とツッコミを入れながら軽く読めるのですが、本書後半は友人同士で本音のぶつけ合いが出てきて、しかもそれが「かっこいいと思われるための自分」「本当の自分」の辺りをエグるような、生々しい言い合いで胸が痛いのと同時に「そろそろ自分の器の大きさを認める時なんだな」と変に冷静にもなれる展開になっていて、とにかく面白かったです。そして同時に、自身の若気の至りも思い出したりもして苦笑もしましたたらーっ

 

本書のキーアイテムはTwitterなので、Twitterを利用したことがない方には、少々理解し難い部分もあるかもしれません。でも学生時代ならではの人生模索中な部分は、多分昔から変わらずあったことだと思うので、もう大人になってしまった人にも読んでもらいたいし、そして大学1・2年生頃の方々になんてドンピシャな内容だと思うので、是非読んでもらいたいですね。「大人になるということは」というヒントをもらえる作品だと思います。

 

色々な要素が含まれている作品なので、漠然とした感想文になってしまいましたが、朝井さんって天才だなと思う秀作でした。今回も素晴らしい作品ありがとうございましたぴかぴかぴかぴかわーい



  ├ 朝井リョウ -
久坂部羊 『老乱』

 

 

*あらすじ*

在宅医療を知る医師でもある著者が描く迫力満点の認知症小説。
老い衰える不安をかかえる老人、
介護の負担でつぶれそうな家族、
二つの視点から、やっと見えてきた親と子の幸せとは?
現実とリンクした情報満載の新しい認知症介護の物語。

医師、家族、認知症の本人の
それぞれの切実な“不都合な"真実を追いながら、
最後にはひと筋の明るいあたたかさのある感動の長篇小説。

 

 

*感想*

高齢化社会と呼ばれる現代、皆さんの周りには介護が必要なご家族がいらっしゃいますか?

私には差し迫って介護が必要な親族はいないのですが、介護疲れからくる事件を新聞やテレビで目にする度に「将来の自分」になるのではないかとドキっとさせられています… 

 

本書は、認知症になった義父(介護される側)と、その嫁(介護する側)の視点を交互に描き、認知症の辛さを双方の視点から丁寧に、リアルに描いた骨太作品でした。途中に介護に関する新聞記事も差し込まれるので、物語に客観性と社会の認知症に対する受け止め方も知ることができて、本当に素晴らしい作品で読んで良かったです桜

 

介護される側とする側の苦悩と苦悶が詳細に描かれているので、とにかく読んでいて切なく苦しい作品でしたポロリ 義父の徘徊、排せつの失敗、さらには自分の息子を殺しかけるという狂乱には「こんな事をされたら、介護する側が介護疲れに陥るのも仕方ないし、もう施設に入れるしかないよな…」と思ってしまうのですが、「施設に入れるということは、育ててもらった恩を忘れ、親を見捨てようとしていることなのではないのか泣き顔」という考えも出てきて介護する側の雅美と知久と一緒に悩み、苦しくて辛くて胸が痛くなりましたポロリ

 

更に本書が秀作なのは、同じ場面を介護される側の幸造の目線綴られるところなのです。その時に、幸造は何を考え、どう感じてそういう行動をとってしまったのか…認知症なので明確な理由や根拠がなく、支離滅裂ともしているけれど、それでも認知症の人なりに「家族の迷惑になりたくない」などの強い考えと思いがあって、そういう行動にでてしまうことだったり、幸造自身も「俺は厄介者…早く死にたい」と思っていたりして、大切な家族で、大切な命なのに、認知症という病気のせいで、バランスが崩れてしまう心身と人間関係に涙が止まりませんでしたポロリ

 

しかしそんな苦しい場面だけではなくて、本書ラストには、介護に対しての向き合い方と、幸造の穏やかな最期が描かれていて安心し、勉強になりました。それはフィクションがなせる業の理想論かもしれませんが、でも「認知症を否定することは、本人を否定しているのと同じ」という本文は目からウロコだったし、本書を読んでおいたおかげで、何か私の介護に関する未来が変わった気がします。

 

親族の介護もそうだし、自身の老後のことを思っても読んで絶対に損のない1冊だと思います。是非是非読んでみてください!!!!ぴかぴかぴかぴか

 

 



  ├ 久坂部羊 -
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